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Jun 11, 2009

洋画に関心が薄い若者たちは……。


Nikki_20090611_2 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』 “THE BAADER MEINHOF COMPLEX”
今夏~シネマライズほか全国公開(地方は順次)
公式サイト http://baader-meinhof.jp/

監督:ウリ・エデル 出演:マルティナ・ゲデック、モーリッツ・ブライプトロイ、他
2008年/ドイツ=フランス=チェコ/150min./カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR).
配給:ムービーアイ ※R-15指定作品


『おくりびと』(2008、滝田洋二郎)の
第81回アカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞は、
実は予想外だったらしい。
本命視されていたのは、
レバノン戦争帰還兵の心を
アニメーションならではの幻想的な映像を織り混ぜながら描いた
『戦場でワルツを』(2008、アリ・フォルマン)〈2009年公開予定〉。
そして、1970年代にヨーロッパ全土を震撼させた
“バーダー・マインホフ”グループを描いた
『バーダー・マインホフ 理想の果てに』。
完成度云々の問題ではなく、
“痛い”紛争が絶えないこの時代、
戦争や闘争を描く物語にいい加減疲れたのかもしれない。
『おくりびと』は少なくとも、
観た人たちの多くが穏やかな気持ちになれる作品だったと思う。

“バーダー・マインホフ”グループ、後の“ドイツ赤軍(RAF)”。
理想を胸に立ち上がった若者たちは
やがてコントロールを失い、テロリズムへと突き進んでいった……。
『バーダー・マインホフ 理想の果てに』は、
偶然か、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』(2008、若松孝二)と
ほぼ同じタイミングで完成。
当然比べられ、その結果評価が割れるだろうが、
題材は同じでも方向性が違うように思う。
こちらは意識的にエンターテインメント性へも針を振っていて、
重い物語にもかかわらず割と観やすい。

監督のウリ・エデルはかつて、『ブルックリン最終出口』(1989)という、
素晴らしいけど暗くて重い作品で思いっ切り気分を凹ませてくれた人。
それを思うとこの作品はとても口当たり良く感じてしまった。
製作、脚本は、『ヒトラー 最期の12日間』(2003)を手掛けたベルント・アイヒンガー。
“ドイツ映画界のタブー”を破った男は、
再び封印されていたドイツ現代史を開いてみせた。

最近の若い世代は洋画に対する関心が薄いが、
過去の若者たちの理想に燃えた闘争を描いたこの作品も
例外ではないという。
彼らは自分の手の届く範囲、
四畳半の出来事ににしか興味がないのだろうか。
尾崎豊の熱さに拒絶反応を起こす者もいるという世代。
彼らには、命懸けで世界を変えようとした若者たちの話など、
共感するしない以前に、観る気すらおきないのかもしれない……。
(編集長)

2009 06 11 [試写室日記] | 固定リンク

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