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Dec 07, 2006

『硫黄島からの手紙』キャストインタビュー

『硫黄島からの手紙』 伊原 剛志&加瀬 亮インタビュー

「家族のために、友人がたくさんいるアメリカと戦わなければいけなかった。
そういった葛藤の部分を大事にしました」――伊原

「この映画に参加できたのは僕にとってご褒美」――加瀬

2hito 『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』でオスカーを受賞し、今やハリウッドを代表する名匠となったクリント・イーストウッド。そんな彼が、太平洋戦争の激戦地となった硫黄島を舞台に、日米双方の視点から戦いの真実を描き出した二部作。それは、公開中のアメリカからの視点で描いた『父親たちの星条旗』(公開中~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)に続きいよいよ公開される、日本からの視点で描いた第二部『硫黄島からの手紙』(12月9日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)で完結を迎える。今回、ロサンゼルス・オリンピックの馬術競技で金メダルを獲った実在の人物、バロン西を演じた伊原剛志と、理想主義に燃えていたが戦場を目の当りにして気持ちが変化していく清水を演じた加瀬亮に、作品について語ってもらった。

   渡辺謙演じる栗林忠道中将が硫黄島に赴任してからアメリカに占領されるまでを描いた本作は、二宮和也が全体の案内役として存在するものの、兵士たち個人の苦悩や精神状態に焦点を当て、丁寧に描いている。伊原と加瀬の出演シーンも尺としては短いが、スクリーンでの印象は強烈だ。「実際、バロン西さんの息子さんにお会いして、いろいろな話を聞きました。おそらく“バロン西”という人物は自由奔放な人だったと思います。だけど、家族のために、友人がたくさんいるアメリカと戦わなければいけなかった。そういった葛藤の部分を大事にしましたね」と語る伊原は、「撮影中、銃声や爆音は劇場で映画を観るようにリアルでした。ただ、そういった緊迫感がその時の演技に影響するかというとそうでもないですね。役は出来上がっていましたし」と、自分の演技に対する自信を覗かせた。

一方、加瀬は、「僕はまず恐怖心ですね。それに脚本を読んだ時に、二宮君が演じた西郷と鏡のような存在だ、と思ったんです。物語が進むにつれ二人は成長していきますが、常にその中で彼と向き合う存在だ、ということを念頭に置いていました」と語り、「この映画に参加できたのは僕にとってご褒美」と謙虚に喜んでいるようだ。

 そんな二人は、本作の前に黒沢清の『叫』(2007年陽春~シネセゾン渋谷ほか全国)で共演している。「『叫』の撮影中、お互いにこの作品に出演するなんて知らなかった(笑)」(伊原)。「撮影の合間、伊原さんはよく見守っててくれました。それにアル・パチーノの舞台に連れて行ってもらったんですよ(笑)」(加瀬)。「僕が“生”アル・パチーノを観たかったから(笑)」(伊原)。優しく見守る兄貴肌の伊原と実直な弟的存在の加瀬の関係は劇中でも重要なシーンに反映されている。“清水”は“バロン西”の行動からアメリカに対する気持ちを変化させていくのだ。

 心の細かい襞を描く手腕に長けたイーストウッドの下、日本のベテランと新鋭が挑んだ本作。彼らのコラボレーションがどんなふうに仕上がっているのか、アナタ自身の目で確かめて!

伊原 剛志/Tsuyoshi IHARA
1963年11月6日生まれ。大阪府出身。1982年にJAC(現在JAE)に入団。翌年、舞台「真夜中のパーティ」で俳優デビューを果たす。以後、数々の作品で経験を積み、1996年のNHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」で一躍お茶の間の人気を集める。TV、映画、舞台とジャンルを問わず活躍するベテラン俳優。

加瀬 亮/Ryo KASE
1974年11月9日生まれ。神奈川県出身。『五条霊戦記』(2000)で映画デビューを果たし、以降、TVやCM等でも積極的に活動。映画はこれまでに40作品以上出演している。主な出演作に、『誰も知らない』(2004)『ニワトリはハダシだ』(2004)『パッチギ!』(2005)等、多数。主演作の『アンテナ』(2004)では日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞した。最新作は周防正行待望の新作でもある『それでもボクはやってない』(2006)『オリヲン座からの招待状』等が公開待機中。今後の活躍から目が離せない若手俳優。

Iwojimamain硫黄島からの手紙
“LETTERS FROM IWO JIMA”
WB/クリント・イーストウッド作品
2006年/アメリカ/141min/カラー
/スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
12月9日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系ロードショー
(C)2006 Warner Bros.Entertainment Inc.and Dream Works LLC.

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 12 07 [記者会見レポート] | 固定リンク

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