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Mar 14, 2005

『失われた龍の系譜』スタッフ来日記者会見

1月27日/渋谷エクセルホテル東急
「ジャッキーのお母さんは中国ではよく見られる母親像。波瀾万丈で、自分の人生を家族のために捧げた人です」(by メイベル・チャン)

20050124_1 世界を舞台に活躍するジャッキー・チェン。彼は映画製作や出演だけではなく、ボランティアやチャリティー、香港映画界の若手育成など、社会的な活動も精力的に行っていることでも知られている。今や誰もが認めるスーパースターとなったそんなJ・チェンの、知られざる過去に焦点を当てたドキュメンタリー『失われた龍の系譜~トレース・オブ・ドラゴン』(公開中~新宿武蔵野館〈モーニング&レイト〉ほか全国〈地方は順次〉)を監督したメイベル・チャン(写真左)と製作総指揮のアレックス・ロウ(写真右)が来日し、記者会見を開いた。

 作品の中で、ジャッキーの父チェン・ジーピンの本名は、ファン・ダオロン。“母チェン・ユエロンとは再婚同士でお互いに子供が2人いる(つまりジャッキーには異母兄弟が4人いる)”こと。“その子供たちを中国に残してきている”こと。更に、“ジャッキーの父が国民党工作員だった”ことや、“母がかつて家族を養うためにアヘンを売っていた”ことなど、激動の20世紀を生き抜いた一家=ある中国人家族の衝撃の事実が、次々と明かされていく。

「ジャッキーは休日ができると友人を誘ってよく旅行に出掛けるのですが、2000年の旧正月に“オーストラリアにいるお母さんの具合が悪くなったのをきっかけに、お父さんが家族の真実を語るというんだ。一緒に来ないか?”と誘われたのがきっかけでした」と、作品製作のきっかけを語ったアレックスは続けて、「この作品は近年の中国の家族の苦難を描いています」とも語った。

しかし、“真実を語ろう”と自ら言った父親もすぐに事実を語ったわけではなかった。「すぐに私たちを追い出そうとしましたし(笑)、最初は怖いオヤジだと思いました。でも心は優しい方だと思います。毎日毎日ウィスキーを呑んで歌を唄い、ダンスも上手に踊ります。いろいろな話をしてもらうためにそれにつき合い、生活を共にしました」と撮影時のエピソードを語ったメイベル。彼女は『宗家の三姉妹』で近代中国史を描いた経験があったが、やはりドキュメンタリーという点での難しさはあったようだ。「ドキュメンタリーというのは劇映画より難しい。劇映画は監督がコントロールできますけど、ドキュメンタリーは題材の対象を中心にいろいろ考えなければいい話は聞き出せません。工夫をしなければいけないと思いました」。

20050124_2「ジャッキーは最初、“プライベート・フィルムようなものを撮りたい”と思っていたようで、深く考えてなかったと思います」とアレックスが語るように、当初は病気のお母さんに捧げるために撮られた作品。ところが、「ベルリン国際映画祭のドキュメンタリー部門で上映されたのをきっかけに、ジャッキーは作品としての面白さに気づきました。でも作品に出た親族は“昔のことは振り返りたくない”と戸惑い“公開するならアジアから遠く離れた国だけに”と言いました。ジャッキーもこの作品でお金を儲けようと思っていませんでしたし、これをきっかけに自分の家族をより大事にするようになりました。彼は家族が静かに暮らせることを望んでいます」(アレックス)と親族の意見が尊重され、アジアでの公開は日本だけ。「でも、撮影フィルムは5時間以上あるので、続篇も考えられます」(アレックス)と、時期を見て新たな作品を製作する可能性もあるようだ。

 しかも、お父さんのドラマティックな人生を映画化するという企画もあるようで、「今、映画化の企画が進行中です。でも中国の微妙な問題もあるので、どういう形で撮影していくか考えています」(アレックス)。メイベルも続けて、「お父さん役にピッタリな人がいるかどうか……。若い時のお父さんは二枚目でカンフーもダンスもできたので、きっと時代が違えばスターになっていたかも(笑)」。

残念ながらジャッキーのお母さんは、映画の完成を待たず2002年に亡くなってしまったそうだが、「ジャッキーのお母さんは中国ではよく見られる母親像。波瀾万丈で、自分の人生を家族のために捧げた人です」とメイベルが言うように、激動の時代を過ごした彼女の姿が、改めて歴史の重さや母親の在り方をも考えさせるこの作品は必見です!

2005 03 14 [記者会見レポート] | 固定リンク

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