PauseBLOG 記者会見・コラム

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Jun 16, 2007

《追悼 映画監督 熊井啓 =戦後/日本/社会=》開催

徹底して社会正義を主張した数多くの作品で、人間の善と悪を世に問い続けた映画作家、熊井啓Ai_roman7

社会派として日本映画史にその名を残す名匠が、今年5月23日、くも膜下出血で亡くなった。享年76歳。そこで今回、常に闘い続けた《映画作家・熊井啓》の創造の軌跡を辿るべく、《追悼 映画監督 熊井啓 =戦後/日本/社会=》と題された特集上映が開催されることになった。上映作品は、現在上映可能な監督作品17作品に初期脚本作品1作品を加えた18作品で、公開された順番にプログラムされている。全監督作品が揃わなかったのは残念だが、死後急いで立ち上げられた企画にもかかわらず観られないのが2作品(『黒部の太陽』〈1968〉『地の群れ』〈1970〉)だけというのはかなりのもの。この機会に、ぜひ《映画作家・熊井啓》の軌跡を辿ってみてはいかがだろうか。

《追悼 映画監督 熊井啓 =戦後/日本/社会=》
開催期間:2007年6月16日(土)~8月25日(金)
会場:銀座シネパトス
   中央区銀座4-8-7先 三原橋地下
上映時間:連日20:40~レイトショー
(但し一部作品に変則有)
料金:1,300円均一
  (学生・女性・シニア1,000円)
※ 上映プログラム等の詳細はHP http://www.humax-cinema.co.jp
をご覧頂くか電話03-3561-4660までお問い合わせ下さい。

2007 06 16 [シネマニュース] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

渋谷、博多、いよいよあと1週間です!

日本全国で密かにブーム再燃の兆しを見せつつある(と思う)ロマンポルノ。始まりは、2005年10月からジェネオン エンタテインメントで始まった本格的なDVDリリースだったように思います。

そしてその後の上映会、マスコミでの露出等を経て、今年の3月25日から4月21日まで東京・ラピュタ阿佐ヶ谷で開催された特集上映「性と愛のフーガ 田中登の世界」は、劇場記録が出る大ヒットになりました。それを受けて6月2日から全国で順次、ロマンポルノの特集上映が始まっています。1つ「性と愛のフーガ 田中登の世界」、もう1つは「官能の帝国 ロマンポルノ再入門」と題した新たな企画。どちらも成人映画館ではなく一般館での開催ですので、この機会にぜひ、成人映画館には行き難いという映画ファンの皆様にもロマンポルノを観て欲しいと思います。
取り敢えず、現在開催中のシネリーブル博多駅とシネマヴェーラ渋谷は残り1週間。まだまだ名作が観られますので、ぜひお出掛け下さい。今後のスケジュールは判り次第、順次掲載して行きます。

シネリーブル博多駅〈残り1週間、編集部のお薦はコレ!〉
『(秘)色情めす市場[原題:受胎告知]』田中登作品
※ラピュタ阿佐ヶ谷の特集上映でもダントツで動員記録1位に輝いた、田中登“魂”の傑作!(因みに、残りの期間に観られるもう1作品の『発禁本「美人乱舞」より 責める!』は3位)

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シネマヴェーラ渋谷 〈残り1週間、編集部のお薦めはコレ!〉
『生贄夫人』小沼勝作品
※ こちらでも『(秘)色情めす市場』が掛かりますが、ここは小沼勝の最高傑作とも言われる『生贄夫人』を。ロケーションの美しさと濃密な愛のドラマをぜひ一度スクリーンで御堪能あれ!

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《ロマンポルノ特集上映情報》

「性と愛のフーガ 田中登の世界」
2007年6月2日(土)~22日(金)
シネ・リーブル博多駅 全6作品上映(レイト)
詳細は
http://www.cinelibre.jp/hakata/

「官能の帝国 ロマンポルノ再入門」
2007年6月2日(土)~22日(金)
シネマヴェーラ渋谷 全21作品上映
詳細は
http://www.cinemavera.com/

《ロマンポルノ書籍情報》
貴重なインタビューと資料で構成された「愛の寓話」シリーズ。
購入は
http://www.cine-pause.com/book.htm

《ロマンポルノDVD情報》
ロマンポルノ作品のDVD。
購入は
http://www.geneon-ent.net/view_default.php

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Jun 15, 2007

『恋する日曜日 私。恋した』スタッフインタビュー

「芯の強さがあるし、感性が強い子。彼女が長く映るシーンは撮っていて心地好かった」(by 廣木隆一)

Koishita_01_1数々のTVドラマで活躍し、最近では『アルゼンチンババア』(2007)で役所広司、鈴木京香らベテラン俳優との共演を果たした掘北真希。そんな彼女が“余命3ヶ月の女子高生”という難役に挑戦したんが、『恋する日曜日 私。恋した』(6月8日~新宿トーアほか全国〈地方は順次〉)だ。メガホンを取った廣木隆一は彼女の魅力を、「芯の強さがあるし、感性が強い子。彼女が長く映るシーンは撮っていて心地好かった」と語る。

 17歳の二宮なぎさ(堀北)に突然訪れた“余命3ヶ月”という宣告。なぎさは自らの足跡を確かめるように、小さい頃に過ごした海辺の町へと旅立つ。そこには幼馴染であり、初恋の人、聡(窪塚俊介)がいたのだ。まるで昔に戻ったように過ごす日々の中、なぎさの想いは深くなってゆく、しかし、聡は人妻の中山絵里子(高岡早紀)と不倫を重ねていた。病気のことも、恋心も告げぬまま、なぎさの残された時間は淡々と過ぎてゆく……。

余命3ヶ月の女子高生、いかにも最近多い感動的なドラマが待っていそうだが……。「“余命3ヶ月”っていうと凄い大感動があるのだろうな、って思いますよね。でも、ストーリーのうねりも大きくないし、芝居も大げさではありません。その線引きというのは……。僕が自分で見ていてダメなんですよ、そういうの。ウソっぽくするのはやめようと思っていました」。

主人公に“死”というハードルを設け、これまでの『ヴァイブレータ』(2003)『やわらかい生活』(2005)と同様に、じっくりと主人公を捉え、感情を映し出していく。「彼女が映っていないカットはないぐらいだったので、なぎさと僕らの距離感が一番難しかった。ベタベタでもいけないし、その逆でも。それと彼女に自由に動いて欲しかったので、(カメラは)手持ちにしました。余命3ヶ月と聞いたなぎさはきっと落ち着かない心境だと思います。手持ちなら、そんな彼女がどこへ行こうとどう動こうと映せますから」。

これまで多くの女性を描いてきた廣木。その理由を尋ねてみると、「“女性を主人公にした作品が多い”って言われますけど、基本的に男だから女だからって言うのはないですね。でも、女の人を主人公にした方が見えてくることがあるとは思います。女性の凛々しさに惹かれます」。最後にいい女優の条件を聞いてみた。「いや、それが判っていたら皆が良い女優になっちゃうし(笑)。うーん。わがままで欲張りかな……。でもよく判らない。結局、ハートで演じられるかどうかですよ。でもそれが一番難しいんだよね」。

『ヴァイブレータ』で寺島しのぶを一躍スターダムに押し上げた廣木が女優・堀北真希のどんな魅力を引き出したのか、あなたの目でぜひ確かめてみて!

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

プロフィール
廣木隆一/Ryuichi HIROKI
1954年(月日不詳)生まれ。福島県出身。『性虐! 女を暴く』(1982)で監督デビュー。ピンク映画、ロマンポルノで数多くの作品を手掛け、1989年に『童貞物語4 ボクもスキーに連れてって』で一般映画に進出。以降、女性を描いた作品に冴えを見せ、寺島しのぶの魅力を十二分に引き出した『ヴァイブレータ』(2003)では映画賞を総なめにした。本作はTVシリーズ(2005)と劇場版第一弾(2006)に続くメガホンとなった。その他の作品に『夢魔』(1994)『不貞の季節』(2000)等、多数。公開待機中の作品に『M』(2007)がある。

Koishita_02恋する日曜日 私。恋した
エム・エフボックス/廣木隆一作品
2007年/日本/97min./カラー/
ヴィスタ/ステレオ
6月9日~新宿トーアほか全国(地方は順次)
©『恋する日曜日 私。恋した』製作委員会

2007 06 15 [記者会見レポート] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 14, 2007

『選挙』スタッフインタビュー

「1票が普通にカウントされて、その通りの結果に……ならない。その衝撃が原点でした」(by想田 和弘)

Senkyo_1  2005年秋、「小泉劇場」の真っ只中。東京で気ままに切手・コイン商を営む“山さん”こと山内和彦は、ひょんなことから自民党に白羽の矢を立てられ、市議会議員の補欠選挙に出馬することに……。政治家とは全くかけ離れた人生を送ってきた山さんに、果たして勝算はあるのか? そして、山さんの選挙から見える“ニッポン民主主義”の本質とは?

私たちが知っているようで知らなかった“選挙”に光を当てた映画『選挙』(6月9日~シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉)。ナレーションや音楽を入れないシンプルな構成のこの“観察映画”を手掛けたのは、これまでテレビのドキュメンタリー番組等を数多く創ってきた、ニューヨーク在住の気鋭の映画作家、想田和弘だ。

「きっかけは2000年のゴアとブッシュの選挙を目の当たりしたこと。いわゆる「フロリダ再集計事件」です。それまでは1票入れれば普通にカウントされて、その通りの結果になると素朴に信じていたんです。ところがそうでもないことに衝撃を感じて……。“いつか選挙のドキュメンタリーを創りたいな”と思っていたところ、大学のクラスメートである山さんが自民党から立候補するって聞いて、“コレだ!”って(笑)」。

“選挙”“自民党”と聞けば、何やら真面目な作品に思えるのだが、実は“山さん”の強烈なキャラクターのお陰で一味違ったドキュメンタリーに仕上がっているのだ。「あはは。山さんは自民党とは対極にいる人だから(笑)。自由人で組織に属したことないし。でも、そのミスマッチが映画になるだろうな、と思ったんです」。その狙い通り、スーツを一着も持っていなかった山さんが、伝統としきたりと上下関係を重んじる自民党の中で孤軍奮闘する姿が何とも笑いを誘うのだ。海外の映画祭でも山さんの人気は高く、上映後に観客から拍手喝采で迎えられ“どんなにいじめられても決して腐らないのは、聖人並みの精神力”“痛々しいほど純粋”と称賛を浴びたという。

「今回、友達だから撮れたという側面がありますけど、だからといって撮影中はベタベタしないようにある程度の距離を保っていましたね。かっこいいところだけじゃなく、むしろ失敗しちゃってるところをたくさん撮っていますし(笑)。友達なのに酷いヤツだと自分でも思いますよ(笑)。でも、彼の格好悪い姿を含め、両面を描いてこそ観客は山さんに共感できるのだと思うし、それを目指しました。だから文化や国の違う人に、山さんを魅力ある人間として見てもらえてホントに嬉しかったですね」。

更に、山さんという人物を通して選挙を描いた監督には、もう1つ判ったことがあるのだという。「“選挙がどのように運営されているのか?”“自民党にはどんな勝利の方程式があるのか?”をポイントに編集しているうちに、ふと気付いたんです。この映画は選挙が直接的な題材だけど、本当の主人公はこの選挙を規定している日本の文化や社会、日本人そのものなんじゃないかなって」。そこには私たちが気付かなかった“ニッポン”があるはずだ。

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

プロフィール
想田 和弘/Kazuhiro SODA
1970年6月12日生まれ。栃木県出身。1993年からニューヨークに在住。フィクションやドキュメンタリー等、幅広く映像製作を手掛け、現在に至る。1997年、学生時代に監督した短篇『ザ・フリッカー』がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞にノミネートされた。これまでに手掛けたドキュメンタリー番組は40本以上。観察映画シリーズの第1弾として撮り上げた本作は、第57回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品となるなど、大きな話題を呼んでいる。

Senkyo02選挙
“CAMPAIGN”
アステア/想田 和弘 作品
2007年/日本=アメリカ/カラー/120min./
デジタル上映(16:9)/ステレオ
6月9日~シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉
(C)Laboratory X, Inc.All rights reserved.

2007 06 14 [記者会見レポート] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 05, 2007

「ヴィスコンティを求めて」著者インタビューが掲載されます!

昨年から続くクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」。その開催に併せて弊社が発売した書籍「ヴィスコンティを求めて」、皆様もうお読み頂けましたでしょうか?

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ヴィスコンティ研究の第一人者である映画評論家・柳澤一博さんが、2004年に日本で初めて実現したヴィスコンティの全作品上映を経て完成させた渾身の研究書です。各作品の詳細な分析を中心に、今までバラバラだった作品データの完全版も収録。読み物としては勿論のこと、資料としても今までの書籍にはない価値の高い一冊になっています。
 ヴィスコンティ・ファンの方からこれからヴィスコンティを観て行こうとしている方まで、幅広く読んで頂ける内容に仕上がっていると思いますので、ぜひ一度お読み頂ければと思います。
 そんな「ヴィスコンティを求めて」の著者・柳澤さんが、先日、日経NETのWeb Magazine「日経WagaMaga」のインタビューを受け、本日から5日間(6月4日~8日)に渡って掲載されます。バックナンバーとしても閲覧可能なようですので、続けて読めないという忙しい方でも安心。本書を読んだという人もまだ読んでいないという人も、ぜひ読んでみて下さい。本書にはないお話が聞けるかもしれませんよ!

日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビューはこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx


《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報

「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
     『ルートヴィヒ 完全復元版』
     『イノセント 完全復元&無修正版』
〈札幌〉シアターキノ   ~2007年6月8日
    
http://theaterkino.net/sakuhin.html
〈青森〉シネマヴィレッジ8・イオン柏
    2007年6月9日~29日
    
www.cinemavillage8.com/index.html
〈東京〉イタリア文化会館
    2007年7月24~30日
    
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
〈愛媛〉シネマルナティック湊町
    2007年8月4日~10日
    
http://www.geocities.jp/s_fukio/fukio/

尚、東京のイタリア文化会館では映画祭と併せて、
篠山紀信による「ヴィスコンティの遺香」写真展が開催されます。
その詳細につきましては近日中にお知らせ致します。

ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト 
www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html

2007 06 05 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 02, 2007

リアルな“愛の物語”としてロマンポルノを……

 世界にも類を見ない、“ロマンポルノ”というある意味圧倒的な存在感を放つ“プログラム・ピクチャー”で強烈な個性を発揮した田中登が、2006年10月4日、急性動脈瘤乖離で急逝した。69歳。最近ではTV映画に活躍の場を移してはいたが、まだまだ現役。早すぎる死だったと思う。そんな一人の映画作家が創り出した世界を今再び世に問うべく、日活撮影所の同期でロマンポルノ17年間を走り抜けた小沼勝の尽力によって実現した企画が、「性と愛のフーガ 田中登の世界」だった。2007年3月25日(日)から4月21日(土)までの28日間、東京・ラピュタ阿佐ヶ谷で開催されたこの特集上映には女性も含む多くの観客が集まり、劇場動員記録も更新したという。

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    映画産業が斜陽の一途を辿る中で撮影所システムによる映画製作を守るためだったとはいえ、ロマンポルノと名づけた映画を創り始めた老舗、日活に当時の世間の目は冷たかった。撮影所システムの伝統と映画への強い情熱で創られてはいても、まだアダルトビデオのなかった時代、それらの作品が男性観客の性欲を満たす商品として認識され、消費されて行ったことは否めないし、それを間違いだと非難することも出来ない。映画批評家ですら一部を除き、実際に観ることもなくそうした色眼鏡でロマンポルノを公然と非難、差別した。しかし、ロマンポルノはただのポルノではなかった。ただのポルノだったら、性表現に際限がなくなった現在では、きっと古臭いだけの遺物でしかありえない。だがロマンポルノは違った。それは、様々なカタチの愛の物語を描いた紛れもない“映画”として、今も妖艶かつ生々しくスクリーンに立ち上がる。

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『実録 安部定』

   2005年10月からジェネオンエンタテインメントによって漸く系統的なロマンポルノ作品のDVD化が始まり、久しぶりに一般劇場でロマンポルノの特集上映が組まれるようになった。そして現在、往年のファンは勿論、男女を問わず若い世代もロマンポルノを観ている。だがそうした中で、ノスタルジーではなく、積極的にロマンポルノの面白さを再発見しようとしているのは、恐らくアダルトビデオ以降の若い世代なのではないかと思う。ロマンポルノには物語があり、そこには恋愛を語れば普通は避けて通れない“セックス”がしっかり描かれている。そこに自然に注目し、色眼鏡なしに一般映画と同じ目線で観始めた若い世代、特に女性たちにとっては、セックスを描かない恋愛物語はリアルではない、面白くないという感覚があるようだが、それこそがロマンポルノ再発見のきっかけになるのではないか。アダルトビデオ台頭で社会の性に対する意識は間違いなく変化した。そうした空気の中で育った若い世代にとって、ロマンポルノの性描写は物語を超えて特別意識されるような過激なものではなく、物語をリアルに感じさせてくれるために必要不可欠な要素に過ぎない。何か後ろめたいものではなく、当たり前に日常にあるものとしてロマンポルノを捉え直す。そうした考え方こそが、きっとロマンポルノを再発見して行くと思う。
 田中登の言葉を借りれば、「愛の物語を皆が狂ったように千何本も撮った」という意味で、今でも圧倒的存在感を放つロマンポルノ。1971年11月から1988年6月までの17年間で1,134本、女と男だけを見つめて創られ続けた“愛の寓話”。それだけの本数があれば勿論、傑作から駄作まで玉石混交だ。それでも、最後の撮影所システムが生み出した作品群として、どの作品も一度は観てみたいと思う。1本1本の評価は勿論基本だが、プログラム・ピクチャーである以上、ロマンポルノにはある程度まとめて観てこそ見えてくるものがあるはずだから。DVDと特集上映で見る環境が整ったこの機会にぜひ、偏見と差別というフィルターで長らく一般観客の目から遮断されてきた多くの“美しき愛の寓話”が、一人でも多くの人に観て貰えればと思う。

text by T.Uchida

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『さすらいの恋人-眩暈-』 (C)日活

《ロマンポルノ特集上映情報》

「性と愛のフーガ 田中登の世界」
2007年6月2日(土)~22日(金)
シネ・リーブル博多駅 全6作品上映(レイト)
詳細は
http://www.cinelibre.jp/hakata/
※ラピュタ阿佐ヶ谷とはプログラムが若干異なります。
〈編集部のお薦め。まずはコレ!〉
『実録 安部定』田中登作品

「官能の帝国 ロマンポルノ再入門」
2007年6月2日(土)~22日(金)
シネマヴェーラ渋谷 全21作品上映
詳細は
http://www.cinemavera.com/
※『ラブホテル』はプリント不良のため上映中止となりました。
 代替作品は『鍵』です。
〈編集部のお薦め。まずはコレ!〉
『さすらいの恋人たち 眩暈』小沼勝作品

《ロマンポルノ書籍情報》
貴重なインタビューと資料で構成された「愛の寓話」シリーズ。
購入は
http://www.cine-pause.com/book.htm

《ロマンポルノDVD情報》
ロマンポルノ作品のDVD。
購入は
http://www.geneon-ent.net/view_default.php

2007 06 02 [ロマンポルノ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック