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Jun 24, 2004
ボグダノヴィッチ監督の処女作はコッポラ映画を〈引用〉

★映画批評家から映画監督になった『ペーパー・ムーン』(1973)のピーター・ボグダノヴィッチ監督。日本劇場未公開の処女作『殺人者はライフルを持っている』(1968)がDVD化された。
★怪奇映画の名優ボリス・カーロフが「引退を決意した怪奇映画スター」という役柄で主演した快作だ。
★この映画の中で、カーロフが無名時代のジャック・ニコルソンと共演した『古城の亡霊』(1963、ロジャー・コーマン)が〈劇中映画〉として巧みに引用されている。
★この映画、ロジャー・コーマン監督作品となっているが、実はフランシス・コッポラ監督がほとんどの場面の演出をしていた。
★ボグダノヴィッチ監督の処女作は、フランシス・コッポラ監督の無名時代の映画を〈引用〉していたのだ。
text by 田沼 雄一/Yuichi Tanuma(映画評論家)
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Jun 17, 2004
誰もがもう知っている『誰も知らない』

★B級映画オタクのクエンティン・タランティーノが珍しく「まともな映画を褒めた」と言われ、いま話題の是枝裕和監督の『誰も知らない』(2004年)。主演の14歳、柳楽優弥くんがカンヌ映画祭最優秀男優賞を最年少受賞した。
★日本人初の受賞となる快挙だった。彼によって、これまでの最優秀男優賞の〈最年少受賞記録〉を破られた人は誰だったのか?
★2001年のミヒャエル・ハネケ監督の『ピアニスト』に主演したブノワ・アジメルだった。受賞当時27歳。今回の柳楽優弥くんの受賞を知らせるニュースの中で、これまでの最年少受賞者がマジメルだったことはほとんど触れられていなかった。
★それにしても、受賞者年齢の記録を塗り替えたのが、日本人の少年だったとは意外だ。柳楽優弥くんのことは、誰もがもう知っている。
text by 田沼 雄一/Yuichi Tanuma(映画評論家)
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Jun 10, 2004
デザスター〈災害〉映画はパニックものではないっ!

★地球温暖化で北半球を大寒波が襲う『デイ・アフター・トゥモロー』(2004、ローランド・エメリッヒ)。自然災害もの、デザスター・ムービの力作。
★人為的な有事、またはモンスターなどの襲来によって、大勢の人々に犠牲の出るパニック・ムービーものとジャンルは違います。
★同じエメリッヒ監督の『インデペンデンス・デイ』(1996)はパニックもの。大ヒット『タイタニック』(1997、ジェームズ・キャメロン)がパニック映画の見本です。
★ではデザスター映画にはなにがあるんだ……豪華客船が津波でひっくり返ってしまう『ポセイドン・アドベンチャー』(1972、ロナルド・ニーム)に、竜巻が大暴れする『ツイスター』(1996、ヤン・デ・ボン)などですね。ジャンル分け、お間違いのないように。
text by 田沼 雄一/Yuichi Tanuma(映画評論家)
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Jun 03, 2004
日本映画の古典はアメリカ映画に学んでいた

★戦争によって29歳の若さで帰らぬ人となった山中貞雄監督。現存する監督作品は僅か3作品。そのうちの1本、『丹下左膳余話・百万両の壷』(1935)がDVDリリースされた。
★〈こけ猿の壷〉を巡る大騒動の顛末記。山中監督は丹下左膳と恋女房のお通のやり取りを、ホームコメディ風にコミカルに描写する。今観ても充分に新鮮。そのタッチは、『或る夜の出来事』(1934)などフランク・キャプラ監督の洒落たライトコメディを彷彿させる。
★左膳が、天涯孤独となったチョビ安という子の面倒を見るくだりは、チャップリン喜劇を思わせる。日本映画の古典的名作は、アメリカ映画の換骨奪胎だった。
text by 田沼 雄一/Yuichi Tanuma(映画評論家)
