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Sep 30, 2007
“ヴィスコンティ生誕100年祭”開催中!
東京・渋谷/Bunkamuraル・シネマで、クレスト配給の“ヴィスコンティ生誕100年祭”が凱旋公開中です。
第1週目、一先ず『イノセント』を観て来ました。イタリアの空気がいっぱいのこの作品、やっぱりかなり好きなヴィスコンティです。さて、来週はどうしようかな? 皆様もぜひお出掛け下さいね。
『イノセント』
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※タイムテーブル等、詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ル・シネマで販売中のヴィスコンティ関連書籍》
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20
070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060
2007 09 30 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 21, 2007
“ヴィスコンティ生誕100年祭”凱旋!!
いよいよ明日から、東京・渋谷/Bunkamuraル・シネマで、クレスト配給の“ヴィスコンティ生誕100年祭”の凱旋公開が始まります。皆さん、ぜひお出掛け下さいね。

ヴィスコンティの作品、特に長尺の作品を観るにはかなりの集中力を要します。ですから、今回上映の3作品が全てDVD化されているとはいっても、集中力という点だけを考えてもやはり劇場で観るのがベスト。特に、240分という大作『ルートヴィヒ』をDVDで集中して観るのはなかなか難しいことでしょう。僕も時間の調整をして、何とか各作品1回は観に行きたいと思っています。
今回は映画祭情報と併せて、“ヴィスコンティ生誕100年祭”が始まる前後に出版された書籍の情報等を、もう一度整理してご紹介しておきます。映画を観た後で読んでみてはいかがでしょうか? きっと、ヴィスコンティの世界により魅了されることと思います。
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※タイムテーブル等、詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
www.choeisha.com/eiga.html
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060

2007 09 21 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 19, 2007
ロマンポルノ特集上映最新情報です
名古屋シネマテークでのロマンポルノ特集上映のスケジュール及びプログラムが正式発表になりましたのでお知らせ致します。
上映内容は、ラピュタ阿佐ヶ谷(2007年3月25日~4月21日)で開催された「性と愛のフーガ 田中登の世界」から選ばれた6作品です。どれも「田中登の代表作」と呼ぶに相応しい作品ばかりですので、お近くの方はぜひお出掛け下さい。
そしてお知らせ。「カイエ・デュ・シネマ WEB版」による内田達夫(「愛の寓話」シリーズ編者、本サイト編集長)インタビューのリンクと和訳も引き続き貼っておきます。ぜひご一読下さい。
《ロマンポルノ特集上映情報》
“特集・逝ける映画人を偲んで 2004―2006”
2007年7月27日(金)~9月26日(水)
東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(定員310席)
※この企画ではロマンポルノ3作品(『実録阿部定』『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』『ラブホテル』)を含む全54作品が上映されます。ロマンポルノ作品の上映日程、また他の上映作品等の詳細はHPで御確認下さい。
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
“性と愛のフーガ 田中登の世界”
2007年9月29日(土)~10月5日(金)
名古屋シネマテーク
※ プログラム、タイムテーブル等、詳細はHPでご覧下さい。http://cineaste.jp/
《ロマンポルノ書籍情報》
貴重なインタビューと資料で構成された「愛の寓話」シリーズ。
購入はhttp://www.cine-pause.com/book.htm
《ロマンポルノDVD情報》
ロマンポルノ作品のDVD。
購入はhttp://www.geneon-ent.net/view_default.php
《内田達夫インタビュー》
“CAHIERS DU CINEMA”WEB版 トップ http://www.cahiersducinema.com/site.php3
※トップを開いたら右端の“mouvement(s)”をクリック。
※開いたら左端“ARTICLES PRECEDENTS”の中の“LE ROMAN PORNO DU SUTUDIO NIKKATSU Ⅰ”をクリックして下さい。インタビュー掲載画面がご覧頂けます。
※“ARTICLES PRECEDENTS”内の“Ⅱ”は「カイエ・デュ・シネマ」編集部が選んだ代表作紹介(あらすじ、映画評論家・北川れい子による解説)。“Ⅲ”は3月にラピュタ阿佐ヶ谷(性と愛のフーガ 田中登の世界)で、6月にシネマヴェーラ渋谷(官能の帝国 ロマンポルノ再入門)で開催された特集上映のレポート記事です。
[以下、内田達夫インタビューの和訳]
LA VERITABLE HISTOIRE D’UN DESIR HUMIDE?:LE ROMAN PORNO DU STUDIO NIKKATSU
(“濡れた欲情”の“実録”:日活ロマンポルノ)
インタビュー・文=スティーヴン・サラザン/Stephen Sarrazin (「カイエ・デュ・シネマ」東京特派員)
通訳・翻訳=佐野 美帆/Miho Sano (横浜日仏学院 文化部門アシスタント)
1971年に登場したロマンポルノ(ロマネスク・ポルノグラフィック)のおかげで、日活は映画の製作を続けることができた。一方、東宝や松竹、東映といった他の大手は、製作よりも配給へと活動の重心を移していく。
ロマンポルノ作品は、このジャンルが誕生してから数年の間に、大きな大衆的成功を収める。そしてその後、ビデオが肉体のテーマを、シナリオをより軽視して扱うようになるまでそれは続いた。17年間で1,000本以上の作品を生み出した後、日活はこのジャンルにピリオドを打つ。その間、主にロマンポルノの枠内でのみ活躍した真の映画作家たちが登場し、同時に、根岸吉太郎や相米慎二ら後にロマンポルノの枠外に飛び出して行く若き映画監督たちが長篇作品を撮った。ロマンポルノ、そしてその後は独立系ピンク映画が、この世代全体にとっての映画の学校であった。
しかしロマンポルノのもたらしたものは、学校としての役割や、官能性の範囲に限られるものではない(しかもその官能性とは、今日においては扇情的というよりもむしろ感動的なものであるといえる)。日活は日本のもう1つの顔を発見させてくれた。より直接的で、肉体的で、実体的な顔を。今日、ロマンポルノは重要な文化的レフェレンスとして見なされている。その作品はDVDになって発売され、巨匠たちを特集したレトロスペクティヴが毎年のように東京の映画館で開催され、ロマンポルノの歴史書や批評書が刊行されているのだ。そうした流れの中から、2006年末に東京学参から刊行が始まった「Interviews with a Romance Film Creators 愛の寓話」(1、2巻発売中)を監修された内田達夫氏に、今春、お話しを伺うことができた。
スティーヴン・サラザン:この度、日活ロマンポルノについてのシリーズ書を刊行することになったのはどうしてですか。
内田達夫:ロマンポルノについて、その歴史について、何かできないかと長い間機会を待っていました。また、作品を観る機会がより増えればいいとも思っていました。そんな折、ジェネオン エンタテインメント(DVDソフトメーカー)が150作品の予定で系統立てたDVD化を始めることになったので、チャンスだと思い、現在働いている出版社、東京学参に企画を出しました。企画はすぐには通りませんでしたが説得を続けました。というのも、今日、ロマンポルノに携わった監督や俳優たちが亡くなり始めていて、今どうしても彼らの証言や資料を集め、残して行かなければならないと思ったからです。
スティーヴン・サラザン:インタビューをした監督や俳優の選択はどのように行ったのですか。時代順であったり、テーマがあったりしたのでしょうか。
内田達夫:今回発売された,DVDで観ることのできる作品の監督や俳優から選んでいきました。観ることのできない作品について語るよりも、観ることのできる作品の方が先だと思ったからです。ですからDVDの発売順であるといえます。
スティーヴン・サラザン:このDVDソフトメーカーは、どんな基準で作品を選んでいるのでしょうか。
内田達夫:発売元であるジェネオンは、ロマンポルノをいくつかのジャンルに分け、その中の代表的な作品をまず選びました。コメディー、SM、海女もの、女優もの、等です。
スティーヴン・サラザン:日本映画の歴史において、日活ロマンポルノとは内田さんにとって何を意味しますか。
内田達夫:日活は、監督やスタッフ、俳優たちを育てていこうとした最後の大きな映画製作会社で、2週間に2~3本という定期的なペースで映画を撮っていました。当時、スタジオシステムを維持できなくなっていた日本映画界は深刻な情況にありましたが、日活は諦めませんでした。ロマンポルノのおかげで日活は生きながらえたのです。ロマンポルノというジャンル自体に関しては、まず性表現の問題で日本映画を解放しましたが、それは、17年間ずっとラブストーリーだけを撮り続けながら続きました。ロマンポルノの傑作は、ラブストーリーの傑作であり、多くの場合、感動的なストーリーです。そこでは1,133本もの作品が創られました。
スティーヴン・サラザン:この本のライターや評論家はどのように選んだのですか。このジャンルの専門家たちなのですか。
内田達夫:私の出版社では以前、女性向けの映画雑誌を刊行していました。そこに書いていた評論家、ライターたちは女性が中心でした。そうした流れから、彼女たちにロマンポルノについて書いてもらうのが面白そうだと思ったのです。その雑誌でロマンポルノを特集した号を出したことがありますが、とてもよく売れました。そんなことも、ほぼ同じ執筆者陣でこの本を編集したいと思った理由です。それに、今日ロマンポルノを観るのは男性ではなく、むしろ女性の方だからです。
スティーヴン・サラザン:どうしてですか?
内田達夫:日本では、数多くのロマンポルノ作品がDVDで観られるようになりました。その一方、かつてロマンポルノ衰退の一因となった、より純粋にポルノグラフィックな映像作品であるAV(アダルトビデオ)も氾濫しています。そうした中、男性はAVですが、女性はロマンポルノを選びます。それは物語があり、基本的に主人公が女性であり、彼女たちが強い存在だからです。物語や存在感を持ったヒロインたちについて、女性同士で語ることもあるでしょう。ロマンポルノの監督たちにインタビューをした際、何人かの方がこんなことを話していました。当時は男性のために創っていると思っていたけど、今になってみれば本当の観客は女性たちかもしれない、と。1971年にロマンポルノが誕生した時、AVはまだ存在しませんでした。恐らくほとんどの男性が性欲を満たすためにロマンポルノを観たことでしょう。でもAVが氾濫する今日では、ロマンポルノはそれほど扇情的には思えません。その映画としての質の高さや脚本の質の高さをこそ、私たちは評価し研究しているのです。
スティーヴン・サラザン:ロマンポルノは、日本以外の場所でも存在し得たでしょうか。あるいは日本でしか生まれ得なかったとお考えになりますか。
内田達夫:難しいでしょうね。ところでヨーロッパの観客は、どのようにロマンポルノを認識していらっしゃるのですか。
スティーヴン・サラザン:まず、大いなる無知ということが挙げられます。ロッテルダムやパリの日本文化会館で上映される、?代や小沼の何本かの作品を、努力して発見しようとする一部のシネフィルを除けば、何もないと思います。肉体をテーマに扱った分野では、70年代ヨーロッパではパゾリーニやファスビンダー、ベルトルッチ、マカヴェイエフがいました。そしてもちろん、大島の『愛のコリーダ』もです。でも、日活の映画監督たちはそこにはつながってはいませんでした。彼らはその時代を支配していた作家主義のモデルの枠外にいたのです。彼らの作品を、日本以外の観客へと導くためにこれからしなければならないことはたくさんありますが、それはとても情熱をかき立てられることです。
内田達夫:私はやはり、非常に日本的なジャンルといえるロマンポルノが生まれたのは、日本映画界の文化的背景、そして実際的な文脈が大きく影響していると考えます。大手では考えられない低予算、2週間という撮影日数、シネアストたちが頭を働かせなければならなかった検閲の問題……。それに、やってもいいことと見せてはいけないもの、言っていいことと触れてはいけないこと……。また、日活には2つ重要な対抗相手がいました。1つは常に圧力を掛けてくる警察、そしてもう1つは独立系ピンク映画です。ピンク映画界は日活のような大きな製作会社が自分たちの領域に入ってくることを良くは思わなかったのです。
スティーヴン・サラザン:日本には、ヨーロッパのシネフィルの思想から大きな影響を受けた映画評論家たちがいます。最近では明らかにその傾向は弱くなりましたが。彼らは一様にロマンポルノについてはほとんど語りませんでした。
内田達夫:確かに大まかにはそうです。80年代から90年代初頭にかけて活躍した世代は基本的に何も書きませんでした。ただ70年代前半から80年代初頭、誠実な評論家たちはロマンポルノに興味を持ち、語り、分析しました。ですから、今の世代の評論家たちにもロマンポルノを再発見してもらいたいのです。先程、ロッテルダムや?代や小沼作品についてお話しされましたが、映画評論家の蓮實重彦がそこで上映された作品について書いていました。しかし、今現在の国内の観客に向けて書くことも必要です。日活やロマンポルノが、時代を超える映画作家を生み出したことには疑いの余地がないのですから。例えば、昨年急逝された田中登もそうした1人です。第3巻では彼についてのページが多くなる予定です。彼と組んだスタッフや女優たちから証言や資料を頂き、まとめようと思います。
スティーヴン・サラザン:ロマンポルノ作品の中で、各ジャンルごとの傑作はどの作品だとお考えですか。
内田達夫:プログラムピクチャーですからジャンルで考えるべきかもしれませんが、むしろ優れた監督、好きな監督で考えてしまいます。?代辰巳や田中登、そしてロマンポルノで最も好きな監督、小沼勝。それに、脚本家として他の監督とコラボレートしつつ監督としてもデビューした石井隆です。
スティーヴン・サラザン:近年、日本の若い観客が日本映画に戻って来ています。彼らはロマンポルノのDVD発売や特集上映に興味を持つでしょうか。
内田達夫:この後、単館系の小さな映画館や国立フィルムセンターでの特集上映が予定されていますが、ロマンポルノがメインストリームになることはないのではないでしょうか。それでも、ベテランのある監督がこう言っていました。ロマンポルノは男性の性欲を癒すものとして創られたけど、世代を超えて作品は見直されていくだろう、と。作品の存在意義に対するその信念には感動を覚えます。その一方、「ポルノ」というネーミングについて、あるプロデューサーは後悔していました。この言葉によって観客の偏見を背負ってしまったことは否めないからです。しかしそれでも、ロマンポルノ作品は観客の好奇心を駆り立て、そしてもっと観たいという意思を抱かせてきました。それは今日まで続いています。このインタビューの前にお話されていたように、ポップカルチャーとしても少しずつですが確実に浸透してきました。
スティーヴン・サラザン:日本の70年代は黄金時代でした。ジャパニーズ・ヌーヴェル・ヴァーグに加え、日活や東映、そして若松孝二の作品がもう1つの自由を体現していました。
内田達夫:その通りですね。それを象徴する1つの例を、ロマンポルノ関連のことからお話しましょう。2001年に、渋谷の約1,200席を擁する大きな映画館(渋谷パンテオン:現在閉館)で、ロマンポルノのオールナイト特集上映が行われました。会場は満席になり、うち6割が女性だったそうです。そして『実録阿部定』上映後、観客は立ち上がって拍手をし、それは数分間続いたといいます。この上映会は今や伝説です。その時、70年代に創られたロマンポルノは新しい世代の観客に再発見され、その衝撃は時代を超えたのです。
2007 09 19 [ロマンポルノ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 18, 2007
『明るい瞳』スタッフインタビュー
「“真実”を伝えるために使われるコミュニケーションツールは
“身体”なんだよね」(by ジェローム・ボネル)
兄夫婦と同居しているファニー(ナタリー・ブドゥフ)。誰からも愛されてないと感じている彼女は意志の疎通が上手く出来ず、他人からは“心に病を抱えた女の子”と思われていた。そんなある日、兄嫁の秘密を目撃してしまった彼女は、とある自分の願いを叶えるため旅に出ようと決意するが、初めて体験する外の世界に戸惑いを隠せない。そんな時、ファニーは言葉の通じない木こりのオスカー(ラルス・ルドルフ)と出会い……。
上手く社会に馴染めない一人の女性。その内面の変貌をファンタジックに描いたのが、この『明るい瞳』(9月1日~シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉)だ。作品のテーマについて「“孤独”“コミュニケーション”“視線”」と語るのは、新鮮味があって叙情的な本作が評価され、若手監督にとって最高の栄誉の1つである“ジャン・ヴィゴ賞”を受賞したフランス映画界期待の若手、ジェローム・ボネル。
童話的要素を盛り込んだこの作品で特に特徴的なのは、言葉という音を際立たせた前半と、自然の音を豊富に入れ込んだ後半における演出の違いだ。「前半は、言葉の通じる人間同士なのに全くコミュニケーションが取れない状況。後半は、言葉の通じない人間同士の豊かなコミュニケーションが存在するという状況なんだ。以前から、言語がコミュニケーションの障害になる、という典型的な考えの逆を描いてみたかったんだ」。
先日取材した『ベクシル2077日本鎖国』の曽利文彦もそんなボネル同様、個人間のコミュニケーションの不足をテーマにしていた。どうやらこれは様々な形で私たちの社会に影を落としている問題のようだ。
「後半、言葉は不在であるにも関わらず、言葉の通じないオスカーとファニーの間には深い人間の交流が誕生していく。言わば言葉が不在のコミュニケーション。言葉というのはコミュニケーションの中でも、特に“嘘”をつくために使われる道具だと言えるんじゃないかな。じゃあ、“真実”を伝えるために使われるコミュニケーションツールは何かというと、“身体”なんだよね。中でも“視線”=“目”というのは、人と人とのコミュニケーションにおいて最も大切なものになってくると思う。僕はそういったことを描きたかった」。
そう語るボネルは、キャストやスタッフとのコミュニケーションを大事にしているという。「一番大事にしているのは、彼らとのコミュニケーション。それは、映画とは全く関係のない日常会話の中から生まれることが多いね。そうすることで、自然と仲間意識、連帯意識が生まれてくる。その意識が彼らの、“こういうふうに役作りをしよう”と考える創意工夫の基礎になるんじゃないかな」。
改めて、人と人が直接接する大切さや温かさを感じさせてくれる。そんな作品を手掛けたボネルの話を聞くにつれ、日本特有の“呑ミニケーション”も実は良いコミュニケーションの場なのかな、と感じたのでした……。
取材・写真・文=間宮うり/Uri MAMIYA(ライター)
プロフィール
ジェローム・ボネル/Jerome BONNELL
1977年(生月日不詳)生まれ。出身国、地不詳。パリ第三大学映画科卒業。1999年に短篇“FIDELE”で監督デビュー。その後、2本の短篇を完成させ、2001年に“LE CHIGNON D’OLGA”で長篇デビューを飾り、2002年のシカゴ映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。本作は長篇2作目にあたる。また2007年3月には第3作目“J’ATTEND QUELQU’UN”がフランスで公開された。フランス映画界期待の新人。
『明るい瞳』
“LES YEUX CLAIRS”
アステア/ジェローム・ボネル作品
2005年/フランス/カラー/87min/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
9月1日~
シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉)
2007 09 18 [記者会見レポート] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 11, 2007
“食欲の秋”に、気持ち良~くお腹のすく映画です。

こんにちは、中澤有美子です。今日から、試写で一足早く観せて頂いた映画のこと、映画を観て思ったなどを、こちら試写室日記で綴らせて頂くことになりました。皆さんが気軽に立ち寄れる、また何かヒントを見つけて頂ける場所にできたらいいな。
どうぞよろしくお願い致します。
●『幸せのレシピ』“NO RESERVATIONS” http://wwws.warnerbros.co.jp/noreservations/
9月29日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系
ところで、今年の夏は本当に暑かったですね。きっと、記憶にも記録にも残ることでしょう。おかげで、季節のコントラストがはっきりすると思います。さぁ、次は秋。“食欲の秋”がやってきます!! もちろん“芸術の秋”、大好きな“映画の秋”でもありますね。新しい季節のはじまりに、私が気になった作品は、『幸せのレシピ』です。キャサリン・ゼタ=ジョーンズがニューヨークで活躍する一流シェフを素敵に演じています。
競争の激しいニューヨーク。ケイト(ゼタ=ジョーンズ)は独身で、美人で、素敵な住まいに暮らし、弱みを見せず、仕事は超完璧。ちょっと困りモノなのは、理不尽なリクエストをするお客がいると思わず厨房から飛び出し、啖呵を切ってしまったりすること。でもそれは、眠さに打ち勝って早朝の市場に通ったり、コツコツとレシピを研究したりという、影の努力があるからこそです。“とにかく走り続けるしかないの! 愛する仕事と自分の居場所を守っていくためにはね!!” というシビレる毎日を送る反面、心理カウンセリングで悩みを吐露したりもするケイト。働く女性なら、きっと彼女の姿に親近感を覚えると思います。
苦しいけど楽しい、キツいけど達成感がある。肩にめちゃくちゃチカラの入ったケイトの日常に、予期せぬ2つの事件が起こります。ひとつは幼い姪との同居、そして厨房に入り込むライバルの出現。自分に厳しく、ストイックに、全てをコントロールしてきたはずのケイトは、二人の存在にペースを乱されるばかり。……でも、この状況もデメリットばかりじゃないみたい!?
「女性のキャリアって? 人生のヨロコビって?」
よくある悩みかもしれませんが、だからこそ気づけばそこを繰り返し彷徨ってしまったりはしませんか? えぇ、私はそうなんです(笑)。この『幸せのレシピ』は、そんな女性の永遠のテーマについて一緒に考えてくれました。
ともあれ、それはそれは見事に美味しそうなお料理たちに彩られた、だれもが気持ちよ~くおなかのすく映画です。先日お会いした、辛口かつ温かい料理評論でお馴染みの山本益博さんは、この作品で描かれている“食事のあり方”について絶賛しておいででした。もしも男性がこの映画に女性を誘うなら、さりげなく素敵なレストランを予約しておいて、そのまま楽しいディナーにいざなうとよいでしょう。きっと、株が上がりますよ!
では、また次回♪
06/09/2007 中澤 有美子
セントフォースHP http://www.centforce.com/
中澤有美子ブログ http://ameblo.jp/nakazawa-yumiko/
「安住紳一郎の日曜天国」HP http://www.tbs.co.jp/radio/nichiten/
2007 09 11 [試写室日記] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック
Sep 09, 2007
「愛の寓話」、フランスに進出……!?
「愛の寓話」シリーズ愛読者の皆様、ロマンポルノファンの皆様、御報告が遅れてしまいましたが、ちょっと嬉しいニュースです。今春、「愛の寓話」シリーズの編者で本サイト編集長の内田達夫が、フランスの権威ある映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」のWEB版編集部から、“「愛の寓話」とロマンポルノ”についてインタビューを受けました。。
その記事が少し前から閲覧可能になっています。ヨーロッパ、特にフランスは“愛”の国だけあって、諸外国の中でも“愛の寓話”ロマンポルノに早くから注目してくれていました。そんなこともあってか、2005年末から続くジェネオンによるDVDの連続発売、書籍「愛の寓話」シリーズの刊行、各地での特集上映の開催といった動きに注目し、今回の記事を組むに至ったようです。そして今後、フランスでの特集上映も計画しているとのことで、今後の展開が楽しみになってきました。世界最強のプログラムピクチャー、“愛の寓話”ロマンポルノは日本映画、日本文化の財産です。この機会に皆さんでロマンポルノを盛り上げて行きましょう!時々「発売はいつ?」とのお問合せを頂く「愛の寓話 vol.3」の代わりと言っては何ですが(いろいろあって遅れてます。お待ちの皆様、本当にすみません)、「カイエ・デュ・シネマ WEB版」のリンク先と和訳を貼っておきますので、ぜひ御一読下さい。
“CAHIERS DU CINEMA”WEB版 トップ
http://www.cahiersducinema.com/site.php3
※トップを開いたら右端の“mouvement(s)”をクリック。
※開いたら“■LE ROMAN PORNO DU SUTUDIO NIKKATSU Ⅲ”をクリック。画面最下部にバックナンバーがありますので“Ⅰ”を開いて下さい。インタビュー掲載画面がご覧頂けます。
※“Ⅱ”は「カイエ・デュ・シネマ」編集部が選んだ代表作紹介(あらすじ、映画評論家・北川れい子による解説)です。
※“Ⅲ”は3月にラピュタ阿佐ヶ谷(性と愛のフーガ 田中登の世界)で、6月にシネマヴェーラ渋谷(官能の帝国 ロマンポルノ再入門)で開催された特集上映のレポート記事です。
[以下、内田達夫インタビューの和訳]
LA VERITABLE HISTOIRE D’UN DESIR HUMIDE?:LE ROMAN PORNO DU STUDIO NIKKATSU
(“濡れた欲情”の“実録”:日活ロマンポルノ)
インタビュー・文=スティーヴン・サラザン/Stephen Sarrazin(「カイエ・デュ・シネマ」東京特派員)
通訳・翻訳=佐野 未帆/Miho Sano
1971年に登場したロマンポルノ(ロマネスク・ポルノグラフィック)のおかげで、日活は映画の製作を続けることができた。一方、東宝や松竹、東映といった他の大手は、製作よりも配給へと活動の重心を移していく。
ロマンポルノ作品は、このジャンルが誕生してから数年の間に、大きな大衆的成功を収める。そしてその後、ビデオが肉体のテーマを、シナリオをより軽視して扱うようになるまでそれは続いた。17年間で1,000本以上の作品を生み出した後、日活はこのジャンルにピリオドを打つ。その間、主にロマンポルノの枠内でのみ活躍した真の映画作家たちが登場し、同時に、根岸吉太郎や相米慎二ら後にロマンポルノの枠外に飛び出して行く若き映画監督たちが長篇作品を撮った。ロマンポルノ、そしてその後は独立系ピンク映画が、この世代全体にとっての映画の学校であった。
しかしロマンポルノのもたらしたものは、学校としての役割や、官能性の範囲に限られるものではない(しかもその官能性とは、今日においては扇情的というよりもむしろ感動的なものであるといえる)。日活は日本のもう1つの顔を発見させてくれた。より直接的で、肉体的で、実体的な顔を。今日、ロマンポルノは重要な文化的レフェレンスとして見なされている。その作品はDVDになって発売され、巨匠たちを特集したレトロスペクティヴが毎年のように東京の映画館で開催され、ロマンポルノの歴史書や批評書が刊行されているのだ。そうした流れの中から、2006年末に東京学参から刊行が始まった「Interviews with a Romance Film Creators 愛の寓話」(1、2巻発売中)を監修された内田達夫氏に、今春、お話しを伺うことができた。
スティーヴン・サラザン:この度、日活ロマンポルノについてのシリーズ書を刊行することになったのはどうしてですか。
内田達夫:ロマンポルノについて、その歴史について、何かできないかと長い間機会を待っていました。また、作品を観る機会がより増えればいいとも思っていました。そんな折、ジェネオン エンタテインメント(DVDソフトメーカー)が150作品の予定で系統立てたDVD化を始めることになったので、チャンスだと思い、現在働いている出版社、東京学参に企画を出しました。企画はすぐには通りませんでしたが説得を続けました。というのも、今日、ロマンポルノに携わった監督や俳優たちが亡くなり始めていて、今どうしても彼らの証言や資料を集め、残して行かなければならないと思ったからです。
スティーヴン・サラザン:インタビューをした監督や俳優の選択はどのように行ったのですか。時代順であったり、テーマがあったりしたのでしょうか。
内田達夫:今回発売された,DVDで観ることのできる作品の監督や俳優から選んでいきました。観ることのできない作品について語るよりも、観ることのできる作品の方が先だと思ったからです。ですからDVDの発売順であるといえます。
スティーヴン・サラザン:このDVDソフトメーカーは、どんな基準で作品を選んでいるのでしょうか。
内田達夫:発売元であるジェネオンは、ロマンポルノをいくつかのジャンルに分け、その中の代表的な作品をまず選びました。コメディー、SM、海女もの、女優もの、等です。
スティーヴン・サラザン:日本映画の歴史において、日活ロマンポルノとは内田さんにとって何を意味しますか。
内田達夫:日活は、監督やスタッフ、俳優たちを育てていこうとした最後の大きな映画製作会社で、2週間に2~3本という定期的なペースで映画を撮っていました。当時、スタジオシステムを維持できなくなっていた日本映画界は深刻な情況にありましたが、日活は諦めませんでした。ロマンポルノのおかげで日活は生きながらえたのです。ロマンポルノというジャンル自体に関しては、まず性表現の問題で日本映画を解放しましたが、それは、17年間ずっとラブストーリーだけを撮り続けながら続きました。ロマンポルノの傑作は、ラブストーリーの傑作であり、多くの場合、感動的なストーリーです。そこでは1,133本もの作品が創られました。
スティーヴン・サラザン:この本のライターや評論家はどのように選んだのですか。このジャンルの専門家たちなのですか。
内田達夫:私の出版社では以前、女性向けの映画雑誌を刊行していました。そこに書いていた評論家、ライターたちは女性が中心でした。そうした流れから、彼女たちにロマンポルノについて書いてもらうのが面白そうだと思ったのです。その雑誌でロマンポルノを特集した号を出したことがありますが、とてもよく売れました。そんなことも、ほぼ同じ執筆者陣でこの本を編集したいと思った理由です。それに、今日ロマンポルノを観るのは男性ではなく、むしろ女性の方だからです。
スティーヴン・サラザン:どうしてですか?
内田達夫:日本では、数多くのロマンポルノ作品がDVDで観られるようになりました。その一方、かつてロマンポルノ衰退の一因となった、より純粋にポルノグラフィックな映像作品であるAV(アダルトビデオ)も氾濫しています。そうした中、男性はAVですが、女性はロマンポルノを選びます。それは物語があり、基本的に主人公が女性であり、彼女たちが強い存在だからです。物語や存在感を持ったヒロインたちについて、女性同士で語ることもあるでしょう。ロマンポルノの監督たちにインタビューをした際、何人かの方がこんなことを話していました。当時は男性のために創っていると思っていたけど、今になってみれば本当の観客は女性たちかもしれない、と。1971年にロマンポルノが誕生した時、AVはまだ存在しませんでした。恐らくほとんどの男性が性欲を満たすためにロマンポルノを観たことでしょう。でもAVが氾濫する今日では、ロマンポルノはそれほど扇情的には思えません。その映画としての質の高さや脚本の質の高さをこそ、私たちは評価し研究しているのです。
スティーヴン・サラザン:ロマンポルノは、日本以外の場所でも存在し得たでしょうか。あるいは日本でしか生まれ得なかったとお考えになりますか。
内田達夫:難しいでしょうね。ところでヨーロッパの観客は、どのようにロマンポルノを認識していらっしゃるのですか。
スティーヴン・サラザン:まず、大いなる無知ということが挙げられます。ロッテルダムやパリの日本文化会館で上映される、?代や小沼の何本かの作品を、努力して発見しようとする一部のシネフィルを除けば、何もないと思います。肉体をテーマに扱った分野では、70年代ヨーロッパではパゾリーニやファスビンダー、ベルトルッチ、マカヴェイエフがいました。そしてもちろん、大島の『愛のコリーダ』もです。でも、日活の映画監督たちはそこにはつながってはいませんでした。彼らはその時代を支配していた作家主義のモデルの枠外にいたのです。彼らの作品を、日本以外の観客へと導くためにこれからしなければならないことはたくさんありますが、それはとても情熱をかき立てられることです。
内田達夫:私はやはり、非常に日本的なジャンルといえるロマンポルノが生まれたのは、日本映画界の文化的背景、そして実際的な文脈が大きく影響していると考えます。大手では考えられない低予算、2週間という撮影日数、シネアストたちが頭を働かせなければならなかった検閲の問題……。それに、やってもいいことと見せてはいけないもの、言っていいことと触れてはいけないこと……。また、日活には2つ重要な対抗相手がいました。1つは常に圧力を掛けてくる警察、そしてもう1つは独立系ピンク映画です。ピンク映画界は日活のような大きな製作会社が自分たちの領域に入ってくることを良くは思わなかったのです。
スティーヴン・サラザン:日本には、ヨーロッパのシネフィルの思想から大きな影響を受けた映画評論家たちがいます。最近では明らかにその傾向は弱くなりましたが。彼らは一様にロマンポルノについてはほとんど語りませんでした。
内田達夫:確かに大まかにはそうです。80年代から90年代初頭にかけて活躍した世代は基本的に何も書きませんでした。ただ70年代前半から80年代初頭、誠実な評論家たちはロマンポルノに興味を持ち、語り、分析しました。ですから、今の世代の評論家たちにもロマンポルノを再発見してもらいたいのです。先程、ロッテルダムや?代や小沼作品についてお話しされましたが、映画評論家の蓮實重彦がそこで上映された作品について書いていました。しかし、今現在の国内の観客に向けて書くことも必要です。日活やロマンポルノが、時代を超える映画作家を生み出したことには疑いの余地がないのですから。例えば、昨年急逝された田中登もそうした1人です。第3巻では彼についてのページが多くなる予定です。彼と組んだスタッフや女優たちから証言や資料を頂き、まとめようと思います。
スティーヴン・サラザン:ロマンポルノ作品の中で、各ジャンルごとの傑作はどの作品だとお考えですか。
内田達夫:プログラムピクチャーですからジャンルで考えるべきかもしれませんが、むしろ優れた監督、好きな監督で考えてしまいます。?代辰巳や田中登、そしてロマンポルノで最も好きな監督、小沼勝。それに、脚本家として他の監督とコラボレートしつつ監督としてもデビューした石井隆です。
スティーヴン・サラザン:近年、日本の若い観客が日本映画に戻って来ています。彼らはロマンポルノのDVD発売や特集上映に興味を持つでしょうか。
内田達夫:この後、単館系の小さな映画館や国立フィルムセンターでの特集上映が予定されていますが、ロマンポルノがメインストリームになることはないのではないでしょうか。それでも、ベテランのある監督がこう言っていました。ロマンポルノは男性の性欲を癒すものとして創られたけど、世代を超えて作品は見直されていくだろう、と。作品の存在意義に対するその信念には感動を覚えます。その一方、「ポルノ」というネーミングについて、あるプロデューサーは後悔していました。この言葉によって観客の偏見を背負ってしまったことは否めないからです。しかしそれでも、ロマンポルノ作品は観客の好奇心を駆り立て、そしてもっと観たいという意思を抱かせてきました。それは今日まで続いています。このインタビューの前にお話されていたように、ポップカルチャーとしても少しずつですが確実に浸透してきました。
スティーヴン・サラザン:日本の70年代は黄金時代でした。ジャパニーズ・ヌーヴェル・ヴァーグに加え、日活や東映、そして若松孝二の作品がもう1つの自由を体現していました。
内田達夫:その通りですね。それを象徴する1つの例を、ロマンポルノ関連のことからお話しましょう。2001年に、渋谷の約1,200席を擁する大きな映画館(渋谷パンテオン:現在閉館)で、ロマンポルノのオールナイト特集上映が行われました。会場は満席になり、うち6割が女性だったそうです。そして『実録阿部定』上映後、観客は立ち上がって拍手をし、それは数分間続いたといいます。この上映会は今や伝説です。その時、70年代に創られたロマンポルノは新しい世代の観客に再発見され、その衝撃は時代を超えたのです。
《ロマンポルノ特集上映情報》
“特集・逝ける映画人を偲んで 2004―2006”
2007年7月27日(金)~9月26日(水)
東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(定員310席)
※この企画ではロマンポルノ3作品(『実録阿部定』『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』『ラブホテル』)を含む全54作品が上映されます。ロマンポルノ作品の上映日程、また他の上映作品等の詳細はHPで御確認下さい。
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
《ロマンポルノ書籍情報》
貴重なインタビューと資料で構成された「愛の寓話」シリーズ。
購入はhttp://www.cine-pause.com/book.htm
《ロマンポルノDVD情報》
ロマンポルノ作品のDVD。
購入はhttp://www.geneon-ent.net/view_default.php
2007 09 09 [ロマンポルノ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 03, 2007
第2期映画宣伝パブリシスト養成講座開講
映画の宣伝、配給を手掛けるメディアボックスが、昨年、映画業界で現在最も求められている人材“映画宣伝パブリシスト”養成のために始めた「映画宣伝パブリシスト養成講座」。受講生からの評判が良く、映画業界では依然有能な宣伝パブリシストが必要とされていることから、今年も引き続き開講されることになりました。第2期となる今回も、講師は現場で活躍する映画人。講座内容は、受講生のニーズと映画会社のニーズを前回以上に盛り込んでブラッシュアップしました。
それにより、映画界で作品とテレビや雑誌等のメディアをつなぎ、消費者に作品を浸透させるという大切な役割を担う、多くの優秀な人材の育成を目指します(成績優秀者はメディアボックスのパブリシストとしての採用の可能性あり)。映画業界で働いてみたいと思っている人、興味がある人はこの機会にぜひ、この「映画宣伝パブリシスト養成講座」を受講してみてはいかがでしょうか? 希望がかなうかもしれませんよ!
“第2期映画宣伝パブリシスト養成講座”概要
講義数 全10回
予定カリキュラム:
「映画業界とはどういう世界なのか? まず、業界を知ろう」
「映画業界の現状について」「映画宣伝とはどういう仕事なのか」
「映画パブリシティという仕事」
「フリーパブリシティとメディアからみた見たニュースバリュー」
「宣伝パブリシティ業務の実際」
「宣伝計画書・宣伝展開案作成の実際」
「宣伝計画書の作成〈グループワーク〉」
「宣伝展開案の作成〈グループワーク〉」
「パブリシティ企画案プレゼン・講評・表彰」
開校日 2007年10月16日(火)
時間 19:00~21:00
定員 50名
場所 東京・築地
学費 95,000円(税込)
応募 シネビズ・アカデミー・ホームページ
http://cine-biz.jp
〆切 2007年10月5日(金)
問合せ (株)メディアボックス シネ・ビズアカデミー事務局
電話 03-3564-0550(10:00~18:00)
