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May 08, 2008
7年の歳月を経て、『Cuba/Okinawa サルサとチャンプルー』完成!
今から約80年前、沖縄から遠く太平洋とアメリカ大陸を隔ててキューバへと渡った移民とその末裔たちを追ったドキュメンタリー『Cuba/Okinawa サルサとチャンプルー』が、沖縄での先行公開を経て5月10日から渋谷/アップリンクXで公開となります。監督は、大学等で後進の指導に当たる一方、映画評論家としても活動する波多野哲朗。今回は自ら“企画、製作、監督”を担当し、スティーヴンソンの小説「宝島」の舞台としても知られるキューバ、フヴェントゥ島を中心に7年間にも及ぶ製作、撮影を敢行。日本政府に切り捨てられてしまった棄民たちの“過去、現在、未来”を捉えました。

100歳に近い日本人移民一世のインタビューに始まるこの作品は、その後、二世、三世、四世とその生活ぶりを順次追って行きます。そしてそこで語られるのは彼らの知られざる受難の歴史であり、第二次世界大戦中に日本人が収容された“監獄跡(パノプティコン)”の恐るべき情景等も映し出されます。しかしそこから浮かび上がるのは、移民を描いたかつての多くの劇映画やドキュメンタリー映画にあるような、他国の中から発掘される日本人の痕跡や血統ではありません。ここではむしろ、それらの痕跡や血統が他国の風土と混じり合い、溶解して行く様が映し出されて行くのです。
この作品が見つめたのは、そうした“ディアスポラ(「散らされた者」の意味。「政治上の理由等から本国を離れて暮す人々のコミュニティ」という意味で使うこともある)”、無国籍的な人々の姿です。彼らの存在が、キューバと沖縄が舞台に選ばれた理由でした。スペインとアフリカとアメリカの文化が入り混じったキューバ。そして、中国と日本と南方諸国の文化が混在した琉球、そこに更にアメリカの文化が入り混じった沖縄。その2つの土地とそこに暮す人々の存在に、強力な他者によって強いられた悲惨な歴史の証を見ようとしたのがこの作品なのです。
それでもこの作品は決して暗く重たいトーンでは終わりません。悲惨な歴史、状況の中から立ち上がった彼らのエネルギーをきっちり掬い取り、エンディングに向けて解放して行くのです。生活の中から次々と生まれ出るキューバの音楽、そして沖縄の歌と踊り。やがて沸き上がるディアスポラへの讃歌。“ミュージカル・ドキュメンタリー”とも言えるその躍動感はきっと、苦難を乗り越えて来た人々のエネルギーを感じさせてくれるはずです。
『Cuba/Okinawa サルサとチャンプルー』http://www.cuba-okinawa.com/
シネマチックネオ/波多野哲朗作品
2007年/日本/107min./カラー/スタンダード/ステレオ ※DV作品
5月10日~アップリンクXほか全国(地方は順次)※沖縄は先行公開済
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