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Oct 12, 2004

ヴィスコンティ映画祭 10月10日(3日目)

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 初回は『夏の嵐』。原作はカミッロ・ボイドの「官能」。19世紀、墺伊戦争に揺れるヴェネツィアを舞台に、伯爵夫人リヴィア(アリダ・ヴァッリ)とオーストリア将校フランツ(ファーリー・グレンジャー)の激しい恋の顛末を描いた大作。

 “メロドラマと歴史性の融合”という生涯のテーマが初めて見事に結実した、ヴィスコンティ初期の傑作だ。観たかったけど雑用に阻まれ断念。

 2回目の『ある三面記事についてのメモ』と『熊座の淡き星影』の2本立、3回目の『ベリッシマ』を観た。 『ある三面記事についてのメモ』は実験的ニュース映画『月刊記録第2号』の一篇。日本初公開。最初は15分だったが、長篇劇映画と併映する都合上、8分に再編集。ところがそれを検閲が却下。後にプリントは何らかの意図で破棄されたと思われ、現在は5分の短縮版しか残っていない。

『熊座の淡き星影』はギリシア神話「エレクトラとオレステス」をモチーフにした名門家族の崩壊劇で、禁忌に塗り込められた後期ヴィスコンティ世界の始まりを告げた作品だ。この作品のオリジナル・ネガとマスター・ポジは未だに行方不明だという。今回のプリントも十分に綺麗だったが、輝くようなモノクロの映像が美しい作品だけに、何とかオリジナルとマスターが見つかって欲しい。

 娘を映画界に入れようと奮闘する母親マッダレーナ(アンナ・マニャーニ)の姿を描いた『ベリッシマ』はスクリーン初。まず驚いたのは、“こんなにやかましかったか?”ということ。マニャーニだから当然かもしれないが、彼女だけではなく、彼女を囲むイタリアの(肝っ玉)母ちゃんたちまでもが相当やかましい。そのおかしさに、場内はヴィスコンティ作品らしからぬ笑いの洪水。『揺れる大地』でネオレアリズモの頂点を極めた後、早くもそこに問題提起をしたフシのある点が改めて注目される作品だが、まずはそういうことは忘れ、ヴィスコンティが念願かなって迎えたマニャーニの豪快な魅力を楽しみたい。

2004 10 12 | 固定リンク

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