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Nov 15, 2006
『エコール』ルシール・アザリロヴィック インタビュー
「子供たちは、非常に感覚的で
ポエティックなアプローチをしてみせてくれます。
そういったところに私は惹かれるのです」
19世紀の作家、フランク・ヴェデキントの小説「ミネハハ」(=“笑う氷”)を独自に解釈し、高い塀で外界と遮断された学校(エコール)を舞台に展開される幻想的な映画『エコール』(11月4日~シネマライズほか全国〈地方は順次〉)。そこでは6歳から12歳までの少女たちが自然の生態やダンスを学びながら、“卒業”の日を待っている。男性のいない、少女たちだけの世界。そして卒業を迎えたその日、少女たちが向かうところとは……。
監督はギャスパー・ノエの公私にわたるパートナー、ルシール・アザリロヴィック。現代版「赤ずきんちゃん」とも言える前作『ミミ』(1996)に続き本作を完成させた。今回の作品は、スタイルは変わらないものの少女の描き方に変化が見られるのが特徴だ。
「人生全般に対する視点が変わってきました。例えば『エコール』と『ミミ』を比べると、『ミミ』は嫌悪感や恐怖といったネガティブな感情を元にしていましたが、今回の『エコール』では『ミミ』よりもっと豊かな世界、不安や嫌悪感に“喜び”や“光”をミックスした、より複雑な世界を作り上げることが出来たと思っています」。
そもそもアザリロヴィックが少女時代の繊細な感受性に焦点を当てるのは何故なのだろうか? 「私が子供をテーマにした作品を撮るのは、感覚や感情を描く映画を創りたいと思っているからです。子供というのは世界に対して未知の部分を多く持っています。だから、何か知らない物事に接した時に、自分なりの解釈や自分なりの想像を持ち込んだりと、非常に感覚的でポエティックなアプローチをしてみせてくれます。子供のそういったところに私は惹かれるのです」。
今回、19世紀に書かれた小説を映画化するにあたって、“時代劇にしない”ことに注意したという。「ヴェデキントの原作は19世紀末に書かれたものですが、非常に現代的な印象を受けると思います。例えば19世紀末の学校、特に女子の教育はとても厳格で締め付けの厳しいものでしたが、原作に出てくる学校は非常にユートピア的な雰囲気を持っています。その雰囲気を映画に写し撮ろうとしたのですが、“19世紀風”の映画にはしたくはありませんでした。ですから自分のバックグラウンドでもある60年代風のテイストを交え、60年代なのか21世紀なのか判らない、時空を超えたような雰囲気がでるように撮っています。ただ、ここに展開されているテーマ、“女の子は美しく可愛く、男の人に選ばれるように教育システムの中で養成される”はヴェデキントの時代も今も変わらず生き続けていると思います」。
具体的なテーマの提示もなく、淡々と、妖精のような少女たちが戯れるこの映画は、ハリウッド的な映画に慣れてきた観客には、もしかしたら異色に映るかもしれない。それに対しアザリロヴィックはこう言う。「この小説に惹かれたのも、それぞれの読者が自分なりの解釈を見つけることができるオープンな小説だから。今の映画界は観客に判らせようとする映画が多くなっています。でも私自身は、映画や絵画は観た人それぞれがオリジナルストーリーを発明できるようなオープンなものであるべきだと思っています。たとえ、作者の意図とは違っていたとしても」。これは確かに、まずピュアな気持ちで観て欲しい作品だと思う。取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)
◆ルシール・アザリロヴィック/Lucile HADZIHALILOVIC
1961年5月7日生まれ。フランス、リヨン出身。ギャスパー・ノエの公私にわたるパートナーとして知られ、短篇作品で監督、編集、演技も経験。製作と編集を担当したノエの『カルネ』(1994)で一躍注目される。初監督作は『ミミ』(1996)で本作は監督第2作目となる。
『エコール』
“INNOCENCE"
キネティック/ルシール・アザリロヴィック作品
2004年/フランス/121min./カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR)
11月4日~シネマライズほか全国〈地方は順次〉
(C) L'Ecole, by Lucile Hadzhalilovic
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受信: Nov 16, 2006 11:50:48 AM
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少女たちの性から俗世界を隔離し、
純粋に生理的時間による変容に委ねるとしたら。
そそられるポスターである。
柔らかい日差し。奥深い森の中。
少女の後姿の腰から下。白い上着とミニスカートの制服。
膝頭までくっつけた腿、そして極端なX脚のように片方の足先が開かれている。
白いミニのハイソックス、茶色い皮製の編み上げ靴。
腰の辺りに後ろ手で、指先だけが絡まれている・・・。
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