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Jan 16, 2008

国家による史上最大の贋札偽造事件を知ってますか?

Nikki_1


     新年明けましておめでとうございます。今年もいろいろな映画を観たいと思っています、どうぞよろしくお願い致します。

  寒い日が続きますね。でもほら、着実に木々は春の準備をしています。木蓮の花芽って、かわいらしいですよね。今回ご紹介する作品は、“春が来ない冬はない”という希望を胸に、過酷な状況を耐え抜いた人々が主人公です。

Nikki_diefal 『ヒトラーの贋札』 “DIE FALSCHER”
1月19日~シャンテ シネほか全国(地方は順次)
http://www.nise-satsu.com/

 歴史の隠された真実に光を当てた作品『ヒトラーの贋札』。とはいっても堅苦しいだけではなく、エンターテインメントとして十分観応えがあります。
  Nikki_diefal2 “ベルンハルト作戦”という、史上最大の、国家による紙幣贋造作戦が、第二次世界大戦中のドイツであったそうです。閉ざされた強制収容所、ザクセンハウゼンの一室で、芸術的才能や印刷技術を買われたユダヤ系の囚人たちがナチス・ドイツの命令に従い、連合国の贋札を作るという秘密任務に従事していたというのです。最初はポンド、次はアメリカドル。虫けらのように扱われる自らの命を1日、また1日と延ばすために……。
  とにかく、収容所での“今”を生き抜くこと。精巧な贋札を作って、ナチスの手助けをすること。しかしそれは同時にイギリス、ひいては連合国に経済的打撃を与え、ドイツの戦況を有利にし、自分たちの同志を苦しめ続けることになる……。世界的贋造犯サリー(マルコヴィクス)を中心とした贋札製造班は、それぞれに大きなジレンマを背負います。そして、なるべく贋札の完成を遅らせようとしますが、そんな時間稼ぎが認められるわけもありません。やがて“小細工”がばれた彼らは、班を編成した親衛隊少佐・フリードリッヒ(シュトリーゾフ)から「完成を急がなければ5人ずつ銃殺する」と宣告されます。極限状況の下、彼らが選んだ道は……。
  戦時下に自分が生き残るためには他人の死もやむなし。この上なく不安で残酷で緊迫した悲劇そのものの物語が、史実の裏づけと丁寧な心理描写とで、スリリングに描き出されています。
  画面は当然、終始とても暗いトーンで塗り込められています。でもそれだけに、運命に翻弄された後にサリーが見つめる海の広がりが印象的で、心に残りました。サリーと対立する印刷技師ブルガー(ディール)のモデルになったアドルフ・ブルガー氏は現在90歳。自らの体験を後世に伝えるべくドイツを中心に活動中で、昨年11月には来日を果たしました。その著書“THE DEVIL'S WORKSHOP”の日本語版『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』も発売されました(朝日新聞社刊)です。興味を持たれた方、ぜひいかがでしょうか。

 では、また次回です☆。

                                            16/1/2008 中澤 有美子

Nikki_nakazawa
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2008 01 16 [試写室日記] | 固定リンク

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コメント

ウェッバーさん、こんにちは。いらっしゃいませ!
『ヒトラーの贋札』は
数多い作品の中からの中澤さんチョイスです。
中澤さんの映画の感じ方は“i-NEWS”の頃から
なかなか面白かったので、これからもご期待下さい。
そして応援よろしくお願い致します!!

投稿者: 編集部 (Feb 26, 2008 1:34:01 PM)

『ヒトラーの贋札』が第80回アカデミー賞外国語映画賞を受賞しましたね!
編集部の皆さんも、中澤さんも、お目が高いっ!!

これからも素晴らしい映画のご紹介を楽しみにしてま~す。

投稿者: ウェッバー (Feb 26, 2008 9:08:32 AM)

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