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Jul 13, 2008
『水の中のつぼみ』キャストインタビュー
「欲望が生まれる“瞬間”って、不変的なものだと思う」(by アデル・ヘネル)
パリ近郊の新興住宅地を舞台に、三人の少女のひと夏を瑞々しく、かつ生々しく綴ったガールズ・ムービー『水の中のつぼみ』(6月28日~渋谷Q-AXシネマほか全国〈地方は順次〉)が公開され、若い女性を中心に動員し順調な興行になっている。
物語は、15歳のマリー(ポーリーヌ・アキュアール)が親友アンヌ(ルイーズ・ブラシェール)の出場するシンクロナイズド・スイミング大会で、美しい上級生フロリアーヌ(アデル・ヘネル)に心を奪われるところから始まる。フロリアーヌに近づきたい一心で彼女が所属するスイミングスクールに通い始めたマリー。彼女は、男性関係が盛んだと噂され、女友達のいなかったフロリアーヌと次第に打ち解けて行く。そんなある日、フロリアーヌがマリーに“ある秘密”を切り出し……。
官能的な顔と少女らしさが危ういバランスで同居するフロリアーヌを演じたA・ヘネルが、今年3月に開催された「フランス映画祭2008」のために来日。インタビューに応じてくれた。
劇中とは違い、すっかり大人の女性に成長したヘネル。そんな彼女に、スクリーンデビューとなった『クロエの棲む夢』(2002)から5年ぶりとなる出演作に本作を選んだ理由を聞いてみると、「シナリオを読んだ瞬間、直感的に“出たい”と思ったの。監督の潜在的な能力も感じたし、フロリアーヌの美しさと孤独さの二面性がよく描かれていたから」と語った。
弱冠27歳、本作がデビュー作となる女性監督セリーヌ・シアマが、少女たちに芽生える同性への恋、大人になることへの渇望、初めて知る身体の欲望、欲望ゆえの醜い感情を、繊細に描いたこの作品。観客、特に女性は、少女たちに自分の思春期の姿を重ねてしまうことだろう。へネルは言う。「思春期とはいえ、欲望が生まれる“その瞬間”を厳選して描いていると思うわ。その瞬間って、バックグランドが違っても不変的なもの。だからフランスに限らず、日本でもどこでも同じことだと思う」。
とにかく初めから終わりまで、フロリアーヌの艶っぽさに目が釘付けになることは間違いない。やはり“フランスの女性”ゆえの色っぽさなのだろうか……。「そう? 私は逆に、“日本の女性は何て綺麗なんだろう”と思うのよ。それと一緒(笑)! 価値観や持っている基準が丸っきり違うからこそ、お互いにそう思えるのよ! それって素敵なことじゃない?」。
自分の考えでテキパキと答え、17歳とは思えない程に成熟して見えるへネルだが、「初恋? うーん、14、5歳かな……。凄くシャイなの……」と、やはり恋の話になると口数が少なくなるのが愛らしい。将来、彼女がどんな女優になるか今から楽しみだ。
取材・写真・文=間宮 うり/Uri Mamiya(ライター)
プロフィール
アデル・ヘネル/Adele HAENEL
生年月日不詳。フランス、パリ出身。父は翻訳家、母は教師で、男ばかりの四人兄弟の中で育つ。幼い頃に舞台に魅了され地元の劇団に参加。映画デビューは『クロエの棲む夢』(2002)。出演2作目となる本作でセザール賞の最優秀有望若手女優賞にノミネートされた。
『水の中のつぼみ』
“NAISSANCE DES PIEUVRES”
ツイン/セリーヌ・シアマ作品
2007年/フランス/85min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
6月28日~渋谷Q-AXシネマほか全国〈地方は順次〉)
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