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Feb 17, 2006

『アメリカ、家族の風景』監督来日記者会見

10月25日/ウェンスティンホテル東京
「男性の皆さんに警告しておきます。プロポーズするのに30年も待たせてはいけません! 遅すぎます!」(by ヴィム・ヴェンダース)

20051025_1  第37回カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いた『パリ、テキサス』(1984)から20年、再びあのコンビネーションが実現した。監督のヴィム・ヴェンダースが「『パリ、テキサス』の仕事が完璧だったため、20年間、再び組むことに躊躇していた」というサム・シェパードの脚本で、しかもその時には果たせなかったシェパードを主演にした記念すべき作品。それが『アメリカ、家族の風景』(2月18日~シネスイッチ銀座ほか全国〈地方は順次〉)。今回、そのPRのためにヴェンダースが来日し、会見を開いた。

 早速、今回、シェパードを主演にすることが出来た理由を聞いてみると、「あの時学んだ教訓を生かして、最初からは頼まなかったんだ。以前断られたのは、彼がジェシカ・ラングに恋焦がれて、僕の作品より彼女と共演する『女優フランシス』を選んだからなんだけど、まっ、私も同じ立場なら、やはりジェシカとの共演を選んだでしょう(笑)。でっ、今回は“主演をジャック・ニコルソンにしようと思う”って言ったんだ。そしたら“あいつは馬にも乗れないだろ!”とサムが言ったことで、サム決まったんですよ!」。

 物語は、落ちぶれた俳優、ハワード(シェパード)が、突如、撮影を抜け出し、30年ぶりに母親(エヴァ・マリー・セント)に会いに行くところから始まる。突然の帰郷にも温かく迎えてくれた母親から、自分に息子がいることを知らされたハワードは、半信半疑のまま昔の恋人ドリーン(ラング)に会いにいく……。

 劇中、特に異色な存在が、ティム・ロス演じる私立探偵サターだ。「アメリカの砂漠の中に迷い込んだイギリス人、という設定が面白いと思ったんだ。彼のお陰で不思議で不気味なバウンティ・ハンターになったと思うね」。

 とはいえ、ワガママなところもあったようで……。「ハワードがお母さんに会うシーンで、ティムは短く登場する予定だったんだ。でも撮影中、彼はとても不満そうで、理由を聞いてみたら“世界中で最も敬愛する女優のエヴァ・マリー・セントと一緒に映画に出ているのに、まともなシーンが1つもないじゃないか!”と怒ったんですよ(笑)。それでサムに相談して、クッキーを御馳走してもらうシーンを作ったんだけど、映画には必要のないシーンでした(笑)」。

 それだけかと思いきや、まだまだ出てくるティム話……。「最後の舞台になるモンタナ州での撮影中、またティムの機嫌が悪いんです。再び理由を聞いてみたら、今度は“ジェシカ・ラングと共演するのが長年の夢だったのに、彼女とのシーンが全くないじゃないか!”と怒ったんです。しょーがないからまたサムに頼んで、ジェシカがポテトの付け合わせを説明するシーンを追加したんだけど、これまた全く必要のないシーンだったね(笑)」。恐るべし、ティム・ロス……。

20051025_2  ヴェンダースは、この作品を最後に、1996年以降8年間住んでいたアメリカから故郷のドイツに戻ったのだそう。「アメリカで撮影することは世界を基準にすれば、近未来を撮影している、と言っていいでしょう。結果的に長く滞在し過ぎてしまったのは、この作品を撮るために5年も近く費やしてしまったからなんですが、その間に『ランド・オブ・プレンティ』も撮ったし、アメリカについては語り尽くしたという気持ちです。せっかく長年住んだアメリカですから、悪い形では別れたくなかったので、できるだけ美しい映画に収めたつもりです」。

 映画のテーマについて「アメリカに限らず、世界的な現象ですが、父親を知らずに育つ若者が増えている。私自身は自分の父親を深く敬愛しているから、子供にとっての“父親”はもちろんですが、男にとっても、父親という役割を果たすことがいかに大切か、ということを伝えたいと思いました」と語ったヴェンダースは、最後に作品の重要な部分に引っかけて、「男性の皆さんに警告しておきます。プロポーズするのに30年も待たせてはいけません! 遅すぎます!」と付け足したし、世の男性たちにアピール。うーん……そりゃ、待たせすぎです!

2006 02 17 [記者会見レポート] | 固定リンク

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