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Nov 08, 2007

“食べる”、ということを考えてみたことがありますか?

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  都会のささやかな街路樹も色づいて、秋まっさかり。皆さん、満喫しておいでですか? 収穫の恵みに心躍る季節ですが……食糧自給率が四割程度と世界でも群を抜いて低く、また相次いで食品の賞味・消費期限偽装問題が明らかになるなど、単純に喜べないことがたくさんあります。そうした中、食べ物について考える一助になりそうな作品を観て来ましたので、ご紹介したいと思います。

Nikki_inochi 『いのちの食べかた』 “OUR DAILY BREAD”
11月10日~渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国(地方は順次)
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/

 『いのちの食べかた』、オーストリアのドキュメンタリー映画です。一切のナレーション、効果音楽を排除して、ひたすら、食べ物が食べ物らしくなっていく様子を綴った1時間半。農作物、魚、肉などが食材になるまでの映像に、聞こえてくるのは現場のありのままの音のみ……動物の鳴き声、機械音、作業をする人たちのちょっとした雑談などだけで、他には徹底的に、何の語りかけもありません。とにかく観ることに集中して、考え続ける1時間半。“あ、これはこういう意味なのかな”と想像したり、“わぁ全然知らなかった”とか“今度こうしなきゃ”とか……。観ている間中、いつもと全く違う脳内筋肉を使った、という感じがしました。

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  そんな驚きの手法があぶりだしたもの、それは、飽食の時代に生きる私たちが、いかに何も知らずに食べ物を口にしているか、ということ。印象は鮮烈でした。これまで、“まぁ、だいたいそうなんだろう”と想像していたレベルを遙かに超えていました。何よりも、何に対しても、“効率的”で“システマティック”であることが最優先の現代社会。その驚きの、しかも身近な現実をありのままに捉えたこの作品は、圧倒的な現実感を持って“自分たちの食生活を省みろ”と、無言でたたみかけてくる感じがしました。一例を挙げるならば……豚、牛、鶏の屠殺のつぶさな様子、見たことのある人は極稀でしょう。普通にしていたらどこでも、誰も教えてくれないことばかりが、この作品にはありました。
  まさに傍若無人と言うべき力を振るっているにも関わらず、食物連鎖の頂点にいる人間は、食べることの豊かさ、ありがたさを十分に味わえているのでしょうか……。“無知なままでは、大切ないのちをいただく資格なんかないんだ”と、切なく、真摯な気持ちになりました。公開される劇場はとても少ないようですが、皆さんもぜひ足を運んでみて下さい。
  では、また次回です……。

                                                07/11/2007 中澤 有美子

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2007 11 08 [試写室日記] | 固定リンク

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