PauseBLOG 記者会見・コラム

Jun 29, 2009

『トランスフォーマー/リベンジ』ミーガン・フォックス インタビュー

Int_20090629_1 6月19日の世界最速先行上映を経て、6月20日からTOHOシネマズ 日劇ほか全国で超拡大公開中のVFX超大作『トランスフォーマー/リベンジ』。これまで、マイケル・ベイ、シャイア・ラブーフに話を聞いてきましたが、今回はヒロイン役を務めたミーガン・フォックスのインタビューをお届けします。

Q 前作と比べて今作はどう違いましたか?
A 「撮影前は全てが前作の“2倍”ぐらいの感じがしたけど、実際そんなに違いはなかった。シャイア(・ラブーフ)も私も前と変わっていないわね。経験は前作と同じだったけど、体力面だけは今回の方がずっと大変だった。前作も大変だと思ったけど、今回はもっとタフだったの。生き残るための戦い、といった感じだったわ」

Int_20090629_2Q 今回の方がセクシーになっていると思いますか?
A 「オートバイのショットを見たのね?(笑)。私が前よりセクシーになっているかは分からないわ。あれはマイケル・ベイがやったことだから。私は彼があのショットを撮影しているのを知らなかったの。まんまと騙されたわ。私はカメラがお尻ではなく、顔に向いていると思っていたのよ」

Q あなたは最近“最もセクシーな女性”に選ばれました。その美しさが“障害になっている”と感じることはありますか?
A 「いいえ。私はそう言われことに怒りを感じるの。“この役をやるにはあなたは美し過ぎる”とかいうことにね。もし魅力がなかったら女優なんかやれないわ。だからそういうことは気にならないし、むしろスキルを磨くチャンス与えてくれていると思っているの。

Q ブルースクリーンは前より多かったですか?
A 「それがブルースクリーンは全然なかったわ。今回は全部リアルだったの。1,000ガロンものガソリンの爆薬の中を走ったわ。それは役者自身が関わった爆発シーンで、史上最も大きなものだった」

Int_20090629_3 Q この作品のためにかなり体を鍛えましたか?
A 「撮影前はいつもワークアウトをするの。マイケルは痩せっぽちの女優が好きじゃないから、彼の撮影前は体重を増やすのよ。撮影が始まってしまうとワークアワトの時間はないわ。何故なら、毎日16時間働いていたから。『トランスフォーマー』シリーズの撮影中が、私にとっては一番太っている時なの」

Q 今後はどのような作品をやりたいと思っていますか?
A 「分からないわ。キャラクターとしても私自身としても成長できる作品が必要なの。でも同時に、今回のような作品をやるのもいいと思っているわ。こういう作品はとても大変だけど、そこには何か興奮させるものがあるの。こういうジャンルの作品は観ていて楽しいから大好きよ!」

Q 初めて巨大なロボットを見た時のことを覚えていますか? 現場ではどうやってそのシーンを演じていますか?
A 「前作では目線(ロボットの高さが分かる)用のボールとかが置かれていたんだけど、今回はもうそういった物がなかったの。それでも、大体どこに目線をもっていけばいいか分かるようになったわ。私とシャイアの間でも、それに関してはいつもぴったり息が合っていて、お互いの目線がずれることはなかったわ」

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素材提供=パラマウント ピクチャーズ ジャパン/Paramount Pictures Japan

【プロフィール】
ミーガン・フォックス/Megan Fox
1986年5月16日生まれ。アメリカ、テネシー州出身。5歳でダンスを始める。15歳の時にロサンゼルスに移り住み、ビデオ映画“HOLIDAY IN THE SUN”(2001、スティーヴ・パーセル)で女優デビュー。その後、TVや『バッド・ボーイズ2バッド』(2003、マイケル・ベイ)のノン・クレジット出演を経て、『彼女は夢見るドラマ・クイーン』(2004、サラ・シュガーマン)で本格的劇映画デビュー。そして、シャイア・ラブーフの相手役に抜擢された超大作『トランスフォーマー』(2007)で一躍注目の存在となる。今後の活躍が期待される若手女優だ。出演作が多数待機中。

Int_20090619_2トランスフォーマー/リベンジ
“TRANSFORMERS:REVENGE OF THE FALLEN"

PPJ/マイケル・ベイ作品/2009年/アメリカ/カラー/150min./スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
(C)2007 DreamWorks LLC and Paramount Pictures.All Rights Reserved.
6月19日、世界最速先行上映/6月20日~TOHOシネマズ日劇ほか全国

2009 06 29 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 24, 2009

『トランスフォーマー/リベンジ』シャイア・ラブーフ インタビュー

Int_20090624_1 6月19日の世界最速先行上映を経て、6月20日からTOHOシネマズ 日劇ほか全国で超拡大公開中のVFX超大作『トランスフォーマー/リベンジ』。その公開を前に、大ヒットを記録した前作に続き主演を務めたシャイア・ラブーフに話を聞いた。

Int_20090619_3_2 Q 『トランスフォーマー』がこれ程の大ヒット作になることを予想していましたか?
A 「このタイトルを聞いたら80年代生まれがノスタルジックになって観に行くことは予想出来たよ。だから前作のヒットに驚きはなかった。マイケル(・ベイ)は心配していたみたいだけどね。こんな大作に参加したことはなかったから、前作の撮影中はとにかく無我夢中だった。でも今回は、映画制作の流れについて多くのことを学んでいたから、大分落ち着いてやれたよ。ロボットが最終的にどうなって、どのぐらいまで近づいて来て、ILMがVFXをどう処理をするのか、といったこともある程度は想像がついたしね」

Q 今回、再びサムを演じた印象について聞かせて下さい。
A 「今回は前作よりスケールが大きいし、展開が早くて爆発シーンなんかもふんだんに盛り込まれている。肉体的にはかなりきつかったよ。そうした中でとても魅力的に感じたのは、サムのキャラクターなんだ。サムは大学生になって親元を離れるんだけど、授業中に突然幻覚を見て取り乱してしまったりする。前作で地球を救った後、彼は平凡な生活を送りたいと思っていたんだけどなかなかそうはいかない。幻覚を見てパニックに陥るサムを演じるのは、とても演じがいがあったよ。それとこのシリーズにはコメディの要素がたっぷり入っていて、アドリブやコメディ演技にトライ出来るのが楽しかった。他の映画ではなかなかそういったチャンスはないからね」

Int_20090624_2 Q マイケル・ベイ演出の魅力について教えて下さい。
A 「マイケルは“ジキルとハイド”。現場にいない時は、彼は世界で最も優しい人。準備の時も周囲への配慮を怠らず、もの凄く優しい。でも、いったん現場に足を踏み入れると、突然鬼軍曹になるんだ。クランクインからクランクアップに至るまで、全クルーをフルパワーで駆り立て、驚異的なペースで、目も眩むようなアクションシーンを次々とこなして行く。これ程の規模の撮影を、こんなに速く撮影する監督は見たことがないよ。彼のペースについて行くだけで正直とても大変。でも彼の映画では、現場が一日中緊張感に満ちているから、そのままの精神状態でいればすんなり演技が出来た。それとマイケルは、役者の頭でっかちな演技が大嫌いなんだ。例えば、息を切らして走り回るシーンでは、役者は“ふり”ではなく“本当に息を切らして”走り回るべきだと考える。だから最初の3、4テイクはフィルムを回さず、役者が本当にバテて息を切らせるのを待つ。でも役者はそんなことは知らないから、毎回本気で走るんだ(笑)」

Q もしもマイケル・ベイが3作目をやるとしたら、あなたももちろん参加されますよね?
A 「クランクインを2011年まで待ってくれるなら、答えはもちろん“イエス”だよ! 来年は既に作品が入っているからね。でもマイケルも次は違ったタイプの映画をやりたいと言っているし、お互いのためにも、それぞれ別の作品を間に挟んだ方がいいと思うんだ。その方が新鮮さを維持出来るからね!」

Int_20090624_3 素材提供=パラマウント ピクチャーズ ジャパン/Paramount Pictures Japan

【プロフィール】
シャイア・ラブーフ/Shia LaBeouf
1986年6月11日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州出身。地元のコーヒーハウスでスタンダップ・コメディアンとして舞台に立ち、そのキャリアをスタートさせた。『風の谷のナウシカ』(1984、宮崎駿)/英語版のアスベル役(オリジナル:松田洋治)を経て、1998年に“THE CHRISTMAS PATH”(バーナード・サルツマン)で本格デビュー。その後、TVドラマを中心に着実にキャリアを積み、『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』(2003、マックG)以降、劇映画に多数出演。多くのスターと共演し、2007年の『トランスフォーマー』(マイケル・ベイ)『ディスタービア』(D・J・カールソー)で注目の若手スター筆頭として世界中の注目を集めた。今後の活躍が大いに期待される。その他の主な作品に『ボビー』(2006、エミリオ・エステヴェス)『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008、スティーヴン・スピルバーグ)等、多数。

Int_20090619_2トランスフォーマー/リベンジ
“TRANSFORMERS:REVENGE OF THE FALLEN"
PPJ/マイケル・ベイ作品2009年/アメリカ/カラー/150min./スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
(C)2007 DreamWorks LLC and Paramount Pictures.
All Rights Reserved.
6月19日、世界最速先行上映/
6月20日~TOHOシネマズ日劇ほか全国

2009 06 24 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 19, 2009

『トランスフォーマー/リベンジ』マイケル・ベイ インタビュー

Int_20090619_1 いよいよ6月19日の世界最速先行上映を経て、6月20日からTOHOシネマズ 日劇ほか全国で超拡大公開されるVFX超大作『トランスフォーマー/リベンジ』。その公開を控え、前作に続き監督を務めたマイケル・ベイに話を聞いた。

Int_20090619_3 Q まず、前作と今回の作品の違いについてお聞かせ下さい。
A 「今回の方がスケールは圧倒的に大きいよ。ロケーションも広がってるしね。エジプトではピラミッドを空撮したんだよ! それはIMAX作品でも『ナショナル・ジオグラフィック』でもやったことのない、初めてのことなんだ。今回撮影許可が降りたのはエジプトの有名な考古学者が前作のファンだったから。それと今回は前作よりもVFXが盛りだくさん。3つのシーンでIMAXを使って撮影したよ!」

Q 続篇の狙いは何ですか?
A 「よりアドベンチャーな作品にしたかったのと、エジプトのような太古の文明を扱いたかった。前作はロサンゼルスとその周辺といった実に狭い世界を舞台にしていたけど、今回は世界中が舞台だからね。前作より楽しくなってるよ。それと、作品のトーンをもっとタフでダークなものにしたかった。コメディ色を残しながらもね」

Q シャイア・ラブーフとミーガン・フォックスは前作と比べてどう変わりましたか?
A 「ミーガンは前作ではまだ新人だったけど、今回はもっと自分に自信を持っていると感じたね。シャイアとの相性も良くて、シャイアが彼女の演技を引き上げているんだ。シャイアはずいぶん成長したと思うよ。役者としてのカリスマ性が以前より感じられたし。画面の中で彼は実に輝いているよ」

Int_20090619_4_2 Q ロボット演出の難しさについて教えて下さい。
A 「前作をやったことでロボットのVFXについてはかなり学んだよ。今回の方が人間の役者とロボットの交流が増えたし、ショット自体も長くなっている。テクノロジーは良くなったけど、アニメートしてロボットを動かすことに変わりはない。僕はアニメーターたちと1日1時間は話をして、全ての動きをチェックしたんだ。“手が動き過ぎた”とか、“ここの動きが多過ぎる。もっとここの部分にフォーカスして欲しい”と伝えながら微調整をしていく。あらゆることを詰め込み過ぎると全てがギャグになってしまうからね。人間の役者を演出するのと全く同じなんだけど、人間の役者ならその場で直ぐにやれることが、アニメーションでは目の動きとか1つ1つを作っていかないといけない。とにかく時間が掛かるんだ」

Q プロデューサーのスティーヴン・スピルバーグとはどういったやり取りをされましたか?
A 「最初はスティーヴンから“君は台本にないものを随分撮影しているね?”と言われたり、“随分コメディを入れているな?”とか言われたりしたけど、今は僕のやり方を完全に理解してもらっているよ。スティーヴンも映像を観ながら“これは可笑しい! 最高だ!”って楽しんでくれているからね。彼との仕事はとても楽しいよ!」

Int_20090619_5 素材提供=パラマウント ピクチャーズ ジャパン/Paramount Pictures Japan

【プロフィール】
マイケル・ベイ/Michael Bay
1965年2月17日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州出身。大学卒業後、フィルム・スクールを経て、ミュージック・クリップやCMの監督として活躍。その才能を敏腕プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーに見出され、1995年、『バッドボーイズ』で劇映画監督デビュー。その後、『ザ・ロック』(1996)『アルマゲドン』(1998)と大ヒット作を連発し、若くしてヒットメーカーの仲間入りを果たした。最近は製作者として大ヒットしたホラー映画のリメイクに着手。最近では『13日の金曜日』(2009、マーカス・ニスペル)を製作。その他の主な作品に、『アイランド』(2005/監督)『テキサス・チェーンソー』(2003/製作)等、多数。

Int_20090619_2トランスフォーマー/リベンジ 
“TRANSFORMERS:REVENGE OF THE FALLEN"
PPJ/マイケル・ベイ作品2009年/アメリカ/カラー/147min./スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
(C)2007 DreamWorks LLC and Paramount Pictures.All Rights Reserved.
6月19日、世界最速先行上映/
6月20日~TOHOシネマズ日劇ほか全国

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Apr 10, 2009

『ピンクパンサー2』キャストインタビュー

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フランスが誇るカリスマ“迷”警部クルーゾーが帰って来た! スティーヴ・マーティンとジャン・レノが再び大活躍する『ピンクパンサー2』(4月11日~TOHOシネマズ日劇ほか全国)が、前作から3年ぶりに完成。いよいよ日本でも公開が始まる。
今度はダイヤモンドの指輪"ピンクパンサー"を守るため、クルーゾーをリーダーに世界各国の精鋭捜査官を集めたドリーム・チームを結成。謎の怪盗トルネードに挑むが果たして、世紀の盗難事件は解決するのか!?

そして今回、アンディ・ガルシアら豪華スターが顔を揃えたドリーム・チームの一人、天才ハイテク捜査官、ケンジ・マツド役を見事勝ち取ったのが、ロサンゼルス在住の日本人俳優、松崎悠希。これまで人気ドラマ「HEROES/ヒーローズ」や映画『硫黄島からの手紙』(2006、クリント・イーストウッド)等に出演し、着実にハリウッドでの活躍の場を広げている期待の俳優だ。今回、映画のプロモーションのために凱旋帰国。オーディションの時の様子や、見所について聞いてみた。

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Qどのようなオーディションでしたか?
「この作品はビデオ・オーディションでした。ちょうどその時、ハリウッドでミュージカルに出演していたため、プロダクションのあるニューヨークに行けなかったんです。台本を頂いていたので、そこからキャラクター創りした演技を撮影し、ビデオで撮って送ったんです」

Qそれで一発合格だったのですか?
「キャスティング・ディレクターから“良かったのでプロデューサーに見せます!!”とすぐに連絡がありました。その3日後に、プロデューサーから“凄く良かったよ”との連絡があり、キャスティングされました」

Qどのようなキャラクターを創って送ったのですか?
「天才ハイテク捜査官だったので、スーツを着ましたね。内勤だから髪の毛ボサボサかなって思って……。今、見せましょうか?」

Qえっ!?
「準備します!~(パソコンを取り出して準備中)~ビデオ・オーディションのキャラクターとプロデューサーが考えていたキャラクターが合致したのですが、衣裳合わせの段階で、衣裳担当と監督が用意していたのが、日本のファッション誌でした。ストリートのファッション・チェックあるじゃないですか! あれですよ! “僕たちのケンジ像はカジュアルでロック・テイストな感じだ”って言われて……。僕の予想していたキャラクターと違うのかな、って思いました。それで、撮影がスタートして、監督とプロデューサーが僕の演技を見て、“そのキャラクター(真面目)だと、アルフレッド・モリーナのペパリッジのキャラクターと被ってるよ”と。そこで、キャラクターの変更がありました。で、コレが僕の送った映像です……」


~(ビデオ再生中……)~

Qなるほど。このキャラクターから紆余曲折を経て、映画に登場する“ケンジ・マツド”になったんですね。
「ケンジはムードーメーカー的な存在だけど、仕事はきっちりやるタイプにしようと思ったんです」

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Qセリフはいかがでしたか?
「“日本語訛りの英語で喋って”って言われたんです。今回、キャストが全員訛ってるんですよ! そこで、これまで研究してきた日本語訛りの成果をおもいっきり出しました(笑)。これまで出演してきた映画では“日本語訛りが強過ぎる”って言われてきましたけど、今回は逆に“弱過ぎる”って言われましたね(笑)。だから、アメリカ人が判らなくなるギリギリのラインでアクセントをつけました」

Q一流の俳優たちとの共演はいかがでしたか?
「怖くて、ホントに……。プレッシャーとの戦いでしたね。“このキャストの中に僕がいていいのか”という気持ちでした。でも、皆さん、ホントにいい人でした。ジャン・レノさんも気さくな人でしたし……」

Qスティーヴ・マーティンの印象は?
「スティーヴ・マーティンさんは、普段はクルーゾーのようなコミカルな感じじゃないんです。もの凄く静かで聡明な方です。だけど撮影が始まると、0.5秒でキャラクターになれるんです。僕は彼のようには出来ないな、って感じました」

Qそれでは最後に見所をお願いします。
「これまでのハリウッド映画に出て来た日本人とはちょっと違います。メインキャラクターとしてこんなに騒がしい日本人は演じられたことがないと思うので、どうぞお楽しみに!!」

取材・撮影・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

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【プロフィール】

松崎 悠希/Yuki MATSUZAKI
1981年9月24日生まれ。宮崎県出身。8歳から児童劇団の舞台に立ったことから俳優を志すようになり、渡米。ニューヨークで演技と英語を学び、ビデオ映画“RED HERRING”(2002、ヘンリー・ジョーンズ)でアメリカデビュー。劇映画デビューは『ラスト・サムライ』(2003、エドワード・ズウィック)。その後、『硫黄島からの手紙』(2006、クリント・イーストウッド)等の映画に出演。大人気TVシリーズ「HEROES/ヒーローズ」にもしばしばゲスト出演するなど、着実にキャリアを積んでいる。今後、ハリウッドでの活躍が期待される日本人俳優だ。

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ピンクパンサー2
“THE PINK PANTHER 2”
SPE/ハラルド・ズワルト作品
2009年/アメリカ/カラー/91min./
ヴィスタ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
4月11日~TOHOシネマズ日劇ほか全国

2009 04 10 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jan 17, 2009

『我が至上の愛~アストレとセラドン~』キャストインタビュー

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フランス映画界の巨匠エリック・ロメールの最新作『我が至上の愛~アストレとセラドン~』(1月17日~銀座テアトルシネマほか全国〈地方は順次〉)。17世紀パリの貴婦人たちの間で流行した小説「アストレ」の映画化で、ロメールはその原作に忠実に映画化している。ローマ時代へ誘うかのような壮大な自然の中で描かれるのは、若き羊飼い、セラドン(アンディ・ジレ)とアストレ(ステファニー・クレイヤンクール)のすれ違いや、ひたむきな愛の物語。「フランス映画祭2008」(2008年3月13~16日)で主演の二人が来日した際、監督のロメールや作品について聞いてみた。

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Q ロメールに初めて会った時の印象は?
A ステファニー「お茶をたしなみながら、映画の以外のことを話したわ。だから“ホントに採用されるのかな?”と思っていたんだけど、私が“スポーツが好き”と言ったら、”今年の冬までスポーツはしないでね”と言われたの。後から考えると、アストレを演じるために“白い肌を守ってね”という意味だったみたい。でも、はっきりと言われたわけじゃなかったから不安だったわ」

A アンディ「とても聡明な印象だったね。シンプルで、すぐに打ち解けられるような状況にしてくれたんだ。最初の時、はっきり映画について言われなかったけど、その後、何回か会って、11月ぐらいに“原作について学んで来てね”と言われたんだ。それで“やっと起用されたんだな”って実感したね。凄く嬉しかった」

Q 撮影中のロメールの様子は?
A アンディ「ロメールはとても情熱的で、利発な人。撮影が進むとだんだん元気になるんだ。映画というものがいかに彼に活力を与えているかが判った。それに彼は、自分の作品に対しても映画に対しても誠実。カメラは人間の美しい部分も醜い部分も映し出すけど、基本的には人間を美しく“撮るもの”として捉えているんだ」

Q17世紀の小説「アストレ」が原作ですが、監督が一番大切にしたものは何だと思いますか?
A アンディ「感じたのは、17世紀の言葉が全く古びれず、今でも通用するということだった。そして、小説に描かれていた“人間の愛”が、ロメールの愛情感にマッチしていたと思う」

A ステファニー「そうね。それに、ロメールは30年前からこの企画を考えていたみたいだけど、絶対に出来るという信念というか、意志を感じたわ。でも全然気負ってなくて……。とてもシンプルな雰囲気で進んだと思う」

Q映画で描かれるような愛についてどう思われますか?
A ステファニー「現代にアストレのような純粋な愛は難しいけど、そんな彼女を演じられて嬉しかったわ。でも、自分で今、それを貫くのは難しいかも」

A アンディ「そうだね。僕もセラドンのように愛に忠実でありたいし、理想の愛を信じたいけど、どうかなぁー?(笑)」Inter_20090117_3

Q役づくりはどうでしたか?
A ステファニー「舞台の勉強はしていたけど、特に演技指導を受けたことはなかったの。でも、ロメールからは“受けなくていい”と言われたわ。“何も知らない、手つかずの部分を大事にしたい”だって。だからそこを大事にして、アストレが泣く時は私が泣くように、感情をそのまま自然に出したわ。後は、セリフがワザとらしくなく、自然に言えるようになるまでが難しかったわね」

A アンディ「確かにセリフを自分のものにするのが大変だったね。観客がストーリーを理解する上で妨げになってはいけないし。でもロメールは僕たちを信頼してくれて、いろいろな演技を試すことを受け入れてくれた。“偶然が引き起こす、生の瞬間に興味がある”と言ってくれた。ロメール映画の対極ってロシア映画かな、って思う。形式の中で最大限の力を目指す、という点で」

Q次はどんな監督の作品に出演してみたいですか?
A ステファニー「日本の監督と“セーラー・ムーン”の映画を撮りたいわ!(笑)。もしくは、ジム・ジャームッシュの映画がいい!」

A アンディ「ホウ・シャオシェンや『バベル』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの映画がいい。フランスよりもアジアやラテンアメリカの映画に興味があるんだ」

取材・撮影・文=間宮 うり/Uri Mamiya(ライター)

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【プロフィール】
ステファニー・クレイヤンクール/Stephanie CRAYENCOUR
1984年12月2日生まれ。ベルギー、ブリュッセル出身。ミュージカル女優を目指し、フランス、パリに渡仏。本作で映画デビューを果たした。2009年には歌手デビューの予定。

アンディ・ジレ/Andy GILLET
1981年7月8日生まれ。出身国・地不詳。モデルとして活躍した後、2004年に俳優として舞台デビューを果たす。2006年にアンヌ・フォンティーヌの"NOUVELLE CHANCE"で映画デビュー。日本の人気漫画を韓国で映画化した「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」(2008、ミン・ギュドン)にフランス人シェフ役で出演。

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我が至上の愛~アストレとセラドン~
"LES AMOURS D'ASTREE ET DE CELADON"
アルシネテラン/エリック・ロメール作品

2007年/フランス=イタリア=スペイン/109min./
カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2006 REZO PRODUCTIONS,C.E.R.
1月17日~銀座テアトルシネマほか全国(地方は順次)

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Nov 11, 2008

 『Happyダーツ』キャストインタビュー

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遊びとして楽しむゲームでありながら、練習に励む人々が真剣に戦うスポーツでもある“ダーツ”。そんなダーツにハマったのが、何をやっても中途半端だった派遣OLの沢田美奈子(辺見えみり)。きっかけはダーツバーで出会ったイケメン店員の篠塚慶介(加藤和樹)だったが、練習に通いつめる内にその面白さに目覚め、今まで気づかなかった“日常の楽しさ”までも見出していく……。それが『Happyダーツ』(11月8日~アミューズCQNほか全国〈地方は順次〉)だ。

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インディーズで注目されてきた女性監督の松梨智子は、その枠から初めて踏み出した商業映画、この『Happyダーツ』で、同世代の女性の日常、どちらかと言えばダメな部分をコミカルかつ軽いタッチで綴った。これは、一人の女性、美奈子の心の成長を描いた物語だが、そうした中、ちょっと変わった存在感のキャラクターが、ダーツバーの常連で美奈子と仲良くなる田畑サキだ。スポ根的要素も大きいこの物語にあって、熱いでも冷めているでもない、ごく自然なその存在感は、ちょっと不思議で面白かった。
演じるのは新田恵利。映画デビュー作『ちょうちん』(1987、梶間俊一)以来、実に21年振りの映画出演になる。おニャン子クラブの一員としてデビュー以降、余りに忙し過ぎた彼女は、一時期芸能界を引退。その後、復帰、結婚を経て、ここまで自分のペースを守った仕事をして来た。がむしゃらになる訳ではないけれど、決して止まっている訳でも後ろ向きな訳でもない。かつては望むべくもなかった、いい意味でのマイペース。そんなゆとりというか余裕のようなものが、そのままサキというキャラクターに出ているのかもしれない。そんなことを思いつつ、いくつか話を聞いてみた。

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Q 最近の仕事の選び方、スタンスについて教えて下さい。
A 「これまでは自分の好きなことを中心にやって来ました。でも最近は、“もう1つ大きな自分になろう”と思い、マネージャーが“良い”と思った仕事は素直に受け入れることにしています」

Q 出演を決めた理由は「サキを面白いと感じた」ということですが、どういった部分を面白いと感じましたか?
A 「サキは普段、女を匂わせないんです。でも“可愛い女性”という部分をちゃんと持っている。そこに面白さを感じました」

Q 美奈子は30代で日常に本当の楽しさを見出せずにいます。新田さん自身、30代を振り返ってみてどんなことを思いますか?
A 「人としても女性としても、ようやく、少しずつ熟し始めるのが30代だったと思います」

Q 21年振りの映画出演になりましたが、現場はどうでしたか?
A 「気持ち的にも年齢的にも余裕が出て来たので、とても楽しく撮影に臨めました。ただ現場では、いつの間にやら上から数えた方が早い年齢になっていましたね(笑)」

Q 女性監督と仕事をした感想はいかがでしたか?
A 「スタッフに“女性監督は初めてだ”って言った方がいて、初めて意識しました。でも撮影が始まってすぐ、自分の世界をキッチリ持っている方だということが判ったので、男女を意識することなく、何の問題もなく、とても楽しく仕事が出来ました」

Q ダーツの面白さはどんなところにあると思いますか?
A 「“お酒もタバコもOK”というスタイルの、大人のスポーツ。始める前に揃えるアイテムが少なくて、気軽に始められるのがいいですね。今はTVやPCに繋げば自宅でも楽しむことが出来ますから、本当に身近なスポーツだと思います」

Q 共演者の印象や面白いエピソードがあったら教えて下さい。
A 「皆さん、楽しい方ばかりでしたね。そういえば、クランク・インの時に(村杉)蝉之介さんが彼女と別れたばかりで、女性陣が恋愛相談にのってあげたりしていました。(笑)」

Q 最近観た映画で面白かった作品はありますか?
A 「DVDで観た『ヘルボーイ』(2004、ギレルモ・デル・トロ)が可愛くて面白かったです」

Q 最近気になる俳優さんはいますか?
A 「特にはいません」

Q 最後に、この作品の見所をお願いします。
A 「元気のない人、ちょっぴり生き方に悩んでいる人、前向きになりたい人……そんな人たちに観てもらえたら嬉しいですね。でも、ダーツムービーであると同時にラブコメディーですから、誰が観ても楽しんでもらえる作品だと思います」

取材・文=内田 達夫/Tatsuo UCHIDA(本サイト編集長)
※このインタビューはメールで行なわれたものです。

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【プロフィール】
新田 恵利/Eri Nitta
1968年3月17日生まれ。埼玉県出身。
1985年、フジテレビのバラエティ「夕やけニャンニャン」で、女子高生グループ“おニャン子クラブ”の一員として芸能界デビュー。大所帯のグループ内で圧倒的な人気を集め、ソロとしても活躍。歌手として多数のヒット曲を出す。その後、1990年に引退、1994年に復帰。現在、TV、ラジオを中心に幅広く活動中。映画デビューは1987年の『ちょうちん』(梶間俊一)。本作は21年振りの映画出演となる。この後、『ノン子36歳(家事手伝い)』(2008、熊切和嘉)、『40歳問題』(2008、中江裕司)が公開待機中。今後、映画での活動にも期待したい。

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Happyダーツ

クロックワークス/松梨 智子 作品
2008年/日本/86min./カラー/ヴィスタ/
ドルビー(SR) (C)2008 キングレコード
11月8日~渋谷アミューズCQNほか全国(地方は順次)

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Oct 17, 2008

『ボーダータウン 報道されない殺人者』スタッフインタビュー

「撮影中はもちろん妨害にあったよ」(by グレゴリー・ナヴァ)

Bordertown  メキシコで 1993年から続いている、500件以上にも及ぶ未解決の連続女性殺害事件を基に、その真相を追う女性記者の姿を描いた社会派サスペンス『ボーダータウン 報道されない殺人者』(10月18日~シャンテシネほか全国〈地方は順次〉)。
 
 女性記者のローレン(ジェニファー・ロペス)は、メキシコとアメリカの国境の町、シウダ・ファレスで起きている連続女性殺害事件の取材を命じられる。しかし、汚職まみれの警察や政治家の支配で真実は闇に葬られていた。そこで彼女は元同僚のディアス(アントニオ・バンデラス)を訪ね、事件の被害者で奇跡的に生還した少女と出会い、真相究明に乗り出すが……。

 この物語の舞台、ファレスは、NAFTA(北米自由貿易協定)によって急速に外国資本の工場群が増えたメキシコとアメリカの国境の街。そこでは、外国資本の進出、拡大と同時に、低賃金で働かされる女性が犠牲になる殺人事件が急増。これまでに500件もの事件が確認されたが、そのほとんどが未解決のままだという。更に行方不明の女性も加えれば被害は5,000人にも及ぶと推計されている。

 そんな事件を世界に知ってもらうために立ち上がったのが、監督のグレゴリー・ナヴァ。これまでに監督、脚本を手掛けた『エル・ノルテ/約束の地』(1983)でアカデミー賞最優秀脚本賞にノミネートされ、メキシコの女性画家、フリーダ・カーロを描いた話題作『フリーダ』(2002、ジュリー・テイモア)では脚本を書いている。

 「私が事件の起きた土地の近くで生まれ育ったということもあって、その一帯で起きる事件や問題に対してとても興味を持っていたんだ。でも、問題意識や興味がある人間以外、一般には全く知られることのない事件だったね」と当時を振り返るナヴァ。

 しかし、そんな事件の裏にはメキシコ政府や警察が絡んでいて、製作は簡単に進められなかったという。
 「撮影中ももちろん妨害はあったし、映画公開の時も、ね。舞台になったファレスでこの映画が公開になった時、ジャーナリストたちは新聞等に一切掲載しなかったし、公開劇場や映画のポスターがマシンガンで撃たれるといった嫌がらせも受けたよ」

 ちなみにこの作品、アメリカでは公開されてないらしい……。ナヴァは続けて言う。「この作品も1つの発端になって、ようやくメキシコ政府や警察に対して圧力が掛かり始めたけど、未だに殺人は続いている。しかも一連の事件で一人として犯人は検挙されていないし、正式な調査もされていないんだ」

 自由貿易協定の名の下に、低賃金で働かされているたくさんの女性労働者たちが今も犠牲になっている。
 「巨大企業にとって彼女たちは使い捨てだよ。人間性が否定された世界なんだ。でも、彼女たちにだって私たちと一緒で生きる権利はある。だから私たちは、彼女たちが安心して生活できる、そんな世の中にしなきゃいけないんだと思う」。

 ここまで、メキシコの抱える問題について、真摯にインタビューに答えてくれたナヴァだったが、最後に……。
 「とはいえ、これは本格サスペンス・スリラーとしても自信を持ってお薦めできる作品。エンターテイメントとしても楽しんで欲しいですね」とニッコリ。
 あなたは、こここで描かれる“事実”をしっかり受け止められるだろうか?

取材・文・写真=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
グレゴリー・ナヴァ/Gregory NAVA
1949年4月10日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州出身。1976年、“THE CONFESSIONS OF AMANS”で長篇劇映画デビュー。監督と脚本を手掛けた『エル・ノルテ/約束の地』(1983)でアカデミー賞最優秀脚本賞にノミネート。『ミ・ファミリア』(1995)、『セレナ』(1997)ではジェニファー・ロペスと組み、彼女は『セレナ』の演技でゴルーデン・グローブ賞主演女優賞にノミネート。また、サルマ・ハエック主演の『フリーダ』(2002)では脚本を担当。その他の代表作に『デスティニー/愛は果てしなく』(1988)等がある。

News_20081017_2ボーダータウン 報道されない殺人者
“BORDERTOWN”
ザナドゥー/グレゴリー・ナヴァ作品
2007年/アメリカ/112min./カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)

(C)2006 BORDERTOWN PRODUCTIONS,LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
10月18日~
シャンテシネほか全国(地方は順次)

2008 10 17 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Oct 08, 2008

マシ・オカ、『ゲット スマート』と共に緊急来日!

全米BOX OFFICE で初登場No.1(6/20公開:週末興収3,915万ドル)、続いて興収1億ドル突破の大ヒットを記録したスパイアクションコメディ『ゲット スマート』。1960年代に一世を風靡したTVシリーズ「それ行けスマート」(1965~70)のリメイクだが、見事に成功したといって良さそうだ。主演は、全米で今最も人気のコメディ俳優、スティーヴ・カレル。共演者にはアン・ハサウェイ、アラン・アーキン、テレンス・スタンプ、ジェイムズ・カーン、ビル・マーレーetc.と豪華な顔ぶれが揃ったが、中でも日本人にとって気になるはマシ・オカだろう。大人気TVシリーズ「HEROES/ヒーローズ」(2006~)の出演で一躍注目され、今や全米で最も有名な日本人俳優とも言われている。そんな彼が10月11日からの公開に先立ち緊急来日、10月1日に東京のアップルストア銀座で記者会見に臨んだ。

News_20081007_2 『ゲット スマート』 “GET SMART” http://wwws.warnerbros.co.jp/getsmart/
10月11日~新宿ピカデリーほか全国公開 配給:ワーナー・ブラザース映画

News_20081007_3 マシ・オカにとってスティーヴ・カレルは、コメディ俳優として大先輩。最初は緊張したそうだが……。「最初に話したことといえば“最近、家を買おうと思っているんだ”とか(笑)。フツーのおじさんです」といきなり舞台裏を暴露。その一方で、「“笑い”を独り占めしない人。コメディに対する姿勢を学びました」と謙虚なコメントも。自分が演じたスパイ・グッズ開発者については、ジェームズ・ボンドのファンらしく「『007』シリーズ(1962~)の“Q”的な役を演じられて嬉しかったです」と胸を張った。これからの活動については、「俳優だけに留まらず、製作や監督業にも力を入れていきます。今回の映画出演をきっかけに、どんどん新しい道を開拓していきたいですね」。ちなみに女性の好みを聞かれると、「頭の回転が早くて自分をしっかりと持っている人。憧れの女優はナタリー・ポートマン」とのこと。自分の作品へのラブコール……か!? 最後に見所について「アクション映画としても充分に成立していて、更に笑いが満載の“欲張り”な映画。家族で楽しめます」と語り、締め括られたこの記者会見。忙しすぎて来日出来なかったスティーヴ・カレルから日本のファンだけに向けた特別映像も上映されたが、マシ・オカがスティーヴ・カレルに「私はトイレに入る時は全裸です」という日本語の下ネタを言わせている様子等が映し出され、会場は終始笑いに包まれていた。

2008 10 08 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jul 13, 2008

『水の中のつぼみ』キャストインタビュー

「欲望が生まれる“瞬間”って、不変的なものだと思う」(by アデル・ヘネル)

Tsubomi_02 パリ近郊の新興住宅地を舞台に、三人の少女のひと夏を瑞々しく、かつ生々しく綴ったガールズ・ムービー『水の中のつぼみ』(6月28日~渋谷Q-AXシネマほか全国〈地方は順次〉)が公開され、若い女性を中心に動員し順調な興行になっている。

 物語は、15歳のマリー(ポーリーヌ・アキュアール)が親友アンヌ(ルイーズ・ブラシェール)の出場するシンクロナイズド・スイミング大会で、美しい上級生フロリアーヌ(アデル・ヘネル)に心を奪われるところから始まる。フロリアーヌに近づきたい一心で彼女が所属するスイミングスクールに通い始めたマリー。彼女は、男性関係が盛んだと噂され、女友達のいなかったフロリアーヌと次第に打ち解けて行く。そんなある日、フロリアーヌがマリーに“ある秘密”を切り出し……。

 官能的な顔と少女らしさが危ういバランスで同居するフロリアーヌを演じたA・ヘネルが、今年3月に開催された「フランス映画祭2008」のために来日。インタビューに応じてくれた。

 劇中とは違い、すっかり大人の女性に成長したヘネル。そんな彼女に、スクリーンデビューとなった『クロエの棲む夢』(2002)から5年ぶりとなる出演作に本作を選んだ理由を聞いてみると、「シナリオを読んだ瞬間、直感的に“出たい”と思ったの。監督の潜在的な能力も感じたし、フロリアーヌの美しさと孤独さの二面性がよく描かれていたから」と語った。

 弱冠27歳、本作がデビュー作となる女性監督セリーヌ・シアマが、少女たちに芽生える同性への恋、大人になることへの渇望、初めて知る身体の欲望、欲望ゆえの醜い感情を、繊細に描いたこの作品。観客、特に女性は、少女たちに自分の思春期の姿を重ねてしまうことだろう。へネルは言う。「思春期とはいえ、欲望が生まれる“その瞬間”を厳選して描いていると思うわ。その瞬間って、バックグランドが違っても不変的なもの。だからフランスに限らず、日本でもどこでも同じことだと思う」。

 とにかく初めから終わりまで、フロリアーヌの艶っぽさに目が釘付けになることは間違いない。やはり“フランスの女性”ゆえの色っぽさなのだろうか……。「そう? 私は逆に、“日本の女性は何て綺麗なんだろう”と思うのよ。それと一緒(笑)! 価値観や持っている基準が丸っきり違うからこそ、お互いにそう思えるのよ! それって素敵なことじゃない?」。

 自分の考えでテキパキと答え、17歳とは思えない程に成熟して見えるへネルだが、「初恋? うーん、14、5歳かな……。凄くシャイなの……」と、やはり恋の話になると口数が少なくなるのが愛らしい。将来、彼女がどんな女優になるか今から楽しみだ。

取材・写真・文=間宮 うり/Uri Mamiya(ライター)

プロフィール
アデル・ヘネル/Adele HAENEL
生年月日不詳。フランス、パリ出身。父は翻訳家、母は教師で、男ばかりの四人兄弟の中で育つ。幼い頃に舞台に魅了され地元の劇団に参加。映画デビューは『クロエの棲む夢』(2002)。出演2作目となる本作でセザール賞の最優秀有望若手女優賞にノミネートされた。

Tsubomi_01水の中のつぼみ
“NAISSANCE DES PIEUVRES”
ツイン/セリーヌ・シアマ作品
2007年/フランス/85min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
6月28日~渋谷Q-AXシネマほか全国〈地方は順次〉)

2008 07 13 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 03, 2008

『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』スタッフインタビュー

「完成した作品を観た感想ですか? とにかくホッとしたの一言です(笑)」(by マーク・ジョンソン)

Narunia 今年初夏の話題作の1本、C・S・ルイスの児童文学を映画化した『ナルニア国物語』シリーズの第2章、『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』(5月21日~丸の内ピカデリー1ほか全国)が遂に日本に上陸! 全国778スクリーンで公開され、平日初日にも関わらずオープニング5日間で興収8億648万8,200円、動員65万6,222人を記録。週末興収ランキングで他の作品を大きく上回り、見事初登場1位となった。今回、そんな作品の舵取りを担ったプロデューサーのマーク・ジョンソンに、作品の持つ魅力について聞いた。

「最新作は第1章に比べてドラマティックです。人間のダークな部分を浮き彫りにされ、より凝縮した形になっている。どちらかというと、第1章はナルニアや子供たちの紹介がメインでしたから」と語るジョンソン。実際、観客の感想にも“第1章よりもスケールアップしている”“カスピアンたちの戦う姿に感動した”という声が多く、今後も口コミ効果による観客動員増が期待出来そうだ。

  ここ最近では『マトリックス』『ハリ・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』等、シリーズ物で成功した例は多いが、リスクのある映画製作であることは間違いない。何故なら、新鮮さを求める観客の目はいつの時代も厳しいからだ。「確かに。しかしこのシリーズでは、常に前作と違うキャラクターを登場させ、展開や表現を変えることが可能です。つまり毎回違うストーリーを伝えられるので、単なる繰り返しになることはないんです。ちなみに、次の第3章はより冒険的になりますよ!」とシリーズに対する自信を覗かせた。

 とはいえ、長い間愛されてきた小説が原作であること、ハリウッド最高峰のテクノロジーの大規模な活用、大規模なロケ(ニュージランド、チェコ、ポーランド、スロベニア)等々、作品が完成するまでの苦労は容易に想像がつく。それは、これまでオスカーに輝いた『レインマン』等、常に良質な作品を手掛けてきたハリウッドのトップ・プロデューサーであるジョンソンでも「完成した作品を観た感想ですか?  とにかくホッとしたの一言です(笑)」と、つい本音を漏らしてしまう程だったようだ。

 そんな彼に、現在のハリウッドでの映画製作について聞いてみると、「アメリカのメジャー・スタジオは、とにかくヒットする映画製作に執着し過ぎです。だからちょっと変わったことや、プロセスが大変な作品は誰もやりたがらないのが現状です。では“アカデミー賞を目指すのか?”というとそうとも言えません。“オスカーはインディペンデントに任せておけばいい”という風潮があって……。とにかく今は“ビッグヒット”ですね。友人の中に“今は映画製作が大変”と言う人がいますが、僕に言わせれば昔だって今だって映画製作は大変ですよ!」。そこで聞きたくなるのは、“何故、それでも映画を創るのか?”。「それは、好きだから!  映画を創るのも好きだし、映画を観るのも大好き。もちろん大作から独立系までね。それに、映画の世界は長い間いてもとてもエキサイティングです」。

 もしかしたら、映画の世界にこそナルニア国のアスランのような存在がいるのかも? 「僕が思うに、“アスラン”はある1つの考えを具現化したものじゃないかな。その考えは何かといったら“信念”ということだと思う。それは、宗教かもしれないし、それ以上のものかもしれない。信念があれば、自分の規範にもなるし、それが自分を導いてくれるんだと思う。このシリーズで言えば、第1章で“信念”を見つけ、第2章でそれを失い、更に再発見しているのではないかな」。

あなたの“信念”も、この作品がヒントで見つかるかもしれない。

取材・文・写真=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
マーク・ジョンソン/Mark JOHNSON
生年月日不詳。アメリカ、メリーランド州出身。名匠バリー・レヴィンソンとの12年に渡るパートナーシップが有名で、二人で世に送り出した作品は、ロバート・レッドフォード主演の『ナチュラル』(1984)や、ダスティン・ホフマン&トム・クルーズ主演の『レインマン』(1988)、更にアカデミー賞で作品賞、監督賞を含む9部門でノミネートされた『バグジー』(1991)等、多数。『オールド・ルーキー』(2002)『きみに読む物語』(2004)等、手掛けた作品の多くが高い評価を得ているハリウッドのトップ・プロデューサー。その他の作品に『ハンティング・パーティ』(2007)『シューター/極大射程』(2007)等、多数。

Narunia02ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
“THE CHRONICLES OF NARNIA:PRINCE CASPIAN”
WDS/アンドリュー・アダムソン作品
2008年/アメリカ/150min./カラー/
スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
THE CHRONICLES OF NARNIA,NARNIA,and all book titles,
characters and locales original thereto are trademarks and
are used with permission.(C)Disney/Walden.
5月21日~丸の内ピカデリー1ほか全国

2008 06 03 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

May 22, 2008

『世界で一番美しい夜』キャストインタビュー

「この映画には“ロックなこと”は出てこないけど、“ロックな映画”だと思います。攻撃的な映画ですね(笑)」(by 田口トモロヲ)

Sekaiutukusi 個性派俳優として、シリアスな役からエキセントリックな役まで幅広いキャラクターを演じ、『アイデン&ティティ』(2003)では映画監督デビューも果たした田口トモロヲ。そんな彼の、俳優としての最新作は、古代日本の神話がモチーフ。神様、セックス、幸福をテーマにした、“誰も死なないテロ”を巡るピース・レボリューション・ファンタジー『世界で一番美しい夜』(5月24日~渋谷シネ・アミューズほか全国〈地方は順次〉だ。

 父、今村昌平の遺志を受け継いだ天願大介が監督・脚本・原作を手掛けた本作は、「出生率日本一」に認定され、内閣総理大臣から表彰を受けることになった村、要村(かなめむら)の秘密が解き明かされるところから始まる。

 脚本の第一印象を「とにかく、“こんな脚本はない!”と。読み物としても相当面白かったですね」と語る田口。彼が演じる主人公の水野一八は、ごくごくフツーの新聞記者。不思議な力を持つスナックのママやセックスで革命を起こそうとする元過激派といった、一筋縄ではいかないキャラクターたちに翻弄される。

「僕はいわば“目撃者”。流れに身を任せることに徹して、いろんなタイプのキャラクターを受ける側です。だから、役を作りこむというよりも、いかに新鮮なリアクションをするか。その場での生の反応を大切にしました。更に1つ1つの受けを少しづつ変えていったり……。そこは監督と相談しながら現場で作っていきました」。そしてラストには、フツーの男から“あるモノ”へと変身し、村に“世界で一番美しい夜”が舞い降るきっかけとなる。

 スズキ コージのイラストを大胆に使い、寓話的な要素をたっぷり盛り込んだ全篇には、幸福感が溢れ、観る者の心を掴む。「何でもありのエンターテイメントな作品なので、観客がピースフルな気持ちになってくれたらいいですね。実生活ではもしかしたら、苦しかったり、退屈だったりするかもしれないけど、脳内では冒険できるじゃないですか。自分は“表現”が持つ魔法があるからこの世界に関わっていると思います。映画や音楽はそれを肉体化したものだと」。

 そんな彼に、“美しい夜を作れるなら?”と訊ねてみると、「この映画に近い夜を作りたいですよね。60年代ルネッサンスじゃないけど……。この映画には“ロックなこと”は出てこないけど、“ロックな映画”だと思います。攻撃的な映画ですね(笑)」。

 “どうしたら人間は幸せになるんだろう……”。その答えの1つがこの映画の中にあるのかもしれない。

取材・写真・文=間宮 うり/Uri Mamiya(ライター)

プロフィール

田口 トモロヲ/Tomorowo Taguchi
1957年11月30日生まれ。東京都出身。大学中退後、漫画家、ライター、イラストレーター、ミュージシャン等をしながら、1978年に舞台『発見の会』で俳優デビュー。スクリーン・デビューは1982年の『俗物図鑑』。以降、『弾丸ランナー』(1996)『うなぎ』(1997)等、様々な作品に出演し、その存在感溢れる演技を発揮。NHKで放送された「プロジェクトX」のナレーションでは、一躍国民的人気を獲得した。2003年には『アイデン&ティティ』で監督デビューを果たす。現在、俳優として『少年メリケンサック』(宮藤官九郎)を撮影中。今夏には、監督第2作『色即ぜねれいしょん』(原作:みうらじゅん)のクランクインが控えている。映画出演作では『クライマーズ・ハイ』(2008)、『きみの友達』(2008)が公開待機中。

Sekaiutukusi02世界で一番美しい夜
ファントム・フィルム/天願大介作品
2007年/日本/160min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SR) ※R-18指定作品
5月24日~渋谷シネ・アミューズほか全国〈地方は順次〉

2008 05 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 05, 2008

『東京ソーダ水』キャスト・インタビュー

「東京以外の場所に行くなんて考えられません(笑)」(by上津原 佐和子)

Tokyo02 東京に暮らす8人の女性の視点で東京を描いた『東京ソーダ水』。数々の名作、話題作を手掛けて来た奥山和由がプロデュースしたドキュメンタリー映画の本作は、 “日々変わりゆく東京に住む女性たちは何を考え、何を感じているのか?”を独自の視点で切り取り、東京の孤独感や空虚感を映し出してゆく。

しかし、「東京に住む女性で、最近凄く環境が変わった人」をキーワードに取材対象に選ばれた上津原佐和子さんには、孤独感や空虚感はなく、むしろ楽観的でポジティブな印象を持った。撮影当時、ちょうど芸能事務所“クイーンズファクトリー”を設立したばかりだったという彼女に当時のことを尋ねてみると、「“この映画が完成する頃、自分はどうなっているかな?”と不安はありましたが、“絶対大きくなってみせる!”とも思っていました(笑)」。あれから1年たった現在、事業は順調に成長し、相変わらず忙しい毎日を過ごしているという。

常に変化を繰り返しながら、その姿を変え続けている大都市、東京。劇中、“この街には「何でもあるが、何もない」”とナレーションが入る。だが彼女にとっては、「東京は幻想ではなく、夢を叶えてくれる場所です」ときっぱり。「刺激的でありながら、落ち着く場所でもあって……。他の場所に行くなんて考えられません(笑)」。
この作品で映し出される東京に、あなたは何を感じますか?

取材・写真・文=間宮 うり/Uri MAMIYA

プロフィール
上津原 佐和子/Sawako UETSUHARA
1981年(生月日不詳)生まれ。出身地不詳。(株) クイーンズファクトリー代表取締役。青山学院女子短期大学芸術学科卒業、慶應義塾大学文学部(通信)在学中。グラビア等でタレント活動をしながら、演劇制作や他のタレントのマネジメント業務を行ない、会社設立に至る。

Tokyo東京ソーダ水
アイズプロジェクト/飯塚 敏明 作品
(ユニット監督/髙田雅之、安池 卓、
渡辺 浩太、樋口 哲史、西野 基久、
宮田 淳広、小野寺 昭憲、タミヤ ヨシナリ)
2007年/日本/76min./カラー/
ヴィスタ/ステレオ
(C)2007『東京ソーダ水』製作委員会
1月12日~渋谷 UPLINK Xほか全国(地方は順次)

2008 02 05 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jan 09, 2008

『かぞくのひけつ』スタッフインタビュー

「自分が受け入れ難い他人をどう受け止めるかということが大事」(by 小林 聖太郎)

Kazokunohiketu_2 オンナ癖の悪い父(桂雀々)と嫉妬深い母(秋野暢子)を両親に持つ高校生の賢治(久野雅弘)は、今日も母親から父親の尾行を頼まれ、父親の彼女(ちすん)とのデート現場を発見! 何とか父親を諦めて貰おうと説得するのだった。そんなオンナ癖の悪い父を見て育った賢治にも恋人の典子(谷村美月)がいたが、ある理由から一歩踏み出した関係に進めずにいた……。リドリー・スコットの『ブラック・レイン』の舞台にもなった大阪市淀川区の十三(じゅうそう)を舞台に、私たちのすぐ身近にある“家族”と“恋”を、日常の笑いと涙で綴ったハートウォーミングな人情劇『かぞくのひけつ』が渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開中だ。(以降全国順次公開)

 第47回日本映画監督協会新人賞に輝いた本作を手掛けたのは、井筒和幸(『ゲロッパ!』(『パッチギ!』)、根岸吉太郎(『雪に願うこと』)、森﨑 東(『ニワトリはハダシだ』)ら、日本映画界を支える巨匠たちの助監督として活躍してきた小林聖太郎。大阪出身の小林が、“等身大の、ありのままの大阪人を描きたい”とメガホンを取り、鋭い観察眼で大阪の軽やかさと喧騒を心地好いリズムで描き出した。

 そんな小林は言う。「特に大阪色を出そうと意識はしなかったのですが、同じ話を東京でやると笑いにはならなかったかもしれませんね」。

 そもそも、大阪十三の第七藝術劇場の復活記念作品として製作された本作。紆余曲折はあったが、最終的には家族をテーマにすることに。「家族って、人間関係の最小単位じゃないですか。自分と違う人と集団を作る時に、許すというか、自分が受け入れ難い価値観をどう受け止めるか?ということが大事だと思うんです」。

 だが「ちゃんとした喜劇映画をやりたかった」という小林だけあって、深刻になることなく、軽快で絶妙な笑いのツボが満載。主人公の賢治の久野、母親役の秋野、父親役の噺(はなし)家の桂雀々を始め、大阪出身のキャストで固めたことが功を奏した。「でも今回は小規模で、やれることが限られてたので、出来のいい併映作を目指そう、と。2本立を観て、意外に観るつもりじゃなかった方が面白かった、ってことあるじゃないですか。“面白い映画だったけど何てタイトルだっけー?”みたいな(笑)。いわゆる“B面”(笑)気楽に観てもらいたいですね」

 最後に、街を舞台にするなら次はどこで撮影したいかを聞いてみると、「この間、ミシェル・ゴンドリーの助監督をやったんですけど、“何で東京は自由に撮影できないんだ? パリだったら何でも撮れるのに!”って何度も言われたんで、ホントにパリなら何でもできるのかやってみたいですね(笑)」。

取材・写真・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
小林 聖太郎/KOBAYASI Syoutarou
1971年3月3日生まれ。大阪府出身。1995年、原一男が開いた「CINEMA塾」に第一期生として参加。1996年から1998年にかけて原のドキュメンタリー『映画監督浦山桐郎の肖像』の助監督を務める。その後、劇映画の演出部として『ナビィの恋』(1998、中江裕司)『ホテルハイビスカス』(2002、中江裕司)、『閉じる日』(2000、行定勲)『えんがわの犬』(2000、行定勲)『ぶりてぃウーマン』(2002、渡邊孝好)『ゲロッパ!』(2002)『パッチギ!』(2004)『ニワトリはハダシだ』(2003)、『雪に願うこと』(2005)等、数多くの作品に関わる(カッコ内は製作年)。本作が監督デビュー作となる。

Kazokunohiketu02かぞくのひけつ
シマフィルム=第七藝術劇場=スローラーナー/
小林聖太郎作品
2006年/日本/83min./カラー/
ヴィスタ(DV)/ステレオ
(C)2006 シマフィルム
渋谷・ユーロスペースにて絶賛上映中!1/19(土)よりポレポレ東中野にて2週間限定上映決定!(以降全国順次公開)

2008 01 09 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Dec 20, 2007

『カンナさん大成功です!』キャストインタビュー

「自分に満足し、自信を持って歩んでいくことが大切だと思います」
(by キム・アジュン)

Kanna_071220jpg 「私が愛されないのは、太っているから。キレイじゃないから」と幸せになれない理由を並べて、自分に言い訳を続けてきたカンナ(キム・アジュン)。そんな彼女が、愛する人から好かれるために、そして幸せになるために、決死の一歩を踏み出す。それは誰もが予想しなかった大胆な一歩、“全身整形”という、まさに命がけの決断だった……。鈴木由美子の人気同名コミックを韓国が映画化し、あの『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』を超え、韓国ラブコメ史上No.1ヒットを記録した『カンナさん大成功です!』(12月15日~シネカノン有楽町1丁目ほか全国)が絶賛公開中だ。

 監督は、デビュー作『オー!ブラザー』(2003)に続くこの長篇2作目にして大きな成功を手にしたキム・ヨンファ。そしてヒロインのカンナを演じたのが、大型新人のキム・アジュンだ。「これまで、女性が持っているコンプレックス、“ルックス至上主義”を真っ向から描いた作品は韓国にはなかったんです」と語るキム・アジュンは、この作品で韓国のアカデミー賞、大鐘賞の主演女優賞を受賞。劇中の90%以上に出演し、95kgのカンナに変身する際には毎日4時間かけて特殊メイクを施したのだそう。

 そんなキムは、「この作品の魅力はいろいろな要素をバランス良く取り込んだところだと思います。韓国では、興行成績が良いとあまり作品評価が良くなかったり、その逆のことが起きたりするんですが、この作品は両方でいい結果を出すことができました」と自信を覗かせる。

 美人というより可愛い顔立ちに、身長170cm、体重48kgという抜群のスタイル。“ぶっちゃけ、フラれたことないでしょ?”と女の醜い嫉妬をチラつかせながら聞くと、「そんなことないです……もちろん、あります……」と小さい声で答える。そんなキムに、同性の筆者も思わず“ドキっ! カ、カワいい……”というか、彼女をフルなんてどれだけ見る目がない男なんだろう……と。「思いを秘めるタイプですね。全く相手に気持ちを伝えられません。そんな素振りも見せないから誰も判らないんです(笑)。でも、フラれた経験があるからこそ、この映画に生かせたんだと思います」と、どうやら本作で自身とカンナを重ねた部分もあったようだ。

 そんな彼女がこの映画で学んだこととは一体何だろう?「自分が望んだものを手に入れても、本当の自分に満足できていなければ幸せな人生とはいえない。“本当の幸せって何だろう?”って、自分を振り返ってみることは必要です。それをこの映画を通して伝えられればと思いました。自分に満足し、自信を持って歩んでいくことが大切だと思います」。女性なら誰しもが悩み苦しむ死活問題(!?)を、笑いあり涙ありで描いたこの作品。自分に自信をなくしてしまった女性たちにこそ見て欲しい、珠玉のラブ・コメディだ。

取材・写真・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
キム・アジュン/Ajoong KIM
1982年10月16日生まれ。韓国(出身地不詳)出身。スカウトがきっかけでモデルとなる。雑誌モデル等で活躍し、2004年に『オッケドンム』でスクリーン・デビュー。TVの大河時代劇「海神―HESHIN―」で男勝りな護衛兵士を演じ、一躍注目を浴びる。その後、TVドラマ「別れの法則」(2005)映画『クァンシクの弟クァンテ』等で着実にキャリアを積み、2005年秋のTVドラマ「変な女、変な男」で主演に抜擢され、お茶の間の人気者となった。そして歌にも挑戦した本作が興行的にも批評的にも成功を収め、“キム・アジュン シンドローム”と呼ばれる程のブームを巻き起こした。今後が楽しみな若手女優である。

Kanna02_071220jpgカンナさん大成功です!』
“200 POUNDS BEAUTY”
WB/キム・ヨンファ作品
2006年/韓国/116min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2007 KM Culture co,ltd. All Rights Reserved./KM
12月15日~シネカノン有楽町1丁目ほか全国

2007 12 20 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Nov 22, 2007

『肩ごしの恋人』スタッフ・インタビュー

「友達の実体験が一番参考になりました。というか、それが一番じゃないですか(笑)!!」(by イ・オンヒ)

Katagoshi02直木賞を受賞し、63万部の大ベストセラーとなった唯川恵の恋愛小説が、韓国で映画化された。それが『肩ごしの恋人』(11月23日~お台場シネマージュほか全国〈地方は順次〉)。幼馴染みの親友同士なのに性格が正反対のジョンワン(イ・ミヨン)とヒス(イ・テラン)。二人それぞれの恋愛模様を、ソウルの最新スポットを背景に生き生きと描き出した、韓国版『SEX AND THE CITY セックス・アンド・ザ・シティ』ともいうべき作品だ。

「国境を越えて共感できる内容でしたし、何よりストーリーが面白かった」と映画化のきっかけを語った監督のイ・オンヒ。続けて「原作の良さを残しながら、自分や同年代の友達の目線を加えて自分なりの作品に創り上げました」と語るように、劇中のガールズ・トークは女性なら誰しも経験したことのあるリアルな本音ばかり。「周りの友達の実体験が一番参考になりました。というか、それが一番じゃないですか(笑)!!」。

主人公の二人には、『純愛中毒』『タイフーン』のイ・ミヨン、TVドラマで活躍する『噂のチル姫』のイ・テランを抜擢。「イ・ミヨンさんは高校生の時から好きな女優さんだったので、今回ぜひお願いしたいと思って。イ・テランさんは女性っぽくない役が多かったので、今回は思いっきり女性っぽい役をやって欲しいと思ったんです」。そんな二人の、正反対の性格を反映させた最先端の衣裳や家具も見ていて楽しい。「イ・ミヨンさんが着ている衣裳の4割は、実際に彼女が着ている物なんですよ。あの特徴的なネイルも!」ということなので、スクリーンをよーく観て欲しい。

「映画のコンセプトとして、雰囲気を可愛くしすぎないことに注意しました。だから、家具とかも寒色系にして冷たい感じにしたんです」。イ・オンヒ、デビュー作『アメノナカノ青空』で見せた独特の演出力と感覚的な映像は、この最新作でも健在。「私は結婚していないので、状況から考えるとジョワンのタイプかも」とクールに自己分析する彼女が女性のために創った本作は、女性なら必見だ。

取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
イ・オンヒ/Eon-hie LEE
1976年生まれ(生月日不詳)。韓国出身(出身地不詳)。韓国芸術総合学校映像科の第1期生として学ぶ。監督デビュー作は2005年の『アメノナカノ青空』。また、『子猫をお願い』(2001)のチョン・ジュウンは韓国芸術総合学校での同期にあたり、イ・オンヒもスタッフとしてこの作品に参加している。その他、『チャ・テヒョンのハッピー☆クリスマス』(2004、イ・ゴンドン)では脚本を手掛けた。今、韓国映画界で期待される若手女性監督の一人。

Katagoshi01肩ごしの恋人
“LOVE EXPOSURE”
ショウゲート/イ・オンヒ作品
2007年/韓国=日本/101min./カラー/
スコープ/ドルビー(SRD:SR)
11月23日~お台場シネマージュほか全国〈地方は順次〉

2007 11 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Nov 19, 2007

『ソウ4』キャストインタビュー

「このシリーズは凄い旅だったよ。これからも旅は続くと思うけど……。」(by トビン・ベル)

Saw4_01 世界中を恐怖のどん底に陥れたソリッド・シチュエーション・スリラー・シリーズの最新作『ソウ4』(11月17日~TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国)が、いよいよ日本に上陸する。

 『ソウ3』でジグソウ(トビン・ベル)と弟子のアマンダ(ショウニー・スミス)は死んだ。だが今再び、ゲームが始まる……。果たして、今度のゲームを操っているのは何者なのか?

「凄い旅だったよ。これからも旅は続くと思うけど……。とにかくジグソウは、凄いポテンシャルを持ったキャラクター。一緒に仕事しているチームも楽しいし。とても密なコラボレーションを取れてきたと思う。それはとても珍しいこと。テレビや映画の世界はトップ&ダウンが激しいけど、このシリーズには皆で分かち合って行こうという責任感がある。それが作品を良いもので満たして来たと思うよ」と、第4作目までの感想を語ってくれたトビン・ベル。

シリーズが誕生してから最新作まで、“悪”のアイコンとなったジグソウを演じ続けて来た彼が、今回初めての来日を果たした。実際の彼は劇中の冷たい印象とは違い、「あっ、ジグソウの人形はこっちに置いとこうね(笑)」と場を和ませてくれるジェントル・マンだ。

 そんな彼にジグソウという人物をどう受け止めているのか聞いてみると、「友達をよく知るためにいろいろと質問するように、僕もジグソウに質問したりしたんだ。でも理路整然とした答えは出てこないし、都合のいい答えばかり。とても複雑な人間だね。それを人に説明するのも難しい。具体的なシーンを言ってもらえれば、その時に彼がどう感じたか言えるんだけど……。彼の感情は“たまねぎ”のようなもので、1枚剥けばまた違う感情があったりする。その積み重ねで、1つではなく、複雑な感情が形成されるんだ。でも彼は君たちと何ら変わりないと思う。たまたま彼がスクリーンに映し出されてしまっただけだと思うよ」。

 最新作では、ジグソウの過去がまた新たに明かされて行く。恐らく観客は、1枚1枚剥がされていく彼の感情や行動に驚きと納得を同時に感じるだろう。「人生というのは1つの形に決まっていない。我々がどう解釈するか? どんな経験をするのか ?どういうふうにエネルギーを使うのか? だと思う。いろいろな道があるけど、ジグソウはある信念に導かれて1つの道を選ぶ。この映画に人生の答えがあるとは言えないけど、ね。答えは自分たちで見つけきゃいけないんだと思う。僕も人生を模索中(笑)。ま、何と言っても映画だし、皆に楽しんで欲しい」と語りながらも、「皆を考えさせるから、この映画はヒットし続けているのかもね(笑)」とイタズラっぽく笑うベル。あなたはこの映画から何を思う?

取材・文・写真=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
トビン・ベル/Tobin BELL
1942年8月7日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身。ボストン大学卒業後、モントクレア州立大学で環境教育修士号を修得。ニューヨークのアクターズ・スタジオで一流の指導者から演技を学び、数々の舞台に出演する。1988年に『ミシシッピー・バーニング』で映画デビューを果たし、以後、『グッドフェローズ』(1990)『ザ・シークレット・サービス』(1993)『ザ・ファーム/法律事務所』(1993)等、どんな役でもこなせるカメレオン俳優として活躍。そして、ジグソウ役を得た『ソウ』シリーズ(2004~)で、その地位を確立した。次回作は“HIGHWAY61”(2008)が待機中。

Saw4_02ソウ4
“SAW Ⅳ”
アスミック・エース/
ダーレン・リン・バウズマン作品
2007年/アメリカ/93min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)※R-15指定作品
(C)MMVII Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved
11月17日~TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国

2007 11 19 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Oct 23, 2007

『ふみ子の海』スタッフインタビュー

「映画館を出た後に、観客が胸を張れるような映画を創りたかった」
(by 近藤 明男)

Humiko01 新潟県の高田盲学校で教鞭をとり、生涯を視覚障害者の教育に捧げた粟津キヨの少女時代を描いた、市川信夫の同名小説に基づくヒューマン・ドラマ『ふみ子の海』(10月13日~シネスイッチ銀座ほか全国〈地方は順次〉)。昭和の初め、新潟県頚城郡で生まれたふみ子(鈴木理子)は、貧しさゆえの栄養不良がもとで幼くして失明してしまう。母チヨ(藤谷美紀)は絶望し、一度は心中を考えるが、それでも希望を失わないふみ子の姿に思いとどまるのだった。そして8歳となったふみ子は、高田盲学校の教師、高野りん(高松あい)と出会い、点字に巡り会う……。

「映画館を出た後に、観客が胸を張れるような映画を創りたかった」と語るのは、増村保造や市川崑ら名匠、巨匠の助監督としてキャリアを積んできた監督、近藤明男。今回もベテランのスタッフを揃え、その確かな手腕を発揮。ノスタルジックな雰囲気を伝えるために時代考証を念入りに行い、更に観客の情感に響く演出で作品に深みを生み出している。

「いい小説ほど映画化は難しいと思います。原作とケンカしてしまう場合もありますから。だから、原作者の市川さんに根気強く説得しました」。その結果、原作者の市川さんが「この物語が世に出てから20年、たくさんの人に助けられて映画になりました。美しい越後の風景の中、障害を越えて健気に生きる少女たちの姿をたくさんの方に観ていただきと思います」と納得する作品が仕上がった。

「映画は、観る人の思い出や感情が作品とダブる時に感動するもの。ふみ子はいろいろな女性たちとの巡り合わせによって生きていきます。リトマス試験紙じゃないけど、この作品には、観る人それぞれが自分の心の中で引っ掛かっているものに反応する部分が必ずあるんだと思う」

あなたが今、何か悩んでいるとしたら、この作品の中にその答えがあるかもしれない。一人ゆっくり、ふみ子の生き方と向き合ってみてはいかがだろうか?

取材・写真・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
近藤明男/Akio KONDO
1947年(生月日不詳)生まれ。東京都出身。早稲田大学卒業後、大映に入社。増村保造や市川崑ら名匠、巨匠の下で助監督として映画人としてのキャリアをスタートさせる。1972年からはフリーランスの助監督として多くの作品に参加。主な作品に増村保造の『大地の子守歌』(1975)『曽根崎心中』(1977)、日米合作テレビ映画『将軍 SHOGUN』(1979)、高田賢三の『夢・夢のあと』(1980)、市川崑の『ビルマの竪琴』(1984)等、多数。1985年、オールフランスロケの『想い出を売る店』で監督デビュー。現在はテレビ作品等の演出も手掛け、活躍の場を広げている。

Humiko02ふみ子の海
パンドラ=シネマディスト/近藤明男作品
2007年/日本/105min./カラー/
ヴィスタ/ステレオ
(C)2007 C.A.LAll Rights Reserved.
10月13日~シネスイッチ銀座ほか全国(地方は順次)

2007 10 23 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Oct 11, 2007

『カタコンベ』スタッフインタビュー

「普通の人に起こる突然の狂気を題材にした作品を創りたかった」(by マーク・バーグ)

Catakonbe01 大ヒットになった『ソウ』シリーズ(2004~)の製作陣が、実在するパリの地下墓地“カタコンベ”を舞台に新感覚スリラー創り上げた。それが『カタコンベ』(10月6日~お台場シネマメディアージュほか全国)。パリに暮らす姉キャロリン(アリシア・ムーア)の元を訪れたヴィクトリア(シャニン・ソサモン)は、世界で最も美しい都市の地下で、身の毛もよだつ壮絶な体験をする……。

「『ソウ』シリーズのような、普通の人に起こる突然の狂気を題材にした作品を創りたかった」と話すのは、本作をプロデュースしたマーク・バーグ。これまで『ソウ』シリーズを筆頭に、『マイ・フレンド・フォーエバー』『ジョンQ―最後の決断― 』等を手掛けた敏腕プロデューサーだ。

本作も『ソウ』シリーズ同様、スリラーの中に“生と死”のメッセージ性を強く入れ込んでいる点が興味深い。「恐怖の中にメッセージを込めることは、『ソウ』シリーズで発見したんだ。なかなかそのことに気づく人は少ないけど、『ソウ』シリーズを含めて目指しているジャンルだね。人生は一度きりでリハーサルはない。だからこそ、生きている限りいろいろ挑戦して欲しいし、自分がどう扱われたいかを念頭に置きながら、他人に接する大切さに気づいて欲しいんだ」。

今回も新人監督を起用。それが作品を新鮮なものにしているのもバーグらしい。しかも、グラミー賞に輝くスーパースター“P!NK”ことA・ムーアが姉のキャロリン役で出演、X-JAPANのYOSHIKIが映画のメインテーマを手掛けるという組み合わせも面白い!

「P!NKは、普通の女優にはないものを持ち込んでくれると思ったからね。それに家が隣で、“映画に出せ”って言われて、ね(笑)。でも、彼女をチョイスして間違ってなかったよ。YOSHIKIは音楽監修の友達が知っていて、今回お願いしたんだ。彼も作品を気に入っているし。えっ、日本での彼の人気は凄いって? そうなんだ。じゃ、今度、彼に演技してもらおう! 『ソウ5』で殺される役なんてどうかな(笑)」と、雑談しながらもアイデアを出してくるバーグ。

でも、それは冗談では済まないかもしれないのだ……。 実は、現在撮影中のパリス・ヒルトン主演のホラーミュージカル“REPO! THE HE GENETIC OPERA!”で、YOSHIKIはエグゼクティブ・プロデューサーと音楽総監督を務めており、これから活躍の場が広がる可能性があるからだ。

最後に、気になる本作の続篇について聞いてみると……。「最初、エンディングを2通り考えていたんだ。今のエンディングと、今回で完結するバージョンとね(笑)」。……ということは、もしかしたら『カタコンベ2』があるということ、かも!?

取材・写真・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
マーク・バーグ/Mark BURG
生年月日不詳。アメリカ、ニューヨーク州出身。エボリューション・エンタテインメント/ツイステッド・ピクチャーズの共同創設者として才能豊かなスタッフ、キャスト陣を集め、『さよならゲーム』(1988)等を手掛ける。2004年最大のヒット作となった『ソウ』ではプロデューサーを務め、ライオンズゲートとの配給契約を結ぶきっかけを作った。また『ソウ』の監督・脚本チームであるジェームズ・ワンとリー・ワネルの新作“SILENCE”では製作総指揮を務める。その他の作品に『ジョンQ-最後の決断-』(2002)等、多数。

Catakonbe02カタコンベ
“CATACOMBS”
デジタルサイト/
トム・コーカー&デヴィッド・エリオット作品
2007年/アメリカ/94min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD、DTS:SR)
10月6日~お台場シネマメディアージュほか全国
※R-15指定作品

2007 10 11 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Sep 18, 2007

『明るい瞳』スタッフインタビュー

「“真実”を伝えるために使われるコミュニケーションツールは
“身体”なんだよね」(by ジェローム・ボネル)

Akarui兄夫婦と同居しているファニー(ナタリー・ブドゥフ)。誰からも愛されてないと感じている彼女は意志の疎通が上手く出来ず、他人からは“心に病を抱えた女の子”と思われていた。そんなある日、兄嫁の秘密を目撃してしまった彼女は、とある自分の願いを叶えるため旅に出ようと決意するが、初めて体験する外の世界に戸惑いを隠せない。そんな時、ファニーは言葉の通じない木こりのオスカー(ラルス・ルドルフ)と出会い……。

上手く社会に馴染めない一人の女性。その内面の変貌をファンタジックに描いたのが、この『明るい瞳』(9月1日~シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉)だ。作品のテーマについて「“孤独”“コミュニケーション”“視線”」と語るのは、新鮮味があって叙情的な本作が評価され、若手監督にとって最高の栄誉の1つである“ジャン・ヴィゴ賞”を受賞したフランス映画界期待の若手、ジェローム・ボネル。

童話的要素を盛り込んだこの作品で特に特徴的なのは、言葉という音を際立たせた前半と、自然の音を豊富に入れ込んだ後半における演出の違いだ。「前半は、言葉の通じる人間同士なのに全くコミュニケーションが取れない状況。後半は、言葉の通じない人間同士の豊かなコミュニケーションが存在するという状況なんだ。以前から、言語がコミュニケーションの障害になる、という典型的な考えの逆を描いてみたかったんだ」。

先日取材した『ベクシル2077日本鎖国』の曽利文彦もそんなボネル同様、個人間のコミュニケーションの不足をテーマにしていた。どうやらこれは様々な形で私たちの社会に影を落としている問題のようだ。

「後半、言葉は不在であるにも関わらず、言葉の通じないオスカーとファニーの間には深い人間の交流が誕生していく。言わば言葉が不在のコミュニケーション。言葉というのはコミュニケーションの中でも、特に“嘘”をつくために使われる道具だと言えるんじゃないかな。じゃあ、“真実”を伝えるために使われるコミュニケーションツールは何かというと、“身体”なんだよね。中でも“視線”=“目”というのは、人と人とのコミュニケーションにおいて最も大切なものになってくると思う。僕はそういったことを描きたかった」。

そう語るボネルは、キャストやスタッフとのコミュニケーションを大事にしているという。「一番大事にしているのは、彼らとのコミュニケーション。それは、映画とは全く関係のない日常会話の中から生まれることが多いね。そうすることで、自然と仲間意識、連帯意識が生まれてくる。その意識が彼らの、“こういうふうに役作りをしよう”と考える創意工夫の基礎になるんじゃないかな」。

改めて、人と人が直接接する大切さや温かさを感じさせてくれる。そんな作品を手掛けたボネルの話を聞くにつれ、日本特有の“呑ミニケーション”も実は良いコミュニケーションの場なのかな、と感じたのでした……。

取材・写真・文=間宮うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
ジェローム・ボネル/Jerome BONNELL
1977年(生月日不詳)生まれ。出身国、地不詳。パリ第三大学映画科卒業。1999年に短篇“FIDELE”で監督デビュー。その後、2本の短篇を完成させ、2001年に“LE CHIGNON D’OLGA”で長篇デビューを飾り、2002年のシカゴ映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。本作は長篇2作目にあたる。また2007年3月には第3作目“J’ATTEND QUELQU’UN”がフランスで公開された。フランス映画界期待の新人。

Akarui_02明るい瞳
“LES YEUX CLAIRS”
アステア/ジェローム・ボネル作品
2005年/フランス/カラー/87min/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
9月1日~
シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉)

2007 09 18 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Aug 31, 2007

『厨房で逢いましょう』スタッフインタビュー

「エーラーの料理を食べて自分の価値観を見直したね」(by M・ホーフマン)
「私は好きなものを好きなように作っただけ」(by F・エーラー)

Tyuubou02 料理の腕は超一流だが口下手。そんな孤高の天才シェフ、グレゴア(ヨーゼフ・オステンドルフ)が、平凡な主婦エデン(シャルロット・ロシュ)に恋してしまう。でも彼が出来ることは、彼女の胃袋と食欲を満たしてあげることだけ。やがて彼女への熱い想いは看板料理である“官能料理(エロチック・キュイジーヌ)”へと注がれ、その味は人々の舌と心をとろけさせてゆくのだが……。

 それが、“食欲の秋”が近づいてきたこの季節にピッタリの、心と目に美味しい大人の恋の映画『厨房で逢いましょう』(8月25日~Bunkamuraル・シネマほか全国〈地方は順次〉)だ。今回は、既に公開が始まり好調な動員を続けているこの作品の監督、ミヒャエル・ホーフマンと、作品のためのオリジナル料理を創作した料理人、フランク・エーラーに話を聞いた。

 「とにかくヨーゼフ・オステンドルフをシェフ役に起用したかったんです。彼は“楽しむことに重きを置く人間”で、美食にお金を惜しまない人。大きなお腹を持つことを人生の目的にするなんて凄く魅力的だよ! それに僕は、“美味しい料理が人生を変える”という考え自体があるのかどうか自分でも確信がなかったけど、(フランク・)エーラーの料理を初めて食べた時にそれを確信できたんだ。美味しい料理って、自分が持っている価値観をもう一度見直すきっかけになったり、“マテリアルなことばかりを重視しすぎていたのではないか?”と考えさせてくれるんだよね」と作品のきっかけについて話すのはミヒャエル・ホーフマン。

 彼が語るように、スクリーンに映し出される、巨漢のグレゴアが素材を愛おしそうに料理する姿や、彼の料理を文字通り“皿を舐めて”楽しむ登場人物たちの姿等が、私達も共感できるたくさんの“喜び”を再認識させてくれる。

 Tyuubou01そして、もう1つの主役とも言える映画のオリジナル料理を手掛けたのが、監督の料理への価値観を変えたフランク・エーラー。ドイツの5つ星ホテル「エルププリンツ」の料理長を務め、数々のレストランガイドや批評家から絶賛されている。「料理をする時はまっさらな気持ちで向き合うんだ」という彼は、「監督から“エロチック・キュイジーヌ”についてのアイデアや指示があったわけではなく、私が私の好きなものを好きなように作っただけ。“何を作るのか”が問題なのではなく、“どう作るのか”が問題でした」と今回の料理について語ってくれた。

 しかし劇中登場するチョコ・コーラ・ソースだけは……。「もちろんそんな物は存在しません。エーラーはそのソースを作って(再現)くれたけど“ふざけた代物だ”と怒っていたんだよ。冗談で“それならいっそレシピを教えてくれ!”って言ってたよ(笑)」とホーフマン。エーラーも100%自由には出来なかったようだ……。 
 
 ところで、そんなエーラーによって筆者も価値観を覆されたことが……。それは“たばこ”。料理人はたばこを吸わないと思っていたのだが、エーラーは取材中、気持ちよさげにたばこをスパスパ。思わず“たばこを吸うんですね・・・”と尋ねると、「たばこを吸うことによって味覚に影響が出るわけではないし、私が作った料理の味に影響が出ることもないよ。例えば音楽を操る人がハーモニーを理解しているように、色彩、私の場合は材料を見ればどのような味になるか判るので、自分の料理を試食する必要はないんだ。だから何も問題はないんだよ」。
 さすがは5つ星シェフといったところ!? そんな彼による料理がスクリーンを埋め尽くすこの作品。くれぐれも空腹時に観ないようにご注意を……。

取材・写真・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
ミヒャエル・ホーフマン/Michael HOFMANN
1961年(生月日不詳)生まれ。出身国・地不詳。放浪の旅をし、フランスの映画学校FEMISで学んだ後、1988年から1990年にかけてCMスポットを製作。1991年以降、フリーの脚本家、監督として活動。1994~1995年、ミュンヘンの脚本学校の奨学生となる。1998年、初の劇映画“DER STRAND VON TROUVILLE”で製作・監督・脚本を手掛ける。2作目の“SOPHIIII!”(2001)でドイツ映画賞監督部門支援賞を受賞。3作目となる本作では2006年ロッテンダム映画祭観客賞、2006年ペサロ映画祭観客賞を受賞した。今後の活動に注目したい。

フランク・エーラー/Frank OEHLER
1964年5月9日生まれ。ドイツ、ムッセンハウゼン出身。1978年から1981年までドイツの名店“レストラン・ベンツ”で修行した後、ドイツ南部のリゾート地、ムルナウの“レストラン・アルペンホーフ”、湖畔ホテル&レストラン“ズィーバー”、バイエルン北部の町、ヴェルトハイムの“シュヴァイツァー・シュトゥーベン”で料理に励む。その後、ロンドンのアントン・モシマンの店で副料理長を務め、スイス、バーゼルの“トイフェルホーフ”でも同じく副料理長となる。1995年に自らオーナーを務める“D’Rescht”を開店。そして2005年には5つ星ホテル“エルププリンツ”の料理長となった。数々のレストラン・ガイドで絶賛される料理人だ。そのモットーは“美味なるものに論争の余地はない”。

Tyuubou03厨房で逢いましょう
“EDEN”
ビターズ・エンド/ミヒャエル・ホーフマン作品
2006年/ドイツ=スイス/98min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
8月25日~Bunkamura ル・シネマほか全国(地方は順次)

2007 08 31 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Aug 23, 2007

『ベクシル 2077 日本鎖国』スタッフインタビュー

「この作品で描いた世界は、結構現実的だと思っているんですよ」(by 曽利 文彦)

Vaxill0121世紀初頭、バイオテクノロジーやロボット産業の市場を独占していた日本に対し、国連は安全性や倫理的な問題から技術規制を強化しようとした。しかし日本政府はこれに反発し、2067年からハイテク技術を駆使した“完全なる鎖国”をスタートさせる。それから10年。鎖国によりベールに包まれた日本の内情を探るため、米国特殊部隊“SWORD”の精鋭が日本へ潜入する……。

今から70年後の日本の姿を3Dライブアニメという最先端の技術で映像化した『ベクシル 2077 日本鎖国』(8月18日~丸の内プラゼールほか全国)。監督はVFXスーパーバイザーとして日本やハリウッド映画界で活躍する曽利文彦。実写とVFXを融合した大ヒット作『ピンポン』(2002)の監督、3Dアニメ『APPLESEED アップルシード』(2004)のプロデュース等を経て、今回自らの監督で新たな3Dライブアニメを実現させた。そのきっかけを訊ねると、「今はメールや携帯等のテクノロジーによってサポートされたコミュニケーションが多く、相手と直接対話をする機会が少なくなっています。個人間のコミュニケーションの不足、情報だけでつながる個人と個人の社会から情報が遮断された時に個人が見えなくなる恐怖を感じたことが、この作品へのイメージに拡がっていきました」。

曽利が得意とする最先端技術によって人間の原点を見つめ直したこの作品だが、実写よりCGを選択したのは何故だろうか? 「今回、3Dライブアニメにしたのは、このレベルの物語を実写化するの日本ではまだ難しいから。でもこの作品に関して言えば、自分の中ではアニメというよりも実写と同じ意識で撮りました。それはとても画期的なこと。というのも、今までの日本映画では実写化できないスケールの物語は諦めざるを得なかったのが、CGを使うことで実写の演出論のまま映像化できる時代がきた、ということなんですから!」。

その言葉通り、布や煙、砂埃や雪等の柔らかい物の質感はもちろんのこと、キャラクターの繊細な表情やアクションをリアルに描いた技術は圧巻だ。ロカルノ映画祭オープニング上映を皮切りにその映像クオリティの高さが世界各国から絶賛され、邦画では異例の世界75カ国での上映が既に決定している。「最初からインターナショナルコンテンツを目指していたので、世界中の人たちに観てもらいたいという意識がありました」と自信を持って語る曽利。

そんな彼にテクノロジーの未来を聞いてみると、「この作品で描いた世界は、結構現実的だと思っているんですよ。アンドロイドがどれぐらい進化するかということは別にしても、世界情勢やその周辺の細かいところは結構あり得る範囲ではないかと……。個人的にはテクノロジーはそれほど進まないんじゃないかとも思いますが、これからの人類は寿命を操作し始めるような気がします」。

映像だけでなく、個人間のコミュニケーションを忘れた時に起りうる日本の姿もリアルなこの作品。映像だけではなく、その奥にあるテーマにも注目ながら観たい。

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

プロフィール
曽利 文彦/Fumihiko SORI
1964年(生年月日不詳)生まれ。大阪府出身。映画、テレビのVFXスーパーバイザーとして活躍中の1996年、ジェームズ・キャメロン創設のデジタルドメイン社に参加。『タイタニック』(1997)でCGアニメーターを務めた。邦画では『アンドロメディア』(1998)、『秘密』(1999)、『ケイゾク/映画』(2000)等でVFXスーパーバイザー。その他、TBS系の『百年の物語』(2000)、『池袋ウェストゲートパーク』(2000)等、数多くのTV番組のタイトルバック、VFXシーンを担当。2002年、斬新な映像が話題を呼んで大ヒットとなった『ピンポン』で監督デビュー。2004年には『APPLESEED アップルシード』をプロデュース。デジタル映像に関して世界でもトップクラスの知識と能力を持つ映像クリエイターである。

Vaxill02ベクシル 2077 日本鎖国
松竹/曽利文彦作品
2007年/日本/107min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
©2007『ベクシル』製作委員会
8月18日~丸の内プラゼールほか全国

2007 08 23 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Aug 10, 2007

『彩恋』スタッフインタビュー

「思春期に抱えている問題って、
その時は“生きるか死ぬか”の問題だったりするんですよね」(by飯塚 健)

Sairen01 仲良し三人組の高校3年生、ナツ、ココ、マリネ。女子高生三人の等身大の姿を、ユーモアを交えながらヴィヴィドに描き出した青春ラブ・ストーリー『彩恋』(8月4日~新宿オスカーほか全国〈地方は順次〉)。監督は弱冠28歳の新鋭・飯塚健。22歳で自主制作映画『サマーヌード』(2002)を発表し、目下脚本家としても活躍中だ。

「最初から“女子高生を書く”というのはありましたが、勿論それ以外の大人も出てきます。でも見え方として、大人たちよりも女子高生が大変なように見せたかったんです。こんなに大人をライトに描かなくてもいいとも思うんですけど、思春期に抱えている問題って、その時は“生きるか死ぬか”の問題だったりするんですよね」。

これは、恋や将来の夢、そして家族の問題等、多感な思春期を一所懸命に生きる女子高生を軽快なリズムで描いた作品だが、老若男女問わず楽しめるはず。 とにかくセリフが絶妙で、恋のタイミングを逃した時の「逃した魚は大きいよ。今は大きくなくても大きくなるの。逃したから成長しちゃうの!」なんていうセリフには、思わず唸ってしまう程だ。

「あと5歳若かったら違いますけど、今時の18歳がどんな言葉で、どんな速度で話すのか、今は判らないですね(笑)。ただ、渋谷の女子高生とか、現代の女子高生ではなく、普遍的な女子高生を描きたかった。それに、女子高生だからこんなセリフというより、キャラクターとして喋ってもらう感じが大きいですね。彼女たちには10年後もこんな感じで話していて欲しい(笑)」。

そんな監督はどんな高校生時代だったのだろう? 「いい思い出が多いですね。男の子だったので、女子にモテることを考えていたし、バンドも写真もかじったし(笑)。でもその頃から映画監督になろうと思っていました。映画監督って未知な世界だったので、周りも判断しようがなくて、へーって感心していました(笑)」。

映画だけでなく、小説や脚本も書き、「それぞれがいいバランスで影響し合っている」と語る飯塚。その根底に共通してあるテーマは“生きる”だという。そんな、若々しい感性と才能、1つ見据えてテーマを持つ飯塚が、大人への第一歩をポジティブに描いた本作に、子供たちは勇気づけられ、大人たちは過ぎ去ったあの頃に胸をときめかせるはずだ。

写真・取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
飯塚 健/Ken IIDUKA
1979年生まれ。群馬県出身。2002年に自主制作映画『サマーヌード』で監督デビュー。中篇『金髪スリーデイズ35℃』(2003)、気鋭の監督5人が天使をモチーフに競作したオムニバス『天使が降りた日』(2005)を経て、監督4作目となる『放郷物語』(2006)では、劇場公開に合わせて同名小説も自ら執筆。また、演劇ユニット“時速246”に参加、旗揚げ公演「ファニーバニー」では脚本と演出を担当、好評を博した。若手の注目株。

Sairen_02 『彩恋』
エム・エフボックス/飯塚 健 作品
2007年/日本/91min./カラー/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2007「彩恋」製作委員会
8月4日~新宿オスカーほか全国〈地方は順次〉

2007 08 10 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jul 28, 2007

『ミディアム 霊能捜査官アリソン・デュボア』スタッフインタビュー

「7年間、犯罪捜査に協力したけど、事件の質は変わらないわ」(by アリソン・デュボワ)

Mdeam01 実在する女性霊能者、アリソン・デュボアをモデルにした、犯罪ミステリー『ミディアム 霊能捜査官アリソン・デュボア』。2005年に全米NBCネットワークで放送が開始され、高視聴率を記録した本作。日本では2006年にWOWOWで放送が始まり、以降人気番組となっている。全米では既に「シーズン4」放送が決定した。

この作品は、パトリシア・アークネット演じる霊能者(ミディアム)のアリソンの、特別な能力で犯罪捜査に協力しながらも三人の娘を持つ主婦である、という葛藤をも描いたリアリティ溢れるドラマだ。
「7年間、犯罪捜査に協力したけど、事件の質は変わらない。アメリカは殺人事件が多く、目を覆いたくなるような悲惨な事件も見てきました。これまで逮捕した犯人の中には史上希にみる残虐な殺人者もいたんです。でも、子供が性的な暴力を受けてそのまま殺されてしまう事件ほど悲惨なことはないわ」と神妙な面持ちで語るデュボア。日本での熱狂的な声援に応え、先日、遂に来日が実現した。

ドラマのオファーがあった時は既に犯罪捜査を手伝っていたという彼女に、“全てのエピソードがリアルなのか?”と聞いてみると……。「中には実体験に基づいたものもありますが、多くのエピソードは私の人生ではありません。基本はまず、架空の殺人事件があり、“私だったら、私たちの家族だったらどう対応していくのか?”ということからドラマを創り上げていきます」。

ほぼフィクションとはいえ、このドラマの魅力は、本名が使われていることからも判るように、彼女のリアルな生活や苦悩までもが描かれていることだ。『トゥルー・ロマンス』(1993)等で知られるアークエット扮するアリソンは、時に死者からメッセージに翻弄されたり、時に子育てや家族と仕事の両立に悩んだりする。
「パトリシアは才能があるし、何と言ってもいい母親。彼女が演じると知ってとても嬉しかったわ。彼女は撮影前に私の家まで来てくれたの。そして、役作りのためにリーディング(霊視)してくれないか、って言ったの。彼女、私がどういう表情で、どんな流れでリーディングするかをメモしていたわ。家族ぐるみでお付き合いしてるんだけど、私がどんな人間なのか、家族にどう接しているのか、素の私を理解した上で演じてくれているのが良かったと思う」。

その一方で、特殊な能力を持った彼女を支える家族の姿もリアルで、多くの人たちから共感を得ている。特に彼女を献身的に支えるジェイク・ウェバー演じる夫、ジョーの存在は、全米でも日本でも大人気だ。
「女性は皆、彼に夢中になるし、男性はジョーに同情してしまうようですよ(笑)」。

このドラマへの参加に対して、実際のジョーはどんな反応だったのだろう? 「ジョーが言ったことは“君を普通の女性だと思っていないよ”(笑)。彼は本当に私の能力に対して理解とサポートをしてくれています。今回の企画も、メディアによって普通の人が死の世界の存在を理解し、今の人生をより良いものにする機会を作り、犯罪に対する警鐘を鳴らすことが出来るかもしれないから、と賛成してくれました。それにこういう能力を持った子供たちへの理解を深められますからね」。

スピチュアル・サスペンスでありながら家族ドラマとしても楽しめるこの作品が、数多く見られるようになったアメリカ製TVドラマの中でも優れた1本であることは間違いない!

取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
アリソン・デュボア/Allison DUBOIS
1972年1月24日生まれ。アメリカ、アリゾナ州出身。6歳から死者の声が聞こえるようになり、彼らのビジョンを追体験するようになる。地方検察官志望し、アリゾナ州立大学在学中に検事局でインターンとして働き始めるが、やがてプロの霊能者、プロファイラーとして活躍する。2000年にテキサス州少女誘拐事件の遺体捜索に協力、2002年にはユタ州での誘拐事件で犯人像を通知する等、全米の失踪事件や殺人事件の捜査で尽力してきた。本作にはコンサルタントとして参加。リアルで共感を呼ぶ作品創りに貢献している。ドラマ同様、夫ジョーや三人の娘がいる主婦だが、捜査への協力、講演、著者の出版と、ドラマのヒロイン以上に忙しい日々を送っている。

Mdeam02『ミディアム 霊能捜査官アリソン・デュボア』
“MEDIUM”
PHE/TVシリーズ/2005年~/アメリカ/
カラー/1話約42分/
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
レンタル season1
vol.1~vol.3 8月3日スタート
vol.4~vol.7  8月24日スタート
セル season1
全16話(4枚組) 12,600円 9月21日発売
※season1 WOWOWにて放送中

2007 07 28 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jul 20, 2007

『石の微笑』キャストインタビュー

「人生にルールなんてない。人生は常に変化しているもの」
by ブノワ・マジメル

Bunowa001

互いに惹かれ合い、情熱的に愛し合うフィリップ(ブノワ・マジメル)とセンタ(ローラ・スメット)。しかし甘美だったはずのその愛は、不可解な行動と言動で次第に狂気の色を強めていくセンタによって、やがて衝撃の結末を迎える……。

ヌーヴェルヴァーグの巨匠、クロード・シャブロルが男女の愛欲と官能のサスペンスを描いた最新作『石の微笑』(6月30日~渋谷Q-AXシネマ〈レイト〉ほか全国〈地方は順次〉)。好調な動員を受けて7月21日(土)~27日(金)の追加上映が決まったこの作品について、主演のブノワ・マジメルはこう話す。

「シャブロル監督は“女性が世界を動かしている”という考えに基づいて創っているんだと思う。極端だけど、女性が全ての原動力となり男性は操作されているような、ね」。マジメル演じたフィリップは女に翻弄される男。女郎蜘蛛の糸に絡められた獲物のように、もがきながらもその狂気へと引き寄せられていく難しい役どころを美しく気高く演じている。

そんな彼に、センタが示す“人生の4つのルール”、“木を植える。詩を書く。同性と寝る。誰でもいいから殺す”について聞いてみると……。「“木を植える”はいいことだと思う。“詩を書く”も出来るし。むしろ書いたことがあるし(笑)。でも“同性と寝る”ことは難しいね。やり方を知らないし(笑)。それに“誰かを殺すこと”もチャンスに恵まれたことはないね。……よくよく考えてみれば、そんなこと言われたら、普通の男たちは逃げてしまうけど、僕の演じたフィリップは最後までセンタと一緒にいるからね。大した男だと思うよ(笑)」。

12歳で俳優デビューを果たし、今年で俳優生活21年目を迎えたマジメルに人生のルールというのはあるのだろうか?「ルールなんてない。人生は常に変化しているもの。ルールなんてものは人生に適応できないと思う」と言い切る。では人生の目標は……? 「それは自分で映画を製作することだね。役を待っているだけの俳優なんて全然興味ない。俳優は成功を収めてある程度の力を持つことができたら、企画を立てたり、才能溢れた人々を集めてクリエイティブなことをするべきだと思う。実は3、4前に『スズメバチ』(2001)の監督フローラン・エミリオ・シリとアルジェリア戦争をテーマにした映画を創ったんだ。フランスはあまり自分の国の歴史を映画化しないし、特にこの題材はタブー視されていたんだよ。もちろん、俳優として映画作家の要求に答えることは大切。でも、自分から刺激を与えてクリエイションに参加することが大切だと思う」。

今回のインタビューでの彼の言葉には、フランス映画界を担う映画人としての自信が満ち溢れていた。

写真・取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
ブノワ・マジメル/Benoit MAGIMEL
1974年5月11日生まれ。フランス、パリ出身。エチエンヌ・シャティリエの『人生は長く静かな河』(1988)のモモ役で注目を集める。アンドレ・テシネの『夜の子供たち』(1996)でセザール賞有望若手男優賞にノミネート。その後映画、舞台、TVと一気に活躍の場を拡げた。ディアーヌ・キュリスの『年下のひと』(1999)で共演したジュリエット・ビノシュと結ばれ、一児をもうけて話題を集めた。その他の主な出演作に、『シングル・ガール』(1995)、『王は踊る』(2000)等、多数。ミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』(2001)ではカンヌ国際映画祭最優秀男優賞に輝いている。

Bunowa002 『石の微笑』
“LA DEMOISELLE D’HONNEUR”
CKエンタテインメント/クロード・シャブロル作品
2004年/フランス=ドイツ/カラー/107min./
ヴィスタ/ドルビー(DTS:SR)
6月30日~渋谷Q-AXシネマ〈レイト〉ほか全国〈地方は順次〉
※R-15 指定作品

2007 07 20 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 15, 2007

『恋する日曜日 私。恋した』スタッフインタビュー

「芯の強さがあるし、感性が強い子。彼女が長く映るシーンは撮っていて心地好かった」(by 廣木隆一)

Koishita_01_1数々のTVドラマで活躍し、最近では『アルゼンチンババア』(2007)で役所広司、鈴木京香らベテラン俳優との共演を果たした掘北真希。そんな彼女が“余命3ヶ月の女子高生”という難役に挑戦したんが、『恋する日曜日 私。恋した』(6月8日~新宿トーアほか全国〈地方は順次〉)だ。メガホンを取った廣木隆一は彼女の魅力を、「芯の強さがあるし、感性が強い子。彼女が長く映るシーンは撮っていて心地好かった」と語る。

 17歳の二宮なぎさ(堀北)に突然訪れた“余命3ヶ月”という宣告。なぎさは自らの足跡を確かめるように、小さい頃に過ごした海辺の町へと旅立つ。そこには幼馴染であり、初恋の人、聡(窪塚俊介)がいたのだ。まるで昔に戻ったように過ごす日々の中、なぎさの想いは深くなってゆく、しかし、聡は人妻の中山絵里子(高岡早紀)と不倫を重ねていた。病気のことも、恋心も告げぬまま、なぎさの残された時間は淡々と過ぎてゆく……。

余命3ヶ月の女子高生、いかにも最近多い感動的なドラマが待っていそうだが……。「“余命3ヶ月”っていうと凄い大感動があるのだろうな、って思いますよね。でも、ストーリーのうねりも大きくないし、芝居も大げさではありません。その線引きというのは……。僕が自分で見ていてダメなんですよ、そういうの。ウソっぽくするのはやめようと思っていました」。

主人公に“死”というハードルを設け、これまでの『ヴァイブレータ』(2003)『やわらかい生活』(2005)と同様に、じっくりと主人公を捉え、感情を映し出していく。「彼女が映っていないカットはないぐらいだったので、なぎさと僕らの距離感が一番難しかった。ベタベタでもいけないし、その逆でも。それと彼女に自由に動いて欲しかったので、(カメラは)手持ちにしました。余命3ヶ月と聞いたなぎさはきっと落ち着かない心境だと思います。手持ちなら、そんな彼女がどこへ行こうとどう動こうと映せますから」。

これまで多くの女性を描いてきた廣木。その理由を尋ねてみると、「“女性を主人公にした作品が多い”って言われますけど、基本的に男だから女だからって言うのはないですね。でも、女の人を主人公にした方が見えてくることがあるとは思います。女性の凛々しさに惹かれます」。最後にいい女優の条件を聞いてみた。「いや、それが判っていたら皆が良い女優になっちゃうし(笑)。うーん。わがままで欲張りかな……。でもよく判らない。結局、ハートで演じられるかどうかですよ。でもそれが一番難しいんだよね」。

『ヴァイブレータ』で寺島しのぶを一躍スターダムに押し上げた廣木が女優・堀北真希のどんな魅力を引き出したのか、あなたの目でぜひ確かめてみて!

取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
廣木隆一/Ryuichi HIROKI
1954年(月日不詳)生まれ。福島県出身。『性虐! 女を暴く』(1982)で監督デビュー。ピンク映画、ロマンポルノで数多くの作品を手掛け、1989年に『童貞物語4 ボクもスキーに連れてって』で一般映画に進出。以降、女性を描いた作品に冴えを見せ、寺島しのぶの魅力を十二分に引き出した『ヴァイブレータ』(2003)では映画賞を総なめにした。本作はTVシリーズ(2005)と劇場版第一弾(2006)に続くメガホンとなった。その他の作品に『夢魔』(1994)『不貞の季節』(2000)等、多数。公開待機中の作品に『M』(2007)がある。

Koishita_02恋する日曜日 私。恋した
エム・エフボックス/廣木隆一作品
2007年/日本/97min./カラー/
ヴィスタ/ステレオ
6月9日~新宿トーアほか全国(地方は順次)
©『恋する日曜日 私。恋した』製作委員会

2007 06 15 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 14, 2007

『選挙』スタッフインタビュー

「1票が普通にカウントされて、その通りの結果に……ならない。その衝撃が原点でした」(by想田 和弘)

Senkyo_1  2005年秋、「小泉劇場」の真っ只中。東京で気ままに切手・コイン商を営む“山さん”こと山内和彦は、ひょんなことから自民党に白羽の矢を立てられ、市議会議員の補欠選挙に出馬することに……。政治家とは全くかけ離れた人生を送ってきた山さんに、果たして勝算はあるのか? そして、山さんの選挙から見える“ニッポン民主主義”の本質とは?

私たちが知っているようで知らなかった“選挙”に光を当てた映画『選挙』(6月9日~シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉)。ナレーションや音楽を入れないシンプルな構成のこの“観察映画”を手掛けたのは、これまでテレビのドキュメンタリー番組等を数多く創ってきた、ニューヨーク在住の気鋭の映画作家、想田和弘だ。

「きっかけは2000年のゴアとブッシュの選挙を目の当たりしたこと。いわゆる「フロリダ再集計事件」です。それまでは1票入れれば普通にカウントされて、その通りの結果になると素朴に信じていたんです。ところがそうでもないことに衝撃を感じて……。“いつか選挙のドキュメンタリーを創りたいな”と思っていたところ、大学のクラスメートである山さんが自民党から立候補するって聞いて、“コレだ!”って(笑)」。

“選挙”“自民党”と聞けば、何やら真面目な作品に思えるのだが、実は“山さん”の強烈なキャラクターのお陰で一味違ったドキュメンタリーに仕上がっているのだ。「あはは。山さんは自民党とは対極にいる人だから(笑)。自由人で組織に属したことないし。でも、そのミスマッチが映画になるだろうな、と思ったんです」。その狙い通り、スーツを一着も持っていなかった山さんが、伝統としきたりと上下関係を重んじる自民党の中で孤軍奮闘する姿が何とも笑いを誘うのだ。海外の映画祭でも山さんの人気は高く、上映後に観客から拍手喝采で迎えられ“どんなにいじめられても決して腐らないのは、聖人並みの精神力”“痛々しいほど純粋”と称賛を浴びたという。

「今回、友達だから撮れたという側面がありますけど、だからといって撮影中はベタベタしないようにある程度の距離を保っていましたね。かっこいいところだけじゃなく、むしろ失敗しちゃってるところをたくさん撮っていますし(笑)。友達なのに酷いヤツだと自分でも思いますよ(笑)。でも、彼の格好悪い姿を含め、両面を描いてこそ観客は山さんに共感できるのだと思うし、それを目指しました。だから文化や国の違う人に、山さんを魅力ある人間として見てもらえてホントに嬉しかったですね」。

更に、山さんという人物を通して選挙を描いた監督には、もう1つ判ったことがあるのだという。「“選挙がどのように運営されているのか?”“自民党にはどんな勝利の方程式があるのか?”をポイントに編集しているうちに、ふと気付いたんです。この映画は選挙が直接的な題材だけど、本当の主人公はこの選挙を規定している日本の文化や社会、日本人そのものなんじゃないかなって」。そこには私たちが気付かなかった“ニッポン”があるはずだ。

取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
想田 和弘/Kazuhiro SODA
1970年6月12日生まれ。栃木県出身。1993年からニューヨークに在住。フィクションやドキュメンタリー等、幅広く映像製作を手掛け、現在に至る。1997年、学生時代に監督した短篇『ザ・フリッカー』がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞にノミネートされた。これまでに手掛けたドキュメンタリー番組は40本以上。観察映画シリーズの第1弾として撮り上げた本作は、第57回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品となるなど、大きな話題を呼んでいる。

Senkyo02選挙
“CAMPAIGN”
アステア/想田 和弘 作品
2007年/日本=アメリカ/カラー/120min./
デジタル上映(16:9)/ステレオ
6月9日~シアター・イメージフォーラムほか全国〈地方は順次〉
(C)Laboratory X, Inc.All rights reserved.

2007 06 14 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

May 24, 2007

『インビジブル・ウェーブ』スタッフインタビュー

「浅野さんは、今まで仕事をさせて頂いた俳優の中で
一番信頼できる人物です」(byペンエーグ・ラッタナルアーン)

Inb_070524 主演の浅野忠信、監督のペンエーグ・ラッタナルアーン、脚本のプラープダー・ユンら、『地球で最後のふたり』(2003)の強力メンバーが再びタッグを組んだ。それが、愛する人を殺め、全てを失った男が、海から海へと漂いながら本当の自分を見つめる新感覚ロードムービー『インビジブル・ウェーブ』(5月26日~シネマート新宿、シネマート六本木ほか全国〈地方は順次〉)だ。今回、PRのために来日したラッタナルアーンとユンがインタビューに答えてくれた。

早速、再び主演に浅野忠信を迎えた理由をラッタナルアーンに聞いてみると、開口一番、「今まで仕事をさせて頂いた俳優の中で一番信頼できる人物です」と絶賛。「実は前作でご一緒させて頂く前に、『殺し屋1』(2001)で既に浅野と組んでいた三池崇史監督に“浅野さんには、どういう演出をすればいいのでしょうか?”と質問をしたことがあります。すると“彼は一年のうちで、オファーを受ける作品よりも断る作品の方が多いから、君の仕事を引き受けた以上、君はもう何もしなくても大丈夫”と言われたんです(笑)。彼には、本当に特別な演出など必要なかったですね。もう“お任せ”という感じで、リハーサルもそこそこに、すぐに“本番”の撮影に入りました」と続けて浅野の魅力を語った。

更に、前作のスタッフの一人、撮影のクリストファー・ドイルとの関係もより一層親密になり、前作より早い段階で作品のビジュアルスタイルが確立、集中して撮影に臨むことができた、とラッタナルアーンは言う。「今回は“空間をもたせる”という点にこだわりました。常に顔のクローズアップを撮るのではなく、主人公の漂っていたり、迷っていたりする、ふわふわした感情を捉えるために、奥行きのある背景やシチュエーションを選ぶようにしました。とはいえ、車の中でのシーンなどは奥行きをもたせて撮影するにはある程度の制限がありましたので、俳優の表情に頼ったりすることもありました。その時の状況に応じて、ベストの画を撮れたのが今回の作品だと思っています」。

最後に二人に、監督として、脚本家として、お互いどんな存在かを尋ねてみた。「僕を一人のアーティストとして理解してくれていますし、お互いの領域には踏み込まないというか、ある程度のスペースが必要だということをきちんと認識してくれています。他の監督では、こうはいかないですね。監督の意見が100%で、その監督の指示に従うことを求められますからね」(ユン)。「小さな作品であれば、自分で脚本を書いてしまうのですが、今回のような大きな作品になると、期待度も高くなりますし、そういった場合は、プラープダーにお願いしています。やはり彼の作品は、僕のものに比べると論理的ですし、文才もある。それに僕以外の人間で、僕の頭の中でイメージしていることを一番近い感性で理解してくれるのは、プラープダーしかいません」(ラッタナルアーン)。

タイを代表するアーティスト二人がコラボレーションした本作から、タイの新たな魅力が発見できるかもしれない。

取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
ペンエーグ・ラッタナルアーン/Pen-Ek RATANARUANG
1962年生まれ(生月日不詳)。タイ、バンコク出身。デザイナーとして活躍後、1997年に“FUN BAR KARAOKE”で長篇映画監督デビュー。以後、独特な空気感が漂う作品を発表し続け、『地球で最後のふたり』(2003)では、主演の浅野忠信がベネチア国際映画祭コントロコレンテ部門主演男優賞受賞という快挙を成し遂げた。その他の作品に『6IXTYNIN9 シックスティナイン』(1999)『わすれな歌』(2002)等がある。

プラープダー・ユン/Prabda YOON
1973年(月日不詳)生まれ。タイ、バンコク出身。タイ最大の英字新聞“The Nation”の編集主幹で国民的ジャーナリストでもある父と、元雑誌編集長の母を持つ彼は、兵役後すぐに新聞やテレビ・ドラマ脚本の執筆活動をスタート。2000年に短編小説「直角の都市」「あり得た可能性」を発表する。また、そうした執筆を続ける一方で、他の芸術分野への関心も旺盛で、作家、評論家、編集者として、映画『地球で最後のふたり』の原作と共同脚本を執筆するなど、幅広く活躍している。タイの若者たちからのカリスマ的な人気を誇る。

Inb_top_070524 『インビジブル・ウェーブ』
“INVISIBLE WAVE”
エスピーオー/ペンエーグ・ラッタナルアーン作品
2006年/タイ=オランダ=中国=香港=韓国/カラー/115min./
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
5月26日~シネマート新宿、シネマート六本木ほか全国(地方は順次)

2007 05 24 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Apr 24, 2007

『ドレスデン、運命の日』スタッフインタビュー

「第二次世界大戦を含め、いろいろな出来事が歴史になっていく。それは仕方のないことです」(byローランド・ズゾ・リヒター)

Dresuden01第二次世界大戦下のドイツをこれまでと違った角度から描いた映画が公開される。それが『ドレスデン、運命の日』(上映中~シャンテ シネほか全国〈地方は順次〉)だ。“エルベのフィレンツェ”と讃えられた、ドイツ一の文化と芸術を誇る美しい街、ドレスデン。この作品は、大戦末期、ドレスデンが連合軍の空襲で壊滅的被害を受ける悲劇の一日までを、一組の恋人たちを軸に描いている。

 監督は本国ドイツを始め日本でもヒットした『トンネル』(2002)を手掛けたローランド・ズゾ・リヒター。「創った動機はいろいろとありますが、大きく言えば、ドレスデンの聖母教会の再建が終了したこと。そして、これまで多く描かれてきた“ドイツが悪かった第二次世界大戦”という視点とは違った作品を創りたかったことです」と言うリヒターは、続けて映像化に対するテーマをこう語った。「あの晩の出来事を完全に映像化することは不可能です。ですが、あの晩の生死を間近で体験した人たちが納得するような形で映像化したかった。現実の中の僅かパーセンテージしか映像化出来ないことを意識しつつも、やはりそこに拘って映像化するのが芸術家としての責任だと思いますから」。

 連合軍とドイツを中立的な立場で描きながらも、空襲で燃えるドレスデンを映すリアリティ溢れる映像は、私たちに戦争の恐ろしさを痛感させる。しかし、“戦争”の風化が進んでいるのは日本もドイツも同じだという。「第二次世界大戦を含め、いろいろな出来事が歴史になっていく。それは仕方のないことです。特に若い世代にとっては、第二次世界大戦は言葉の上でも前世紀の出来事となってしまったのです。ですから私たちは、若い世代が過去を振り返った時、歴史に目を向けるための窓をきちんと開けておかなればいけないと思います。実際に何があったのかを認識しなければいけない。そして忘れず、“繰り返してはいけない”と思わなければいけない。そのために私たちは窓を開けているのだと思います」。

 そして、最後に力強くこう語った。「今後も人の心を動かすドラマを、歴史に関連するテーマで描きたいと思っています。観客がそれを求める限り……」

取材・撮影・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

プロフィール
ローランド・ズゾ・リヒター/Roland SUSO RICHTER
1961年1月7日生まれ。ドイツ、マールブルグ出身。長篇デビュー作“KOLP”(1985)でドイツ連邦映画賞を始め、多くの賞を受賞。2002年の『トンネル』はドイツで700万人を動員し、世界中の映画祭で大絶賛を浴びた。2003年には『Re:プレイ』でハリウッドにも進出。今後の活躍が期待される監督だ。その他の作品に『大破壊』(1994) 『14日』(1997)等。

Dresuden02 『ドレスデン、運命の日』
“DRESDEN”
アルバトロス/ローランド・ズゾ・リヒター作品
2006年/ドイツ/カラー/150min./
ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
©ZDF 2006 ALL RIGHTS REZERVED.
4月21日~シャンテ シネほか全国(地方は順次)

2007 04 24 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Apr 10, 2007

『13/ザメッティ』スタッフインタビュー

「僕のグルジアでの体験が作品に影響しているとすれば、
暴力に関するストレートな表現かもしれない」
(byゲラ・バブルアニ)


13_0313人のプレイヤーに大金を賭け、集団ロシアン・ルーレットでその生死を競わせる。そんなゲームに巻き込まれたグルジア移民の青年の運命を、陰影に富んだモノクロの映像で描いた『13/ザメッティ』(公開中~シネセゾン渋谷ほか全国〈地方は順次〉)。この衝撃的内容の作品を創ったのは、物語の主人公と同じようにグルジアからフランスに移民した新人監督のゲラ・バブルアニだ。

 グルジアでは1989年の“ベルリンの壁崩壊”後、汚職、派閥闘争、銃撃戦、そして死までもが日常的な出来事になったという。そんな環境からバブルニアが抜け出せたのは17歳の時。父のテムル(・バブルアニ。グルジアの有名な映画監督)がフランスへ留学させてくれたからだ。「僕のグルジアでの体験が作品に影響しているとすれば、暴力に関するストレートな表現かもしれない。それは、自分がオブラートに包まれていない暴力を見てきたということもある。それに、若い時に感じた苦痛だとか辛いことの体験がこの作品の暴力的なシーンに間接的に、あるいは直接的に影響しているのでしょう」。

 そして、ロシアン・ルーレットで選ばれる“生き残るもの”と“死ぬもの”をこう隠喩しているのだという。「ロシアン・ルーレットのシーンにメタファーとして盛り込みたかったのは、“殺さないまでも他者を排除することで競争社会の中でのし上がっていける”“常に他人より上手くやることが生きていくための得策だ”という人生の構図が世界に蔓延しているということ。それについて特別考えを述べているわけではありませんが、それが現実だということです」。

 冒頭から不穏な雰囲気漂う映像には緊迫感が溢れ、観る者をぐいぐいとひっぱっていく。とにかく余計なものを排除したシンプルな構図は、ありがちなミュージック・ビデオ出身の監督たちとは対称的で、主人公の緊張感をより引き立たせている。「いろんな要素が融合してあの緊迫感が生み出されていると思います。役者の演技も編集の問題も、演出の問題もあります。ただ大事なことは、どの瞬間にカメラをどこに置くかということ。例えば観客にとっては、進行役の人間の震える足を映す方がピストルを映すよりももっとストレスフルなことになるかもしれない。あるいはギャンブラーのコートの肩越しに少しだけ見える顔を映すことで画面に緊迫感を与えることができるかもしれない。技術だけではなく、自分が感じることをどう表現すればいいのか。それには、どの瞬間、どこに自分の関心を向けていくか感じ取り、積み重ね、少しずつテンションを高めていく。そういう創り方が大切だと思います」。

 完成した途端、リメイクのオファーが殺到したが、最終的には自らの手によるハリウッド・リメイクが決まったバブルアニ。「カラーで撮る予定なんですが、正直、今は具体的に思い描いていません。今回、白黒でとても巧く表現できたものを、色を使ってどういうふうに雰囲気を出していくか。それは僕にとってまさにチャレンジ。恐らく現場でいろいろ考えて、いろんなアイデアを詰め込んで創っていくんだと思います」。“ファインダーを覗いてから構図を決める現場主義”という彼。どんなリメイク作を仕上げるのか期待したい。

取材・文=間宮 うり/Uri MAMIYA(ライター)

プロフィール
ゲラ・バブルアニ/Gela BABLUANI
1975年12月19日生まれ。グリジア、トビリシ出身。父親のテムル・バブルアニはグルジアの有名な映画監督。ゲラが17歳の時、テムルは子供全員をフランスに留学させた。映画とフランス語に夢中になったゲラは短篇を撮ることで映画創りを学ぶ。そして本作で長篇デビュー。2005年ヴェネチア国際映画祭最優秀新人監督賞を始め多くの賞を受賞した。ちなみに本作のセバスチャン役は彼の実弟ギオルギ・バブルアニ、セバスチャンの兄役はゲラ本人。本作は本人によるハリウッド・リメイクが決定。その他の作品に父親と共同監督した“L’HERITAGE”(2006)がある。

13_213/ザメッティ
“13TZAMETI”
エイベックス・エンタテイメント=ロングライド/
2005年/フランス/B&W/103min./
スコープ/ドルビー(SRD:SR) ※R-15指定作品
©2005 LES FILMS DE LA STRADA-QUASAR PICTURES
-SOLIMANE PRODUCTIONS-MK2
公開中~シネセゾン渋谷ほか全国〈地方は順次〉

2007 04 10 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 23, 2007

『クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~』キャストインタビュー

「自分の国をもっとよく知って、その心なども大切にしていければと思います」(by D J ヤクザ)

Kuro ヨーロッパとアジアの狭間で独特の文化を発展させてきたトルコ・イスタンブール。ここにはクラブサウンドとスーフィー(イスラム神秘主義)音楽を融合させた全く新しい音楽や、自らの人生や民族内にある反社会的なメッセージを込めた音速ラップ等、様々なジャンルの音楽が誕生し、クラブカルチャーの最先端として世界から注目されている。“何故、こんなにもイスタンブールの音楽は魅力的なのか?”。その秘密に迫ったのが、『愛より強く』(2005)でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したファティ・アキンのドキュメンタリー『クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~』(3月24日~シアターN渋谷ほか全国〈地方は順次〉)だ。

 この作品に出演しているバンド“オリエント・エクスプレッションズ”のメンバーの一人、D J ヤクザはこう語る。「この映画のプロジェクトを聞いた時に、正直、イスタンブールの音楽シーンを1本の映画にまとめられるかが不安だった。だけど、撮るミュージシャンが全て決まり、最終的に映画を観終わって感じたのは、“イスタンブールの音楽シーンをちゃんと理解した人が撮った映画だ”と客観的に思えるぐらいまとまっているということでした」。

 そんな彼、実は父親の仕事の関係で10代を東京の青山で過ごしている。やがてトルコに戻った後は、ラジオ番組を持ちながらDJ活動を本格化。民謡音楽家やジャズ演奏家たちとオリエント・エクスプレッションズを結成。2006年にはトルコ最大の新聞「Hurriyet」による“トルコのNo. DJ”に選ばれた実力者だ。ちなみに“ヤクザ”という名は、彼の生い立ちから来ているのだとか。「イスタンブールに戻った時、『ブラック・レイン』(1989) が流行っていて、日本から戻ったからニックネームでヤクザと呼ばれるようになったんだ」。

 かつては貿易交流によって様々な文化や歴史が生まれたトルコ。しかし現代では、特に音楽の交流はトルコでもデジタル化が一般化しつつあるという。「デジタル配信の問題は世界中が抱えていますね。でも逆に言えば、簡単に、誰でもいい曲を探すことが出来る。僕たちDJにとっても、いい曲を探して広めることは重要なことです。それでもイスタンブールには、僕らも含め、若者たちにも自分たちのルーツである曲や歌手を尊敬し、受け継ごうとしている人がたくさんいます」。

 そして彼は今後の目標をこう語った。「たくさんの音楽を聞いて、まだ誰も聞いたことのないような曲を紹介していきたいです。また自分の国をもっとよく知って、その心なども大切にしていければと思います。音楽のプロデュースにも挑戦したいですね」。

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

プロフィール
DJ ヤクザ/DJ Yakuza
生年月日不詳。トルコ、イスタンブール出身。トルコの伝統音楽とジャズ、エレクトロニック音楽を融合するイスタンブールの4人組バンド、オリエント・エクスプレッションズのリーダー。本名:ジャン・ウトカン。10代を東京の青山で過ごし、トルコに戻った後はFM局「RADIO OXY-GEN」で番組を持ちながらDJ活動を本格化させ、民謡音楽家やジャズ演奏家たちとオリエント・エクスプレッションズを結成。昨年末にはトルコ最大の新聞「Hurriyet」でに“トルコのNo.1 DJ”に選ばれた。

Kuro_01 『クロッシング・ザ・ブリッジ
~サウンド・オブ・イスタンブール~』
“CROSSING THE BRIDGE:
THE SOUND OF ISTANBUL”
アルシネテラン/ファティ・アキン作品
2005年/ドイツ=トルコ/カラー
/92min./ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
3月24日~シアターN渋谷ほか全国〈地方は順次>

2007 03 23 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 20, 2007

『ステップ・アップ』キャストインタビュー

「相手を思いやって信頼関係を作ることが必要だと思う」
(by チャニング・テイタム)


Stepup『サタデー・ナイト・フィーバー』(1977)『フラッシュダンス』(1983)等、時代を超えて語り継がれる青春ダンス映画の名作に新たな1本が加わった。それが、音楽とダンスに魅せられた若者たちの成長と恋を綴った感動の青春サクセスストーリー『ステップ・アップ』(公開中~丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系)だ。

 2006年夏に全米で公開された本作は、夏公開作品を対象とした“高利益率ランキング”で、『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)や『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006)といった超大作と肩を並べ、堂々第5位にランクインした。「ちょうどアメリカにダンスブームがきていたのもヒットの要因だと思う。TVの“リアリティ・ショー”(高視聴率を誇る人気番組)でダンスが取り上げられ、世間がダンスに注目していたんだ。もちろん、いい映画だからヒットしたと思いたいし(笑)、日本でもそうであって欲しいよ」と主演のチャニング・テイタム。

 テイタムは、落ちこぼれ人生から得意のダンスで未来へのステップを踏み出す高校生、タイラーを演じている。「自分がどっちの方向に向いて進めばいいのか判らなかったところが役と似ている」という彼は、高校生の時にアメリカン・フットボール選手を目指し大学へ進む。だが、想像していたものとのギャップからフラストレーションを溜めた時期があったという。

 本作では、持ち前の運動神経の高さを発揮し、素人とは思えない程のダンスを披露したテイタム。「“ダンス映画のオファーが増えたか”って? う~ん。いや、そんなことないかな。あっ、1つあったね。上手く説明できないけど、“マトリックス”風のダンス映画の出演のオファーがあったけど、断ったよ(笑)」。

 そんな彼は、今は演技に執着しているという。「今後はザラザラした感じの役がやりたい。人から理解されがたい難しい役がいいな」。 

 最後に、春に向けて新しい出会いが多くなるこの時期、この作品での共演がきっかけで映画でジェナ・ディーワンと本当にラブラブになってしまった彼に、巧く人間関係を築くためコツ(!?)を聞いてみると……。「とにかくオープンでいること。相手のことを“こういう人だ”って決めつけずに、ありのままを見るようにすることだと思う。そして相手を思いやって信頼関係を作ることが必要だと思う。人間は1人じゃ生きられないし、演技やダンスも相手があって初めて成立するものだからね。友情を築くも一緒だと思うよ」。

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

プロフィール
チャニング・テイタム/Channing TATUM
1980年4月26日生まれ。アメリカ、アラバマ出身。23歳でCMに出演したのをきっかけに、俳優のキャリアをスタート。劇映画デビューはサミュエル・L・ジャクソン主演のバスケット・ドラマ『コーチ・カータ』(2005)。その他『スーパークロス』(2005)等に出演。今後が期待される新人俳優だ。

Stepup_02ステップ・アップ
“STEP UP”
エイベックス・エンタテインメント=松竹/アン・フレッチャー作品
2006年/アメリカ/100min/カラー/
スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
公開中~丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系

2007 03 20 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 11, 2007

『NARA:奈良美智との旅の記憶』スタッフインタビュー

「撮影という理由で、絵が出来上がる場所にいられるから、ドキュメンタリーが好きです」(by 坂部 康二)

01_1 世界から注目されるアーティスト、奈良美智がクリエイティブユニット“graf”と共に創り上げた展覧会「奈良美智+graf  A to Z」までの軌跡を辿ったドキュメンタリー映画『NARA :奈良美智との旅の記録』(公開中~ライズXほか全国〈地方は順次〉)。監督はこれまでTBS系のTV番組「情熱大陸」で、ギャラリストの小山登美雄や女優の小西真奈美らのエピソードを制作した坂部康二。「ドキュメンタリーは好きです。撮影という理由で、相手の場所に行けるし、今回だったら絵が出来上がる場所にいられたから(笑)」。

 この作品には、一度だけゼロから絵を描くシーンが入っている。しかし撮影前から、奈良が“絵の制作過程を撮影されるのがイヤだ”と知っていたという。「偶然の産物だったような気がします。何もないところから絵が刻々と出来上がっていく・・・・・・。それを目の当たりに出来る喜びもありましたけど、緊張しましたね。ゼロから撮れたのはその1回だけでした」。

 奈良の貴重な制作過程を撮れたのにはもしかしたら秘密があるかもしれない、と尋ねてみると・・・・・・。「特別なことはしていないです。ほぼ初対面から距離を縮めていることをやっていきました。いい撮影が出来るように取材の積み重ねていく。基本、イヤがることはしないようにしようと思って・・・・・・。アプローチとしてムリに踏み込む取り組み方もあるけど、今回はしなかった。それによって見えてくることもあるけど失うものもあるから、今回はそれを大事にしたいなと。それが正解だったか判らないけど」。

 カメラは空気のように奈良を写していくが、それは客観的でありながら主観的だ。特に奈良のカリスマ性を、韓国で出会った少女から浮き彫りにしている。「彼女がファンの集いで言った“哀しい時に奈良さんの名前を呼びます”という言葉に、奈良さん、ちょっとウルってしているんですよね。その時は気付かなかったけど(笑)。それがずっとひっかかって……。それで、奈良さんを巡る様々な人が見えたらいいな、と思ったんです。奈良さんと関わる人を映すことで奈良さんが見えればいいな、と。それはgrafや奈良さんに関わった人たち含めて」。

 この作品から“アーティスト”奈良美智の新たな一面が見えてくるのは間違いない。

プロフィール
坂部 康二(さかべ こうじ)
1973年9月21日生まれ。福島県出身。1996年よりTV情報番組のアシスタント・ディレクターとして番組制作に携わる。ドキュメンタリーを中心に、演出兼撮影を担当。本作が劇場公開映画のデビュー作となる。

NaraNARA:奈良美智との旅の記憶
東北新社/坂部 康二 作品
2006年/日本/93min./カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2007 東北新社All Rights Reserved.
公開中~ライズXほか全国(地方は順次)

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyouko KATSUMARU

2007 03 11 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 22, 2007

『素敵な夜、ボクにください』スタッフインタビュー

「(難題が)あればあるほどボクは燃えちゃうんですよ!」(by 中原 俊)

03 “韓国トップスター”カン・スヒョン(キム・スンウ)とそっくりな“カーリング元韓国代表選手”イ・ジンイル(キム・スンウ/二役)を本人と間違えて、“素敵な夜”を過ごしてしまった“売れない女優”木村いづみ(吹石一恵)。がっかりした彼女だったが、根っからのポジティブ思考&自己チューな性格から「カーリングでジュリア・ロバーツになる!」と一大決心! 翌日からオリンピックを目指すため、やる気のないジンイルをコーチに猛特訓を始める。果たして二人に恋は芽生えるのか? はたまた無謀な夢の結果は? これが人気の韓国とカーリングをミックスさせたラブコメ『素敵な夜、ボクにください』(2月24日~シネマート新宿ほか全国〈地方は順次〉)。

「実は“韓国、カーリング、青森”を3本柱にしたこの企画がスタートした時は、カーリングは今のように人気ではありませんでした。ですから観客の知識量も違うと思ったので、人気が出てからは脚本を練り直しましたね」と語るのは監督の中原俊。

「ゼロからの出発で、しかもタイトなスケジュール。更には韓国俳優の起用と難題が多い作品でしたが、(難題が)あればあるほどボクは燃えちゃうんですよ!」とニコニコ。それも当然だろう。監督は一時代を築いた人気プログラムピクチャー、日活ロマンポルノの出身。難題が重なれば重なる程その手腕を発揮する、いわば“職人肌”タイプなのだ。

「監督にとって一番大事なのは、その“世界”を用意してあげること。セットの中でもその外でもね。例えば、“青森”と“作品”の接着剤は青森のオーディションで選んだ沢谷聡子役の枝元萌。“韓国”と“作品”の接着剤はジンイルの後輩、パク・ファンソクを演じた飛坂光輝。キャストたちは、二人を通して青森弁や韓国語を撮影の外で練習するでしょ。そういうことを通してお互いの結束が強くなるんですよ。それが作品全体へ影響していくんです」と語る中原は、「今回のキャスティングも上手くいきました」と言い切る。

これまで、女性の心の襞を細やかに描いた『櫻の園』(1990)を始め、様々な女性たちを描いてきた中原。彼は今回の主人公を通し、“時代”を感じだのだという。「“こんな自己チューで性格の悪い、いづみみたいな女が主人公でいいのか!”と思ったけど、脚本家とプロデューサーからは、“それが面白いんじゃないですか!”と言われて納得したよ。そういうキャラクターが出てきても映画が成立するようになってきたというのは、僕はいいことだと思う」。

「(カーリングの)石がすっと動いているシーンは映画として成り立つんだよね。それは凄く面白いなって、現場で思いました。それに、下の氷は天然のレフ板になって、特に主人公たちがキレイに写るんです。彼女たちの、遠くを見ながらすっと石を投げるシーンは特に美しいですよ」

女性を描き続けてきた職人が挑戦した、女性を主人公にしたこの本格的なラブコメは、見所満載の仕上がりだ。

プロフィール
中原俊(なかはら しゅん)
1951年5月25日生まれ。鹿児島県出身。1976年に日活入社。鈴木清順、市川崑らの助監督を勤めた後、1982年ロマンポルノ『犯され志願』で監督デビュー。以降、ジャンルに捉われない様々な作品を発表。吉田秋生の原作を映画化した1990年の『櫻の園』では芸術選奨文部大臣映画部門賞を始め、多くの賞に輝いた。その他の主な作品に『ぼくの女に手を出すな』(1986)『コンセント』(2002)『12人の優しい日本人』(1992)等、多数。

0222素敵な夜、ボクにください
エスピーオー=プログレッシブ ピクチャーズ/中原 俊 作品
2007年/日本/104min./カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
© 『素敵な夜、ボクにください』製作委員会
2月24日~シネマート新宿ほか全国〈地方は順次〉

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyouko KATSUMARU

2007 02 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 14, 2007

『Gガール 破壊的な彼女』イベント試写会レポート

2月6日/スペースFS汐留
「力いっぱいおしりペンペン!」(by 熊田 曜子)

Gg 映画『Gガール 破壊的な彼女』(2月10日~日比谷みゆき座ほか全国)は、ニューヨークの正義と平和を守るために活躍するスーパーヒロイン“Gガール”(ユマ・サーマン)が、時には可愛く、時には“破壊的”に展開する“ちょいエロ”エンターテイメント作品。見せ場は何と言っても、スーパーモデル級のセクシーボディを持つ、『キル・ビル』シリーズのユマ・サーマンが魅せる“エロかっこいい”コスチュームだ。

 そして、この作品のバレンタインスペシャル・イベント試写会に、日本中の男子をセクシーボディで悩殺しているグラビア界のトップアイドル・熊田曜子が、サーマンのようなセクシーな衣裳で登場し、チョコレートでできた瓦割りに挑戦! 会場を大いに盛り上げた。イベント後、“もし自分が浮気されたらどんなお仕置きをしますか?”という質問に、熊田は「力いっぱいおしりペンペン!」と答え、会場を沸かせた。あなたなら、どうする?(笑)

文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2007 02 14 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 13, 2007

『あなたになら言える秘密のこと』キャストインタビュー

「自分の中に閉じ込めておくことの大事さもあると思う。なんでもかんでも曝け出すことが必ずしもいいとは思えない」(by サラ・ポーリー)

004 『死ぬまでにしたい10のこと』の監督イザベル・コヘットが再びサラ・ポーリーを主演に迎え、一人の女性の再生を描いた物語。それが『あなたになら言える秘密のこと』(2月10日~TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国)だ。ある秘密のため、友達を作らず、希望も夢も持たず、ただ淡々と同じ毎日を過ごしていたハンナ(ポーリー)。ふとしたきっかけで訪れた油田掘削所で、事故に遭い一時的に視力を失ったジョゼフ(ティム・ロビンス)を介護することになる。そんな彼女が、ジョゼフや油田掘削所の人々との交流を通し、少しずつ固く閉ざしていた心を開いていく・・・・・・。そんな、一人の女性の姿を美しい映像で綴ったのがこの作品だ。早速、サラ・ポーリーに話を聞いた。

「イザベルから“あなたのために映画を書くから!”と言われたのは、『死ぬまでにしたい10のこと』のためにアメリカを回っていた時です。脚本を読んだ時、役は素晴らしいと思ったものの自分とは余りにもかけ離れた役だったので、果たして巧く表現できるかどうかに不安がありました」とポーリー。

 ストーリーの要なのでここに書くことはできないが、ポーリー演じるヒロインの過去は想像を遥かに超えた厳しさなのだ。「確かに重い役でしたけど、とにかく自分としては“嘘がない”こと、そして(役の)尊厳を認め、毅然と演じることが大切だと思いました。それは、私が演じた役と同じ過去を持つ人たちを支援する施設の人たちからもアドバイスされました」。そういった責任ある役を演じることを「私に与えられた特権だと思う」と語る彼女は、慎重な面持ちでこう続ける。「私はメソッドアクターじゃないから役になりきるということはないわ。それに演じたことで、(役の)過去や同じ経験者たちの気持ちが判ったふりをするのは、倫理的、道徳的にもとても失礼だと思う。彼女の経験が判るのは所詮頭だけだし、だからこそこの映画を、そんな辛い過去を持つ彼女でも再生できるというポジティブなものにしたかったの」。

 ロビンス演じるジョゼフに秘密を明かすシーンは、スクリーンから目が離せない程の神々しさだ。「あんなに心が広くて、私に信頼を寄せてくれる俳優なんてめったにいないですね。あれだけ有名だと自分がいかに目立てるかとかを気にしそうなのに、私を支え、逆に私も彼を支えて・・・・・・。あんなに相手と心が近づけたのは今までになかった。彼でなければあのシーンはできなかったと思う」。

 そんな彼女に“秘密”に対してどう思っているのか聞いてみた。「人って秘密を告白することで自分自身にうっとりしちゃうことがあると思う。特に最近は、心をオープンにして話し合うこと正しいという傾向があるけど、私は、自分の中に閉じ込めておくことの大事さもあると思う。具体的に思い出せないけど、なんでもかんでも曝け出すことが必ずしもいいとは思えない」。だからこそ、心に留めておきたかった秘密をハンナが明かす時、観る者の心は打ち震えるのだと思う。

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

サラ・ポーリー/Sarah POLLEY
1979年2月11日生まれ。カナダ、オンタリオ州出身。両親は役者。幼い頃から子役として活躍。1985年、『クリスマスに届いた愛』で劇映画デビュー。テリー・ギリアムの大作『バロン』(1989)で注目され、アトム・エゴヤンの『スウィート ヒアアフター』(1997 )では多数の賞を受賞、女優としての存在感をアピール。以後、個性派監督が手掛ける作品に多数出演し、演技派女優としての地位を確立する。1999年には短篇“DON’T THINK TWICE”で監督業にも進出した。その他の作品に『イグジステンス』(1999)『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)等、多数。

005『あなたになら言える秘密のこと』
“THE SECRET LIFE OF WORDS”
松竹/イザベル・コヘット作品
2005年/スペイン/114min./カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
2月10日~TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国

2007 02 13 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 01, 2007

『天国は待ってくれる』岡田 惠和インタビュー

『天国は待ってくれる』岡田 惠和インタビュー

「一緒につくる人間を信じています」(by岡田惠和)

Okada 「以前から小説のお話は頂いていました。確かに、脚本家の仕事には100%自己実現できないストレスがあるわけで、もしそれを達成しようとするなら、例えば、映像の世界なら脚本だけでなく監督・主演まで一人でやるしかありません。だけど、すべてが思い通りにならないところが、この仕事の面白いところでもあるわけで、そのストレスから逃げる方法を持ってしまうと元へ戻れなくなるんじゃないかと思って、あえてそっちへは行かないようにしていたんです。
 今回小説を書いたのは、もうそこにこだわるのはいいかなと思って。いろいろやってみて、ダメだったら戻ればいいやって楽な気持ちになれたからなんです」と語る脚本家・岡田惠和。テレビドラマ「ちゅらさん」「若者のすべて」や映画『いま、会いにゆきます』などで、“涙の脚本家”と呼ばれる彼の処女小説『天国は待ってくれる』が自身の脚本、井ノ原快彦、岡本綾、清木場俊介主演で映画化された。それがもうすぐ公開される『天国は待ってくれる』(2月10日~丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系)だ。

 岡田が長年温めてきたのは“男2人と女1人の間の友情”というテーマ。幼い頃の出会いから、それぞれの旅立ち、恋の芽生えと葛藤、そして起こる悲劇と奇跡! ストーリーは波乱を予感させつつ、目まぐるしく展開していくが、スクリーンには穏やかな映像が淡々と積み上げられていく。「ト書きは創り手同士の手紙」と言う彼は「一緒につくる人間を信じています」と強く語る。

「ドラマとしての展開は激しいけど、そこを抑えて見せるようなものを望んでいたので、大げさな映画にはしてほしくなかった。監督が抑制した演出でひとつのトーンにまとめてくれたし、キャストとスタッフはそれに応えてくれたと思います。このストーリーでも観ていて落ち着いた感じになったのは、みんなの力だと思いますね」。

 他者に手渡すことで、作品は膨らみを持つと信じて書く彼だからこそ、その物語は観客の心を感動へと導いてくれるのかもしれない。

プロフィール
岡田 惠和(おかだ よしかず)
1959年2月11日。東京都出身。雑誌ライターの仕事を経て、1990年に「香港から来た女」で脚本家デビュー。以後単発ドラマ「君の手がささやいている」でATP賞グランプリ・橋田賞作品賞などを受賞、1999年には文化庁芸術選奨文部大臣新人賞を、2001年には橋田賞・向田邦子賞をW受賞するなど、今日本で最も多忙な脚本家の一人。映画の代表作は『いま、会いに行きます』(2004)。

Tengoku天国は待ってくれる
ギャガ=松竹/土岐 善將 作品
2007年/日本/105min./カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2007『天国は待ってくれる』associates
2月10日~丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2007 02 01 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jan 29, 2007

『幸せのちから』キャスト来日記者会見

1月18日/パークハイアット東京
「“Keep Going”、それが大切なんじゃないかな」(byウィル・スミス)

Wil 全財産21ドルというドン底の状況から億万長者へ――そんなアメリカン・ドリームを実現させた実在の男、クリス・ガードナーの半生を基にした『幸せのちから』(1月27日~日比谷スカラ座ほか全国)。その主演と製作を務めたウィル・スミスが来日し、記者会見を開いた。

 本年度アカデミー賞で最優秀主演男優賞にノミネートされた本作は、スミス父子(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)が初共演したことでも話題だ。「スペシャルなエレメントをもたらしたと思う。いつも親子でしている自然な動作を取り込めたし、自分の演技に泣いちゃうのって凄く可笑しいけど、この作品の僕の演技は最高だと思うよ(笑)」と親子共演に本人もご満悦。息子の演技を「キャラクターの感情の起伏をすぐに理解できるんだ。おかげで父子のシーンは、“全てクリストファーが盗んでいく!!”って妻のジェイに文句言ったぐらい!」と絶賛。

 絵に描いたようなアメリカン・ドリームが語られる物語の時代背景は、アメリカが不況だった1981年。そして現代の日本やアメリカは完全な格差社会に突入し、同じように不況の波に晒されている人々が多い。そんな中、スミスは「本気で信じれば夢は叶う」と強い口調で言う。“競争社会の今、強く願ってもムリなのでは?”とキツい質問が出ても、「人生、そんなに簡単じゃない。スゥイート&ワンダフルばかりじゃないさ。悪人だっているし、善人にだって悪いことは起きる。でもそれを知り、どうサバイブしていくのかが問題。その唯一の道具は“希望”さ。そして、その希望を持ち続ける信念は自分でコントロールできるだろ? “Keep Going”、それが大切なんじゃないかな」と自らの哲学を語った。

 歌手、俳優、そしてプロデューサーとしても着実にキャリアを積んでいるスミスは、「今後は大作とアートフィルムをブレンドした作品が創りたいね」と今後の目標を語った。人生を心底楽しんでいる彼だからこそできたこの作品に、あなたも“希望”を発見できるはずだ。

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko Katsumaru(ライター)

2007 01 29 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jan 22, 2007

『ディパーテッド』スタッフ&キャスト来日記者会見

1月18日/グランド・ハイアット東京

「監督がまだ(オスカーを)獲ってないのは冗談みたいでしょ!」(byレオナルド・ディカプリオ)

Dp  先日、アカデミー賞の前哨戦と称されるゴールデングローブ賞で監督賞を受賞した『ディパーデッド』(1月20日~サロンパス ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系)。続く1月23日(現地時間)発表のアカデミー賞ノミネートを前に、主演のレオナルド・ディカプリオと監督のマーティン・スコセッシが来日し記者会見を開いた。

 ボストン、サウシー地区を舞台に、マフィアのボスの下に送り込まれた警察官のビリー(ディカプリオ)と、そのボスによって警察へ送り込まれたマフィアのコリン(マット・デイモン)の駆け引きと苦悩を描いた本作。ベースは香港映画『インファナルアフェア』シリーズだが、名匠の手腕とベテラン俳優たちの渾身の演技により、一味違ったサスペンス・ドラマに仕上がっている。

『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アビエイター』に続き今回が3回目のコンビとなるディカプリオとスコセッシだが、お互いの魅力について聞いてみると、「彼や、彼の作品自体も尊敬している。これまで一緒に共同作業してきたのも自然の流れだと思う。僕のキャリアの中で彼との仕事はハイライトだと思うし、今後も続けていきたい」(ディカプリオ)、「2人ともキャラクターや物語に対する思いが似ているし、人生に対してもそう。30歳の年の差があってもね(笑)」(スコセッシ)。

 そんな二人は「この作品の評価が予想以上に高くてビックリしている」と声を揃えるが、アカデミー賞については「ただ、それが金の像に繋がるか判らない。とにかく結果を受け入れるしかない。でもそれよりも、監督がまだ獲ってないのは冗談みたいでしょ!」とディカプリオ。一方、スコセッシは「最初はこの映画を創りたくなかったし、賞を獲るために映画を創ってるわけじゃないから。それより、この映画を撮ったことで、ドン・シーゲルやアンソニー・マンの50年代のB級映画を改めて尊敬し直せたよ」と語った。そんな彼が監督を引き受けた大きな要因は「ウィリアム・マガハンの脚本の素晴らしさ」だったそうで、「とにかくこの映画は“嘘”ばかりだよ(笑)」とジョークを飛ばした。

 そして“嘘”をつきまくるビリーを演じたディカプリオは、映画の中で重ねられた“演技”にいささか戸惑ったものの「マフィアのボス役のジャック(・ニコルソン)に詰め寄られるシーンで役を掴んだんだ」とのこと。そして、ベテラン俳優、ニコルソンとの共演について「あ、あ~……実際の二人は映画と同じで、緊張感があって何が起こるか判らない感じだったね」とおずおずと答えるレオに、会場からは笑いが漏れた。

 ラストに明かされる“ディパーデッド”の意味に、ある種の爽快さすら感じられる本作は必見だ!

取材・撮影・文=勝丸 京子/Kyoko Katsumaru(ライター)

2007 01 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jan 02, 2007

『合唱ができるまで』キャストインタビュー

『合唱ができるまで』キャストインタビュー

「日本の子供たちは、グループの影になってしまって、個人の力を生かしきれていないような気がしました」(by クレール・マルシャン)

Gassyou2 パリ13区、総勢100名のアマチュア合唱団員を抱えるモーリス・ラヴェル音楽院。この音楽院で指揮を教えているのがクレール・マルシャン。『合唱ができるまで』(12月23日~ユーロスペースほか全国〈地方は順次〉)は、彼女の指揮の下、1つの合唱が創り上げられる過程が丁寧に描かれた異色ドキュメンタリーだ。

 監督のマリー=クロード・トレユの息子が音楽院のメンバーだったことがきっかけで実現したのがこのドキュメンタリー。「やはり最初は全員戸惑いがありましたが、最終的には撮影隊を気にしなくなりましたし、結果的に上手く行ったと思います。あの練習場は凄く狭いし、それに、メンバーと私たちの親密度が高いんです。ですからカメラに限らず、知らない人が入ると凄く違和感があるんです。だから撮影が終わった後なんか、“終わって良かった!”なんてメンバーと言い合っていたんですよ(笑)」。

 彼らの親密さは丹念に積み重ねられた映像からひしひしと伝わってくる。そして更に、観るものに創り上げることの素晴らしさ、“時間を掛ける”ことの楽しさを感じさせてくれる。「合唱というのは1日でできることではありませんから。少しずつの積み重ねが大事なんです。そういう意味では映画と似ているかもしれませんね」。

 劇中、彼女は集中力を失くしたメンバーたちを、飽きさせず、そして力を引き出すため、ユニークな練習をさせたりする。個人主義が強いフランス人をまとめるのはやはり大変なのだろうか? 「カメラがあるなしに関わらず、集中力を持続させるのが大変なんですよ(笑)。フランス人は皆さんが思うほど個人主義というわけではないと思うんです。メンバーたちはむしろ、“一緒に歌う”という行為が気に入っているようですし。ですが、個性、個人の自立性は大事にしたいと思っています。自分のためというより、皆のためにそれを生かすように意識していますね」。

 最後に、今回の来日で共演した日本の子供たちについて聞いてみた。「少しの時間しか共演できなくて凄く残念でしたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。少ない時間ですので、ちょっとした印象しか判らないのですが、日本の子供たちは、グループの影になってしまって、個人の力を生かしきれていないような気がしました。もう少し、自分のためではなく、グループのために生かす個性を発揮するような練習を増やしたらいいのではないでしょうか?」。

 ラストの合唱に思わず身震いしてしまう本作は必見!

クレール・マルシャン/Claire Marchand
1956年(生月日不詳)生まれ。フランス、パリ出身。ルクセンブルグ大公国音楽院とベルギーのナミュール国際合唱指揮者学校に在籍していた彼女は、パリ13区のモーリス・ラヴェル音楽院合唱団の正式教師として就任した後、自ら合唱科と合唱指揮者のクラスを創設。同時にアマチュアやセミプロの合唱団や声楽アンサンブルの指導をする他、将来プロになる若き指揮者の養成をしている。

Gassyou合唱ができるまで
“LES METAMORPHOSES DU CHOEUR"
バップ=ロングライド/マリー=クロード・トレユ作品
2004年/フランス/98min.
/カラー/ヴィスタ/ドルビー(DTS:SR)
12月23日~ユーロスペースほか全国(地方は順次)

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2007 01 02 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

Dec 28, 2006

『みえない雲』監督インタビュー

『みえない雲』監督インタビュー

「ドイツ公開の時、 この映画で原発が身近にあることを知った人も多かったんだから」(by グレゴール・シュニッツラー)

Photo001  チェルノブイリ原発事故直後の1987年に発表されセンセーションを巻き起こした小説に基づいた『みえない雲』(12月30日~シネカノン有楽町ほか全国〈地方は順次〉)。美しい自然に囲まれた、のどかで小さな街を、突然原子力発電所の事故が襲う。ヒロインのハンナは初恋の相手ウリーの「必ず迎えに行くから、家で待ってて!」の言葉を信じて待ち続けるが、そこには放射能を帯びた雲が迫っていた……。

 この作品はアメリカ映画にありがちなパニック映画ではない。極限状況下、少女から大人へ成長するハンナからは、無責任ゆえの罰、生きる意義等、私たちにとって普遍的なテーマは浮かび上がらせる。特に、原発への問題提起をしながらもそれだけでは終わらせない作品になっているのが秀逸だ。 「小説は観客の想像力に任せられるけど、映画の場合はもっと直接的に観客に語りかける必要があると思ったんだ。だから主人公をハンナにして、ラブストーリーを入れ込んだんだ」。

 とはいえ、やはり軸となる原発から目をそらすことはできない。放射能漏れの事故がない限り原発問題を大きく取り上げることがなくなった日本人にとっても他人事ではない。「実は核や原発に対する問題意識はドイツでも低かったんだ。だってドイツ公開の時、この映画で原発が身近にあることを知った人も多かったんだから!! それに、北朝鮮の核問題もドイツでは凄く問題になっているんだよ」。

 原発に頼らざるを得ない現代社会。私たちはこの作品を通して改めて、“原発との共存”を真剣に考えなければいけない。今からでも遅くないと思う。

Mienaiグレゴール・シュニッツラー/Gregor SCHNITZLER
1964年(生月日不詳)生まれ。ドイツ、ベルリン出身。大学を卒業後、数年間スチーールカメラマンとして働き、1990年に音楽ビデオとCMの監督としてそのキャリアをスタートさせる。そしてTVドラマ、短篇の監督を経て、2002年に“WAS TUN WENN'S BRENNT"で長篇監督デビュー。そして、初のメジャー作品『レボリューション6』(2002)で一躍注目を集めた、ドイツの次世代を担う期待の監督だ。

みえない雲
“DIE WOLKE"
シネカノン/グレゴール・シュニッツラー作品
2006年/ドイツ/103min. /カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR)
12月30日~シネカノン有楽町ほか全国(地方は順次)
取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 12 28 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Dec 23, 2006

『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』監督インタビュー

『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』監督インタビュー

「音に触れるような感覚を重視したね。特に観客がフランキー自身を体感するような感覚を大切にしたよ」(by マイケル・ドース)


Kantoku  突然聴覚を失った人気DJ、フランキー・ワイルドの絶望から再生への物語を描いた『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』(12月23日~渋谷シネ・アミューズほか全国〈地方は順次〉)。主人公、フランキーのリアリティ溢れる描写に、公開されたイギリスやカナダでは“実話なのでは?”“ フランキーのモデルは誰だ?”と話題になったという。そんな噂を、面白そうに笑って話すのが監督と脚本を務めたマイケル・ドースだ。「フランキーのキャラクターは、実在する複数のミュージシャンのキャラクターやエピソードにインスパイアされて、限りなくリアルに創り上げたんだ」。

 だが劇中には、実在の有名DJたちが、存在しないはずのフランキーについて語るインタビューシーンまで挿入されているのだ!

「僕自身、この映画はニセの“バイオピック”だと思ってて、“ニセ・ドキュメンタリー”、いわゆる“モキュメンタリー”に対する皮肉を込めたつもり。このジャンルはつまらないと思っていたからね。インタビューした人たちは本物の人もいるけど役者もいるんだよ!」と余裕の表情。おそらく、騙されてしまうのは、構成はもちろんのこと、役者のリアルな演技があってのことだろう。フランキー役には、最近では『マッチポイント』に出演していたポール・ケイ。彼は今回、音楽スーパーバイザーを務めたロル・ハモンドからDJの特訓を受け、その覚えの速さにビックリされたのだとか。更にニカッと笑うと見えるすきっ歯で、フランキーを破滅的でありながら、どこか憎めない愛らしいキャラクターへと昇華させた。

 そして、“音を感じる”ことをフランキーに教え、再生の道へと歩ませる女神(ディーバ)となる、耳の聞こえないペネロペを演じたベアトリス・バタルバ。彼女の演技がまた凄いのだ。「彼女、凄く上手いでしょ! 健聴者なんだけど、(あまりに上手いので)撮影3日目までスタッフの半分は彼女が本当に耳が聞こえないと思っていたぐらいなんだ。実は、彼女の母親が実際に読唇術の先生になるコーチを受けたことがあるんだって」。“聴覚を失くす”物語ゆえに作品には時折無音シーンを挟み込まれ、観客を静寂の世界へ誘う。「音に触れるような感覚を重視したね。特に観客がフランキー自身を体感するような感覚を大切にしたよ」。

 ドースが「イビサでの撮影はあまりの暑さに圧倒され、最初は“こんなんで撮影できんのかな?”と思ったけど、時間が経つにつれ、イビサの暑さとか開放感とかが、いろんな意味で映画にいい作用をもたらしたと思う」と語るこの作品。開放感さえも体感できるということも要チェックだ。

マイケル・ドース/Michael DOWSE
1973年4月19日生まれ。カナダ、アルバータ州出身。エール大学のビジネススクールでMBAを取得後、短篇、CM、ミュージック・ビデオの監督、また長篇映画の編集スタッフとしてキャリアをスタート。長篇監督デビューは2000年の“FUBAR”。本作が2作目の長篇。次回作に“KIDS IN AMERICA”等が控える注目の新鋭。

Franky_1  『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界
“I'TS ALL GONE PETE TONG"
エイベックスエンタテインメント/マイケル・ドース作品
2004年/イギリス=カナダ/92min./
カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR) ※R-15指定
12月23日~渋谷シネ・アミューズほか全国〈地方は順次〉

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 12 23 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Dec 22, 2006

『プリズン・ブレイク』スタッフインタビュー

『プリズン・ブレイク』スタッフインタビュー

「TVは映画ほど束縛がないからね。創り手は自由に創作に没頭でき、やりがいを感じるんだと思うよ」(by ポール・シェアリング)

Prizon  シカゴで建築設計士をしている頭脳明晰で有能な男、マイケル。その生活は、兄が副大統領の兄弟を銃殺した罪で死刑を宣告されたことで一変。兄の罪を独自に調査した結果、何者かに罠にはめられたことが判り、マイケルは自力で兄を助けようと決意する。偽装で銀行を襲撃し兄と同じ刑務所に収監されたマイケルは、死刑執行までのタイム・リミット30日間でかつてない超脱出計画を実行に移す……。映画では体験できない、TVならではの前代未聞のタイムリミット・サスペンスで人気のシリーズ『プリズン・ブレイク』。毎回、手に汗握る展開は勿論、同時に兄弟、親子、囚人たちとの交流や駆け引き、そして恋と、様々な人間ドラマが盛り込まれている。あの『24―TWENTY FOUR―』に続き20世紀フォックスが放ったこの人気ドラマの秘密を、製作総指揮兼脚本のポール・シェアリングに聞いてみた。

 脱獄物の作品は数あれど、本作は“自ら入り脱獄を決行する”という点だけでも異色のストーリー展開だ。「自分から刑務所に入るなんて凄く馬鹿げてる、と思った。だから切迫した事情があれば成り立つかもしれないと思って、兄弟の話へ膨らませていったんだ」とシェアリング。思いついた時から、ストーリー展開はある程度創り上げているという彼だが、TV業界ならではの締切には毎回苦しめられるのだとか。「あはは。実は締切には毎回苦労させられているんだ。2週間で1話書き、8日間で撮影して、1週間で編集する……その繰り返し。コーヒーを飲んで何とか乗り切っているよ」。

 アメリカのTV業界の活性化が日本にいても感じられる昨今。一方、リメイク作品が相次ぎ、“ネタ切れ!と噂され、衰退の一歩を辿っているように見える映画業界。その理由をシェリングに尋ねてみると、「僕も映画に携わったことがあるから判るんだけど、映画業界は投資する側の意見に左右されがち。その点、TVは映画ほど束縛がないんだ。創り手は自由に創作に没頭でき、やりがいを感じるんだと思うよ」と余裕の表情を見せる彼は、『シーズン3』への参加も打診されているのだとか。そんな彼の自信作『プリズン・ブレイク』の『シーズン1』は、現在DVD&VHS(各vol.1~12)で好評レンタル中だ。この面白さ、年末年始にイッキ見してみてはいかが?

ポール・シェアリング/Paul SCHEURING
生年月日不詳。出身国地不詳。主に脚本家としてTVを中心に活動。映画作品にはヴィン・ディーゼル主演の『ブルドッグ』(2003)がある。

Imgプリズン・ブレイク シーズン.1
“PRISON BREAK SEASON.1”
FHE/ブレット・ラトナー、他作品
アメリカ/968min.(1話約44min.。全22話)/
カラー/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
(C)TWENTIETH CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT LLC.
   ALL RIGHTS RESERVED.
※DVD&VHS好評レンタル中
vol.1~vol.11(各2話収録) vol.12(1話収録)
※DVD絶賛発売中
vol.1(1、2話) BOX.1(3~13話) BOX.2(14~22話)

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 12 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Dec 08, 2006

『敬愛なるベートーヴェン』監督インタビュー

『敬愛なるベートヴェン』監督インタビュー

「彼の音楽と人生が反比例するところに非常に惹かれました」

Bb 耳の聴こえない《悲劇の“楽聖”》と呼ばれ、没後180年経った今も世界中の人々に愛され続ける、最も偉大な音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。晩年には多くの名作を生み出し、日本では年末の曲としてお馴染となった「交響曲第九番」もそうした曲の1つだ。そうした時期の彼の姿を描いたのが、この『敬愛なるベートーヴェン』(12月9日~日比谷シャンテ シネほか全国で公開〈地方は順次〉)だ。

 この作品では、彼の作曲を支えた一人の女性、作曲家志望の23歳のコピスト(写譜師)を通し、“第九”が生み出された背景の謎に迫っている。監督は、レオナルド・ディカプリオが詩人ランボーを演じた『太陽と月に背いて』が高く評価されたアニエスカ・ホランド。彼女に今回の作品を創ったきっかけを聞いてみた。「年を重ねるごとに、彼の音楽は偉大で素晴らしいものになっていきました。それも1つの理由ですが、逆に、彼の人生を取りまく環境や健康面は、徐々にどん底に向かっていったわけです。彼の音楽と人生が反比例するところに非常に惹かれました」。

 そんな反比例の人生の中、彼の作品の唯一の理解者として登場するのがコピストのアンナ・ホルツだ。彼女のキャラクターはどこから生まれたものなのだろうか? 「実は想像上の人物。でも全くありえない人物というわけでもなく、当時、彼の周りには世話をする人が何人かいました。その人たちの様々な要素を取り集め、彼女を創り上げたのです。そして、彼女の目を通して、よりベートーヴェンの生活やパーソナルな部分が見えてくるようにしたかったのです」。

 そして、監督の狙いをリアルに体現したのが、ベートヴェンを演じたエド・ハリスとアンナを演じたダイアン・クルーガーの演技力だ。「エドとは長いつき合い。彼は非常に内面が深く、複雑な人間なので、この偉大な人物を演じられるのは彼しかいないと思ったんです。何事にも好奇心も持ってのめり込んでいく彼の性格は、この天才的な内面を持つ男を演じるのにピッタリでした。アンナ役はクルーガーから“やりたい”と話がありましたが、“彼女にはムリだろう”と思ったんです。ですから、“まずカメラテストをしたい”と話したところ、彼女がニューヨークからロサンゼルスにある私の自宅までやってきました。もう夜中でしたが、私の娘が暖炉の前にカメラを構え、彼女が準備してきた“アンナ”を演じてもらったんです。その瞬間、“彼女だ”と思ったんです」。

 そんな監督はポーランドのワルシャワ出身。同郷には“神童”ショパンがいる。「ポーランドは非常に変な国なんですよ。偉大な作曲家を何人も輩出しているのに国民は音痴が多い(笑)。集まって歌おうものなら音は外れるし、音楽祭は盛り上がりに欠けるし。だから日本の方が音楽性というのは高いのではないでしょうか。ショパン国際ピアノコンクールで優勝される方って、日本や韓国といったアジア出身者が多いですよね。ヨーロッパは確かにクラシックが生まれた国ではありますが、クラシックが現在も活き活きと息づいているかというと、そうでもないんです。その代わり、日本やアジアにそうした土壌が生まれているようなので、本作が日本でヒットすることを願っていますよ(笑)。もちろんショパンはポーランド出身で、小さい時から生活の一部として聞いてきましたが、私にとっては最初の音楽との出会いはベートーヴェン。ショパンの音楽の深さは、大人になってからでないと理解出来ないと思います。彼の映画も5、6本既に創くられていますが、挑戦するとしたらべートーヴェンとは違った意味で難しい映画になるでしょう」。

 今年の年末も多く聴かれるであろう“第九”。この作品でベートーヴェンの音楽家として苦労や孤独を感じることで、今年は一味違った“第九”を聴くことができそうだ。

アニエスカ・ホランド/Agnieszka HOLLAND
1948年11月28日生まれ。ポーランド、ワルシャワ出身。プラハのFAMUで映画と演出を学んだ後、ポーランドに戻りクシシュトフ・ザヌーシの助監督として映画界に入る。“AKTORZYPROWINCJONALNI”(1979)で監督デビュー。その他の作品に『ワルシャワ/神父暗殺』(1988)『僕を愛したふたつの国/ヨーロッパヨーロッパ』(1990)『太陽と月に背いて』(1995)等、多数。

Bb2敬愛なるベートヴェン
“COPYING BEETHOVEN”
東北新社/アニエスカ・ホランド作品
2006年/イギリス=ハンガリー/104min.
/カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2006 Film & Entertainment VIP Medienfonds 2 Gmbh & Co.KG
12月9日~日比谷シャンテ シネほか全国(地方は順次)

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

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Dec 07, 2006

『硫黄島からの手紙』キャストインタビュー

『硫黄島からの手紙』 伊原 剛志&加瀬 亮インタビュー

「家族のために、友人がたくさんいるアメリカと戦わなければいけなかった。
そういった葛藤の部分を大事にしました」――伊原

「この映画に参加できたのは僕にとってご褒美」――加瀬

2hito 『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』でオスカーを受賞し、今やハリウッドを代表する名匠となったクリント・イーストウッド。そんな彼が、太平洋戦争の激戦地となった硫黄島を舞台に、日米双方の視点から戦いの真実を描き出した二部作。それは、公開中のアメリカからの視点で描いた『父親たちの星条旗』(公開中~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)に続きいよいよ公開される、日本からの視点で描いた第二部『硫黄島からの手紙』(12月9日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)で完結を迎える。今回、ロサンゼルス・オリンピックの馬術競技で金メダルを獲った実在の人物、バロン西を演じた伊原剛志と、理想主義に燃えていたが戦場を目の当りにして気持ちが変化していく清水を演じた加瀬亮に、作品について語ってもらった。

   渡辺謙演じる栗林忠道中将が硫黄島に赴任してからアメリカに占領されるまでを描いた本作は、二宮和也が全体の案内役として存在するものの、兵士たち個人の苦悩や精神状態に焦点を当て、丁寧に描いている。伊原と加瀬の出演シーンも尺としては短いが、スクリーンでの印象は強烈だ。「実際、バロン西さんの息子さんにお会いして、いろいろな話を聞きました。おそらく“バロン西”という人物は自由奔放な人だったと思います。だけど、家族のために、友人がたくさんいるアメリカと戦わなければいけなかった。そういった葛藤の部分を大事にしましたね」と語る伊原は、「撮影中、銃声や爆音は劇場で映画を観るようにリアルでした。ただ、そういった緊迫感がその時の演技に影響するかというとそうでもないですね。役は出来上がっていましたし」と、自分の演技に対する自信を覗かせた。

一方、加瀬は、「僕はまず恐怖心ですね。それに脚本を読んだ時に、二宮君が演じた西郷と鏡のような存在だ、と思ったんです。物語が進むにつれ二人は成長していきますが、常にその中で彼と向き合う存在だ、ということを念頭に置いていました」と語り、「この映画に参加できたのは僕にとってご褒美」と謙虚に喜んでいるようだ。

 そんな二人は、本作の前に黒沢清の『叫』(2007年陽春~シネセゾン渋谷ほか全国)で共演している。「『叫』の撮影中、お互いにこの作品に出演するなんて知らなかった(笑)」(伊原)。「撮影の合間、伊原さんはよく見守っててくれました。それにアル・パチーノの舞台に連れて行ってもらったんですよ(笑)」(加瀬)。「僕が“生”アル・パチーノを観たかったから(笑)」(伊原)。優しく見守る兄貴肌の伊原と実直な弟的存在の加瀬の関係は劇中でも重要なシーンに反映されている。“清水”は“バロン西”の行動からアメリカに対する気持ちを変化させていくのだ。

 心の細かい襞を描く手腕に長けたイーストウッドの下、日本のベテランと新鋭が挑んだ本作。彼らのコラボレーションがどんなふうに仕上がっているのか、アナタ自身の目で確かめて!

伊原 剛志/Tsuyoshi IHARA
1963年11月6日生まれ。大阪府出身。1982年にJAC(現在JAE)に入団。翌年、舞台「真夜中のパーティ」で俳優デビューを果たす。以後、数々の作品で経験を積み、1996年のNHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」で一躍お茶の間の人気を集める。TV、映画、舞台とジャンルを問わず活躍するベテラン俳優。

加瀬 亮/Ryo KASE
1974年11月9日生まれ。神奈川県出身。『五条霊戦記』(2000)で映画デビューを果たし、以降、TVやCM等でも積極的に活動。映画はこれまでに40作品以上出演している。主な出演作に、『誰も知らない』(2004)『ニワトリはハダシだ』(2004)『パッチギ!』(2005)等、多数。主演作の『アンテナ』(2004)では日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞した。最新作は周防正行待望の新作でもある『それでもボクはやってない』(2006)『オリヲン座からの招待状』等が公開待機中。今後の活躍から目が離せない若手俳優。

Iwojimamain硫黄島からの手紙
“LETTERS FROM IWO JIMA”
WB/クリント・イーストウッド作品
2006年/アメリカ/141min/カラー
/スコープ/ドルビー(SRD、DTS、SDDS:SR)
12月9日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系ロードショー
(C)2006 Warner Bros.Entertainment Inc.and Dream Works LLC.

取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 12 07 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Dec 02, 2006

『ファミリー』イ・ジョンチョル インタビュー

「父と娘の絆は特別なものかもしれない、
と思ってこの映画を創ろうと思いました」


Family2_4心の琴線に触れる映画を多く輩出する韓国から、父と娘の確執を通して普遍的な家族愛を描いた『ファミリー』(12月2日~シネマスクエアとうきゅうほか全国〈地方は順次〉がやって来た。

監督は、本作が長篇デビュー作となるイ・ジョンチョル。世界共通の普遍的なテーマ、“家族愛”を扱った映画は多く、中でも父=息子、母=娘という同性ならではの確執や強い絆を描いた作品が多い。ではなぜ今回、監督は敢えて父と娘に焦点を当てたのだろうか?

「映画会社の女性から、“父親は私にとても厳しいけど、いないところでは私の自慢ばかりするんです”っと聞いて凄く感動したんです。それに韓国では、新婚旅行後に嫁の実家に一晩泊まるしきたりがあるのですが、僕の姉が実家に帰って来た時、母に泣きつくのかと思いきや、父だったんです。それで、父と娘の絆は特別なものかもしれない、と思ってこの映画を創ろうと思いました」。

確かに異性の親子は、同性の親とは違うタイプの愛情を持つ。例えば、娘にとって父親は初めて接する男性であり、そこに娘は理想の男性像を映し出し、父親が理想に反した行動をすれば愛情の裏返しとして憎む傾向がある。逆に父親から娘への愛も一種の“恋人”に似た愛情があり、母と息子の場合でも同じことが言えるのではないだろうか。

この映画では、余命いくばくもない厳格な父、チュソクと堅気の生活に戻れない蓮っ葉な娘、ジョンウンがお互いにその愛情の深さを思い知らされることになる。「確かに二人の状況は非情です。ですが物語の人物に試練を与え、それを乗り越えさせることで観客に感動を与えられるのだと思います」。

そして、スクリーンで流されるジョンウンの涙が観客の心に沁みこんでゆくのだ。「役が涙するところが必ずしも観客が涙するとは限りません。むしろ違うと思います。ですから、彼女が涙を流す流さないはコントロールしましたが、最後に涙するあのシーンは自分で考えて演技してもらったんです」。さて、あなたは彼女の涙から何を感じるだろうか?

Family ◆ イ・ジョンチョル/Jeong-cheol LEE
1969年生まれ(月日不詳)。韓国出身(出身地不詳)。漢陽大学演劇映画学科卒業。“SOMETIMES SOMEWHERE”“BELL”等の短篇を監督し、チャン・ドンゴンとキム・ヒソンが主演したイ・グァンフンの1997年のラブ・コメディ作品『敗者復活戦』の演出部に参加。またキム・ヨンジュンの『アウトライブ~飛天舞~』にも助監督として参加した。本作で長篇デビューを飾る。

ファミリー
“A Family”
SPE/イ・ジョンチョル作品
2004年/韓国/96min./カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR)
12月2日~シネマスクエアとうきゅうほか全国〈地方は順次〉

2006 12 02 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Nov 20, 2006

『プラダを着た悪魔』キャスト来日会見

9月27日/パークハイアット東京
「おしゃれって凄く疲れる! 撮影中、自宅ではスウェットで過ごしてたんだから!」(by アン・ハサウェイ)

_dsc0405m  華麗なファッション業界を舞台に、ドジでキュートなヒロインが悪魔のような上司の下、女性として成長してゆく姿を描いた、ゴージャス&ユーモラスなビタミン・ムービー『プラダを着た悪魔』(11月18日~日比谷スカラ座ほか全国)。このPRのため、ヒロインのアンディを演じたアン・ハサウェイが来日し、記者会見を開いた。

 大学を卒業したジャーナリスト志望のアンディが偶然手に入れた職は、超一流ファッション誌「ランウェイ」の凄腕セレブ編集長ミランダのアシスタントだった。しかしファッション音痴のアンディは、ミランダから“センス、ゼロ!”と酷評され、あげく彼女からの“ミッション:インポッシブル”な命令に悪戦苦闘! 次第にプライベートまでもが目茶苦茶になっていく……。

 同名小説を基にした本作は、原作者のローレン・ワイズバーガーが実際にあの超一流ファッション誌「ヴォーグ」で働いていたことから、劇中に登場する鬼編集長は“もしやアナ・ウィンターでは……?”と憶測が飛んだことでも話題になった。そんな鬼編集長を演じたのはアメリカを代表する大大大女優メリル・ストリープ。彼女との共演について、「最初は怖かったわ。実力に差がありすぎる、と思ったけど、とにかく全力を尽くすしかないと思ったの。共演はスゴク楽しかったわ」と語るハサウェイ。

 彼女は自分の役柄について、「映画の中で、唯一のフツーの人はアンディなの。フツーだけど、無理難題を命令される彼女が魅力的に見えるように演技するのが難しかったわ」。とはいえ、ファッション業界を舞台にし、更には女性から絶大な支持を得ているTVシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣裳を担当したパトリシア・フィールドがコーディネートした高価な衣裳の数々を纏うことができたのは羨ましい限りだ。「全然そんなことない! おしゃれって凄く疲れる! 撮影中、自宅ではスウェットで過ごしてたんだから!」とおちゃめな彼女。

「“どんな女性に変身したいかですか”って? うーん、自分の夢だった女優の仕事が充実していて文句なしだわ! 強いて言うなら、お気楽なパーティ・ガールになってみたい!」と気どることなく、トレード・マークのビッグ・スマイルを見せ会場を沸かせた。

そんな彼女の魅力に、ぜひスクリーンで触れてみて!

取材・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 11 20 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Nov 15, 2006

『エコール』ルシール・アザリロヴィック インタビュー

「子供たちは、非常に感覚的で
ポエティックなアプローチをしてみせてくれます。
そういったところに私は惹かれるのです」

Ecol19世紀の作家、フランク・ヴェデキントの小説「ミネハハ」(=“笑う氷”)を独自に解釈し、高い塀で外界と遮断された学校(エコール)を舞台に展開される幻想的な映画『エコール』(11月4日~シネマライズほか全国〈地方は順次〉)。そこでは6歳から12歳までの少女たちが自然の生態やダンスを学びながら、“卒業”の日を待っている。男性のいない、少女たちだけの世界。そして卒業を迎えたその日、少女たちが向かうところとは……。

監督はギャスパー・ノエの公私にわたるパートナー、ルシール・アザリロヴィック。現代版「赤ずきんちゃん」とも言える前作『ミミ』(1996)に続き本作を完成させた。今回の作品は、スタイルは変わらないものの少女の描き方に変化が見られるのが特徴だ。
「人生全般に対する視点が変わってきました。例えば『エコール』と『ミミ』を比べると、『ミミ』は嫌悪感や恐怖といったネガティブな感情を元にしていましたが、今回の『エコール』では『ミミ』よりもっと豊かな世界、不安や嫌悪感に“喜び”や“光”をミックスした、より複雑な世界を作り上げることが出来たと思っています」。

 そもそもアザリロヴィックが少女時代の繊細な感受性に焦点を当てるのは何故なのだろうか? 「私が子供をテーマにした作品を撮るのは、感覚や感情を描く映画を創りたいと思っているからです。子供というのは世界に対して未知の部分を多く持っています。だから、何か知らない物事に接した時に、自分なりの解釈や自分なりの想像を持ち込んだりと、非常に感覚的でポエティックなアプローチをしてみせてくれます。子供のそういったところに私は惹かれるのです」。

 今回、19世紀に書かれた小説を映画化するにあたって、“時代劇にしない”ことに注意したという。「ヴェデキントの原作は19世紀末に書かれたものですが、非常に現代的な印象を受けると思います。例えば19世紀末の学校、特に女子の教育はとても厳格で締め付けの厳しいものでしたが、原作に出てくる学校は非常にユートピア的な雰囲気を持っています。その雰囲気を映画に写し撮ろうとしたのですが、“19世紀風”の映画にはしたくはありませんでした。ですから自分のバックグラウンドでもある60年代風のテイストを交え、60年代なのか21世紀なのか判らない、時空を超えたような雰囲気がでるように撮っています。ただ、ここに展開されているテーマ、“女の子は美しく可愛く、男の人に選ばれるように教育システムの中で養成される”はヴェデキントの時代も今も変わらず生き続けていると思います」。

 具体的なテーマの提示もなく、淡々と、妖精のような少女たちが戯れるこの映画は、ハリウッド的な映画に慣れてきた観客には、もしかしたら異色に映るかもしれない。それに対しアザリロヴィックはこう言う。「この小説に惹かれたのも、それぞれの読者が自分なりの解釈を見つけることができるオープンな小説だから。今の映画界は観客に判らせようとする映画が多くなっています。でも私自身は、映画や絵画は観た人それぞれがオリジナルストーリーを発明できるようなオープンなものであるべきだと思っています。たとえ、作者の意図とは違っていたとしても」。これは確かに、まずピュアな気持ちで観て欲しい作品だと思う。取材・写真・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

◆ルシール・アザリロヴィック/Lucile HADZIHALILOVIC
1961年5月7日生まれ。フランス、リヨン出身。ギャスパー・ノエの公私にわたるパートナーとして知られ、短篇作品で監督、編集、演技も経験。製作と編集を担当したノエの『カルネ』(1994)で一躍注目される。初監督作は『ミミ』(1996)で本作は監督第2作目となる。

1067_m1エコール
“INNOCENCE"
キネティック/ルシール・アザリロヴィック作品
2004年/フランス/121min./カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR)
11月4日~シネマライズほか全国〈地方は順次〉

(C) L'Ecole, by Lucile Hadzhalilovic

2006 11 15 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Oct 29, 2006

『父親たちの星条旗』キャスト&スタッフ来日会見

10月21日/六本木アカデミーヒルズ
「もっぱら新宿で遊んでいました!」(by ジェイムズ・ブラッドリー)

1020seijokikaiken2太平洋戦争の激戦地の1つ、日本の硫黄島。この地で戦った日米の男たちを両国側の視点から見つめた、スティーブン・スピルバーグ製作、クリント・イーストウッド監督による渾身のプロジェクト、“黄島島プロジェクト”。その第1弾となる『父親たちの星条旗』(10月28日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)の原作者ジェイムズ・ブラッドリー、主演のジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチが来日し、記者会見を開いた。

 アメリカ側からの視点で描かれた本作は、バージニア州アーリントン墓地にある海兵隊記念碑にもなった象徴的な写真「硫黄島での国旗掲揚」によって英雄に祭り上げられた兵士たちの苦悩を描いている。原作者のブラッドリーは、劇中に登場する旗を揚げたうちの一人、ジョン・ブラッドリー衛生下士官の実の息子だ。「父が旗を揚げた一人というのは知っていたけど、生前は詳しく話してくれなかった。でも父の死後、箪笥にあった1通の手紙を発見したんだ。そこには“硫黄島での体験は幸せだった”と書いてあった。だけど、僕に話してくれなかったということは、他の三人の仲間の死が辛すぎたからだと思う」。事実、この旗を揚げた六人のうち三人は硫黄島で亡くなっている。

そして、「僕が日本の上智大学へ留学したことをきっかけに日本の友達が家に遊びに来たことがあったけど、父は嫌な顔ひとつしなかったし、退役軍人の方に話を聞いても、みんな“あの頃は若くてただ無我夢中だっただけ。どっちが悪いなんてことはない”と話していました」と続けて語った。ちなみに今回の映画化については「ハリウッド映画界の巨匠二人が創ってくれるのだから文句のつけようがないよ(笑)!」とご満悦のご様子。

 一方、キャストたちに今回の役作りについて聞くと……。「いろんな資料を見て、イメージを焼き付けました。クリントは演技を俳優に任せてくれるし、キャスティングした時からその人に委ねてくれる。だから今回の出演は逆に僕の自信になったよ」(ブラッドフォード)。

「彼は映画から出てきたような人。僕はちゃんと演技できているか自信がなかった。後半のヒッチハイクのシーンを撮影中、祖父が亡くなった、という電話があったんだ。クリントは気を使ってくれたけど、僕は辛くても撮影を続けたかったんだ。その時の辛い気持ちがキャラクターと通じたと思うね」(ビーチ)。

 三人は「これまでフェアな形で太平洋戦争が描かれたことはなかったから完成が楽しみだよ」と、12月9日に日本公開となる、日本側からの視点で描かれる『硫黄島からの手紙』(10月28日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)へ期待を寄せた。その公開を前にした11月に監督のイーストウッドも再々来日予定なので、まずは『父親たちの星条旗』をチェックしよう!

取材・撮影・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 10 29 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Oct 24, 2006

『トンマッコルへようこそ』監督インタビュー

「映画はその時代を映す鏡のようなもの。
今、抱えている問題が映画に影響してくるのだと思います」

0003  韓国で800万人が観た大ヒット作『トンマッコルへようこそ』(10月28日~シネマスクエアとうきゅうほか全国で公開)。この公開を前に来日した監督のパク・クァンヒョンがインタビューに応じてくれた。

 朝鮮戦争の真っ只中、子供のように純粋な村“トンマッコル”に偶然に迷い込んでしまった連合軍、韓国軍、人民軍の3組の兵士たちが、絆や平和な心を取り戻し、愛する村のために力を合わせる。人気劇作家チャン・ジンの舞台劇を映画化した作品だ。

 実は、1969年生まれのパクと1971年生まれのチャンは同世代。更にこれまでにも、南北朝鮮問題を扱った『シュリ』『ブラザーフッド』の監督カン・ジェギュと『JSA』の監督パク・チャヌクが共に1960年代前半生まれ。南北朝鮮の問題を題材にする彼らには、世代的な共通点が見える。「世代的な特徴というよりも、時代の反映だと思います。映画はその時代を映す鏡のようなもの。今、抱えている問題が映画に影響してくるのだと思います」とパク。

 まるでユートピアのようなトンマッコルを舞台にしたこの作品は、深刻な問題に向き合いながらも、ファンタジーの要素をふんだんに取り入れることで、より親しみやすく誰の心にも響く作品になっている。「韓国映画で“死”が描かれる作品が多いのも、現実では向き合いたくないもの、向き合うのが難しいものを映画で扱うからかもしれませんね。それらを題材にすることで現実と正面から向き合えるんだと思います」。

ラストは敵対していた3組が力を合わせる村を守る。日本人には黒澤明の『七人の侍を思い出させる。「そうですね。もしかしたら日本の観客はそう思われるかもしれませんね。でも、韓国には最近まで日本文化が入ってきませんでしたし、僕は最近観たので、今回の作品で参考にしたわけではありません。参考にした作品を挙げるとすれば、イタリア映画の『ライフ・イズ・ビューティフル』です。人は他者のためにどこまで犠牲を払えるのか? 今回、それを核としたんです」。

 皮肉にもインタビューしたその日は北朝鮮の核実験が発表された日。北朝鮮に限らず、戦争などの痛ましい事件を目にするにつけ、一人でも多くの人がこの映画から平和の大切さを感じて欲しいと願わずにはいられない。
取材・撮影・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

パク・クァンヒョン/Kwang-Hyun PARK
1969年8月21日生まれ。韓国(出生地不詳)出身。CM監督として一線で活躍した後、チャン・ジン製作の『ムッチマ・ファミリー』(2002、日本未公開)の「第2話/僕のナイキ」で劇映画監督デビュー。軍事政権下の80年代韓国の庶民の生活をユーモラスに綴った。『トンマッコルへようこそ』で長篇デビュー。今後の活躍が期待される新鋭だ。

1001239_01_1『トンマッコルへようこそ』
“WELCOME TO DONGMAKGOL”
日活/パク・クァンヒョン作品
2005年/韓国/132min./カラー/スコープ/ドルビー(SRD:SR)
(C)2005 Showbox/Mediaplex Inc.
10月28日~シネマスクエアとうきゅうほか全国

2006 10 24 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Oct 06, 2006

『チャーミング・ガール』キャスト合同インタビュー

「主人公が持つ無意識の強さに気づかなければ、この作品には出演しなかったと思います」(by キム・ジス)

061006jpg  郵便局に勤める29歳の平凡な独身女性、チョンへ(キム・ジス)。毎日取り立ててやることはなく、することといえば、仕事とネコの世話とTVショッピングぐらい。そんな彼女が、ある男性に想いを寄せ始めたことがきっかけで成長していく……。この『チャーミング・ガール』(10月7日~シアター・イメージ・フォーラムほか全国〈地方は順次〉)の物語はありきたりといえばありきたりだが、ワンシーンワンシーンで綴られる物語のディティールが秀逸だ。一瞬一瞬映る、彼女の辛い過去。そしてそれに重なるように描かれるのは単調な毎日を送る彼女の姿。その姿は悲しそうでもなく、楽しそうでもなく、ただ哀愁が漂うだけ。そこには、静かでありながらも彼女の心の襞が苦しいぐらいに描き出されているのだ。

 主人公チョンヘを演じたのは、本国ではTVドラマに多数出演し、不動の人気を得ているキム・ジス。俳優デビューして13年目という彼女だが、驚くべきことに映画出演は今回が初めてなのだとか。「ドラマは大衆的でアプローチしやすい媒体だと思います。誰でも自分の家で楽しめますし、韓国の人はドラマが大好きですから。ただ、俳優として考えると、ドラマの撮影は凄く速く、丁寧に創り込んでいく作業はなかなか出来ません。映画の現場ではワンシーン、ワンカットごとに労力を費やし、とても丁寧に創っていくので良かったですね」。

 俳優としてキャリアがある彼女も、やはり今回の仕事にはプレッシャーがあったという。「私は最初から映画で活動して、紆余曲折を経て女優として成長してきたのではなく、13年間、テレビドラマで活動してからスクリーンデビューをしたので、“ここで失敗したら次の映画はない”という不安がありました(笑)。でも、この映画が世界各国で賞を頂けたことで、結果的に目を通すことのできるシナリオも増えました(笑)」。

 彼女の出演は監督のイ・ユンギの強い要望で決まったのだという。 「テレビドラマでは喜怒哀楽をはっきりさせることが演技の流れで重要ですが、この作品では監督も私も喜怒哀楽を表に出さないようにしました。だから時折、自分が演技をしているのかさえ判らなくなり、悩んだり落ち込んだりすることもあったんです。最初にシナリオを読んだ時、チョンヘが過去に受けた傷については、自分の場合とは性格が違うとはいえ共感できました。確かにチョンヘは感情を表に出さずに平凡な生活を送っていますが、過去の傷をひけらかしたり感情に溺れることもなく、自分の中で淡々とそれ解消して生きています。恐らく、彼女はとても強い人間なのでしょう。でも、最初にシナリオを読んだ時は、“この映画はなんてつまらないのだろう”と思いましたし、“こんなものが映画のなるのか”とさえ懸念しました。ですが、チョンヘというキャラクターが持っている傷とそれを克服しようとする無意識の強さに惹かれたんです。この作品に出演を決めた1つの理由はそこにありますし、そういった彼女のキャラクターが理解できなかったら、この作品には出演しなかったと思います」。

 監督のイ・ユンギは本作で才能を認められ、「第2のキム・キドク」と称された。だが本作を観れば、イ・ユンギの方がより成熟した監督であることが見てとれる。彼の映画的な演出があってこそ、この作品は私たちにありきたりな物語以上の印象を残してくれるのだ。

取材・撮影・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

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Oct 03, 2006

『ワールド・トレード・センター』スタッフ来日記者会見

9月13日/パークハイアット東京
「監督なんだから、全部のシーンに力を入れたに決まってるだろ!」(by オリバー・ストーン)

Img_2131実在の二人の港湾警察官をモデルに“9.11テロ”を描いた『ワールド・トレード・センター』(10月7日~日劇1ほか全国)。このPRのため、監督のオリバー・ストーンが来日し、記者会見を開いた。

 社会派監督として知られ、これまでも『プラトーン』『JFK』等、数々の問題作を手掛けてきたストーンは、今回、実在の人物を主人公にあの悲劇を描いた。「あの出来事は様々な政治的解釈のおかげで神話化してしまった。だからこそ、あの現場で本当にあった事実を、現場の視点から描くことが必要だと思ったんだ」と静かに語るストーン。

 ニューヨーク出身の監督としても知られるだけに、本作の撮影には感慨深いものがあったのでは? 「ニューヨークは故郷だからね。でも、今回は政治的なことがあってダウンタウンに近づけなかったりと、いろいろと制約があったんだ。だからロサンゼルスにセットを組んで撮影したんだ。ハワード・ヒューズが以前使っていた工場なんだけどね」とホームタウンで撮影出来なかったことが心残りのご様子。ところで、ニューヨーク市民の等身大の視点で描くことがテーマとなった今回、やはり背景には細心の注意が必要ったのだとか。「エキストラに40~50人の港湾警察官に集まってもらったんだ。その中には、モデルにした二人を救出した人もいた。彼らのおかけでよりリアルに描くことができたよ。もちろん、彼らのニューヨークなまりも本物さっ(笑)」。

 ストーンがフィクションというよりもノンフィクションに強く興味が惹かれているのは、これまでの作品を観ればおのずと理解できる。その理由を尋ねると、「もし、フランス革命の時、バスティーユの戦いを経験した人がいたら、その体験は凄く価値があるだろ? 9.11も将来そうなると思うし、それを残して置くことは大切だと思う。生の声というのはそれぐらい価値があることだよ」という言葉が返ってきた。そんな彼がこだわった作品だからこそ、観る価値があるのかもしれない。

取材・撮影・文=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

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Sep 22, 2006

『夢遊ハワイ』トニー・ヤン合同インタビュー

「台湾の若者の寂しさがよく出ていると思う」(byトニー・ヤン)

Hawai  映画デビュー作『僕の恋、彼の秘密』で、ゲイの青年という難役を演じ切ったトニー・ヤン。そんな彼の最新作は、現代の若者のセツなくも淡い初恋を描いた『夢遊ハワイ』(9月2日~新宿武蔵野館ほか全国で公開中〈地方は順次〉)だ。今回彼が演じたのは、まもなく兵役が終了する若者、アーチョン。「出演を決める基準はないけど、いつも脚本や監督から受ける印象から勘で決めている」という彼。本作を選んだ理由を聞いてみると、「このストーリーの、純粋でシンプルな人間の感情を描いている点にも強く惹かれました。監督とも話をして、今回は、人間の“一番美しい”と思える純粋でシンプルな部分を出していきました」。

 兵役での寂しさ、受験勉強の重圧、男女の仲の空虚感などが青空をバックに描かれる本作の脚本は、監督のシュー・フーチュンの体験やキャストたち自らの経験も反映させているのだとか。「監督からのリクエストで、演じる際には“なるべく脚本を見ないで、自分の過去の経験や、感じたものを出していって欲しい”と言われました。“自分だったらどうするのか?”“相手に対してどんな態度をとるのか?”、全部自分に置き換えて演じて欲しい、と。だから僕だけではなく、他の役者さんもそうですが、かなり自分の素が出ている作品になったのではないかと思います。おかげで出来上がった作品は、一番最初にもらった脚本とは全くかけ離れたものになっていました(笑)」。

 そんな経験を経て、彼の監督に対する印象は変わっていったという。「実は監督とはTVドラマで一緒に仕事をしたことがあるんですが、嫌いな人だったんです(笑)。でも彼を深く知るうちに彼の表現したいことと僕が表現したいことが非常に近いと判って、今は一緒に仕事することが嬉しい監督になりましたね(笑)」。

「台湾の若者の寂しさがよく出ていると思う」と彼が語るように、私たち日本の若者にも共感できる作品だ。

インタビュー・文・写真=勝丸 京子/Kyoko Katsumaru(ライター) 

2006 09 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

『イルマーレ』キャスト来日会見

9月5日/グランドハイアット東京
「手紙は読むとその人の声が聞こえてくるようで、自分の一部になるのが素晴らしいと思う」(by キアヌ・リーブス)

Img_2030  ハリウッドが韓国映画をリメイクした極上のラブ・ストーリー『イルマーレ』(9月23日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)。そのPRのため、主演のキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが来日し、記者会見を開いた。

 大ヒット・アクション『スピード』以来、12年振りの共演となる二人。「あの頃も素敵だったけど、それ以上に彼女は成長したよ。それにプロデューサー業にも進出してるなんて、何てクールな女性なんだ!」(リーブス)、「相変わらずハンサムで良かった。でも彼って私が黒と言ったら白って言っていつも反対のこと言うのよ!」(ブロック)と、月日は経ても息はピッタリ(!?)な二人。

 そんな二人が今回演じたのは、時空を超えて惹かれあう男女だ。彼らが唯一連絡を取り合うことができるのは“不思議なポストに投函した手紙だけ”、という設定は、Eメールのやりとりが多くなった現代には貴重。そこで二人に手紙にまつわる話を聞いてみると、「『マトリックス』でオーストラリアにロケへ行く時に、友達からもらった手紙かな。手紙って持っていけるからいいよね。メールと違ってバッテリーもいらないし(笑)。読むとその人の声が聞こえてくるようで、自分の一部になるのが素晴らしいと思う」(リーブス)、「私は手紙が好きで、メモ1枚でも取っておいちゃうの。一番思い出に残っているのは、友人が私の誕生日の時にくれた手紙ね。それは私と関わったありとあらゆる人に手紙を書いてもらって、それをアルバムにまとめてくれたものなの! もう、ホントに感激しちゃった!」と手紙ならではの心温まるエピソードを明かしてくれた。

 会見中、報道陣からの質問そっちのけでふざけあったりもしていた二人。最新作では彼らの相性の良さにも注目してね!

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Sep 03, 2006

『グエムル-漢江の怪物-』合同インタビュー

8月3日/『グエムル-漢江の怪物-』ペ・ドゥナ合同インタビュー
「ポン・ジュノ監督にとって私は心が落ち着く相手みたいで、時々食事に誘われるんですよ!」(by ぺ・ドゥナ)

200607028  今年のカンヌ国際映画祭に正式出品されて話題を呼び、韓国では興行成績を塗り替える大ヒットとなった『グエムル-漢江の怪物-』(9月2日~有楽町スバル座ほか全国東宝洋画系)。『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』で注目を集めるポン・ジュノが手掛けたモンスター・パニック映画だ。

この作品で、『ほえる犬は咬まない』でジュノと苦楽を共にしたペ・ドゥナが与えられた役は、実力はあるのにここぞというところで力を発揮できないアーチェリーの選手、ナムジュ。

「韓国はアーチェリーに対して一種の“自負心”みたいなものがあって、選手たちは独特な雰囲気を持っています。周囲の環境から少し隔離された場所で集中的に練習を続けるので、いつしか“的以外のことには無関心”になることもあるそうなんです。だから、今回は自分の中の漫画チックな部分をなるべく抑えようとしました。私自身、何かに集中してしまうというか、どこか冷静沈着な部分があって……。ジュノ監督も、そんな私の性格を見抜いていて、いつかそれを映画で表現したい、と思っていたそうですよ」。その選択が間違っていないのは、作品を観れば一目瞭然。その緊張感と、彼女の持ち味であるユルさが観るものを楽しませてくれる。

 そんなドゥナがこんなエピソードを話してくれた。「私、高所恐怖症なので、高い場所を走り抜けるシーンは大変でした。知らない間に涙が溢れてきてしまって……。そんな時、監督が涙を拭くようにトイレットペーパーをくれたんですが、“どうせならティッシュを箱ごとくれればいいのに!”と思ったら、思わず笑ってしまったんです(笑)」。

 取材中、何処となくジュノ監督との信頼関係を垣間見るような言葉が……。「私にとって監督は、尊敬している監督の中の1人。でも、『ほえる犬は咬まない』の時、監督の長篇デビュー作と私の主演デビュー作が一緒ということで、特別な信頼関係が築けたと思います。だから監督にとって私は心が落ち着く相手みたいで、時々食事に誘われるんですよ! ただ、それが直接に演技に役立つということはないですね。私は監督にとって俳優であり、同時に協力者でもある。そんな存在ですね」。

 2人のファンとしてはこの作品は観逃せない!

取材・文・写真=勝丸 京子/Kyoko KATUMARU(ライター)

2006 09 03 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Aug 26, 2006

『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』キャスト合同インタビュー

7月29日/よみうりホール
「今まで静かな役が多かったから、今回の役はどうしてもやりたかったんです」
(by 須賀 健太)

Hanada2_1  一色まことの人気コミックを映画化した人情味溢れるファンタジー・コメディ『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(8月19日~東劇ほか全国)は、交通事故にあったのをきっかけに、幽霊が見える能力を身につけてしまった花田一路少年の一夏の大冒険を描いた作品だ。主人公の花田一路役には『ALWAYS 三丁目の夕日』で注目を集め、CMやTVドラマで活躍する須賀健太。「冒険家に憧れている」という彼には、まさにピッタリの役どころだ。「一路は僕に似ていると思います。今まで静かな役が多かったから、今回の役はどうしてもやりたかったんです。これからもこういう役が増えればいいな、と思います」。

 原作のテイストを引き継ぎながらも、心温まる人間ドラマを加え、コメディの要素をより際立たせた映画版は、原作とはまた違った楽しさの作品に仕上がっている。「お母さん役の篠原涼子さんやお父さん役の西村雅彦さんとの掛け合いは、原作を読んでいたので、特に大変ではなかったです。自分が演じていて凄く可笑しいなと思ったのは、北村一樹さんの顔にご飯粒を飛ばすところ(笑)」。

 映画が好きで、よく家族で映画を観に行くという彼は「夏休みに家族で観て欲しい。そして、一人でも多くの人に“面白かった”と思って欲しい」と無邪気に答えた。もうすぐ終わってしまう夏休み。ぜひ最後の夏の思い出に観て欲しい作品だ。
取材・文・撮影=勝丸 京子/Kyoko KATSUMARU(ライター)

2006 08 26 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Aug 12, 2006

『スーパーマン リターンズ』スタッフ&キャスト来日会見

8月1日/グランドハイアット東京
「毎日ちゃんとお手入れして、更に光るようにメイクしてもらったんだよ(笑)」(by ケビン・スペイシー)

20060801  弾丸をも跳ね返す鋼の体を持ち、落下する飛行機をも軽々と持ち上げる超人的なパワーを秘めた史上最強の男、スーパーマンが帰って来る! 『スーパーマン リターンズ』(8月19日~サロンパス ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系)のPRのため、監督のブライアン・シンガー、3代目スーパーマンを演じたブランドン・ラウス、そしてスーパーマンの永遠の恋人、ロイスを演じたケイト・ボスワース、宿敵レックス・ルーサーに扮したケビン・スペイシーが来日し、記者会見を開いた。

「大変な名誉。スーパンマンは真実、正義、自信、善、愛を持っている」と、その魅力を語るのは、21世紀のスーパーマンを演じた“新星”ラウス。

 そして、全シリーズの中でもより現代的になったロイスを演じたボスワースは、「今回、一児の母親を演じて、自分の中の母性を探求できたわ」と役を楽しんだようだ。

 とはいえ、本作で注目なのは彼らだけではない! 宿敵レックスを演じたケビンのワルっぷりは群を抜いていて……。「ホント、あのスーパーマン・スーツを見るのはイヤだ!! 僕は撮影が始まって3ヶ月ぐらいしたところで参加したんだけど、既にブランドンはスーパーマンとしての自信をつけていたんだ。“やべぇ! 早く彼をやっつけなきゃ!”と思ったよ!」とか、「僕の頭? あれはレックスのトレードマークだからね。毎日ちゃんとお手入れして、更に光るようにメイクしてもらったんだよ(笑)」と悪役を楽しんだご様子。

あなたも、生まれ変わった“スーパーマン”をこの夏楽しんでみては?

2006 08 12 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Aug 05, 2006

『水の花』監督&キャスト プチインタビュー

『水の花』 監督 木下雄介&主演 寺島咲 プチインタビュー
「大人の不条理の犠牲になる子供の痛み、不安定な感情、
そういった部分を暗めの光やロングショットにすることで表現して、
スクリーンをじっくり観て欲しかった」(by 木下 雄介)

Mizunohana1『バーバー吉野』の荻上直子、『運命じゃない人』の内田けんじに続く、第15回PFFスカラシップ作品『水の花』(8月5日~ユーロスペースほか全国〈地方は順次〉)。その監督は弱冠23歳の木下雄介。自分を捨てた母と、父親の違う妹の突然の出現に激しく揺れ動く、思春期の少女の痛みと再生を繊細に描き出したこの作品は、彼が《ぴあフィルムフェスティバル》でスカラシップを獲得した『鳥籠』を引き継ぐ作品となる。「前作のきっかけは、親友の両親が離婚してしまったこと。『鳥籠』では、悲劇的なエンディングでしたが、今回は“喪失の痛み”を経て成長する作品にしました。主人公は前回が少年だったので、今回は少女がいいな、と思って」。

 そして、“母親に選ばれた”妹に嫉妬心を抱いてしまう美奈子を演じたのは、『理由』でスクリーンデビューを果たし、『青いうた/のど自慢青春編』ではヒロインを演じた寺島咲だ。「自分は円満な家庭に暮らしてますし、実際に妹がいますが嫉妬するなんてはことありません(笑)。美奈子は自分とは全然違う女性です。一番遠い女性というか……だからこそ、やりがいがありました」。とはいえ、寺島に対する木下の印象は違ったのだとか。「僕がイメージしていた美奈子は、子供から大人に変わる過渡期で、大人しそうで、気持ちを押し隠しているような子。咲ちゃんに会った瞬間、まさに美奈子だ、と思いました。オーディションの時、口紅を塗るシーンをやってもらったんですが、その時の表情が本当に重なりました」。この作品の象徴的な部分である口紅を塗るシーンは、さなぎが蝶になるように、少女から大人になる通過儀礼として描かれている。

「大人の不条理の犠牲になる子供の痛み、不安定な感情、そういった部分を暗めの光やロングショットにすることで表現して、スクリーンをじっくり観て欲しかった」という意図で、1シーン1カットの手法を取り入れた木下。そんな撮影の中、寺島が印象的だったのはラストのシーンだという。「美奈子が海岸沿いの道を歩いていくんですが、歩くテンポや歩き姿を何度も練習しました。あのシーンは、彼女が大人になって、前向きに生きていこうとする決意が現れていると思います」。

 この作品で本格的にデビューする木下は、「商業映画1本目ですし、地に足をつけなきゃ、という思いが強かったですね」と振りかえる。瑞々しい感性で紡ぎ出された少女の成長は、きっと観る者の胸に響いてくるだろう。

(インタビュー・文・写真=勝丸 京子)

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Jul 24, 2006

「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2006」

「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2006」出品作品
“HOW DOES THE BLIND DREAM”(盲人は夢をみるか)”合同会見
6月10日/サニーサイドアップ会議室
「本当のリアリティよりも、僕の想像するものを大切にしたい」(by ユ・ジテ)

20060610 今年で第8回目を迎えるショートショート フィルムフェスティバル(SSFF)と、そして3回目の開催となるショートショート フィルムフェスティバルアジア(SSFFA)の2つの映画祭を同時開催する「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2006」。これまで東京、那須、名古屋での開催を終え、以降、大阪、広島と順次ツアー中だ。

  上映される数ある作品の中でも注目したいのは、これまで純粋な若者から現代的な青年、そして復讐者までと幅広いキャラクターを演じてきた韓国の若手俳優、ユ・ジテの監督作品だろう。モデルから俳優へと転進した彼は、韓国映画界でも、映画や演技に誰よりも真面目に取り組んできたことで知られている。

「そんなに裕福な家庭ではなかったし、子供の頃から映画マニアという訳ではありませんでした。“演技”というものに最初に出会ったのは、教会で神様を題材にした舞台に立った時。それから大学の演劇映画学科に入学して、身近に短篇を撮っている先輩たちがいたことが、映画に対する夢が大きくなっていったきっかけだと思います。それに、演劇をやっていた大学生の時、背が大きすぎて周りとのバランスが合わなくてなかなか舞台に出られず、裏方ばかりをやっていたんです。その影響もあって演出に興味が沸いたのかも(笑)」。

 そんな彼は製作面にも興味を持ち、2001年に中央大学大学院映像製作科に進学している。そして2作目の短篇監督作品になる本作は、ある盲目の鍼療法師の男が女性客から聞いた官能的な話に触発され、自分の中に秘められた願望を呼び覚まし、幻想と現実の間を行き来するという物語だ。CGを使ったブラジルのカーニバルやゴキブリ、字幕の使い方等、実験的な作品になっている。

「今回の作品は、“特別な事件はないかもしれないけど、自由に、そして偏見を持たず、楽しく幸せに生きてみよう、踊ってみよう”という意図を込めました。いろいろ疑問を持つ方がいると思いますが、それはそれでいいと思います。映画というのは1つだけの意図で創られるものではなく、様々な考えが散りばめられていますから、観客側の様々なアプローチで観て欲しいです」。

 コメディー風でありながらもどこか悲哀が漂う彼の作品。少し偏った質問をしても誠実に答える彼の姿勢には、製作者、俳優という枠ではなく、“表現者”としての統一した意識があるようだ。

「俳優という仕事をしているといろいろな監督からの影響は否めません。でも真似というより、影響として考え、自分の価値観で判断して自分の映画に取り入れるようにしています。またリアリティに対してもそうです。例えば盲人を演じるなら、極端に言えば、本当に目が見えない状態で演じるものこそがリアルです。でも、そのリアリティより僕が想像する“盲人像”を大切にしたい。その盲人像こそ、僕の個性だと思います」。
“表現者”としての威風を放つ彼の今後が楽しみだ。
(インタビュー・文・写真=勝丸 京子)

※大阪<8月4日~8月6日>
※広島<8月12日~8月15日>
※詳細は
公式ページにてご確認下さい。

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Jul 20, 2006

『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』キャスト&スタッフ来日記者会見

7月10日/パークハイアット東京
「スライムを掛けられても、ジョニーは優雅だったよ!」(by オーランド・ブルーム)
「だって、掛けられるの、慣れているから!(笑)」(by ジョニー・デップ)

20060710_1
 今年のサマー・ムービーの大本命、大ヒット作『パイレーツ・オブ・カリビアン』のシリーズ第2弾『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(7月22日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて公開)がいよいよ日本に上陸する。この公開に先駆け、主演のジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、製作のジェリー・ブラッカイマーが来日し、記者会見を開いた。

 何と本作は、7月7日の全米公開で全米初日興行歴代No.1、オープニング3日間興収歴代No.1、そして映画史上最速の興収1億ドル突破の3冠樹立。「それに、ヨーロッパの7つの市場で初日興収の新記録も打ち立てたんだ。あの『ハリー・ポッター』を抜いてね!」とミスター・ハリウッドことブラッカイマーはこの結果にご満悦のよう。

 ともあれ、そんな記録を打ち立てられたのも、主演の2人の人気があってこそ! そんな2人はお互いいい刺激を与え合っているようだ。「オーランドとの共演は嬉しかったね。今回、前作から3年も経っていたけど、まるで家族のもとに戻ったように感じたよ。いろんな面で(どんな面?? by 筆者K)、これからも付き合っていきたいね(笑)」(デップ)、「この映画の成功はブラッカイマーの手腕と、ジョニーの力と魅力があってこそ。そもそも脚本のジャック・スパロウはこんなにキャラクター性がある人物ではなかったんだよ。僕は新人だし、いろいろ学べて感謝しているんだ。彼からラム酒とワインの呑み方も教わったしね(笑)」(ブルーム)。

 大きな成功を収め、更に団結力が強くなった様子の彼らは、“宝箱(チェスト)に何入れる?”と聞かれると「オーランド!」(デップ)「ジョニー!」(ブルーム)「ジョニーとオーランド!」(ブラッカイマー)と、息の合った(!?)ところを見せ、会場を沸かした。

「監督のゴア(・ヴァービンスキー)は今、3作目の準備のため来日出来なかったんだ。ごめんね」とブラッカイマーが語るように、2007年5月にはシリーズ完結篇の公開が待っている。そこで完結篇についてブラッカイマーに“ちょっとだけ教えて!”とおねだりしてみると、「チョー・ユンファとキース・リチャーズの出演は決まっているよ。パイレーツのボスとしてね。いろんな国籍の人に出演してもらいたかったからチョーを、キースにはツアー中にロンドンの空港でお願いしたんだ。そうそう、キースの衣裳はジョニーが選んだんだ」だそう。その時の様子をジョニーは「LAのホテルで衣裳合わせをしたんだ。とってもいい時間だったよ」と語った。ブルームも「ジョニーとキースの共演は楽しみ!」と期待しているようだ。「このシリーズはできれば9000作目まで作りたいね」とご機嫌なデップ。うん、歳老いてもやんちゃなジャック・スパロウも魅力的かも!(取材・文=勝丸 京子)

2006 07 20 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 29, 2006

『M:i:Ⅲ』キャスト&スタッフ来日記者会見

6月20日/明治記念会館
「シリーズの中で一番好きな作品」(by トム・クルーズ)

20060620
 ハリウッドのトップスターとして君臨するトム・クルーズが主演する『ミッション:インポッシブル』シリーズ。その第3弾となる『M:i:Ⅲ』(7月8日~日劇1ほか全国)の日本公開に先駆け、製作・主演を務めたクルーズ、監督のJ.J.エイブラムス、プロデューサーのポーラ・ワーグナー、キャストのケリー・ラッセル、マギー・Qが来日し、記者会見を開いた。

「シリーズの中で一番好きな作品」と自信を持ってPRするクルーズは、先日、ケイティ・ホームズとの間にスリちゃんを授かったばかり。本作にはこれまでのシリーズにはない“愛する者を守る”というテーマが含まれているだけに、家族が増えたトムには感慨深いものがあるようで、「今、とても幸せ。子供のことを考えると、感情に押し流されるぐらいの感動を覚えるんだ」と喜びの表情を見せた。「ホントは家族で来日しようと思っていたんだけど、1日半だと子供に負担かと思って、今回は諦めました。撮影で1週間、いや1カ月、東京を貸してくれれば、連れてきます(笑)」と語るクルーズ。日本のファンに対するリップサービスかと思いきや、実はそれが現実になる可能性があるのだとか!

「(次のシリーズは)東京で撮影したいな。ちょっと渋滞になるかもしれないけど、どうか1日東京を貸して下さい(笑)! あっ、今日、国土交通省に表敬訪問するので、行ったらお願いしてみましょう! もし東京を舞台にできたら、素晴らしい映画を創りますよ!」とやる気満々のご様子。

 監督を務めたエイブラムスも、「実は今回の作品では東京を想定して脚本を書いていました。大部分のシークエンスが東京で起こることだったのです。でも、ロケハンをした時に、僕たちが必要としていたビルが見つけられなかったので、舞台を上海に移してしまいました。次回は東京を舞台にしたいと考えているんですよ」と、どうやら本気モード……。

 とにもかくにも、今回のゲストたちは親日家ばかりで、マギーも「モデル時代に何度も来日しています。この国で、時間を守るとか、ベストを尽くせとか、仕事の基本を学びました。こんな大作を引っ提げてまた来れるなんて嬉しい」と語り、ケリーも「この映画の撮影中、トムから『ラストサムライ』の話を聞いていたんです。日本の文化や共演した俳優のこともたくさん聞いて、興味がありました。プロモーションの後、個人的に京都に行って来ます」と日本での滞在を楽しむようだ。

 ぜひとも、このメンバーで、日本ミッションを遂行して欲しい!

2006 06 29 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 27, 2006

『ブラックナイト』来日合同会見

6月19日/東武ホテル
「“速水もこみちさんに似ている”とよく言われます。HPに写真が貼られるんですよ」(by ディラン・クォ)

20060619 多くがハリウッド・リメイクされ、世界から一目置かれる存在となった“メイド・イン・アジア”のホラー・ムービー。そして今回、香港、日本、タイを代表する新進気鋭の3人が、自国の首都を舞台に女性を主人公に据え、創り上げたサイコホラーが誕生。それが『BLACK NIGHT〈ブラック・ナイト〉』(6月24日~シネマート六本木ほか全国〈地方は順次〉)だ。その来日合同会見が開かれ、香港編からディラン・クォ、日本編から瀬戸朝香と柏原崇が出席する予定だったが、瀬戸は撮影のため欠席となった。

「いい意味で競争心があったし。プレッシャーもありました。でも観客の顔を3つの国で見られるし、素晴らしいことだと思う」と3カ国競作を喜んだディラン。柏原も、「海外ではウケるところが違ってカルチャー・ショックを受けました」と語った。

 瀬戸の欠席で女っ気ゼロになってしまった会見だったが、そんなことは二人に関係がないようで、終始仲良し。“女性関係で怖い体験したことある?”と質問が飛び出すと、柏原に「返事は気をつけた方がいいよ!」と茶々を入れるディラン。その優しさに思わず柏原も「ほらっ!いい男でしょ!」と顔を綻ばせた。

あまりの親密さに二人は「じゃっ、今度はホモ役で共演」とお約束(!?)。“メイド・イン・アジア”の『ブロークバックマウンテン』が誕生する日も近い!?

2006 06 27 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 15, 2006

『フーリガン』スタッフ来日記者会見

5月9日/パークハイアット東京
「今回日本に来て、初めて、あの北野監督がコメディアンだというのを知ったの!!」
(by レクシー・アレキサンダー)


20060509  プロチームの試合だけでなく、現在開催中のFIFAワールドカップ2006ドイツ大会でも、その傍若無人ぶりが話題のフーリガンたち。そんな彼らにスポットを当てた映画『フーリガン』(6月17日~シネマライズほか全国〈地方は順次〉)が公開される。このPRのため監督のレクシー・アレキサンダーが来日し、記者会見を開いた。

 ライバルチームのサポーターたちと殴り合い、時に死者すらも出してしまうフーリガンたちをアメリカ人青年のマット(イライジャ・ウッド)の視点から、圧倒的な力強さで描いていく物語。そこにはアレキサンダー自らの経験が含まれているのだとか。「マットがフーリガンたちに抱く感情は以前の私が持っていた感情なの。でも、女性を主人公にしたら誰も信じてくれないでしょ? だから男性に置き換えて描いてみたの。それに、劇中に登場するエキストラのフーリガンは、現在もしくは以前フーリガンだった人たちばかり。彼らの話し方や現状もリサーチして盛り込んでいったわ」。

 実は彼女、“ドイツ出身の新進気鋭”という肩書を持ちながら、空手やキックボクシングをたしなみ、スタントウーマンの経歴も持っているスポーツウーマン。これまでにもボクシングを題材にした短篇を撮り、アカデミー賞短篇部門でノミネートされた実績がある。そんな彼女が描く本作の暴力描写は生々しく扇動的だ。「ヤクザ映画が好きだし、真似じゃないけど北野武監督の作品の影響は受けているかも。でも今回日本に来て、初めて、あの北野監督がコメディアンだというのを知ったの!!」。

 ちなみに母国でもありワールドカップ開催地でもあるドイツではこの映画は公開されなかったそうだ。「イギリスでは公開されたんだけど、ドイツではワールドカップの主催者たちからお達しが出てしまって。どうやらフーリガンたちが活発に活動していて、事件が起こる可能性があったようなの。DVD発売のみだったんだけど、でも売り上げは記録的だったのよ(笑)」。

 もちろんWC開催中は彼女もサポーターの一人になるそうだ。「今、新作を撮影中だから、母国には戻れないんだけど、ロスで朝から、パブで応援していると思うわ(笑)」。

 今、話題のサッカーだからこそ、選手だけではなく、ピッチの外の男たちにも目を向けてみては?

※映画で使用されているテレンス・ジェイの主題歌「One Blood」が「iTunes」にて独占配信中!

2006 06 15 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 13, 2006

『親密すぎるうちあけ話』スタッフ来日記者会見

4月20日/ホテルオークラ
「これからはハッピーエンドの作品を撮っていきたい」(by パトリス・ルコント)

20060420 『髪結いの亭主』『歓楽通り』等、官能的な世界を描くことに定評のあるパトリス・ルコントの新作『親密すぎるうちあけ話』(6月10日~シャンテ シネほか全国)。そのPRのためルコントが来日し、記者会見を開いた。

 精神分析医と間違えられた男、ウィリアム(ファブリス・ルキーニ)と、間違えてしまった女、アンヌ(サンドリーヌ・ボネール)の、ロマンティックかつ軽妙な恋の駆け引きを描いたこの作品。映画化のきっかけを聞いてみると、「ノックするドアを間違える設定が凄く面白いと思って映画化しようと思った。始まりはシンプルだが、その後の展開はかなり拡がりを持ち、二人の欲望が生まれてくる。その欲望の描き方に興味があったんだ」とルコント。「だってみんな多かれ少なかれ、自分が立ち入れない、ドアや窓の中とかには興味があるんじゃないかな。僕は監督だからなおさらその興味が強いのかもね」。

 そんなルコント、男と女を撮ることにはこだわりがあるらしく……。「女性の、特にうなじ、肩の部分は美しく撮ろうと思っているんだ。だから髪の毛が短い女性が好きだし、肩や鎖骨等を美しく撮りたいから切ってもらうんだ。サンドリーノは悪くないけど美人じゃない。でも、意図的に肉体から輝きが放たれるように撮っているんだよ」。はたまた男性の場合は……。「男の人は大人になると子供の頃を忘れてしまう。でもそれって真面目過ぎる。自分が描く男性は子供の心を持った人が多いけど、それは自分自身にも通じるかも。だって寂しすぎるじゃない」とか。皆さん、ルコントの言葉は参考になりましたか?

 さて、今回の作品はこれまでの十八番だった悲劇的かつ官能的な作品ではない。なぜかというと、「今まで創った作品の多くは悲劇的でドラマティックなラストが多かったけど、今回はポジティブにしようと思ったんだ。若い頃は悲劇的なものに自分の主観があったけど、歳を取るにつれ、楽観的になってきたことが作品に反映されていると思う。これからはハッピーエンドの作品を撮っていきたい(笑)」だそうだ。

 ハッピーエンドなフランス映画は日本で公開されることが少ないので、今後も彼の作品が楽しみだ。

2006 06 13 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jun 05, 2006

『46億年の恋』舞台挨拶付完成披露試写会

5月17日/シネマート六本木
「撮影の外でも好きです」(by 安藤 政信)

20060517_2今や国内外を問わず注目を集めている監督、三池崇史の最新作は、刑務所の中の男たちの愛と誠を描いた『46億年の恋』(8月~シネマート六本木ほか全国〈地方は順次〉)。この完成披露試写会で監督の三池、主演の松田龍平と安藤政信が舞台挨拶を行った。

 正木亜都(梶原一騎と真樹日左夫の共作時のペンネーム)の「少年Aえれじい」を基に映画化した本作について、「原作のエキスを抽出し、映像化したのがこの作品だと思う」と語る三池。

 そんな三池のファンだという安藤は、「いつも名シーンの発明家。天才的だと思う。料理されたいな、って思った」と三池作品に参加できた喜びを語った。また、塚本晋也の『悪魔探偵』(2007年陽春公開予定)でも共演する松田とのコンビについては、「(今回の共演に関して)特に話合いはなかったです。撮影していない時でも好きです」と爆弾発言(!?)するなど、いつもは寡黙な安藤が今日は絶好調な様子を見せた。

 そして、安藤も惚れる(!?)松田は、「ボーリング場の地下で撮影しました。僕の想像を超える空間で、既にそこにこの作品の雰囲気が出来てました。撮影現場の雰囲気がそのままが作品に反映している思う」と撮影を振り返った。

 劇中では三池ワールドは勿論、妖艶な男たちの世界が繰り広げられ、ファンたちを唸らせること請け合いだ。

2006 06 05 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

May 26, 2006

『ポセイドン』スタッフ&キャスト来日記者会見

5月17日/グランドハイアット東京
「これで水の映画はおしまい!」(by ウォルフガング・ペーターゼン)

200605017
『エアフォース・ワン』『パーフェクト・ストーム』『トロイ』等で知られる名匠ウォルフガング・ペータゼンが、ディザスター・ムービーの先駆けとなった1972年の名作『ポセイドン・アドベンチャー』をリメイクした『ポセイドン』(6月3日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)。その日本公開を前にペーターゼンと主演のカート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス、エミー・ロッサムが来日し記者会見を開いた。

 何と3週間前に来日したばかりのペーターゼン。そんな彼はこれまで『Uボート』『パーフェクト・ストーム』を手掛け、自ら「水大好き!」と語り、『ポセイドン・アドベンチャー』をリメイクした理由もそこにあると認めつつも「これで水の映画はおしまい!」と高らかに宣言し、会場を沸かせた。「やはり災害や非常事態があった時にどうするべきか、考え直す時期だと思う。オリジナルは“映画的な出来”を意識していて、オールド・ファッションだった。でも、“船で大みそかを楽しもうと思っていた他人同士に突然災害が降りかかったら、みんなはどうするか。極限の状態になった時に人はどうするのか?”。今回はそうやって、アプローチとトーンも変えて、恐怖感が肌に染み込むようなものを創りたかったんだ」とペータゼン。

 ラッセルも「この映画は普通の映画のように、キャラクターについて深くアプローチする必要がなかった。この映画は10秒先が判らない。気が付いたら隣の人がいなくなっている。僕はそんな状況に役者と観客を陥れた監督の演出方法に大賛成だよ」と語るように、本作は人間ドラマよりも“サバイバルする人間たち”というところに焦点を当てたようだ。

 とすると、“サバイバル・ゲーム”を繰り広げなければいけないキャストたちにはかなりの体力が要求されたのでは? 親子役だったラッセルとロッサムは、「水の中にいるとなかなか出てこれないから、スタッフがちゃんと空気を持ってきてくれることをひたすら祈ってた」(ラッセル)「ダイビングとかしたことなかったのに! でも“女だって出来るのよ!”ってところを見せるために演じ切ったわ。でもやっぱり不安な時もあって、あるシーンでカートに“私たちホントに大丈夫よね?”ってアイ・コンタクトしたのよ」(ロッサム)「全然ビビってなかったじゃん!(笑)」(ラッセル)と、息の合ったところを見せた。

 一方、劇中で意に反してリーダー的存在となるルーカスは、「ほとんどスタントなしで、自分たちがアクションをしたんだ。監督はある種のカリスマ性を持ってて、自分でやんなきゃいけない、と思わせるんだ。まさにペーターゼン・マジックだね」と監督を絶賛したものの、撮影中、足を3針縫う大ケガをしてしまったそうだ。因みに、ラッセルはインフルエンザにかかってしまい、唯一元気だったのはロッサムだけだったとか。

「観客には一緒に恐怖を体感してヨロヨロになって、でも劇場を出たら“楽しかった”と思って欲しいよ」とアピールしたペーターゼン。さて、あなたは乗船する勇気、ありますか?

2006 05 26 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

May 22, 2006

『デイジー』スタッフ&キャスト来日記者会見

3月22日/セルリアン東急ホテル
「牛が用を足していたから躊躇したんですよ!」(by チョン・ウソン)

20060322 
ファンタジックなラブ・ストーリーが得意な、『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジョエンが脚本を担当し、香港ノワールを受け継ぐ『インファナル・アフェア』三部作のアンドリュー・ラウが監督した話題作。それが『デイジー』(5月27日~有楽座ほか全国)。出演は、『私の頭の中の消しゴム』のチョン・ウソンと、クァク・ジョエンの“ミューズ”チョン・ジヒョン、そして『エンジェル・スノー』のイ・ソンジェ。今回、ラウとキャストの3人らが来日し、記者会見を開いた。

 物語の舞台は異国の地、オランダ。そこで運命の“デイジーの花の人”を待つヘヨン(チョン・ジヒョン)と、そんな彼女の前に現れる暗殺者のパクウィ(チョン・ウソン)、パクウィを追う刑事ジョンウ(イ・ソンジェ)の3人の男女の数奇な愛の軌跡が描かれて行く。

 脚本の魅力について、「三角関係」と説明するキャストたち。特にイ・ソンジェは、「それぞれの素性を隠してお互いに告白できず、近付くこともできない。通俗的かもしれませんが、非常にメロドラマ的で、ドラマ設定が独特です」とアピールした。

 また、オール・オランダ・ロケという大きなスケールについては、全員が「撮影は楽しかった」と声を揃えたが、ラウの十八番であるアクションシーンはやはり大変だったようだ。「ウソンは走るシーンで捻挫したりして大変だったよ。それに彼、水が怖いみたいで川に飛び込むを嫌がっていたね。ジヒョンはスタントなしで飛び込んでくれたんだよ!」(ラウ)、「違うんです! 川で牛が用を足していたから躊躇したんですよ!」(ウソン)、「えっ! 今、知ったんだけど! 苦労という苦労は全部私が負ったみたいね」(ジヒョン)と、ウソンの面目丸つぶれなエピソードが明らかに……。

 とはいえ、「パクウィの魅力は、与える愛だけで満足するところ」とウソンが語るように、デイジーの花言葉「心の底からの愛」をしっかり描いた本作は必見!

2006 05 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

May 11, 2006

『アンジェラ』スタッフ&キャスト来日記者会見

5月8日/丸ビルホール
「デビュー作の『最後の戦い』と同じ白黒映画だったし、ちょうど一周したような感じだよ」(by リュック・ベッソン)

20060508_1『レオン』『ニキータ』を手掛けたフランスの鬼才リュック・ベッソン。『ジャンヌ・ダルク』以降、『TAXi』『トランスポーター』等の大ヒットシリーズでのプロデューサー活動に徹していた彼が6年ぶりに最新作『アンジェラ』(5月13日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)を完成させた。日本公開に先駆け、ベッソンと彼の新しいミューズとなったリー・ラスムッセンが来日し、記者会見を開いた。

 美しい都、パリ。“借金を重ね命まで狙われることになったダメ男の前に、絶世の美女が舞い降る……”と、一見美女と野獣が織り成すラブストーリーのようなお話。ベッソン曰く、「全てが対照になっている」ということらしいのだが……っと、ネタバレ厳禁なので、詳細はココまで。

20060508_2もちろん、劇中にはベッソンがこれまでに描かれてきたようなヒロインも登場する。今回、ヒロインを務めたのは、GUCCIの専属モデルにも抜擢された経験を持ち、現在は女優、映画監督、写真や絵等でマルチに活躍中のラスムッセンだ。「フランス語を話せなかったので、猛勉強したわ」という彼女に役について聞いてみると、「モデルに必要なのは肉体、絵を書く時は魂、監督の時は頭脳、そして、このヒロインにはその全てが必要だった」と語り、さらに「リュックの作品に参加できたのは、女優としても人間としてもとても名誉なことだし、監督志望の自分としてはこれ以上ないぐらい最高の学びの場だったわ」とベッソンに賛辞を贈った。

 そんな中、本作に直接関係がない質問が出ると「僕はフランスから日本へ作品のPRのために来ているんだから、映画に関する質問をして欲しい!!」とちょっとおかんむりになってしまったベッソン。実は『ミッシェル・ヴァイヨン』で来日した時にも、会見中中座した過去がある(理由不明)彼だけに、会場はちょっとした緊張状態に。しかし、記者から“以前より表情が穏やかだし、この6年の間に何か心境の変化があったのでは?”と聞かれると、「遠い席から、そんな細かいところまで感じてくれて嬉しい。実はこの作品の初号試写の時にショックなことがあったんだ。その時のラストのセリフが“私は自由だ”という言葉で終わっていたんだけど、それは僕のデビュー作『最後の戦い』と同じセリフだったんだ。それに白黒映画というのも共通している。意図的ではなかったんだけどね。今、自分はその言葉と同じようにとても自由な気持ち。この作品でちょうど一周したような感じだよ」と以前から明かしていた“10本撮ったら映画監督を引退する”という言葉の裏付けとも取れるような発言をした。

続けて、「友人からは“ハリウッドからのプレッシャーがある中でこんなシンプルな映画を創るなんて、君は勇気がある”と言われた。でも僕にとっては凄くナチュラルなこと。平等にこれまでの10本の作品を愛している。これまで常に“自分が何者なのか?”と問いかけてきたんだけど、ようやく“自分は自分”とありのままの自分を受け入れることができたんだ」と心境の変化を明かした。

彼の集大成とも言える作品に、あなたは何を感じますか?

2006 05 11 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

May 01, 2006

『ポセイドン』スタッフ来日記者会見

4月19日/グランドハイアット東京
「貸してくれる船がなかったから、冒頭の船の全景は全てCGだよ!」(by ウォルガング・ペーターゼン)

20060419大晦日の夜、北大西洋を航海中の豪華客船ポセイドン号では、新年を迎えるパーティーが始まっていた。そして、宴が最高潮になったその時、巨大波“ローグ・ウェーブ”がポセイドン号に向かって猛烈なスピードで迫っていた……。この夏公開される、究極の体感型エンターテイメント作品『ポセイドン』(6月3日~丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系)。全米公開の5月12日に向けた編集の真っ只中、監督のウォルフガング・ペーターゼンが来日した。

本作は、パニック映画ブームの火付け役ともなった1972年の名作『ポセイドン・アドベンチャー』のリメイク。ペーターゼンといえば、これまでも『Uボート』『パーフェクト ストーム』等の海洋アドベンチャーを手掛けてきたが、なぜ今、“ポセイドン”なのだろう? 「僕がこれまで創った作品『Uボート』『パーフェクト ストーム』はある程度、海の危険を知っている“プロ”が主人公だった。でも、今回は普通の人々が主人公。僕たちは、“ツナミ”や“カトリーナ”等の災害、それに“9.11”等の非常事態があった時、どんな行動をすべきかを考えなければいけない時だと思うんだ。できるだけリアルに創ったから、ぜひ“乗船”してこの非常事態を体験してもらって、考えるきっかけにして欲しいね(笑)」と意気込みを語った。

そんな彼はこの会見後、再び編集作業に戻るため、ピューッとアメリカに帰ってしまったのでした……。「5月17日にはキャストたちを連れてまた日本に戻ってくるからね!」ということなので、私たちの乗船は暫しのお預け!

“えぇ! そんなのヤダ!”っと思ったそこのアナタ! パウゼでは公開前に“乗船”できる試写会プレゼントを実施中なので、ぜひご応募下さい!

2006 05 01 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Apr 25, 2006

『陽気なギャングが地球を回す』スタッフ&キャスト完成報告会見

4月17日/パークハイアット東京
「僕の能力は“演説”ですが、これはただの“話好き”なんじゃないかと……」(by 佐藤 浩市)

20060417_3
 他人を見ただけで嘘が判ってしまう男と、コンマ1秒まで正確な体内時計を持つ女、口から生まれてきた様な演説の達人、そして生まれついての若き天才スリ師。奇妙な4人がチームを組んだ時、奇想天外な犯罪計画が動き始める! 伊坂幸太郎の同名小説を映画化した『陽気なギャングが地球を回す』(5月13日~池袋シネマサンシャインほか全国〈地方は順次〉)。その完成報告会見が開かれ、主演の大沢たかお、鈴木京香、松田翔太、加藤ローサ、佐藤浩市、そして本作品のエンディングテーマを歌うSkoop On Somebody、和田アキ子らが出席した。

 大沢たかおは、「面白くて楽しくて、笑顔で劇場を出られる映画」とその仕上がりを大絶賛。鈴木京香も「スカッと爽快な気分になれる」とコメント。今回が映画初出演になる故・松田優作の次男、松田翔太は「いろんなことを勉強させてもらいました。現場は笑いが絶えませんでした」と話した。加藤ローサも「こんな日本映画は観たことがない! ワクワクしました」と興奮気味。

その一方、佐藤浩市は、「特殊能力を持つギャングチームのメンバーの中、僕の能力は“演説”ですが、これはただの話好きなんじゃないかと……」とちょっとスネた口調で話し、集まったマスコミを笑わせた。

 また“Skoop On Somebody+AKIKO WADA”というスペシャルユニットで本作品のエンディングテーマを歌う和田アキ子は、「“これまで日本映画にこういう映画ってあったか?”と思うぐらい素晴らしい映画。映画に出たいと思うことってなかなかないけど、この作品には出たかった!」と映画を褒めちぎり。自分の歌う曲に対しては、「全篇英語で難しかったけど、凄く楽しい曲」とお気に入りの様子だった。超豪華キャストが揃った本作、見逃せません!

2006 04 25 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Apr 22, 2006

『デュエリスト』キャスト来日記者会見

4月17日/帝国ホテル
「どちらかというと、悲しい目というより、眠い目かな」(by カン・ドンウォン)

20060417_1 朝鮮王朝時代を舞台に、“刑事アクション”と“許されない愛の物語”を融合させた“究極のラブストーリー”『デュエリスト』(4月22日~丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系)。その公開を前に、監督のイ・ミョンセ、主演のカン・ドンウォン、ハ・ジウォンが来日し、記者会見を開いた。

 韓国映画界で「独創的かつスタイリッシュ」と評されるイ・ミョンセは、今回の作品の中で、「肉体のアクションというよりも感情のアクションを目指した」と言う。そのため、キャストたちは「武術よりもタンゴや舞踏を多くレッスンした」そうだ。特にハ・ジウォンは人気TVドラマ『チェオクの剣』とはまた違うアクションを披露していて、この映画の見所の1つとなっている。

20060417_2  また、「踊りの練習を通して親しくなっていった」というカン・ドンウォンとハ・ジウォンにお互いの第一印象を聞いてみると……。「面倒見のいいお姉さん。女性のアクションは大変なのに、不満一つ言わなかったです」(カン・ドンウォン)。「噂では“人見知りする”って聞いてたんですけど、会った時はそんな感じじゃなかったです。寝むそうな顔でした(笑)。寝過ごして遅刻することも多かったそうですし(笑)。でも気が楽で、すぐに呼吸が合いました」(ハ・ジウォン)。

 エモーショナルなアクション・シーンの他にこの作品の注目すべき点はというと、本国の韓国とは違った編集で日本公開されるところ。「日本版はより情緒的にしようと思って、プロローグやエピローグを削除しました。フランスやドイツ、ロンドンなども国によって少し変更していく予定です」。日本の皆さんはまずは日本版を!

《ジャパン・プレミアに参加した方の感想は……》
・Tさん(女性)
 私は韓国版『デュエリスト』を観ていたので、映画が始まった瞬間「えっ、始まりが全然違う~!!」とビックリ。再編集してたのは知っていましたが、まさか最初から違うなんて……。韓国版に比べて、本筋にはあまり関係ないコミカルな部分がカットされてるので、よりナムスンと悲しい目の気持ちが伝わってきます!!

 この映画は本当に映像と音楽が素敵です!!ラストの方は、夜の黒、雪の白、幕の赤が際立っています。さらに、悲しい目のカン・ドンウォン君がめちゃくちゃ美しい!彼のアップがこれでもかってくらいあるんですが、美しすぎて息を吸うのも忘れます♥♥♥

20060417_03 この映画はストーリーよりも映像美を楽しむ映画だと思います。ミョンセ監督の美しい世界を体験したい方、カン・ドンウォンくんの美しさに心奪われたい方は特にオススメ! ジウォンちゃんはおてんばなところ、そして、切ない表情もいいですよ。

映画のラストに流れる、ジウォンちゃんとドンウォン君の美しい歌声も、とっても素敵なので、最後まで映画を楽しんでください。

・Oさん(女性)
 まず、会場に現れたカン・ドンウォンさんは完璧なスタイルにセンスのよい着こなし、美しく涼しい顔でかっこいい!の一言でした。ところが、話出すと照れまくりで、かっこいい印象から、可愛いへ一変!その優しげな笑顔に夢心地でした。ハ・ジウォンさんは、映画では男勝りの強い女性を熱演されていましたが、実際は、ふんわりした可愛らしい方でした。
(中略)監督も含め、そんな3人を間近で見てしまうと、映画にも、より興味が湧きましたし、この作品に限らず、次回作もこの先もずっと応援したくなりました!

作品の感想は、主演のカン・ドンウォンさんが舞台挨拶で「一遍の詩のように美しい映画です」と語っていましたが、まさにその言葉通りの映画でした。その美しさに加え、切なさに胸を打たれました。私が釘付けになったシーンは、彼が演じる“悲しい目”の剣さばき(殆ど舞踊)と、ハ・ジウォンさん演じる“刑事ナムスン”との対決シーン(これも殆ど舞踊)です。その動き一つ一つに言葉は発していなくても、彼らの思いが溢れ出ていて、凄い世界でした。私は、このデュエリストの世界に浸るべく、しばらくの間、映画館通いになりそうです。

ご協力ありがとうございました!by 編集部K

2006 04 22 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Apr 13, 2006

『クライング・フィスト』キャスト来日記者会見

3月9日/ウェスティンホテル東京
「“スイマセン、スイマセン”という感じでした」(by リュ・スンボム)

20060309_1 殴られ屋と少年院のボクサーが人生の再起をかけて立ち上がる姿を描いた『クライング・フィスト』(4月15日~渋谷アミューズCQNほか全国〈地方は順次〉)。その中で19歳のボクサーを演じたリュ・スンボムが来日し、記者会見を開いた。

 監督のリュ・スンワンは彼の実兄で、これまでも彼の低予算作品『ダイ・バッド、死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか』や『ARAHAN アラハン』等にも出演を果たしている。「監督は独特の世界を持った人です。彼と仕事をする度に新たな発見があって面白い」と、お互いにいい刺激を与えあっているようだ。

  そんな兄弟が創ったこの作品の見所はというと、なんと言ってもリアル・ファイトシーンだろう。そもそも、脚本に惚れ込んだ相手役のチェ・ミンシクの提案だったとか。最初はアクション監督も含めた全スタッフが反対したという。「この作品ではリアルファイトのシーンが多く、僕は本気で相手を倒すつもりでかかっていました。それで、本当に相手を殴ってしまうアクシデントが何回もあり、一度なんか、ミンシクさんにまともに(パンチを)入れてしまい、ダウンさせてしまったことがあったんです。もうひたすら、“スイマセン、スイマセン”という感じでした」と苦労話を明かした。

「僕は二流三流の人たちを描くことに、より感動を覚えるんです。この先も観る方々に感動を覚える仕事をしたいです」。そんな彼の今後の活躍に注目したい!

2006 04 13 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Apr 07, 2006

『タイフーン TYPHOON』キャスト&スタッフ来日記者会見

3月6日/帝国ホテル
「映画は“面白ければ多くの人が観る、面白くなければ観てもらえない”と、よく父が言っています」(by クァク・キョンテク)

20060306_1
チャン・ドンゴンが『友へ/チング』の監督クァク・キョンテクと再びタッグを組み、朝鮮半島南北分断の悲劇を壮大なスケールで描いた『タイフーン TYPHOON』(4月8日~丸の内TOEI ほか全国東映)。このPRのため、キョンテク、ドンゴン、イ・ミヨン、イ・ジョンジェ、デイビット・リー・マッキニスが来日し記者会見を開いた。

「ある脱北者の家族に会ったことがこの映画を創るきっかけ」と話すキョンテクは、自身の父親が北朝鮮出身ということもあり、思うところがあったという。「朝鮮半島が唯一の分断国家であるという事実の中、疎外され、政治的に取り残された存在である脱北者に対して、同じ民族としてもっと関心を持って欲しいと思ったんです」。

一方、脱北者として苛酷な運命を辿る海賊シンを演じたドンゴンも、「最初は海賊役というところに惹かれたけど、実際に脱北者の方にお会いして、この役はうわべだけ繕ってもダメだと思った。これをきっかけに彼らに対しての認識を改めた」と、同じ民族としてより関心が深まったそう。

といっても、映画は映画。メッセージを踏まえつつ、ドンゴンやジョンジェのワイルドな魅力も楽しめる、実にエンターテイメントな作品です!

2006 04 07 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

『美しき運命の傷痕』キャスト&スタッフ来日記者会見

3月3日/セルリアンタワー東急ホテル
「日本人全員がフランスに引っ越して来て下さればいいのに!」(by エマニュエル・ベアール)

20060303_1 ポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキの遺稿を、『ノー・マンズ・ランド』のダニス・タノヴィッチが完全映画化した『美しき運命の傷痕』(4月8日~Bunkamura ル・シネマほか全国〈地方は順次〉)。このPRのため、タノヴィッチと主演のエマニュエル・ベアールが来日し、記者会見を開いた。

 2人とも今回の来日を喜び、特に親日家のベアールは「日本人の好奇心と感受性の豊かさは素晴らしい! 日本人全員の方がフランスに引っ越して来て下さればいいのに!」とその気持ちを表現した。

 サラエボを舞台にした『ノー・マンズ・ランド』で監督デビューしたタノヴィッチが、何故、女性の心理を深く抉る作品を発表してきた巨匠キエシロフスキの遺稿を映画化しようとしたのか? 気になるその理由を聞いてみると、「今回、“何故この企画を引き受けたか”というと、自分では描けない全く真逆の世界が描かれていたからです。遺稿を読んで、つくづくキェシロフスキは天才だと思いました。これほど深いところまで、女性の世界に入って行くなんて!」。

 そんなキェシロフスキの精神を引き継ぎ映画化できたのも、監督の手腕があってこそ。ベアールも、「映画とはシナリオに命を音を与え、肉付けするものです。確かにキェシロフスキの脚本は本当にしっかりしていました。ですが、今回はそこに新たにつけ加えなければいけません。完成した作品を観て、“これは紛れもなくダニスの作品だ”と思いました」と絶賛した。

 三姉妹の傷ついた過去と再生を描いた本作。ダノヴィッチはその三姉妹の個性についてこう語った。「私にも子供が3人います。同じ家で同じものを食べ、同じように育っているのに、不思議と性格が違います。今回はその違いを出したいと思いました。人間は差があるからこそ面白いと思うんです」。

劇中、タノヴィッチは、その違いをキェシロフスキの『トリコロール』三部作のような“色”でも表現しているので見逃さないで!

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Apr 06, 2006

『ダ・ヴィンチ・コード』大物俳優二人が、初の来日記者会見!!

『ダ・ヴィンチ・コード』キャスト来日会見
4月6日/新宿パークタワー・ホール

Dav2
 謎のベールに包まれ、これまで映像の露出がなかった今年の話題作『ダ・ヴィンチ・コード』(5月20日~日劇1+日劇3ほか全国東宝洋画系にて公開)。この日、厳戒態勢の中、特別ダイジェスト版映像(35分)の上映と主役のロバート・ラングドンを演じたトム・ハンクスと劇中では、ハンクスを追い詰める刑事べズ・ファーシュ役のジャン・レノの来日会見が行われた。

 映画の内容は、ルーブル美術館の館長がダ・ヴィンチの有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉に模して発見されることに端を発する。ハーヴァード大学教授ラングドンは、捜査への協力を求められ現場へと連れ出されるが、殺人の容疑をかけられ、館長の姪である、暗号解読官のソフィーと共に追われる羽目に。しかし、その途中ダ・ヴィンチが残した数々の謎や、歴史的真実が次々と解き明かされていく。

◆Q1、世界中でベストセラーの原作の映画化ということですが、出演の依頼を受けた時、どんな感じを受けましたか?

トム:ロン・ハワードから電話で依頼を受け、本を読んですぐOKと答えたよ。

ジャン:ゾフィアさんから本をもらっていたので、随分、前に本は読んでいたんだけど、まさかその映画に自分が出演するとは思っていなかったよ。とても面白いと思ったね。撮影中、自分が“とても運がいいな”と思ったのは、今横にいるトム・ハンクスという偉大な俳優と3週間毎晩ルーブルに素晴しい絵を見ながら過ごすことが出来たことだね。

◆Q2、役を演じるにあたってどのような解釈で取り組まれたのでしょうか?また監督から何かアドバイスなんかはあったのでしょうか?ご自分のアイデアなどもありましたら教えてください。

トム:小説の中にあるあれだけの膨大なインフォメーションをどういうふうにスクリーンに縮小するかが大事だと考えたね。私が演じたラングドンは、自分の専門を全て知っているという人だから、私も全てを知っているフリをしたんだ(笑)。私の人生はいつもそうしているんだけどね(笑)。

ジャン:私はシンプルな形で役作りをしました。本の全て、例えばオプスデイなどについて全てを知ることは出来ません。“厳しさ”というものがこの役に与えられたものだと思ったので、この役を演じる上で考えたのは、どのようにしてこの人物の内面が引き裂かれ、ヒビが入っていうところ。そこに一番興味が惹かれたんだ。

◆Q3、今回撮影でたくさんの絵をじっくりご覧になったと思うのですが、個人的に持ち帰るとしたら、どの作品ですか?

トム:これは映画では、カットされているけど、“ナポレオン一世の載冠式” を盗みました(笑)。

ジャン:勿論、“モナリザ”は誰もが知っている名画ですが、私はこの絵の前に立つ度に、違ったエモーション、感情が湧き上がるのを感じたね。これがダ・ヴィンチの才能なんだなということを再認識したよ。自分は絵画の愛好家というわけではないけど、この映画のお陰で絵画の愛好というものを学んだね。

◆Q4、原作の中で、ラングドンはツイードを着たハリソン・フォードということがかかれていましたが、それをどの程度、意識されましたか?また、ハリソン・フォードと自分はどっちがカッコイイと思いますか?
 
トム:おそらく7ページ目だったと思うけど……。最初の原稿からダンは書き換えたんじゃないかな?(笑)。ハリソンは確かにカッコイイ男だけど、僕の方がチャーミングでしょ(笑)。

◆Q5、お二人は初共演だと思いますが、会う前にお互いどのような印象を持っていて、実際仕事をされてどういう印象を持ちましたか?

トム:とても最初は怖かったよ。『RONIN』や『レオン』などを観て、プロフェッショナルと感じたけど、いつも誰かを殴ったり、誰かを追いかけたりで、とても怖い印象だった。でも実際会ったらジャン・レノはジャン・レノだった。ああいう役を演じるのは仕事だし、私を撃たないと約束してくれた(笑)。殴りもしないし、車でカーチェイスもしないってねと。

ジャン:とてもいいお金を貰ったから約束したんだよ(笑)。確かにトムは押しも押されぬ偉大な俳優。そんな彼が出演した映画は歴史的に残る映画が何本もある。トムを見ていると簡単に演じているように見えるけど、それが簡単にやっているように見えるのは彼が偉大な俳優であるという印だからなんだ。彼は偉大な才能を持った稀な人だし、大きなヒューマニティを持った人。出会う前は俳優として尊敬していたけど、今は人として非常に尊敬しているよ。

◆Q6、この作品は封印ということがキーワードになっていると思うのですが、ご自身の中で封印していることで、教えていただけることはありますか?

トム:俳優という仕事は過去の体験から掘り起こして、役作りをする、それが仕事。秘密を持たず、過去を掘り起こし皆に見せることが役者の宿命なんだ。

ジャン:トムの言ったことはその通りだね。私たちは役を演じるにあたって他人の人生を演じている。それには自分を分析する必要があると思う。いい役者とは、自分に対して秘密を持っていない人、自分自身を正しく分析出来る人がいい俳優なんだと思うね。

◆Q7、撮影の合い間は何をしていましたか?

ジャン:トムと、芸術、家族、オリーブオイル、子供、友達の話をしました。でもべったりではなく、お互いの一人の時間も尊重したよ。

トム:私は連日仕事で、1日も休まなかったんだ。撮影は夜で、大変広い回廊をローラースケートで走り回ったよ(笑)。ルーブルは昼はお客さんで混雑しているけど、夜はお客さんがいないから“モナリザ”と二人きりになれるというスペシャルな体験を味わえたんだ。

◆Q8、共演したオドレイ・トトゥについて教えてください?

トム:素晴しい才能を持った女優だね。英語は上手だったけど、暗号解読官という難しい役だったから、コーチがついて指導を受けてこなしていたよ。上手くゲームに乗って我々とやってくれたと思うよ。

ジャン:彼女とは以前会ったことがあったんだけど、共演は初めて。一番驚いたのは、彼女の持っているエネルギーの大きさ。体は大きくないけどそのエネルギーの大きさはとても印象に残った。今後も映画界で活躍してほしい女優だね。


また、公開にあわせて、森アーツセンターギャラリーにて『ダ・ヴィンチ・コード展』が開催されるなど、今年の初夏は今世紀最大の事件で世界が盛り上がりそうだ!

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Apr 04, 2006

『ゆれる』舞台挨拶付完成披露試写会

3月23日/スペースFS汐留
「正直、嫉妬しました」(by オダギリジョー)

20060323_1『誰も知らない』の是枝裕和にその才能を見出され、2002年に『蛇イチゴ』で監督デビューを飾った西川美和の最新作『ゆれる』(今夏~渋谷アミューズCQNほか全国)。この作品の完成披露試写会が行われ、西川と主演のオダギリジョー、香川照之が舞台挨拶を行った。

 劇中、兄弟を演じた香川とオダギリは、「話しているうちにどんどん共通点が見つかった」(オダギリ)、「本当の弟のようだった。良く判り合えたと思う。喪失した者同士が結びついた感じ」(香川)とコメント。息の合った関係を見せた。

 また、西川との仕事の感想を、揃って「凄い女性だ!」と答えた2人。「正直、(その資質に)嫉妬しました。手の届かない所にいる存在」とオダギリ。香川も「脚本を読んだ時の衝撃は凄かった。どうしてこんな話が書けるんだ、と思った」と絶賛。「こんなに絶賛する理由を、皆さんも2時間後(映画を観終わった後)には判ると思いますよ」と語った。

あなたもその理由、知りたくなったでしょ?

2006 04 04 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 28, 2006

『僕らのバレエ教室』キャスト&スタッフ記者会見

3月10日/シネマート六本木
シネマート六本木オープニングイベント&
韓流シネマ・フェスティバル、オープニング作品
『僕らのバレエ教室』キャスト&スタッフ記者会見
「女性の方はブラッド・ピットが好きという方が多いようですが、私はジョージ・クルーニがいいと思います」(by オン・ジュワン)

20060310_4 東京新名所、アジアン・エンタテイメントを堪能する〈情報発信型〉ミニ・シネコン、シネマート六本木が、3月11日にオープンした。オープニングを飾るのは、次世代を担う、最も旬な韓流スターたちの主演作が目白押しの“韓流シネマ・フェスティバル2006プレミア”(3月11日~4月7日)。劇場のオープンに先駆け、オープニング作品『僕らのバレエ教室』の主演オン・ジュワン、監督のビョン・ヨンジュが来日し、記者会見を開いた。

 これからブレイク必至の若手俳優たちが楽しめる今回の“韓流シネマ・フェスティバル2006プレミア”。この『僕らのバレエ教室』にもジュワンの他、K-POPグループ、g.o.dのメンバーのユン・ゲサン、『淫乱書生』でハン・ソッキュ、イ・ボムスと共演したキム・ミンジョンらが出演している。彼らの“若い力”を知り尽くしているヨンジュは「この映画には、ニューフェイスたちが思う存分エネルギーを発揮して欲しい、という願いがありました」と語り、「今、韓国で、20代の若い俳優の中には、元気等の“気”を多く持つ俳優がたくさんいます。でもその中には、自分が何をすべきなのか判らず、真摯な態度でいることが出来ない人もいるんです。でも、ジュワンはそれを十分に判っている人だと思います」と隣にいるジュワンを讃えた。

20060310_3  そんなジュワンは「ダンスが好きでバックダンサーか歌手になることが夢だった」と言う。「でもこの映画に出て、監督から映画の素晴らしさを教わり、今は俳優としてやっていきたい」と今後の意欲を語った。また、今年のベルリン国際映画祭に主演作『ピーターパンの公式』が出品され、その時のことを「ジョージ・クルーニを見かけました。オーラを放っていて、素晴らしい方だと思いました。女性の方はブラッド・ピットが好きという方が多いようですが、私はジョージ・クルーニがいいと思います」とコメントした。

 彼の他にも要チェックの若手俳優たちの出演作が目白押しのこのフェスティバル。今からでも遅くない! 劇場にGO!

2006 03 28 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 23, 2006

『春が来れば』キャスト来日記者会見

2月24日/セルリアンタワー東急ホテル
「中学時代はガールフレンドはいませんでした」(by チェ・ミンシク)

20060224_3 名優チェ・ミンシク扮する夢破れ目的を失った中年トランペッター、ヒョヌが、音楽を教えに赴任した炭鉱町で、人々との交流を通じて成長する姿を描いた『春が来れば』(3月25日~シネマスクエアとうきゅうほか全国〈地方は順次〉)。このPRのため主演のミンシクが緊急来日し、記者会見を開いた。

『酔画仙』では伝説の画家、『オールド・ボーイ』では復讐に燃える男、『クライング・フィスト』(4月15日~渋谷アミューズCQNほか全国〈地方は順次〉)ではボクシングと、毎回リアルな演技を披露するミンシク。今回はトランペッターということで、慣れない楽器演奏を猛練習したそうだ。「趣味だったら楽しかったんだと思うけど、作品に要求されるレベルに短期間で到達しなければいけなくて、精神的なストレスがありましたね。寝る時間と食事の時間以外はトランペットを持ち歩いて練習し、周囲の人にうるさい思いをさせてしまいました」。

 そんなチェだが、今回、子役たちとの共演で得たものがあったそうだ。「カンヌ国際映画祭の男優賞で、『オールド・ボーイ』と『誰も知らない』が候補だったそうです。後から、“何故、柳楽優弥君が受賞したのか”と考えた時、俳優は高度なテクニックが必要とされるけど、それよりも大切なのは“演技に注ぎ込む真実なんだ”と思い至りました。今回、演技経験のない、多くの中学生が出演していましたが、求められたのはテクニックではなく純粋さだったと思います」。

 そんなチェ、今は中年の色気を漂わせファンを魅了しているが、中学時代は意外にもモテなかったそうで……。「中学時代は平凡な生徒で、友達は多かったんですが、ガールフレンドはいませんでした。にきびが多かったからかもしれません(笑)」。いやいや、思春期なんてそんなもんですよ!

 桜が咲き始めた今にぴったりなこの映画、あなたは誰と観に行きますか?

2006 03 23 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 14, 2006

『南極物語』スタッフ&キャスト来日舞台挨拶付特別試写会

3月18日/イイノホール
「映画の良い所は全部犬に持っていかれたよ」(by ポール・ウォーカー)

20060310_1 1983年、人間と犬との信頼関係を描き、日本中を涙と感動で包み込んだ名作を、ウォルト・ディズニーがハリウッド映画として復活させた。それが『南極物語』(3月18日~有楽座ほか全国)だ。このPRのため、監督のフランク・マーシャル(『生きてこそ』)と主演ポール・ウォーカー(『イントゥ・ザ・ブルー』『ワイルド・スピード』)が急遽来日し、舞台挨拶を行った。

 オリジナルの日本版『南極物語』に感銘を受け、監督に挑んだマーシャルは、「実話を映画化するという作品への情熱と、作品で語られている勇気、決意、信念、忠誠心、チーム・ワークを私たちの作品で再現したかった」とその熱意を語った。一方、犬たちと共演したウォーカーは、「映画の良いところは全部犬に持っていかれたよ。でも今回、素晴らしい体験ができ、りっぱな犬たちと共演できたのでとても楽しかった」と満足げに語った。2人とも、「自分たちの娘に気に入ってもらえた作品」&「大の犬好き」ということもあり、観客に大プッシュ!

20060310_2  また、日本版のカラフト犬からシベリアン・ハスキーに変更された劇中の犬たちにかけ、当日はシベリアン・ハスキーのキャンペーン犬、通称“キャン犬”がお祝いに駆け、会場を和ませた。

 何はともあれ、“タロとジロの物語”が世界に広まるのは、日本人の私たちにとってはとても嬉しいこと。ところで、ホンモノのタロとジロは現在剥製となって、上野の国立科学博物館(ジロ)と北海道大学農学部付属博物館(タロ)に保管されているが、今回、2006年7月15日~9月3日に開催される<ふしぎ大陸南極展>(上野国立科学博物館)で8年ぶりに再会する。良かったね、タロ~、ジロ~(号泣……)。

2006 03 14 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Mar 10, 2006

『エミリー・ローズ』キャスト&スタッフ来日記者会見

1月18日&2月23日/ホテル西洋銀座
「『エクソシスト』は観たことないの。コワイ映画嫌いで……」(by ジェニファー・カーペンター)

20060118  緊迫感溢れる超一級の裁判劇と、鬼気迫る恐ろしい悪魔憑き。相反する2つの要素を融合させて高く評価された話題作『エミリー・ローズ』(3月11日~日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系)。その監督スコット・デリクソンが1月18日に、主演のジェニファー・カーペンターが2月23日にそれぞれ来日し、記者会見を開いた。

 まず、1人の少女の死を巡るこの物語が、フィクションかと思いきや、実はノンフィクションというのが驚きだ。「そもそも、この題材を見つけたのは、ジェリー・ブラッカイマーのリサーチのために行ったニューヨークで、オカルトの専門家に会ったことがきっかけなんだ。エクソシストの助手もしたことのある人なんだけど、その人から本とか悪魔払いを録音したカセットテープを聞かせてもらったんだ」。

 しかし、企画を進めていく上で、悪魔払いを扱った名作『エクソシスト』の存在は気にならなかったのだろうか。「『エクソシスト』と比べられるのは必然。最高の映画だと思うからね。でも続篇や二番煎じは失敗に終わっているから、この作品を成功させるには、違うアプローチをしなけばいけないと思っていたんだ」というように、本作は“悪魔払い”とその存在の真意を問う“裁判劇”という2つのアプローチで少女の死に迫った作品だ。

 一方、そんな本作で、『エクソシスト』のリンダ・ブレアを凌ぐ演技で憑依に苦悩するエミリーを演じたのが、新人女優ジェニファー・カーペンター。「『エクソシスト』は観たことないの。コワイ映画嫌いで……」という彼女に役作りを聞いてみると……。「文献をたくさん読んだわ。悪魔に憑依された演技は癇癪を起こした人を姿を取り入れたりしたの。モチーフにした医師の記録を読んだりはしたんだけど、悪魔払いのテープは怖くて、20秒ぐらい聴いてすぐ止めちゃった。だって、人間と思えないような声だったのよ!!」。

 そんな彼女の演技に監督も驚いたそうだ。「最初、脚本にはVFX満載だったんだけど、彼女が床でもがいているのを見て、なしでも大丈夫だと思ったんだ」。実は監督だけじゃなく、カーペンター自身もびっくりの演技だとか。「自分の演技を観て、あんなに手足が曲がっているなんてビックリしたわ! 撮影中は自分をコントロール出来ていると思っていたのに……」。もしかして、本当に憑依してたのかも……。ちなみに、一緒に来日していたお母さんは作品を7回観たそうだ。

「お払いは全体ではしなかったんだ。だって、そういうスピチュアルなものの存在を問う映画だったから、撮影前から監督が信じてるって思われちゃダメでしょ。うん、僕は信じているんだけどね」というデリクソン。うーん……あなたは信じる?

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Mar 08, 2006

『イーオン・フラックス』キャスト来日記者会見

3月8日/パークハイアット東京
「私、すぐ飽きちゃうのよね。だから、髪の色を変えるのは全然抵抗ないわ」(by シャーリーズ・セロン)

20060308_1 西暦2415年、政府が圧政を強いた世界。自由を取り戻すために、今、全身武器の革命戦士イーオン・フラックスが立ち上がる! MTVのアニメシリーズから生まれた同名近未来アクションを、『ガール・ファイト』のカリン・クサマが映画化した『イーオン・フラックス』(3月11日~日劇1ほか全国東宝洋画系)。そのPRのため、人類を救うヒロインを演じたオスカー女優、シャーリーズ・セロンが来日した。

 なんと、『スタンドアップ』で第78回アカデミー賞最優秀主演女優賞にノミネートされていたセロンは、授賞式後すぐ、初日の迫った日本に飛んできたのだ。授賞式には、肩に大きなリボンをあしらったモスグリーンのクリスチャン・ディオールのドレスで出席した彼女。この日の衣裳は、ザック・ポーゼンのトップスとマルタン・マルジェラのスカートで登場し、会場は溜息に包まれた。

「私もカリンも挑戦したことのない作品だった」と言うセロンは、本作で初のアクションに挑戦。「ハードだったわ。1日5時間、トレーニングしたの。シルク・ド・ソレイユの体操選手にもコーチしてもらったのよ。とにかく精神的にも肉体的にも辛かった」。

 とはいえ、12年間学んだバレエの経験を生かした優雅なアクションは、セロンならではの表現になっただろう。「この役はセリフではなく、体で物語を表現しなければいけなかったの。バレエも体だけで体現しなければいけない点では同じだったから、そのルーツに戻ったとも言えるわ」。

20060308_2 「私、すぐ飽きちゃうのよね。だから髪の色を変えるのは全然抵抗ないわ。それに、この役だったらやっぱり黒髪じゃない? ブロンドだったら絶対演じることは出来なかったと思うの」と、役によって様々な顔を見せてくれる彼女は、女優業を冷静にこう分析する。「毎回違う役を演じるのが俳優という仕事の常。それに演じる時は自分の気持ちだけに頼らず、そのキャラクターと自分を別な人間として意識していないとダメだと思うの。だから観客に“イーオン=私”と思われることは望んでないわ」。

そんな彼女は今度は製作業にも進出するそうだ。「今はボブ・バーニーと一緒に7年間準備をしていた“THE ICE AT THE BOTTOM OF THE WORLD”に集中しているところよ」。

多忙でも美しさを忘れないところは、女性なら誰もが尊敬するところ。その美しさを保つ秘訣は何だろう? 「美しさは“幸福感”から来ると信じている。でも、私が幸せじゃない時は、ヘアメイクのスタッフが美しくしてくれるんだけど!」。

「今度、日本でロケがしたい。『ロスト・イン・トランスレーション』が大好きなのよ!」と大の日本党で知られている彼女だが、今回はすぐに帰国する予定だとか。ファンとしては、日本での撮影をぜひ進めて欲しいと切に願うのでした……。

追記
左手の薬指に指輪を発見!スチュワート・タウンゼントからのプレゼントでしょうか?誰かおせぇーて!

追記2
調べたら、2004年1月から付けているようなので、きっとそうなのかも…。一人で騒いですみません…。

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Mar 03, 2006

『ブロークバック・マウンテン』監督来日記者会見

2月3日/パークハイアット東京
「僕はこの映画を“ゲイ・ムービー”ではなく、“ラブ・ストーリー”と言いたい」(by アン・リー)

20060203_1 今月5日(現地時間)に発表になる第77回アカデミー賞。今年の注目は何といっても、カウボーイの悲恋を描いて最多ノミネート(8部門)を果たした『ブロークバック・マウンテン』(3月4日~シネマライズほか全国〈地方は順次〉)だろう。今回、ノミネート発表の興奮覚めやらぬ2月3日、監督のアン・リーが来日し記者会見を行った。

「『グリーン・ディスティニー』『ハルク』という大作を2本を撮って、肉体的にも精神的にも疲れきり、“長期休暇を取ろう”とかかなり落ち込んで、引退まで考えました。そんな時に、アニー・プールの短篇小説をふと思い出して、“今度は小さな作品に関わって、この鬱状態から脱しよう”と思い直しました。とてもユニークな題材だし、あまり多くの人に観られない作品になってもいいと思って取り掛かったんですが、結果的にヴェネチア国際映画祭金獅子賞等、多くの賞を受賞し、“本当に人生というのは不思議なもので、映画も観客も不思議なものだな"と思いました」と、現在の心境を吐露したリー。

 とはいえ、否が応にもアカデミー賞の期待は高まるばかりだ。「今はオスカーについて何も考えていません。もしこの作品が受賞するということになれば私にも非常に責任が出てくるわけですが、今はただ任せるしかないです。私としては参加者の1人として、この作品が長く細く上映されて、多くの人に観てもらいと思っています」。

 ただアメリカでは、友情から愛情へと変化してゆくこの男たちの物語を“倫理的な理由”で上映禁止にした地区もあった。それについてリーは言う。「実はもっと上映禁止とか、右翼団体からのクレームとかが出ると思っていたんですが、意外に少なくてビックリ。実は上映禁止になったのはユタ州の一館だけなんです。それなのにプレスが“それみたことか!”とばかりに報道して大きなニュースになってしまったんです。実情は、作品を劇場主が気に入らなくて契約を破棄したんだとか。ユタ州の上映劇場は、ニューヨークのチェルシー地区の上映劇場よりも売上がいいそうですけど。とはいえ、アメリカは、この作品のように人間性を描いた、いろんな面で感情移入できる映画に飢えている部分があると思うし、これまでのハリウッド映画と異なった、全く答えを出してない映画を望んでいたのではないでしょうか?」。

 「僕はこの映画を“ゲイ・ムービー”ではなく、“ラブ・ストーリー”と言いたい。それは、愛は誰も判っていないし、だからこそいろんな角度から見ていくことが出来ると思うんです」。この注目作、いよいよ日本でも今週公開だ!

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Feb 27, 2006

『ビッグ・リバー』舞台挨拶付完成披露試写会

2月23日/テアトル新宿
「芝居は言葉じゃないのだな、と思いましたね」(by オダギリ・ジョー)

20060223_1  長篇デビュー作『echoes(エコーズ)』で世界的に高い評価を得た船橋淳の長篇2作目『ビッグ・リバー』(5月~テアトル新宿ほか全国〈地方は順次〉)。オダギリ・ジョーが全篇英語のセリフに挑戦した本作の完成披露試写会が先日行われ、主演のオダギリが舞台挨拶を行った。

「留学していた10代の時に英語で芝居をやったんですけど、ウキまくってたんです。だから抵抗があったんですけど、僕が演じた哲平は日本人のバックパッカーという設定だったので、英語が上手くなくてもいいんだと思って安心しました」と、カリフォルニア州立大学で演技を学んだ経験がある彼にとっても今回の作品は大きな挑戦だったようだ。

20060223_2 物語の舞台は、アメリカ、アリゾナ州の砂漠。目的のない旅を続ける日本人バックパッカーの哲平(オダギリ)と、消息の途絶えた妻を探すためにアメリカに来たパキスタン人のアリ(ガヴィ・ラズ)、そしてそんな2人と偶然出会ったアメリカ人のサラ(クロエ・スナイダー)。やがて、国も文化も境遇も異なる3人に奇妙な友情が生まれる……。

「即興で僕が台本以上のことをすると、スタッフがしっかり受け止めてくれた。凄く嬉しかったし、それによってだんだん僕を役者として見てくれるようになったと思う。芝居は言葉じゃないのだな、と思いましたね」と、感慨深げに語った。

 作品ごとに着実に変化を見せるオダギリ。果たして本作でどんな“オダギリ・ジョー”を見せてくれるのか……? それはもう暫し、待て!

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Feb 24, 2006

『寺内貫太郎一家』DVD発売記念舞台挨拶試写会

2月22日/津田ホール
「演技できなくて本気で殴られて、小林さんの首を何度も絞めようと思ってましたからね」(by 西城 英樹)

20060224_1 1974年からTBS系列で放映開始、全39話放送、平均視聴率31.3%を記録した伝説的ドラマ『寺内貫太郎一家』(15,960円/TCエンタテインメント)が遂にDVD化! この発売を記念してキャストの小林亜星、樹木希林、加藤治子、西城秀樹、浅田美代子と、演出家の久世光彦が東京の津田ホールでトークイベントを行った。

 このドラマは、東京、谷中の三代続く老舗石屋の主人で雷オヤジの寺内貫太郎を中心とする一家の物語。主人公の貫太郎が発する「バカヤロー!」は当時流行後になった。そんな一大ムーブメントを起こした“寺内貫太郎一家”の一夜限りの夢の復活に、会場には多くのマスコミと試写会に当選したラッキーな観客が詰め掛けた。

20060224_2『寺内貫太郎一家』DVD-BOX1 2/24発売 定価15,960円
  amazon販売中 (20%OFF)

 当時の様子を、「家族以上に家族のようでした。おばあちゃんとの殴り合いとかがあって本当に痛かった」と浅田がコメントすると、当時の掛け合いが勃発! 「浅田さんが当時素人同然だったので、いかにもアドリブっぽく演じていたけど、実は全て台本通りでした。そんなミヨちゃんももう50歳ですから!」と樹木が言えば、「うるさーい」と浅田が応酬(会場、大爆笑!)。

 演出の久世は、「向田さんの脚本あっての寺内貫太郎だったよね。でもありえないキャスティングだよねー、亜星さんなんて素人のただのデブだったもんねー」。「“バカヤロー”って言ってちゃぶ台ひっくり返せばいい、って向田さんにいわれてたもんですから(笑)」(小林)。

 当時、押しも押されぬ大スターだった西城はというと、「演技できなくて本気で殴られて、小林さんの首を何度も絞めようと思ってましたからね。倒れた時に手を複雑骨折した時みたいな勢いでね」と爆弾発言! 

 とはいえ、「撮影当時は本当に家族のようでした。『寺内貫太郎一家』の撮影時期は、生涯でこれ以上ない貴重な時間でした」と加藤が語るように、何だかんだといって仲が良かったようだ。

 DVD発売を機会に、古き良き(!?)日本を懐かしんでみては?

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Feb 17, 2006

『アメリカ、家族の風景』監督来日記者会見

10月25日/ウェンスティンホテル東京
「男性の皆さんに警告しておきます。プロポーズするのに30年も待たせてはいけません! 遅すぎます!」(by ヴィム・ヴェンダース)

20051025_1  第37回カンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いた『パリ、テキサス』(1984)から20年、再びあのコンビネーションが実現した。監督のヴィム・ヴェンダースが「『パリ、テキサス』の仕事が完璧だったため、20年間、再び組むことに躊躇していた」というサム・シェパードの脚本で、しかもその時には果たせなかったシェパードを主演にした記念すべき作品。それが『アメリカ、家族の風景』(2月18日~シネスイッチ銀座ほか全国〈地方は順次〉)。今回、そのPRのためにヴェンダースが来日し、会見を開いた。

 早速、今回、シェパードを主演にすることが出来た理由を聞いてみると、「あの時学んだ教訓を生かして、最初からは頼まなかったんだ。以前断られたのは、彼がジェシカ・ラングに恋焦がれて、僕の作品より彼女と共演する『女優フランシス』を選んだからなんだけど、まっ、私も同じ立場なら、やはりジェシカとの共演を選んだでしょう(笑)。でっ、今回は“主演をジャック・ニコルソンにしようと思う”って言ったんだ。そしたら“あいつは馬にも乗れないだろ!”とサムが言ったことで、サム決まったんですよ!」。

 物語は、落ちぶれた俳優、ハワード(シェパード)が、突如、撮影を抜け出し、30年ぶりに母親(エヴァ・マリー・セント)に会いに行くところから始まる。突然の帰郷にも温かく迎えてくれた母親から、自分に息子がいることを知らされたハワードは、半信半疑のまま昔の恋人ドリーン(ラング)に会いにいく……。

 劇中、特に異色な存在が、ティム・ロス演じる私立探偵サターだ。「アメリカの砂漠の中に迷い込んだイギリス人、という設定が面白いと思ったんだ。彼のお陰で不思議で不気味なバウンティ・ハンターになったと思うね」。

 とはいえ、ワガママなところもあったようで……。「ハワードがお母さんに会うシーンで、ティムは短く登場する予定だったんだ。でも撮影中、彼はとても不満そうで、理由を聞いてみたら“世界中で最も敬愛する女優のエヴァ・マリー・セントと一緒に映画に出ているのに、まともなシーンが1つもないじゃないか!”と怒ったんですよ(笑)。それでサムに相談して、クッキーを御馳走してもらうシーンを作ったんだけど、映画には必要のないシーンでした(笑)」。

 それだけかと思いきや、まだまだ出てくるティム話……。「最後の舞台になるモンタナ州での撮影中、またティムの機嫌が悪いんです。再び理由を聞いてみたら、今度は“ジェシカ・ラングと共演するのが長年の夢だったのに、彼女とのシーンが全くないじゃないか!”と怒ったんです。しょーがないからまたサムに頼んで、ジェシカがポテトの付け合わせを説明するシーンを追加したんだけど、これまた全く必要のないシーンだったね(笑)」。恐るべし、ティム・ロス……。

20051025_2  ヴェンダースは、この作品を最後に、1996年以降8年間住んでいたアメリカから故郷のドイツに戻ったのだそう。「アメリカで撮影することは世界を基準にすれば、近未来を撮影している、と言っていいでしょう。結果的に長く滞在し過ぎてしまったのは、この作品を撮るために5年も近く費やしてしまったからなんですが、その間に『ランド・オブ・プレンティ』も撮ったし、アメリカについては語り尽くしたという気持ちです。せっかく長年住んだアメリカですから、悪い形では別れたくなかったので、できるだけ美しい映画に収めたつもりです」。

 映画のテーマについて「アメリカに限らず、世界的な現象ですが、父親を知らずに育つ若者が増えている。私自身は自分の父親を深く敬愛しているから、子供にとっての“父親”はもちろんですが、男にとっても、父親という役割を果たすことがいかに大切か、ということを伝えたいと思いました」と語ったヴェンダースは、最後に作品の重要な部分に引っかけて、「男性の皆さんに警告しておきます。プロポーズするのに30年も待たせてはいけません! 遅すぎます!」と付け足したし、世の男性たちにアピール。うーん……そりゃ、待たせすぎです!

2006 02 17 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 09, 2006

『PROMISE』スタッフ&キャスト来日記者会見

1月25日/グランドハイアット東京
「我々が集結させた力を世界にアピールすることができたと思う」(by チェン・カイコー)

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『さらば、わが愛/覇王別姫』『始皇帝暗殺』の名匠チェン・カイコーがアジアの力を集結させた最新作『PROMISE』(2月11日~サロンパス ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系)。このPRのため、チェン・カイコー、製作と“満神”役を兼ねたチェン・ホン、そして日本から真田広之、韓国からチャン・ドンゴンが出席し、記者会見を開いた。

「最初から韓国や日本の俳優を起用し、まさにアジアを圧倒する映画を創ろうと思っていました。私は彼らの演技ではなくて、彼らが“何も知らない環境に置かれた時、どのような気持ちを持って仕事をするのか?”ということに関心がありました」とカイコー。そのコラボレーションは功を奏し、ご覧の通り素晴らしい出来に。特に注意したことは「演技するために良い環境に与える」ことだったそう。

20060127_1そんな異国の地での撮影に臨んだ2人は、将軍・光明(真田)とその奴隷・昆崙(ドンゴン)という主従関係の役。慣れない環境で呼吸が合うのか不安だったのではないだろうか? 「お互い中国語を学ばなければいけない者同士というのが、友情を育む手助けになったと思います」(真田)「それに、家を離れ他国に滞在し、同じ苦労を味わって生活をしていたこともあったと思います。だからあえて呼吸を合わせようと努力しなくても自然に心を通わせることができました」(ドンゴン)。

撮影中は「2人でキャッチボールをして遊んだ」とか。そんな2人、会見中に“もし2人が同時に同じ人を好きになったら?”という質問が出ると、「ドンちゃんなら譲ります(笑)」(真田)「ありがたく頂戴します!」(ドンゴン)「やっぱ勝負しよ!」(真田)と、ジョークを言い合う仲の良い一面を見せた。

「私たちはアーティストとして、アジアでどのような文化環境を作ることができるのか、という実験を行った気がします。そして我々が集結させた力を世界にアピールすることができたと思う」と作品をPRしたカイコー。アジアの人気俳優たちが集結したこの作品、アジア好きなら観逃せないでしょう!

2006 02 09 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Feb 07, 2006

『志村けんのバカ殿様DVD-BOX』DVD発売記念イベント

1月29日/山野楽器 銀座本店
「綺麗な人はみんな共演したい!」(byバカ殿様=志村けん)

20060129_1 ドリフターズが毎週土曜日のお茶の間を爆笑の渦に巻き込んだ人気TV「8時だョ!全員集合」。その中のコントから、メンバーの一人、志村けんが1977年に誕生させた人気キャラ、“バカ殿様”が遂にDVD化!ベスト・コントをぎゅっと凝縮、バカ殿の魅力を網羅した「志村けんのバカ殿様DVD-BOX」(10,290円/UPJ)として27日に発売された。

この発売を記念して、バカ殿様こと志村けんと使用人役のダチョウ倶楽部、そしてお祝いに駆けつけ、20歳の水着ギャル12人がスペシャルイベント&握手会を開催した。

初DVD化の感想を聞かれた志村は、「遅い!もっと早く発売してほしかった」とちょっとご不満の様子。えぇえぇ、ごもっともです! 私たちも首を長~くして待っていましたとも! 

でっ、思い出に残っているコントはありますか? 「初期の頃に収録した東八郎さんを怒らせるコントとか、ビートたけしと丸裸で廊下を走ったコントはよく覚えています」。う~ん、時代を感じます……。

では、今後はどんな方と共演を? 「綺麗な人はみんな共演したい!」。……。こっ、これからも、元気なバカ殿様を見せてくださいね~!

bakatono →ここで発売中!志村けんのバカ殿様DVD-BOX
発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(株)
価格 :¥10,2908,232円(税込)
(c)イザワオフィスAll Rigths Reserved.
(c)2005 Universal Studios.All Rights Reserved

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Feb 03, 2006

『ミュンヘン』キャスト来日記者会見

1月20日/パークハイアット東京
「この作品のテーマには“ホーム”というのもありますが、“祖国、故郷”といった大きなテーマも描いていると思いますね」(by エリック・バナ)

20060120_11972年のミュンヘン・オリンピックで起きた、パレスチナゲリラ“ブラック・セプテンバー”によるイスラエル選手団襲撃事件。激怒したイスラエル政府は機密情報機関“モサド”により暗殺チームを編成、報復を企てた。リーダーとして任命されたのがアヴナー(エリック・バナ)。愛国心と家族のために着実に任務を遂行していく彼だったが、次第に良心の呵責に悩まされていく……。

標的は11人―モサド暗殺チームの記録」(ジョージ・ジョナス著/新潮文庫)をモチーフにしたスティーブン・スピルバーグの最新作『ミュンヘン』(2月4日~丸の内プラゼールほか全国)。このPRのため、アヴナーを演じたエリック・バナが来日し記者会見を開いた。

「当時、私は4歳でした。今でも銃を構えたテロリストがバルコニーに立つ姿が、目に焼き付いています」と当時の記憶を語るエリック。悲劇的な歴史の事実に迫った作品だけに、事件の背景を詳細にリサーチしたという。

「アヴナーのモデルとなった実在の人物に会い、参考にしたところがあります。例えば任務の後、必ず豪華なモデルキッチンを見に行ったり、ストレス発散のために料理を作ったりする。スボンに銃が引っ掛かってしまうところです。やはり実際にあったことなので、忠実に再現してリアリズムを追求しました」。

そのため、アクセントにも注意したそうだ。「アクセントは、今までに注意して聞いたことがない音だったので、イスラエル出身の女性にテープにセリフを吹き込んでもらって練習しました」。

ただ、この映画は歴史の忠実な再現だけではない。“ホーム”や“純粋さの喪失”等、スピルバーグが意図するテーマは既に脚本の段階から明確だったそうだ。そこで、エリックに家族について聞いてみると、「家族は私にとって、最も大切なものです。私は両親や祖父母ともいい関係を築けたので、自分の子供たちにも同じような関係を築いてほしいと思います。この作品のテーマには“ホーム”というのもありますが、“祖国、故郷”といった大きなテーマも描いていると思いますね」。

スピルバーグ作品の中でもとりわけ政治色の強いこの作品。あなたどう評価する?

※本日の「ニュース23」でスピルバーグのインタビューが放映されます

2006 02 03 [インタビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Jan 31, 2006

『白バラの祈り――ゾフィー・ショル、最期の日々』スタッフ舞台挨拶

1月28日/日比谷シャンテ シネ
「私たちが正しいということは歴史が証明してくれた」(by フランツ・ミュラー)

20060128_1ベルリン国際映画祭3冠を始めとする数々の賞に輝き、2005年度アカデミー賞外国語映画賞でも最有力候補の1本と言われている『白バラの祈り――ゾフィー・ショル、最期の日々』(1月28日~日比谷シャンテ シネほか全国で公開〈地方は順次〉)。この公開初日に、監督のマルク・ローテムントと元“白バラ”メンバーのフランツ・ミュラー氏が来日し、舞台挨拶を行った。

ローテムントはこの作品が真実に基づいていることを強調し、「未公開だった尋問記録や、フランツ・ミュラーさんのように“時代の証言者”として当時の活動に加わっていた人、ゾフィーの姉妹といったいろいろな人からの情報提供を受け、この作品を創ることができた。この作品で示している自由、友情、勇気、弱者を助けようとする気持ち、あるいは真実を見極めようとする好奇心が皆さんの心に伝わってくれたら嬉しい」と語った。

また、ミュラー氏は、当時、白バラの一員として活動し、本作品のヒロイン、ゾフィー・ショルとも度々交流があったという。更に、ゾフィーが死刑になった約2ヵ月後にゲジュタポに捕らえられ、米軍に解放されるまで、760日間収監された経歴の持ち主。裁判の際には、本篇にも登場する、あの悪名高き裁判官フライスラーと4時間に渡って対決したという。

「760日間収監されたが、1日たりとも、一度たりとも自分たちの行動を後悔したことはない。自分たちの行動は正しいと信じ、自分の良心に従って行動した。その結果、私たちが正しいということは歴史が証明してくれた。私たちは生き残り、ナ