Apr 01, 2009
モーリス・ジャール、ヴィスコンティ。
アメリカ、ロサンゼルスで癌の治療中だった映画音楽の巨匠モーリス・ジャールが、2009年3月29日に84歳で亡くなりました。劇映画の遺作は『永遠のアフリカ』(2000、ヒュー・ハドソン)。新聞訃報欄の扱いがとても小さかったのが、何だか悲しかったです。
1924年9月13日、フランス、リヨンの出身。映画史に残る数多くの作品で音楽を担当、アカデミー賞最優秀作曲賞に9回ノミネートし、3作品で見事受賞を果たしました。オスカーに輝いた3作品は、『アラビアのロレンス』(1962)『ドクトル・ジバゴ』(1965)『インドへの道』(1984/D・リーン遺作)と、全てイギリスが生んだ巨匠デヴィッド・リーンの作品。その壮大なスケールの中、ジャールの雄大かつ繊細な旋律は見事な効果を上げていました。
リーンに限らず、多くの巨匠、名匠たちと仕事をし、素晴らしい音楽を創って来たジャールは、ヴィスコンティとも一度だけ組みました。それが『地獄に堕ちた勇者ども』(1969)です。また一人、ヴィスコンティと組んだ巨匠が逝ってしまいました。『地獄に堕ちた勇者ども』は、1933年のドイツに始まる鉄鋼財閥一族の崩壊劇を通し、ナチスが暴力と恐怖で権力支配を完成させる過程を異様なエネルギーで描いた野心的な大作です。でも、この作品のジャールの音楽は何となく居心地が悪そう。音楽自体の評価も決して高くはなかったと思います。それでも何度か観ていると、“これはこれでありかなぁ”という気がすることもあって……。
この機会に、久しぶりに『地獄に堕ちた勇者ども』を観てみたいと思います。
『地獄に堕ちた勇者ども』
“THE DAMNED/LA CADUTA DEGLI DEI”
1969年/スイス=イタリア=西ドイツ/154分/カラー/ヴィスタ/モノラル
出演/ダーク・ボガード、イングリット・チューリン、
ヘルムート・グリーム、ヘルムート・バーガー、他
DVD:ワーナー・ホーム・ビデオ 税込・3,129円
http://www.whv.jp/index.html
《2008年11月、名誉委員長として来日した第15回大阪ヨーロッパ映画際の様子》
第15回大阪ヨーロッパ映画際公式HP http://www.oeff.jp/
《ヴィスコンティ関連書籍》情報
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
http://www.cine-pause.com/book.htm
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
http://www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
2009 04 01 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Mar 27, 2009
『マリア・カラスの真実』、『トスカ』、ヴィスコンティ。
2008年12月19日以来の更新です。皆様、ご無沙汰しておりましたが、お元気ですか? 今回は、ヴィスコンティの“熱心”なファンの方に向けた情報をお届け致します。
まずは3月28日(土)からユーロスペースほか全国(地方は順次)で公開される『マリア・カラスの真実』。歌に生き、愛に生きた20世紀最高の“ディーヴァ”マリア・カラス。その栄光と孤独、波乱に満ちた53年の生涯に迫ったのがこの作品です。監督のフィリップ・コーリーは、単なる関係者のインタビュー集にするのではなく、本人のインタビューやアーカイブ映像を巧みに構成することで足跡を追い、誇張や虚飾を排したカラスの素顔、内面に迫ろうとしています。その中で観ることが出来るのが、オペラについて語るカラスとヴィスコンティ。ヴィスコンティ演出の下、見事な歌声と演技で観客を魅了したカラス。そんな二人の話は興味深く、しかもその映像は恐らく初出です。その他にも、カラスの生涯を彩った多くの芸術家、著名人が登場するこの作品。観逃す手はありません。
もう1つは、名作オペラの全幕をオリジナルDVD(2枚組2作品)+解説BOOKで楽しむことが出来る「DVD決定盤 オペラ名作鑑賞」シリーズ(全10巻)の最終巻として、2月27日(金)に発売された「トスカ」。この巻にはオペラ「トスカ」が2本収録されている他、カルロ・コッホの監督した映画『トスカ』が特別収録されています。映画『トスカ』はヴィスコンティを映画界に導いた一人、ジャン・ルノワールが第2次世界大戦の影響で監督を途中降板した作品で、ヴィスコンティは助監督(協力監督)として参加。衣裳兼助手を担当したルノワールの『ピクニック』(1946)と共に監督デビュー前の映画界での仕事を見ることが出来る貴重な作品で、今回が国内初ソフト化(フランスでビデオ発売はあったようです)のはずです。
ファンの皆様、『マリア・カラスの真実』と映画『トスカ』をぜひご覧下さい。
『マリア・カラスの真実』
“CALLAS ASSOLUTA”
2007年/フランス/98分/カラー、B&W/ヴィスタ/ドルビー(SRD:SR)
フィリップ・コーリー作品
配給:セテラ=マグザム http://www.cetera.co.jp/callas/
3月28日~ユーロスペースほか全国(地方は順次)
「DVD決定盤 オペラ名作鑑賞」シリーズ(全10巻)
vol.10「トスカ」(2月27日発売/税込4,800円)
発売:世界文化社
http://www.sekaibunka.com
『トスカ』
“LA TOSKA”
1944年/フランス/100分/B&W/スタンダード/モノラル
監督:カルロ・コッホ
出演:インベリオ・アルヘンティーナ、ミシェル・シモン、
ロッサノ・ブラッツィ、他
『ピクニック』
“UNE PARTIE DE CAMPAGNE”
1946年/フランス/40分/B&W/スタンダード/モノラル
監督:ジャン・ルノワール
出演:シルヴィア・バタイユ、ジョルジュ・ダルヌー、
ジャヌ・マルカン、他
DVD発売:紀伊國屋書店/5,040円
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》情報
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
http://www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
http://www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060
「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
http://www.choeisha.com/eiga.html
2009 03 27 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Dec 18, 2008
長い間ありがとうございました。
2006年9月7日から始めたこのコーナーですが、本日2008年12月18日をもってひとまず終了とさせて頂きます。もちろん、トップページからなくなるだけで、“シネマニュース”のカテゴリー“ヴィスコンティ映画祭”には残しておきます。何か必要があったらいつでも覗きに来て下さい。
今後、ヴィスコンティ作品の何らかの企画上映があったり、新たなDVD化が決まった場合は、このコーナーでご紹介して行きます(どこのメーカーさんでも構いません。難しいのは承知ですが、未だDVD化されていない『異邦人』『栄光の日々』『ある三面記事についてのメモ』『疲れ切った魔女』〈『華やかな魔女たち』から〉をぜひお願いします!)。
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
※現在上映中の劇場はありません。
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》情報
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
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「ルキーノ・ヴィスコンティ」
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「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
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「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
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2008 12 18 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Jul 09, 2008
そろそろ閉めようと思ったら……再び上映情報!
最後の更新は2007年12月6日。軽く半年以上放置状態だったので“このコーナー、そろそろ閉めようか……”と思っていたら、新しい情報が入って来ました。本サイトの読者にとっては“ロマンポルノ”コーナーでお馴染みの“頑張る名画座”シネマヴェーラ渋谷で、イタリア映画黄金期を回顧する特集「イタリア萬歳!」の開催が決定。ヴィスコンティ作品も4作品上映されることになりました。
上映されるのは『若者のすべて(完全版)』(1960年/177分)『山猫 イタリア語・完全復元版』(1963年/187分)『ルートヴィヒ 完全復元版』(1972年/237分)『イノセント 完全復元&無修正版』(1976年/129分※R-15指定)。クレストインターナショナルの配給で開催された「ヴィスコンティ生誕100年祭」(2006年10月7日~)のプログラムに『若者のすべて』を加えたセレクトです。目新しさはないかもしれませんが、どれも120分を超える作品ですから、集中力という点だけでも劇場で観るのがベスト(特に『ルートヴィヒ 完全復元版』)。未見の作品がある方は勿論、全て観ている方もお好きな作品を選んでぜひお出掛け下さい。僕も久しぶりなので、『若者のすべて』だけは観に行こうかと思っています。
それにしても、今回上映される作品のタイトルを眺めると、4作品とも「完全版」や「復元版」といった看板付(『若者すべて』は最近付けませんが、初公開時は140分短縮版。1982年に「完全版」の看板付が初公開)。今では不自由なく観られるようになったヴィスコンティ作品ですが、そのタイトルの変遷を眺めると、理解されるまでに掛かった時間を感じてしまいます……。
《ヴィスコンティ作品上映》情報
シネマヴェーラ渋谷(東京都/渋谷区)
特集「イタリア萬歳!」
2008年7月12日(土)~8月1日(金)
※上記特集内で『若者のすべて(完全版)』『山猫 イタリア語・完全復元版』『ルートヴィヒ 完全復元版』『イノセント 完全復元&無修正版』が上映されます。上映日程、タイムテーブル等の詳細は公式サイトをご覧下さい。
http://www.cinemavera.com/index.html
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
※現在上映中の劇場はありません。
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》情報
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
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※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
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「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
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「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
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「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
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2008 07 09 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Dec 06, 2007
まだまだ終わらなかった“ヴィスコンティ映画祭”
2006年10月7日に始まり、2007年9月22日に終了した“ヴィスコンティ生誕100年祭”(クレストインターナショナル配給)。その間、別企画の映画祭、イベントも開催され、日本各地で今も色褪せることのないヴィスコンティ作品が次々と上映されました。1年もの間、ヴィスコンティ作品をスクリーンで堪能させてもらい、本当に関係者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、以前も書いた通り“さすがにもう新たな企画は出ないだろう”と思っていたら、そんなことはありませんでした。今回は青森県青森市近辺の皆様にヴィスコンティ作品をお届けします。青森県では2007年6月9日から29日まで、シネマヴィレッジ8・イオン柏で“ヴィスコンティ生誕100年祭”[『山猫』(1963)『ルートヴィヒ』(1972)『イノセント』(1976)]が開催されましたが、今回は別作品。青森県立美術館シアターで「美術館の映画祭2007 美術館はヴィスコンティが大好き!」と題して、『若者のすべて』(1960)『熊座の淡き星影』(1965)『地獄に堕ちた勇者ども』(1969)『ベニスに死す』(1971)『ヴィスコンティの肖像』(1976、ルーカ・ヴェルトーネ/貴重なフィルムを使用した必見のドキュメンタリー)が上映されます。今回もほんの少しだけお手伝いさせて頂き、弊社書籍「ヴィスコンティを求めて」(柳澤一博/著)が10名様に当たる抽選会もご用意しましたので、お近くの方はこの機会にぜひ、ヴィスコンティの世界をご堪能下さい。
《ヴィスコンティ映画祭》情報
「美術館の映画祭2007 美術館はヴィスコンティが大好き!」
会期:2007年12月8日(土)・9日(日)
会場:青森県立美術館シアター
※タイムテーブル、チケット等の詳細は公式サイトをご覧下さい。
http://www.aomori-museum.jp/ja/event/19/
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
※現在上映中の劇場はありません。
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》情報
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
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※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20
070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
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※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
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ail?isbn=9784096801277&jcode=07060
「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
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2007 12 06 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Oct 23, 2007
“ヴィスコンティ生誕100年祭”終了。
2006年10月7日(~11月2日)に東京・新宿/テアトルタイムズスクエアで始まり、その後、日本各地を巡回した“ヴィスコンティ生誕100年祭”(クレストインターナショナル配給)。最後は2007年9月22日から東京・渋谷/Bunkamura ル・シネマ2に凱旋し、10月19日、遂に終了しました。

『山猫』撮影中のヴィスコンティ
ついつい2004年のレトロスペクティブとその規模を比べてしまいますが、贅沢を言ってはいけませんね。夏にイタリア文化会館で開催された映画祭+写真展にもつながっていったわけですし、1年間、この企画を動かし続けたクレストインターナショナルには本当に感謝です。今回の凱旋公開、最終週に無事『山猫』を観ることが出来ました。よって全3作品制覇です(笑)。
『山猫』、やっぱり素晴らしい作品です。最後がこの作品で本当に良かった。新たに原稿を用意する時間がないので、2004年に『イタリア語・完全復元版』が公開された時の試写室日記原稿(これは現在読めなくなっています)を採録しておきます。ちょっと手抜きっぽいですが、映画祭全体について思うことなど、また近々改めて書きますのでご容赦下さい。
『山猫』
《採録/試写室日記『山猫』》
「本物の映画だけが持つ輝きに満ちた、まさに至福の187分」
イマジカ第2試写室で巨匠ルキノ・ヴィスコンティの傑作、『山猫 イタリア語・完全復元版』(1963)。撮影監督ジュゼッペ・ロトゥンノが長らく取り組んでいた修復作業が終了し、遂に日本公開が決定。プレス編集のお手伝いをすることになり、一部関係者だけのかなり早めの内覧試写を観せて頂いた。ヴィスコンティに格別の思い入れがある身としては、本当に嬉しい限り。スクリーンでは14年ぶりの再見となったが、かつて褪色の激しかったテクニカラーは鮮やかな色彩を取り戻していた。素直に感動。
数あるヴィスコンティの傑作の中でも、彼が唯一自身を語ったという意味において非常に重要な位置を占める『山猫』。ところがこの作品は、当時の製作上、興行的理由によって2つのバージョンが存在することになってしまった。1つはシドニー・ポラックによって 161分に短縮された英語・国際版。ヴィスコンティが長さに込めた意味を、スピード命のアメリカ人は恐らく理解できなかったのだろう。その感覚でカットされた作品は、ただただ忙しなくなってしまった。だが、保存の良好なデラックスカラーの鮮やかな発色は魅力的だ。そしてもう1つが、今回修復を施された185分のイタリア語版。ゆったりとした時の流れの中で繰り広げられるドラマは、英語・国際版など比較にならないぐらい魅力的だが、保存の悪さで褪色したテクニカラーは全く哀しい状態だった。その色彩を修復し、本来あるべき姿に戻したのが、この『山猫 イタリア語・完全復元版』である。これで、色彩のためだけに、我慢して英語・国際版を観るということも二度とないだろう。
統一戦争に揺れるイタリア、シチリア島。名門貴族サリーナ公爵(バート・ランカスター)と、新しい時代を担う若き恋人たち、タンクレディ(アラン・ドロン)とアンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)の対比を通して、滅びゆく貴族階級の最後の輝きを絢爛豪華に描き上げた一大叙事詩。それは、名門貴族に生まれ育った洗練で映画史上唯一無二の存在となったヴィスコンティのみが創り得た、まさに至福の187分(2分増えているのは、修復に関するクレジット、ロトゥンノの修復に関するコメント等。本篇の改編はない)。特に、アメリカ人には切られてしまった、全篇の約1/3に及ぶ大舞踏会は圧倒的、陶酔感の極み。その豊かな時にあるのは、本物の映画だけが持つことのできる輝きだ。公開がもう少し近づいてきたら、その素晴らしさについては改めてご紹介しようと思っている。
『白夜』(1957)『熊座の淡き星影』(1964)のリバイバルに続き、いよいよ代表作中の代表作が最良の状態で登場するヴィスコンティ。今秋には大規模なレトロスペクティブも開かれるとのことなので(全作品上映の噂も聞いた。本当だとしたら凄い。やっとだ!)、この機会にファンだけでなく、1人でも多くの人にその芸術世界を観て欲しい。そこには、どんな時も深く人間を見つめ、その未来を信じた、今こそ必要な、厳しさゆえに暖かいヴィコンティの人間愛に貫かれた世界があるからだ。
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
※現在上映中の劇場はありません。
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》情報
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20
070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_det
ail?isbn=9784096801277&jcode=07060
「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
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2007 10 23 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Oct 16, 2007
“ヴィスコンティ映画祭2004”ブログ採録
最近ヴィスコンティのファンになったという方から、「2004年に開催されたレトロスペクティブについて、どんな様子だったか教えて下さい」という嬉しいお便りを頂きました。すぐにでも原稿を書きたいところですが、ちょっと立込んでいてすぐに書き上げるのは難しいのが現状です。ごめんなさい。そこで代わりに、現在は読むことが出来なくなっている、リアルタイムで書いたブログ(文章のみ)を採録することにします。気になる箇所もあるのですが、“リアルタイム”ということにこだわって敢えて修正はしないことにしました。これで少しでも2004年の映画祭の雰囲気を感じて貰えれば嬉しいです。そして、まだまだ未見の作品があるとのことですから、頑張って観て下さいね。僕もまだまだ追いかけます。
映画祭公式プログラム
下記アドレス(朝日新聞新聞社)より購入出来ます。
http://shop.asahi.com/shop/showcase?showcase_id=20
「ヴィスコンティ映画祭2004」ブログ(採録)
前置き
好きな作家を問われれば、迷うことなく、現役という点からまずは“スティーブン・スピルバーグ”。もちろん、他にも素晴らしい作家、好きな作家はいるけど、1人挙げるならやっぱりスピルバーグ。そして子供時代、既に亡くなってはいたけど、最初に「好き」と言える存在になったのが“ルキーノ・ヴィスコンティ(1906~1976)。当時は「ルキノ・ヴィスコンティ」と表記)”でした。
1981年の確か2月、小雪舞う午後。岩波ホールで初公開されていた『ルードウィヒ/神々の黄昏』(『ルートヴィヒ』の初公開版。185分)を観て、子供心にだけど言葉にできない感動を覚え、震えました。スピルバーグにはまだ、単純に楽しむ以上の観方を発見ができなかった子供の頃。思えば、『ルードウィヒ/神々の黄昏』を観たのは背伸びのし過ぎだったかもしれません。でも、初めてのヴィスコンティは間違いなく、薄々感じ始めていた“映画の凄さ”を確信させてくれたはず。その時、「この感動をたくさんの人に伝えたい」と思ったのが、今の仕事を目指したきっかけになったのだから。そしてその後、大学で映画の勉強をして、「ヴィスコンティ論」を卒論に書いて卒業し、何とか今に至っているというわけです。今回の《ヴィスコンティ映画祭》のことを聞いた時は、嬉しくて仕方ありませんでした。何しろそれは“未公開作品も含めた全作品の修復版上映”という凄すぎる内容。プログラムを確認した日には狂喜乱舞。編集部で1人、興奮してました。『疲れ切った魔女』を除く全作品が、ローマの国立映画学校/映画保存機関“チネテーカ・ナツィオナーレ”が15年間掛けて復元したプリントで上映される! 日本では、興行にも批評にもリアルタイムには理解されなかったヴィスコンティの全貌を一度に確認できる機会が、ようやく来たのです!嬉しい!!
10月8日(初日)
《ヴィスコンティ映画祭》開幕。『疲れ切った魔女』(『華やかな魔女たち』から)を除く全作品が、チネテーカ・ナツィオナーレが15年間掛けて復元した貴重な修復プリントで上映される。資料に「ヴィスコンティの全貌をスクリーンで体験できる最初で最後の機会になるでしょう」と書いてあるけど、大袈裟ではなく、本当にそうなるかもしれない。“修復プリントで”とつけ加えればその信憑性は更に高くなるはず。“とにかくできるだけたくさん観ておきたい”。そう思い、チケットを買っていない作品も観るために数日前からスケジュール調整を始めるが、これがなかなか上手くいかない。記念すべき最初の上映は『揺れる大地』、そしてその後、開会式を挟んで『山猫』が上映された。
『山猫』は、19世紀末のイタリア統一戦争時代のシチリアを舞台に、老公爵サリーナ(バート・ランカスター)を通して滅び逝く貴族階級の最後の輝きを描いた絢爛豪華な超大作。原作はシチリア貴族、ジュゼッペ・トーマジ・ディ・ランペドーサの同名小説。ヴィスコンティは否定しているが、唯一その心情が語られた作品で、生涯の代表作ともなった中期の傑作だ。イタリアが国家予算で修復したその映像は、カットされた英語版(161分)プリントだけが皮肉にも維持することになった鮮やかな色彩を見事に取り戻していた。
『揺れる大地』はシチリア漁民の苛酷な現実を古代の叙事詩的風格すら漂う映像で描いた作品。全出演者を地元の人々からキャスティングしたことも含め、“ネオレアリズモの頂点”と位置付けられている。『山猫』が、この秋のリバイバル公開用のプレス編集のために立て続けに2回程観た後だったということもあり、今日は編集部での仕事に専念することにした。『揺れる大地』はしばらくスクリーンで観ていないし、『山猫』とはヴィスコンティ作品を考える上で重要な“シチリアつながり”の関係にある作品なのでちょっと迷ったけど、諦めた。
10月9日(2日目)
超巨大台風が関東地方直撃コースを驀進中。初回はガブリエーレ・ダヌンツィオの同名小説の映画化、『イノセント』。19世紀末のローマ社交界を舞台に、デカダンな貴族トゥリオ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)を通し、遺作とは思えない艶やかな官能美を見せた傑作。ボロボロのプリントで初めて名画座で観て以来大好きな作品。観たかったけどヤボ用があり観られない。2回目の『前金』と『栄光の日々』の2本立を観る。3回目の『若者のすべて』は、イタリア南部から北部ミラノに移住したことで崩壊していく家族の姿を、その兄弟の三男ロッコ(アラン・ドロン)を中心に描いた前期最後の作品。“ヴィスコンティが最も愛した”と言われる傑作だけど、チケットを買っていなかったことと、それより何より終映時間に台風で電車が止まっている可能性があったのでやめにした。何度か観ているしもう一回上映されるから、その時にスケジュールが空いていたら観ることにしよう。
ギイ・ド・モーパッサンの「ベッドの端で」を映画化した『前金』はオムニバス作品『ボッカチオ'70』の第3話。第1話はマリオ・モニチェッリ(初公開時、総上映時間225分が長すぎると判断され、俳優の知名度が低いこの挿話はカット)、第2話はフェデリコ・フェリーニ、第4話はビットリオ・デ・シーカ。恐らくヴィスコンティ・イメージとは合わない艶笑譚だが、場内では笑いが起きた。スクリーン初だけど、思っていた以上に舞台劇っぽさが残る小品。ただし、前期ヴィスコンティの終わりを告げた『若者のすべて』の直後のこの作品は、やはりテーマ面で後期ヴィスコンティを予告している。日本初公開の『栄光の日々』は、1943年9月~1945年春のイタリアの終戦へ向けての戦いを追ったドキュメンタリー。今まで、文献とドキュメンタリーで一部しか確認できなかった貴重な映像をやっと観ることができた。イタリアでも初公開後に行方不明になり、1970年に発見、復元されたという。
10月10日(3日目)
初回は『夏の嵐』。原作はカミッロ・ボイドの「官能」。19世紀、墺伊戦争に揺れるヴェネツィアを舞台に、伯爵夫人リヴィア(アリダ・ヴァッリ)とオーストリア将校フランツ(ファーリー・グレンジャー)の激しい恋の顛末を描いた大作。“メロドラマと歴史性の融合”という生涯のテーマが初めて見事に結実した、ヴィスコンティ初期の傑作だ。観たかったけど雑用に阻まれ断念。2回目の『ある三面記事についてのメモ』と『熊座の淡き星影』の2本立、3回目の『ベリッシマ』を観た。
『ある三面記事についてのメモ』は実験的ニュース映画『月刊記録第2号』の一篇。日本初公開。最初は15分だったが、長篇劇映画と併映する都合上、8分に再編集。ところがそれを検閲が却下。後にプリントは何らかの意図で破棄されたと思われ、現在は5分の短縮版しか残っていない。『熊座の淡き星影』はギリシア神話「エレクトラとオレステス」をモチーフにした名門家族の崩壊劇で、禁忌に塗り込められた後期ヴィスコンティ世界の始まりを告げた作品だ。この作品のオリジナル・ネガとマスター・ポジは未だに行方不明だという。今回のプリントも十分に綺麗だったが、輝くようなモノクロの映像が美しい作品だけに、何とかオリジナルとマスターが見つかって欲しい。
娘を映画界に入れようと奮闘する母親マッダレーナ(アンナ・マニャーニ)の姿を描いた『ベリッシマ』はスクリーン初。まず驚いたのは、“こんなにやかましかったか?”ということ。マニャーニだから当然かもしれないが、彼女だけではなく、彼女を囲むイタリアの(肝っ玉)母ちゃんたちまでもが相当やかましい。そのおかしさに、場内はヴィスコンティ作品らしからぬ笑いの洪水。『揺れる大地』でネオレアリズモの頂点を極めた後、早くもそこに問題提起をしたフシのある点が改めて注目される作品だが、まずはそういうことは忘れ、ヴィスコンティが念願かなって迎えたマニャーニの豪快な魅力を楽しみたい。
10月11日(4日目)
初回の『郵便配達二度ベルを鳴らす』、2回目の『アンナ・マニャーニ』と『白夜』の2本立を観る。3回目の『地獄に堕ちた勇者ども』は別日のチケットを、昨日、追加購入したので今日はパスする。
ジェイムズ・ケインの同名小説が原案の『郵便配達二度ベルを鳴らす』。完全版としては初公開。舞台をアメリカからイタリアに変え、流れ者のジーノ(マッシモ・ジロッティ)と簡易食堂の女、ジョヴァンナ(クララ・カラマイ)の愛憎劇を描く。劇場公開版より約10分、DVD等のソフト版より約20分長く、その分、当時の検閲に睨まれた「イタリアの混乱」がより強く匂い立つ。ネオレアリズモを準備したと評価されるこの作品のオリジナルは、第2次世界大戦の混乱と検閲で今のところ失われたとされている。今回の版の修復は、戦後、複数箇所からバラバラの状態で発見されたフィルムをヴィスコンティができるだけオリジナルに忠実に修復したプリントに加えられている。そのためフィルムのダメージが大きく、修復はまだ続いているという。
『アンナ・マニャーニ』は、オムニバス映画『われら女性』の第5話。ちなみに、プロローグはアルフレード・グァリーニ、第2話はジャンニ・フランチョリーニ、第3話はロベルト・ロッセリーニ、第4話はルイジ・ザンパ。これはつい最近までソフト化もなく、初見。ヴィスコンティが『ベリッシマ』に続いで組んだマニャーニが楽しい作品だった。『白夜』は、F.M.ドストエフスキーの同名短篇小説に基づく御伽噺。一昨年末のリバイバルで既に、撮影監督ジョゼッペ・ロトゥンノの監修による美しい修復版を観賞済。観れば観る程に、当時の「ネオリアリズモからの後退」という単純な批判が理解不能だ。単に作品の外面しか見なければそうなるかもしれないが、ヴィスコンティが外面だけを塗り固めた御伽噺を撮るわけがない。そういえば、音がこの前のプリントよりもクリアな気がした。修正されたのか? 気のせいか?
10月12日(5日目)
初回、日曜日に『地獄に堕ちた勇者ども』と一緒に追加購入した『ベニスに死す』を観る。2回目の『夏の嵐』は編集部に戻っての作業があってどうしても無理。残念だけど、これで『夏の嵐』を観る機会は終わり。DVDで観た鮮やかな色彩、スクリーンで観たかったなぁ……。3回目の『疲れ切った魔女』と『異邦人』の2本立は別日を購入済。
『ベニスに死す』は、トーマス・マンの同名中篇小説に基づく映画化。原作では小説家だった初老の主人公グスタフ・フォン・アッシェンバッハは、「映画で表現するのは難しい」という理由から作曲家(ダーク・ボガード)に変更された。その結果、美を求める者の恍惚と苦悩、歓喜と絶望が、映像と音楽のこの上ない耽美的融合の中で描かれた傑作となった。美の象徴としてギリシア彫刻のような美少年、タッジオ(ビヨルン・アンドレセン)が配されたため、同性愛的な文脈に傾きすぎた解釈も多々あるが、それは危険。ヴィスコンティの本意はそこにはない。“努力と健全な精神によってのみ美は生まれる”と信じていた芸術家が、努力とも道徳とも無縁に“美”を身につけた少年を見る。その前に、芸術家が長年自分の支えにしきた芸術観は一瞬にして、脆くも崩れ去った。これはあくまでも、“芸術家と美”についての物語だ。もし仮に、タッジオのキャラクターが少女になってたらどうだろう? それでは“美の象徴としてギリシア彫刻”というニュアンスは出なかったろうし、それこそ違う意味が出てしまった危険性が高い。この作品、「ヴィスコンティと言えばこれ」というぐらい、日本では批評家にも観客にも人気がある。そうした風潮がどうも解釈の妨げになるような気がしてしばらく意図的に避けていた。でもやはり、良い比較ではないけど「原作を超えた(数少ない)作品」という意味だけでも傑作。とにかく美しいし、完璧かもしれない。と、言いながら、ヴィスコンティ作品の中で実はそれ程好きな方ではないのだど……。
10月13日(6日目)
初回の『アンナ・マニャーニ』と『白夜』の2本立は観賞済。2回目、バイエルン国王ルートヴィヒⅡ世(ヘルムート・バーガー)の絶望と裏切りに満ちた孤独で壮絶な人生を描いた『ルートヴィヒ』は、ドイツ三部作の最後を飾るヴィスコンティ入魂の大作。ヴィスコンティはこの作品の精神的にも肉体的にも苛酷な撮影が災いし、脳血栓に倒れた。それにもかかわらず、初公開時は、ヴィスコンティと映画会社の契約によってやむなく184分に編集された版が『ルードウィヒ/神々の黄昏』として公開された。それでも十分いい映画だったと思う。ちなみに英語版はヴィスコンティに無断で更にカットされ、僅か140分だった。それを知ったヴィスコンティは“私の作品はコマーシャル・フィルムになってしまった”と激怒したという。今回上映されるのは、ヴィスコンティの死後、スーゾ・チェッキ・ダミーコらヴィスコンティ組のスタッフが散逸したカット・フィルムを集め、ヴィスコンティの意図した通りの構成に編集し直した237分の復元完全版だ。
いろいろな意味で“伝説的”なこの作品は今回の映画祭で一番人気だったらしく、この後、10月17日(日)の上映分は早い時期に売切れたという。そして今日の上映も電話で事務局に問い合わせたところ、「当日券は僅か」で、それを買うためには「最低でも、開場13時の1時間前には並ばなければならない」とのこと。こんな状態になっている作品は他にない。レギュラーのラジオ生出演の仕事があって、とてもではないけど12時から並ぶのは無理。諦めた。大好きな作品なのだけど、今回はもう観ることはできない。しばらく観られなかったわけでも、ソフト化されてなかったわけでもないのに……こんなに人気あったかなぁ、この作品。10月17日(日)のチケットを後買いで買い逃した時点で、今日のチケットをすぐに買っておけばよかった。後悔先に立たず、とはこのこと……(涙)。
10月14日(7日目)
初回の『前金』と『栄光の日々』、2回目の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は観賞済。3回目の『イノセント』は大好きな1本。前回逃しただけに観たかったけど、《Pause DVD THEATER(WB試写室/『間違えられた男』)と重なってしまって無理。しまったなぁ……。
10月15日(8日目)
初回、10日(日)に『ベニスに死す』と一緒に追加購入した『地獄に堕ちた勇者ども』を観る。2回目の『ベリッシマ』、3回目の『ある三面記事についてのメモ』と『熊座の淡き星影』の2本立は鑑賞済。
ドイツ三部作の幕開けを飾る『地獄に堕ちた勇者ども』は、前作『異邦人』でカミュ未亡人に「小説に忠実」を強いられたヴィスコンティが、抑えつけられ創造力と才気を大爆発させたパワフルな傑作だ。ナチスの暗黒を、人間の心の奥底に潜む邪悪を抉り出したが如きダークなトーンが全篇を覆い尽くす物語は、今も全く色褪せていない。もちろん、三島由紀夫も大絶賛したナチス親衛隊の突撃隊虐殺“血の静粛”のシークエンス等の映像も依然圧倒的だ。シェイクスピアの「マクベス」、ドストエフスキーの「悪霊」、マンの「ブッテンブローク家の人々」から想を得ているが、原案と脚本はヴィスコンティ、ニコラ・バダルッコ、エンリコ・メディオーリのオリジナル。ナチスの暴走をまだ止められたかもしれない1933年。ドイツ、バイエルン地方の鉄鋼財閥エッセンベック家で、一族首長直系の孫マルティン・フォン・エッセンベック(ヘルムート・バーガー)とその母ゾフィ(イングリット・チューリン)とその従弟で親衛隊大佐のアッシェンバッハ(ヘルムート・グリーム)、そして3人の力で突撃隊幹部にしてライバルの会社役員コンスタンティン・フォン・エッセンベック(ルネ・コルデホフ)を蹴落として新総支配人に就任した会社役員フリードリッヒ・ブルックマン(ダーク・ボガード)らによる、野心と陰謀渦巻く権力闘争の幕が切って落とされた……。崩壊していく家族の様に人間の真実を見つめたヴィスコンティ作品の中でも最も壮絶なドラマが展開するこの崩壊劇が描くのは、ナチスが暴力と恐怖で権力支配を完成させていく過程だ。この作品は古くなるどころか輝きを増していたが、それは例えば、描かれている暴走する権力の恐怖が、大なり小なりごく普通に世界を支配しているからだろう。これまで観てきた中では、この『地獄に堕ちた勇者ども』の修復が圧倒的に素晴らしかった。それでも資料によると、この作品にはまだ、当時の検閲でカットされた10分程度が欠落している。その修復を終えた版を早く観たいと思った。
10月16日(9日目)
初回、『疲れ切った魔女』と『異邦人』の2本立を観る。2回目の『揺れる大地』、3回目の『家族の肖像』はヤボ用があって観られない。『家族の肖像』はもう1回あるけど、『揺れる大地』は今日が最後。残念。
『疲れ切った魔女』はオムニバス作品『華やかな魔女たち』の第1話。初見。“数々の伝説(!?)”を残す“剛腕プロデューサー”、ディーノ・デ・ラウレンティスが、当時の妻で“イタリアの名花”と謳われたシルヴァーナ・マンガノのために製作したワンマン作品。第2話はマウロ・ボロニーニ、第3話はピエロ・パオロ・パソリーニ、第4話はフランコ・ロッシ、第5話はビットリオ・デ・シーカ。冬のアルプス、人気女優グロリア(マンガノ)は友人ヴァレリア(アニー・ジラルド)の誕生祝いのため山荘を訪れる。場は大いに盛り上がるが、グロリアは過密スケジュールによる過労のせいか気を失ってしまい……。露出と隠蔽。ヴィスコンティ作品では“化粧”が重要な役割を果たすが、それが判りやすく提示されているのが確認できて良かった。後期ヴィスコンティ作品に欠かせないヘルムート・バーガーが、小さな役で初登場。
『異邦人』は初公開以来の35mmプリントでの公式上映のせいか、場内満席。TV放送のズタズタの短縮版は何度も観たけど、ノーカット版は初見。アルジェの船会社に勤めるムルソー(マルチェロ・マストロヤンニ)がささいなことから殺人事件を起こし死刑にされるまでを描き、人間と社会の不条理を浮かび上がらせたアルベール・カミュの同名小説の映画化。これは「ヴィスコンティ唯一の失敗作」と言われるが、確かにそうかもしれない。短縮版しか観ていないからおぼろげだけど、僕もそう思っていた。ただ初めてノーカット版を観て思ったのは、“単に「失敗作」でいいのか?”。「小説に忠実」にこだわるカミュ未亡人にアイデアを全て否定されながら監督を降りなかったヴィスコンティの狙いとその結果は、一度では判断しづらい。いろいろ確認しながらももう一度だけでも観たいが、この作品は権利関係が複雑というかはっきりしないようなので難しいだろう。もうしばらく、思い出しながら考えてみるしかない。ジュゼッペ・ロトゥンノのカメラは絶品。海と空、あのブルーは美しくも狂気めいて、妖しく魅惑的だ。
10月17日(10日目)
初回の『ルートヴィヒ』は早々に“売切”になったので、観たかったけど無理。同業の弟がチケットを買っていたので会場の様子とプリントの状態を聞くと、やはり“場内は満席。プリントは綺麗だった”と言う。思わず「いいなぁ~」と言うと、「それが、ちょっと問題があってさ」。聞けば、「映写状態が悪かった。というか、乱暴に思えた」ということらしい。何故だろう? まさか映写がヘタだったなんてことはないよね……貴重な上映なんだからさ……。2回目の『ベニスに死す』は先日観賞済。ちなみに、いつなったのか判らないけど、この上映も“売切”だった。この日の2本、ヴィスコンティの一般的イメージ(「美しい男」とか「デカダンス」とか……)にピッタリだからだろうか?
10月18日(最終日)
チケットを16日(土)に購入した初回の『若者のすべて』を観る。2回目の『家族の肖像』は、何となく会議とかが入りそうな予感がしてチケットを買わないでおいたら、やっぱり動かせない用事が入った。家族を描いた絵画に囲まれて暮らす初老の孤独な教授(バート・ランカスター)の姿に、家族の在るべき姿を問い、同時にヨーロッパ文明の終焉を重ねたこの作品。ヴィスコンティが血栓症のリハビリ明けに、しかもスタジオで撮ったためこじんまりしているが、その分、良くまとまっている。結局、今回の映画祭で、『夏の嵐』『ルートヴィヒ』『イノセント』『揺れる大地』『家族の肖像』の作品を観逃してしまった。
先にも触れたように、『若者のすべて』はヴィスコンティが最も愛着を感じていたと言われる作品。家長の死をきっかけに、南部ルカーニアから北部ミラノに移住するパロンディ家。母親ロザリア(カティーナ・バクシー)は4人の息子たちを連れ、そこで暮らす長男ヴィンチェンツォ(スピロス・フォーカス)を訪ねるが、ジネッタ・ジャンネッリ(クラウディア・カルディナーレ)との結婚を控えあまり頼りにならない。大都市の生活は厳しく、強かった家族の絆はやがて壊れていく。次男シモーネ(レナート・サルヴァトーリ)は娼婦ナディア(アニー・ジラルド)に溺れて身を持ち崩し、三男ロッコ(アラン・ドロン)はそんな兄をかばって望まない道を歩き始める。そうした中、四男チーロ(マックス・カルティエ)は何とか足場を固め、五男ルーカ(ロッコ・ヴィドラッツィ)はパロンディ家の希望を背負って未来と故郷を見つめていた……。南部移民の問題と人間の業を抉ったこの作品は、ヴィスコンティ前期を締めく括った、ヴィスコンティらしさに満ちたまぎれもない傑作だ。ところで上映中、とんでもないことがあった。ナディアがロッコと真剣に恋におちたことにシモーネが逆上、チンピラ仲間を従えてロッコの目の前でナディアをレイプする。その後、共にボクシングをやっているロッコとシモーネは殴り合いを繰り広げるのだが、ロッコのパンチがシモーネに決まった瞬間、「殺っちまえー!」という男性の大声が場内に炸裂。そして一瞬の間の後、場内はクスクス笑いの渦に……。僕は固まってしまったけど……(苦笑)。
あとがき
ヴィスコンティの全作品が、しかも修復版で上映された2004年秋。何だか、不思議な感じがした。卒論で「ヴィスコンティ論」を書いていた15年ぐらい前には、“観たい”とは思っても“観られる”とは思っていなかった《レトロスペクティヴ》。それが“未公開作品も含む全作品を修復版で上映”というベストの状態で開催され、傑作『山猫』は映画祭が終わった週末から劇場公開されている。日本での最初の不遇を思うと、これはやっぱり、何となく不思議な感じがしてしまった。ヴィスコンティは、19世紀の欧州文化を核に創作を展開した20世紀の映画作家。そんな彼の世界は、今再び、多くの人に観られるべき内容だと思うけど、21世紀の観客、特に初めての観客の目に、その世界はどう映ったのだろう。「『山猫 イタリア語・完全復元版』が初日前回フルキャパ」という記事を見ながら、ふと、そんなことを思った。
それと、ヴィスコンティ作品とは別に思ったことが1つ。初めてではないけれど、“フィルムは儚い……”ということ。フィルムの最良の保存には、実はかなりデリケートさが必要。ところがつい最近までそれがなされなかったがために、多くのフィルムが傷み、上映不可能な状態になっているものもある。初期の作品には完全に失われたものもあるだろう。どんなに優れた作品でも、保存が悪ければ消えてしまう映画。幸いヴィスコンティ作品は、作品によって状態の差こそあれ残っていた。そして『山猫』は、国家予算を使った文化事業として修復され、他の作品もチネテーカ・ナツィオナーレが修復を続けている。ヴィスコンティ作品とそのファンは幸せだと思った。今まで創られてきた数多く作品の、一体どれだけが同じような手当を受けられているのだろう。フィルム修復は、今後益々重要になるはず。とても嬉しいレトロスペクティヴだったけど、ちょっと複雑な気分になった。とはいえ、ヴィスコンティ研究の第一人者、映画評論家の柳澤一博さんも「復元版を纏めて観られるのは今回が最後だと思う」と言う今回のヴィコンティ映画祭、取りこぼしがあったのは悔やまれるけど、十分に堪能しました。2006年はヴィスコンティの生誕100年。何かやれればいいな、と思ったりもしたのでした。
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※タイムテーブル等、詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《お知らせ》
※「ヴィスコンティを求めて」の著者・柳澤一博が1980年に初版、1989年に新装版を出版した書籍「ルートヴィヒ」(装丁が違うけで初版、新装版共に中身は同じ。発売元:ケイブルホーグ、発行元:山猫書房)が、ル・シネマで10月6日から限定数で発売される予定です。完成版ではカットされた最後のエピソードが残っている脚本や評論、撮影日誌、等を収めた貴重な1冊。現在は絶版ですので興味のある方はお早めにどうぞ。
《ル・シネマで販売中のヴィスコンティ関連書籍》
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060
※その他、関連商品として、『山猫』『ヴィスコンティ生誕100年祭』のポスター、『山猫』のポストカードセット、『山猫』のプレスシート、2004年に開催された『ヴィスコンティ映画祭』の公式プログラム等も販売されています(品切の可能性もあります)。
2007 10 16 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Oct 06, 2007
“ヴィスコンティ生誕100年祭”、折り返しです。
東京・渋谷/Bunkamuraル・シネマで凱旋公開中の“ヴィスコンティ生誕100年祭”(クレストインターナショナル配給)も、いよいよ今度の土曜日、10月6日で折り返し。開催期間はあと2週間、10月19日(金)迄です。皆様お誘い合わせの上、“イタリア最後の巨匠が放つ絢爛たる美と官能”をぜひご堪能下さい。
第1週目は『イノセント』、今週は『ルートヴィヒ』を観て来ました。ヴィスコンティが執念で完成させた、“欧州一美しい”と謳われたバイエルン国王“ルートヴィヒⅡ世”の孤独と破滅の物語。約4時間。体力と気力を要する重厚かつ沈鬱な作品で、観終わった後、決して明るい気分にはなれないでしょう。そのレベルは、大なり小なり悲劇で終わる全てのヴィスコンティ作品の中でもかなりのもの。それでも、ヴィスコンティの主人公に対する距離感が絶妙なこの作品はとても美しく、定期的にスクリーンで観たくなります。今回、約1年振りのスクリーンでしたが、次はいつになることでしょう。
“重厚かつ沈鬱”、なこの作品ですが、今回だけは観終わって何かふっ切れたというか、いい気分になりました。それはこの作品が自分にとって“出発点”になっている大切な作品だからかもしれません。何かこう、精神的に弱っている時に自信を持たせてくれる、という感じの作品なのです。
さて、最後に残ったのは、これまた思い入れの深い『山猫』です。会期は残り2週間、いつ行こうかな……。
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※タイムテーブル等、詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《お知らせ》
※「ヴィスコンティを求めて」の著者・柳澤一博が1980年に初版、1989年に新装版を出版した書籍「ルートヴィヒ」(装丁が違うけで初版、新装版共に中身は同じ。発売元:ケイブルホーグ、発行元:山猫書房)が、ル・シネマで10月6日から限定数で発売される予定です。完成版ではカットされた最後のエピソードが残っている脚本や評論、撮影日誌、等を収めた貴重な1冊。現在は絶版ですので興味のある方はお早めにどうぞ。
《ル・シネマで販売中のヴィスコンティ関連書籍》
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
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※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
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「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
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※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060
※その他、関連商品として、『山猫』『ヴィスコンティ生誕100年祭』のポスター、『山猫』のポストカードセット、『山猫』のプレスシート、2004年に開催された『ヴィスコンティ映画祭』の公式プログラム等も販売されています(品切の可能性もあります)。
2007 10 06 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 30, 2007
“ヴィスコンティ生誕100年祭”開催中!
東京・渋谷/Bunkamuraル・シネマで、クレスト配給の“ヴィスコンティ生誕100年祭”が凱旋公開中です。
第1週目、一先ず『イノセント』を観て来ました。イタリアの空気がいっぱいのこの作品、やっぱりかなり好きなヴィスコンティです。さて、来週はどうしようかな? 皆様もぜひお出掛け下さいね。
『イノセント』
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※タイムテーブル等、詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ル・シネマで販売中のヴィスコンティ関連書籍》
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20
070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
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2007 09 30 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 21, 2007
“ヴィスコンティ生誕100年祭”凱旋!!
いよいよ明日から、東京・渋谷/Bunkamuraル・シネマで、クレスト配給の“ヴィスコンティ生誕100年祭”の凱旋公開が始まります。皆さん、ぜひお出掛け下さいね。

ヴィスコンティの作品、特に長尺の作品を観るにはかなりの集中力を要します。ですから、今回上映の3作品が全てDVD化されているとはいっても、集中力という点だけを考えてもやはり劇場で観るのがベスト。特に、240分という大作『ルートヴィヒ』をDVDで集中して観るのはなかなか難しいことでしょう。僕も時間の調整をして、何とか各作品1回は観に行きたいと思っています。
今回は映画祭情報と併せて、“ヴィスコンティ生誕100年祭”が始まる前後に出版された書籍の情報等を、もう一度整理してご紹介しておきます。映画を観た後で読んでみてはいかがでしょうか? きっと、ヴィスコンティの世界により魅了されることと思います。
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※タイムテーブル等、詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《ヴィスコンティ関連近刊書籍》
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
※著者インタビュー掲載
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
※本サイト編集長・内田達夫も一部執筆しています。
「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
www.choeisha.com/eiga.html
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信・撮影 小学館 9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060

2007 09 21 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Aug 28, 2007
速報! “ヴィスコンティ生誕100年祭”凱旋!!
前回、イタリア文化会館で開催された“―生誕100年記念―ヴィスコンティの遺香 篠山紀信・写真展&ルキーノ・ヴィスコンティ映画祭”が「生誕100年に関連した大きなイベントは、東京ではこれが最後、一区切りになると思います」と書きましたが、
何とクレスト主催の“ヴィスコンティ生誕100年祭”が東京、渋谷に帰って来ます! 昨年10月7日から新宿・テアトルタイムズスクエアを皮切りに始まった訳ですから、日本全国を巡回して1年振りの凱旋。これはとっても嬉しいことですよね、ファンの皆さん!と、いうことで、何か書こうと思ったのですが、ちょっとアイデアがまとまりませんので、取り合えず上映情報をUPしておきます。もう何度も観た方もまだの方も、今度こそ(←本当か!?)逃してしまうと暫く大きなスクリーンで観られないかもしれません。今からスケジュール調整をして初日を待ちましょう!!
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉Bunkamura ル・シネマ
2007年9月22日~10月19日
※当日1,300円均一の特別興行のため、前売券、10月1日のサービスデー、
日曜最終回割引、シニア料金はありません。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cinema/index.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《書籍「ヴィスコンティを求めて」》情報
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」 柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
《ヴィスコンティ関連新刊書籍》情報
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版 篠山紀信:撮影/小学館 2007年7月19日発売/価格9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060
2007 08 28 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Jul 25, 2007
ヴィスコンティ写真展+映画祭、いよいよ開幕!
“―生誕100年記念―ヴィスコンティの遺香 篠山紀信・写真展&ルキーノ・ヴィスコンティ映画祭”が、いよいよ7月20日、東京・イタリア文化会館で開幕! 生誕100年に関連した大きなイベントは、東京ではこれが最後、一区切りになると思います。フライヤーの原稿等で僕も少しだけお手伝いさせて頂いたこのイベント。始めての方もファンの方もヴィスコンティの世界を堪能出来ることと思いますので、ぜひお出掛け下さい。僕も写真展と映画数本を観に行きたいと思っています。
ところで、篠山紀信・撮影の写真集「ヴィスコンティの遺香・愛蔵版」も、遂に7月19日に発売になりました。これは、1982年に発売されて“ファン必携の1冊”と言われた同書の増補改訂版。長らく絶版状態のままになっていましたが、今回、生誕100年記念ということで、「ヴィスコンティを求めて」の著者・柳澤一博も参加した増補改訂を経て復刊しました。これは、前の持っていてもいなくても、ファンなら欲しくなる1冊。勿論、僕も買います。
《―生誕100年記念―
ヴィスコンティの遺香 篠山紀信・写真展&
ルキーノ・ヴィスコンティ映画祭》情報
写真展:2007年7月20日~8月19日
イタリア文化会館
映画祭:2007年7月24日~8月2日
イタリア文化会館/B2F アニェッリホール
詳細はイタリア文化会館http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
カンバセーションhttp://www.conversation.co.jp/
《書籍「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」》情報
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」
篠山紀信:撮影/小学館
2007年7月19日発売/価格9,450円
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=9784096801277&jcode=07060
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉イタリア文化会館
2007年7月24~30日
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
〈愛媛〉シネマルナティック湊町
2007年8月4日~10日
http://www.geocities.jp/s_fukio/fukio/
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《書籍「ヴィスコンティを求めて」》情報
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
2007 07 25 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Jul 09, 2007
写真展+映画祭、ヴィスコンティ回顧展が東京で開催!
昨年の10月7日に東京で始まり、その後全国で順次開催されてきたクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」が、いよいよこの7月東京に戻って来ます。しかも今回は上映作品を5作品追加(『若者のすべて』『熊座の淡き星影』『地獄に堕ちた勇者ども』『ベニスに死す』)し、篠山紀信がかつて写真集「ヴィスコンティの遺香」のために撮り下した写真を見ることが出来る展覧会が同時開催されます。
「ヴィスコンティの遺香」は、1982年に篠山がヴィスコンティ縁の地を撮影した写真集で、ファン必携の1冊。美しい上に資料的価値も高い、とても貴重な本にもかかわらず、長らく絶版状態のままになっていました。それが今回、生誕100年記念ということで、「ヴィスコンティを求めて」の著者・柳澤一博も参加した増補改訂による「愛蔵版」として復刊決定。同時に映画祭と併せた今回の大きなイベントが実現しました。
生誕100年に関連した大きなイベントは、東京ではこれが最後、一区切りになると思います。今回の上映作品は全てDVDで観ることが出来ますが、上映時間の長さ=集中力も考えればやっぱりスクリーンでじっくりと味わうのがベスト。この夏はぜひ、篠山紀信による「ヴィスコンティの遺香」と併せて、ヴィスコンティの世界を堪能して頂きたいと思います。
《―生誕100年記念―ヴィスコンティの遺香 篠山紀信・写真展&ルキーノ・ヴィスコンティ映画祭》情報
写真展:
2007年7月20日~8月19日 イタリア文化会館
映画祭:
2007年7月24日~8月2日 イタリア文化会館/B2F アニェッリホール
詳細はイタリア文化会館 http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo カンバセーション http://www.conversation.co.jp/
《書籍「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」》情報
「ヴィスコンティの遺香:愛蔵版」 篠山紀信:撮影/小学館 2007年7月18日発売予定/価格9,450円
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』 『ルートヴィヒ 完全復元版』 『イノセント 完全復元&無修正版』
〈東京〉イタリア文化会館 2007年7月24~30日 http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
〈愛媛〉シネマルナティック湊町 2007年8月4日~10日 http://www.geocities.jp/s_fukio/fukio/
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
《書籍「ヴィスコンティを求めて」》情報
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビュー(全5回)はこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx?ichiran=True&i=20070529e2000e2&page=1
2007 07 09 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Jun 05, 2007
「ヴィスコンティを求めて」著者インタビューが掲載されます!
昨年から続くクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」。その開催に併せて弊社が発売した書籍「ヴィスコンティを求めて」、皆様もうお読み頂けましたでしょうか?

ヴィスコンティ研究の第一人者である映画評論家・柳澤一博さんが、2004年に日本で初めて実現したヴィスコンティの全作品上映を経て完成させた渾身の研究書です。各作品の詳細な分析を中心に、今までバラバラだった作品データの完全版も収録。読み物としては勿論のこと、資料としても今までの書籍にはない価値の高い一冊になっています。
ヴィスコンティ・ファンの方からこれからヴィスコンティを観て行こうとしている方まで、幅広く読んで頂ける内容に仕上がっていると思いますので、ぜひ一度お読み頂ければと思います。
そんな「ヴィスコンティを求めて」の著者・柳澤さんが、先日、日経NETのWeb Magazine「日経WagaMaga」のインタビューを受け、本日から5日間(6月4日~8日)に渡って掲載されます。バックナンバーとしても閲覧可能なようですので、続けて読めないという忙しい方でも安心。本書を読んだという人もまだ読んでいないという人も、ぜひ読んでみて下さい。本書にはないお話が聞けるかもしれませんよ!
日経NET Web Magazine「日経WagaMaga」
柳澤一博インタビューはこちらからどうぞ!
http://waga.nikkei.co.jp/enjoy/movie.aspx
《ヴィスコンティ生誕100年祭》情報
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈札幌〉シアターキノ ~2007年6月8日
http://theaterkino.net/sakuhin.html
〈青森〉シネマヴィレッジ8・イオン柏
2007年6月9日~29日
www.cinemavillage8.com/index.html
〈東京〉イタリア文化会館
2007年7月24~30日
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
〈愛媛〉シネマルナティック湊町
2007年8月4日~10日
http://www.geocities.jp/s_fukio/fukio/
尚、東京のイタリア文化会館では映画祭と併せて、
篠山紀信による「ヴィスコンティの遺香」写真展が開催されます。
その詳細につきましては近日中にお知らせ致します。
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
2007 06 05 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
May 31, 2007
まだまだ続く、“ヴィスコンティ生誕100年祭”(5)。
昨年から続くクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」。
その現時点での最新上映情報をお知らせ致します。また何か新しい情報が入りましたらお知らせ致します。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈札幌〉シアターキノ ~2007年6月8日
http://theaterkino.net/sakuhin.html
〈青森〉シネマヴィレッジ8・イオン柏
2007年6月9日~29日
www.cinemavillage8.com/index.html
〈東京〉イタリア文化会館
2007年7月24~30日
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
〈愛媛〉シネマルナティック湊町
2007年8月4日~10日
http://www.geocities.jp/s_fukio/fukio/
尚、東京のイタリア文化会館では映画祭と併せて、
篠山紀信による「ヴィスコンティの遺香」写真展が開催されます。
その詳細につきましては近日中にお知らせ致します。
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
2007 05 31 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
May 07, 2007
まだまだ続く、“ヴィスコンティ生誕100年祭”(4)
昨年から続くクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」。その現時点での最新上映情報をお知らせ致します。
また何か新しい情報が入りましたらお知らせ致します。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
<上映作品>
『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈札幌〉シアターキノ 2007年5月19日~6月8日
http://theaterkino.net/sakuhin.html
〈青森〉シネマヴィレッジ8・イオン柏
2007年6月9日~29日
http://http://www.cinemavillage8.com/index.html
〈東京〉イタリア文化会館
〈愛媛〉シネマルナティック港町
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
2007 05 07 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Apr 20, 2007
まだまだ続く、“ヴィスコンティ生誕100年祭”(3)
昨年から続くクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」。
その現時点での最新上映情報をお知らせ致します。
また何か新しい情報が入りましたらお知らせ致します。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品
『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈三重〉伊勢 進富座 2007年4月14日~26日
www.h5.dion.ne.jp/~shintomi/
〈札幌〉シアターキノ 2007年5月16 日~6月8日
http://theaterkino.net/sakuhin.html
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
2007 04 20 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Apr 05, 2007
まだまだ続く、“ヴィスコンティ生誕100年祭”(2)
昨年から続くクレストインターナショナル配給の「ヴィスコンティ生誕100年祭」。その現時点での最新上映情報をお知らせ致します。また何か新しい情報が入りましたらお知らせ致します。
●「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
▼上映作品
『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈広島〉サロンシネマ ~4月13日
www.salonecinema-cinetwin.jp
〈三重〉伊勢 進富座 2007年4月14日~26日
www.h5.dion.ne.jp/~shintomi/
〈札幌〉シアターキノ 2007年5月
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
2007 04 05 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Mar 22, 2007
まだまだ続く、“ヴィスコンティ生誕100年祭”
今年、初めての更新です。すっかりご無沙汰になってしまいました。実は、遅れて進行中だった、僕も少しお手伝いしているもう1つの「ヴィスコンティ・イベント」の詳細がそろそろ決まりそうで、それを待って更新しようと思っていたのです。
ところが、いろいろ調整事項があり、詳細の決定にはもう少し時間が掛かりそうで……。
そこで今回は、ひとまず、昨年から続いているクレストインターナショナル配給「ヴィスコンティ生誕100年祭」の現時点での上映情報を整理しておきます。

「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
上映作品 『山猫 イタリア語・完全復元版』
『ルートヴィヒ 完全復元版』
『イノセント 完全復元&無修正版』
〈兵庫〉シネカノン神戸 ~3月23日
www.cqn.co.jp/THEATER/cqnkobe
〈広島〉サロンシネマ 3月31日~4月13日
www.saloncinema-cinetwin.jp
〈三重〉進富座 2007年4月
〈札幌〉シアターキノ 2007年5月
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
ちなみに、昨年は「生誕100年没後30年」ということで、研究本も何冊か出版されました。これに関しても、まだ出版が遅れている物がありますが、かなり豪華な内容になるようなので、今から楽しみ。詳細が判ったらここでお知らせ致します。
「生誕100年没後30年」をきっかけに出版されたのは、現在のところ以下の3冊です。
「ヴィスコンティを求めて」
柳澤 一博・著 東京学参(株) 2,625円
www.cine-pause.com/book.htm
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパン 2,100円
www.esquire.co.jp/books/movie/index.html
「ヴィスコンティ(2) 高貴なる錯乱のイマージュ」
若菜 薫・著 鳥影社 2,310円
www.choeisha.com/eiga.html
2007 03 22 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Dec 28, 2006
祝、ヴィスコンティ生誕100年(4)
「ヴィスコンティ生誕100年、没後30年」を迎えた2006年も、もうすぐ終わり。今年はいろいろな人のおかげで、自分の仕事の原点になったヴィスコンティについて、いい仕事ができたような気がします。関係者の皆様、ありがとうございました。
ヴィスコンティは世代を超えて語られるべきだと思うし、そうなると思います。やっぱり何度観てもいいんですよね。そんな巨匠についての原稿が書けて、今年は本当にいい1年だったと思います。
このブログ、今年最後の更新はまだまだ続く「ヴィスコンティ生誕100年祭」情報です。来年はもしかしたら、別企画の特集上映企画も実現するかもしれません。その時にはいち早くお知らせ致します。
そうそう、弊社から発売の書籍「ヴィスコンティを求めて」と、エスクァイアマガジンから発売の「LUCHINO VISCONTI」も引き続きよろしくお願いします。過去の出版物では統一されていなかったデータ/他も、最新の研究、調査結果に基づき一新。「生誕100年、没後30年」を飾るに相応しい内容になっています。
最後に、今年一年ご愛読あれがとうございました。来年もよろしくお願い致します。皆様、良いお年をお迎え下さい!
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
〈仙台〉仙台フォーラム 12月23日~29日
www.freefactory.net/forum
〈青森〉八戸フォーラム 2007年1月6日~12日
www.cinegon.jp/forum
〈盛岡〉盛岡フォーラム 1月20日~26日
www.forum-movie.net/morioka
〈山形〉山形フォーラム 2月3日~9日
www.forum-movie.net
〈福島〉福島フォーラム 2月17日~23日
www.forum-cinema.com/index.html
〈兵庫〉シネカノン神戸 3月3日~23日
www.cqn.co.jp/THEATER/cqnkobe/
〈広島〉サロンシネマ 3月31日~4月13日
www.saloncinema-cinetwin.jp
〈三重〉進富座 2007年4月
〈札幌〉シアターキノ 2007年5月
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍新刊「ヴィスコンティを求めて」 東京学参(株)から発売中
書籍新刊「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパンから発売中
2006 12 28 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Dec 08, 2006
祝、ヴィスコンティ生誕100年(3)
『イノセント』のことを書いて一段落。更新もすっかりご無沙汰になってしまいました。
“ちょっと書こうかな……”と思い、準備していることはあるのだけど、まだ考えがまとまらず。すみません。でも、何だかこのままだと間が開き過ぎちゃう気がするので、「ヴィスコンティ生誕100年祭」の最新全国スケジュールを載せて更新することにしました。さて、次回はいつになることやら……取り敢えず頑張ります。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
〈大阪〉テアトル梅田 12月2日~15日
http://www.cinemabox.com/schedule/umeda/index.shtml
〈仙台〉仙台フォーラム 12月23日~29日
http://www.freefactory.net/forum/
〈青森〉八戸フォーラム 2007年1月6日~12日
http://www.cinegon.jp/forum/
〈盛岡〉盛岡フォーラム 1月20日~26日
http://www.forum-movie.net/morioka/
〈山形〉山形フォーラム 2月3日~9日
http://www.forum-movie.net/
〈福島〉福島フォーラム 2月17日~23日
http://www.forum-cinema.com/index.html
〈兵庫〉シネカノン神戸 2007年春
〈広島〉サロンシネマ 2007年春 ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍新刊「ヴィスコンティを求めて」 東京学参(株)から発売中
書籍新刊「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパンから発売中
2006 12 08 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Nov 11, 2006
祝、ヴィスコンティ生誕100年(2)
ヴィスコンティの誕生日、11月2日。新宿・テアトルタイムズスクエアの「ヴィスコンティ生誕100年祭」楽日、19時00分の最終回で、敢えて最後まで観ないで残しておいた『イノセント 完全復元&無修正版』を観て来ました。
「生誕100年祭」の最終日が“ヴィスコンティの誕生日"、しかも最終回が『イノセント』。これには何だか胸が熱くなりました。「生誕100年祭」を企画、配給したクレストインターナショナルのこの計らいには、心から感謝です。
『イノセント』初公開時はまだギリギリ、年齢的にいってヴィスコンティ作品に興味が向かっていなかったので、今思えば残念なことに観には行きませんでした。何故か、ポスターやチラシといった宣材物はよく覚えているのだけど。それで、確か『イノセント』を初めて観たのは、今はもうなくなってしまった名画座、八重洲スター座。併映は『夏の嵐』でした。そういえば『イノセント』を観た1年前、ドイツ物の『ルードウィヒ/神々の黄昏』でヴィスコンティ芸術の洗礼を浴びたのだけど、やはりというか当然というべきか、どちらかというとイタリア物の方が好きなようです。『イノセント』と『夏の嵐』は、その後もTVを含めてかなり観ることになりました。ヴィスコンティ作品を観た回数順に並べたら、この2本はかなり上位にくることでしょう。
8月の披露試写会で観た時もそうだったけど、この『完全復元&無修正版』を観てまず驚かされるのは、『イノセント』という作品の“色彩の鮮やかさ"。そういえば、かつて2本立で観た『夏の嵐』も同様に、後年再見した時、本来の芳醇な色彩に驚きつつ感動したことを思い出します。今回は特に、対照的に映える室内の“赤/炎"と屋外の“緑/光"が、初めて観て以降記憶され続けた『イノセント』とは全く別物のような気すらしました。馥郁たるイタリアの香りと目映い陽光、そして遺作らしからぬ艶かしさ……。ヴィスコンティがデビュー作、イタリア的なるものに回帰したこの遺作でフィルムに焼き付けた“生"と“性"の燃焼は、30年経った今も全く衰えることはありません。
そういえば以前、『イノセント』について「幕切れが原作への唯一の修正」と書いたことが「誤解を与えるのでは?」というご指摘を頂きましたので、そのことについて。これは「修正」という言葉を、モラルという観点での狭義で使ってしまった結果で、一般的に「修正」と言った場合のイメージを考えれば配慮が足りませんでした。ヴィスコンティが原作に手を加えた箇所、いわゆる改変した箇所は他にもあります。それは例えば、トゥリオとジュリアーナの子供の存在の削除、等々……。細かい箇所は忘れているかもしれません。今度、久しぶりに読み直してみようかと思います。いずれにせよ、そうしたヴィスコンティの原作への改変によって、『イノセント』はより濃密な男女の物語になりました。『イノセント』、やっぱり好きな作品です。
今回は初公開時の劇場用プログラムの表紙を載せておきます。
『イノセント』(当時定価:250円)
初公開:1979年3月31日公開
旧・日比谷みゆき座 日本ヘラルド映画配給
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
〈名古屋〉名演小劇場 11月11日~24日
http://www.homepage3.nifty.com/meien/
〈大阪〉テアトル梅田 12月2日~15日
〈仙台〉仙台フォーラム 12月23日~29日
〈八戸〉八戸フォーラム 2007年1月6日~12日
〈盛岡〉盛岡フォーラム 1月20日~26日
〈山形〉山形フォーラム 2月3日~9日
〈福島〉福島フォーラム 2月17日~23日、ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍新刊「ヴィスコンティを求めて」 東京学参(株)から発売中
書籍新刊「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパンから発売中
2006 11 11 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Nov 02, 2006
祝、ヴィスコンティ生誕100年。
「現代は道徳的、社会的、政治的に、危機に瀕している。
だがそれは全面的敗北や決定的敗北ではない。一時的敗北だ。
そしてその敗北からは必ず新しい力が生まれて来るし、
私の描いた人物たちもそうであると信じている。
私は厭世主義者ではない。
どの時代にも暗闇があり、良心は常にその後からやって来た。
我々は混乱の時代を生きているが、それもやがて解決されるだろう」
ルキーノ・ヴィスコンティ
かつて、ヴィスコンティはそう言った。
初めて聞いたのは、ドキュメンタリー映画、
『ヴィスコンティの肖像』(1976、ルーカ・ベルトーネ)を観た時のこと。
以来、ヴィスコンティ作品を観る時、考える時に、忘れたことがない。
厳しく人間を見つめ続けたヴィスコンティの、そんな言葉が好きだ。
1906年11月2日生誕、1976年3月17日逝去。
19世紀文化の洗礼を受け、20世紀に映画を創ったヴィスコンティ。
そしてまさに、
世界が道徳的、社会的、政治的な危機に瀕した21世紀。
今だからこそ、そしてこれからも、ヴィスコンティ作品はきっと、
私たちに何かを訴え、私たちは何かを見出していくことだろう。
生誕100年、没後30年。
ヴィスコンティ作品は古くなるどころか、輝きと強度を増している。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、〈名古屋〉名演小劇場 11月11日~24日
〈大阪〉テアトル梅田 12月2日~15日、
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●映画「第13回大阪ヨーロッパ映画祭」
「ルキノ・ヴィスコンティ&
アドリアーナ・アスティへのオマージュ」
公式サイトwww.oeff.jp
●書籍新刊「ヴィスコンティを求めて」 東京学参(株)から発売中
書籍新刊「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイア マガジン ジャパンから発売中
2006 11 02 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Oct 31, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと2日。
新宿・テアトルタイムズスクエアで開催中の「ヴィスコンティ生誕100年祭」もあと数日で終了。次は名古屋です。
ヴィスコンティファンの皆さん、頑張って通いましょうね。勿論、特にファンでなくても、折角の機会ですから、一人でも多くの方にご覧頂ければ思っています。僕は、敢えて残した『イノセント』を観に行くのが今から楽しみです。
今回はインフォメーションです。11月3日~29日に開催される「第13回大阪ヨーロッパ映画祭」の企画として、「ルキノ・ヴィスコンティ&アドリアーナ・アスティへのオマージュ」と題した特集が組まれました。大阪・ミラノ姉妹都市提携25周年を迎えると同時に、ミラノ出身の巨匠ヴィスコンティの生誕100年でもある今年。ヴィスコンティ作品にも出演したミラノ出身の大女優アドリアーナ・アスティが映画祭の名誉委員長として来日します。これを記念して企画されたのが、上映会とディスカッション、写真展で構成されたこの「ルキノ・ヴィスコンティ&アドリアーナ・アスティへのオマージュ」。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」は後期の絢爛たるヴィスコンティ芸術に焦点を当てた企画でしたが、「ルキノ・ヴィスコンティ&アドリアーナ・アスティへのオマージュ」では前期のネオレアリズモ作家としてのヴィスコンティの世界を知ることができます。映画祭上映のため上映日が限定されますが、スケジュールの都合がつく方はぜひお出掛け下さい。ちなみに『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は、修復作業を経た、現時点での完全版。2004年に東京で開催されたレトロスペクティブ「ヴィスコンティ映画祭」で上映されただけで劇場公開されていない貴重な作品です。ディスカッション付の『若者のすべて』と共に要チェック。
「ルキノ・ヴィスコンティ&アドリアーナ・アスティへのオマージュ」
特別上映:『若者のすべて』11/11 大阪国際交流センター・大ホール ※上映後、A・アスティとG・フェラーラのディスカッション&サイン会があります(予定)。
回顧上映:『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『揺れる大地』
『革命前夜』(B・ベルトルッチ作品、A・アスティ主演)
11/13~15 大阪国際交流センター・小ホール
写真展&ドキュメンタリー上映:
写真展 「ヴィスコンティの遺香」
ドキュメンタリー上映 『ルキノ・ヴィスコンティの肖像』
『20世紀の巨匠ルキノ・ヴィスコンティ』
11/3~26 梅田スカイビルタワーイースト・40F
写真展 「ヴィスコンティ芸術 創作の歴史」
11/3~16 関空展望ホール Sky View・4F
「第13回大阪ヨーロッパ映画祭」
「ルキノ・ヴィスコンティ&アドリアーナ・アスティへのオマージュ」
の詳細は公式サイトwww.oeff.jp
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、〈名古屋〉名演小劇場 11月11日~24日
〈大阪〉テアトル梅田 12月2日~15日
ほか全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト www.crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」 東京学参から発売中
2006 10 31 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Oct 27, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと6日。
10月25日水曜日、新宿・テアトルタイムズスクエア。「ヴィスコンティ生誕100年祭」の18時50分の回でようやく『山猫 イタリア語・完全復元版』を観て来ました。
最終回で終映が22時を過ぎるにもかかわらず、場内は結構盛況。客層も思ったより若い人が多く、2004年の「ヴィスコンティ映画祭」から明らかに若返りが始まっている感じでした。ちょっと嬉しかったです。
さて、『山猫』の日本初公開は1964年。米メジャー、20世紀FOX映画配給の英語・短縮国際版でした。「ヴィスコンティを求めて」の著者、柳澤一博さんによると、『山猫』は同じく米メジャーのワーナー・ブラザース映画配給の『地獄に堕ちた勇者ども』『ベニスに死す』に比べ、初公開後は観る機会が少なかったようです。これはまだ生まれる前の、文献等で知るのみ知る話。
初めて、リアルタイムで『山猫』を体験したのは1982年1月、岩波ホールで公開中の『山猫 イタリア語・完全版』。思えば、最初から完全版を観られたのは幸せでした。色が褪せている感じは当時も気になったと思いますが、3時間5分の物語には大満足。文献等で読んでいた短縮板の欠点は全てフォローされていると、子供なりに思ったものでした。この時から今まで、『山猫』は大好きな作品です。
ビデオ化、LD化が遅かったこともあり、その後の『山猫』との再会は1990年。8年の間、名画座でもあまり上映されなかったような気がします。この1990年の銀座文化劇場(現・シネスイッチ銀座)での上映は画期的でした。何と、『英語・短縮版』と『イタリア語・完全版』を一緒に観せてくれたのです。朝1回目だけ『英語・短縮版』、後の回は『イタリア語・完全版』というタイムテーブルでした。これには狂喜乱舞、思わず続けて両方観てしまいました(2本合計5時間46分! まだ若かったですね……)。この時、物語を観るなら『イタリア語・完全版』、色彩を観るなら保存状態が良かった『英語・短縮版』という、文献で読んだことが自分の目で確認できたのです。その後、『英語・短縮版』がビデオとLDで発売されましたが、『イタリア語・完全版』は何となく観る機会の少ない作品として在り続けました。
そうした状況が一変したのは2004年。ずっと噂ばかりが流れた修復作業が終了し、『山猫 イタリア語・完全復元版』として公開されてからです。そして2005年にはDVDが発売され、今年は「生誕100年祭」で劇場公開。それらを少しお手伝いさせて頂いたこともあり、観る機会の少なかった『山猫 イタリア語・完全復元版』を、この2年間でスクリーンだけでも4回も観ることができました。DVDも入れたら何回になるでしょう……。いずれせよ、時間も体力も要するヴィスコンティ作品だけに、これだけの密度で観られた作品は他にないかもしれません。もっとも、そうしたことが可能になったのも、『山猫』がやはり、絶妙のバランスで心地好い作品だからに他ならない気がします。そんなことを、敢えて字幕よりも映像に神経を集中させて観てみた今回、改めて感じました。これが例えば、『ルートヴィヒ 完全復元版』だったら同じ気持ちで向き合えたかは微妙です。
そういえば、ちょっと気になったことが1つ。「生誕100年祭」の試写会場でも今回の劇場でも、“何か長くなかった~?"という若い子たちの会話を聞きました。無駄に長い作品はあるけど、この作品には長さが必要なのに。もしかしたら最近の若い子たちには、僕は違和感を覚えた『英語・国際短縮版』のリズムの方がしっくりくるのかもしれませんね。残念……。今回は、『イタリア語・完全版』の初公開時とリバイバル時の劇場用プログラムの表紙を載せておきます。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、〈名古屋〉名演小劇場〈大阪〉テアトル梅田、他全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から発売中
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Oct 18, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと15日。
今回はインフォメーションです。
10月7日に弊社より発売になった映画評論家・柳澤一博さん、渾身の評論集「ヴィスコンティを求めて」。もうご覧頂けましたか?
「ヴィスコンティを求めて」
東京学参 2,625円(税込)
日本のヴィスコンティ研究の第一人者である柳澤さんがヴィスコンティと出会い、当時、その全貌を見るには程遠い状況にあったヴィスコンティとその作品を追い続け、30年以上の歳月を経てようやく完成させました。これはヴィスコンティファンは勿論、映画ファン、ヴィスコンティを深く知りたい方にもお薦め1冊です。貴重な図版も多数収録されていますので、書店等でご覧の上、ぜひお買い求め下さい。
そしてもう1冊、ヴィスコンティ関連書籍をご紹介します。エスクァイアマガジンジャパンから9月29日に発売になった「ルキーノ・ヴィスコンティ」。これは、現在開催中の「ヴィスコンティ生誕100年祭」の上映作品、『山猫』『ルートヴィヒ』『イノセント』を中心に、全ヴィスコンティ作品の解説、作家論等で構成された集成的な1冊です。2004年に開催された過去最大規模のレトロスペクティブ「ヴィスコンティ映画祭」での、ようやく実現した中・短篇を含む前作品の日本上映を経て編集されただけに、まずは資料的価値に注目。そうした意味ではヴィスコンティファンなら見逃せない1冊ですが、全作品の物語と解説が収録されているという点ではこれからヴィスコンティを発見していこういう映画ファンにぜひお薦めしたい1冊です。
ヴィスコンティに関する書籍は1980年代のブームの時に随分たくさん出版されましたが、今回の「生誕100年、没後30年」のタイミングで出版されたのは「ヴィスコンティを求めて」と「ルキーノ・ヴィスコンティ」の2冊のみ。ようやく全ての作品を観ることができた上で出版されたということで、この2冊は大きな意味があるし、興味深い内容になっています。映画祭の会場でも販売されていますので、映画を観たらぜひ、この2冊も読んでみて下さいね。
「ルキーノ・ヴィスコンティ」
エスクァイアマガジンジャパン 2,100円(税込)
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から発売中
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Oct 13, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと20日。
遅くなりましたがご報告です。10月7日土曜日、新宿・テアトルタイムズスクエア、「ヴィスコンティ生誕100年祭」初日。初回、10時40分の『ルートヴィヒ 完全復元版』を観て来ました。
普段はマスコミ試写で観ることが多いのですが、これはちゃんと劇場窓口で(勿論3作品分の)前売券を購入。試写で観逃してしまった要チェック作品の他、好きな作家の作品は試写で観ても必ず最低1回は劇場に行くのが自分の中でのお約束。それにしてもこの『ルートヴィヒ 完全復元版』、“ようやくスクリーンで再見出来た"という感じでした。2004年に開催された大規模なレトロスペクティブ「ヴィスコンティ映画祭」では「チケット完売」で観ることが出来ず、原稿を書いたにもかかわらず今回の「生誕100年祭」のためのマスコミ試写は所用で観ることが出来ず。先輩映画評論家の某氏にこの話したら「『ルートヴィヒ』はヴィスコンティの“呪われた映画”だからね」とニヤニヤ……。
何はともあれ、様子を見に来ていた配給会社の皆さんにご挨拶を済ませた後、テアトルタイムズスクエアの大スクリーンで久しぶりの『ルートヴィヒ 完全復元版』を堪能しました。考えてみたら、こんな大きなスクリーンで“LUDWIG"を観たのは初めてかもしれません。『ルートヴィヒ/神々の黄昏』として公開された初公開時は岩波ホール、『ルートヴィヒ 完全復元版』として後年公開された時は銀座文化劇場(現・シネスイッチ銀座)。やっぱり今回のスクリーンは大きいですよね。“LUDWIG"はいろいろ見所のある作品だけど、後にヴィスコンティが身体を壊す原因になったと思われる、酷寒のドイツ、オーストリアでロケを慣行した映像もその1つ。そんな映像をとても大きなスクリーンで観られことが、まず、今回の感動でした。
勿論、この作品の美しさは映像だけではありません。人間の本質を抉り出す“冷徹な視線”がある一方、精神的高揚を呼ぶ“ロマンティシズム”を持つのがヴィスコンティ作品。時に描く対象を残酷にまでに冷たく突き放して見せるヴィスコンティですが、ここでは悲運の王、ルートヴィヒⅡ世の崩壊を冷徹に見つめつつ共感も寄せています。“冷徹な視線”と“ロマンティシズム”のこのバランス感覚が、作品全体を“永遠に続くかのような沈鬱”と“静寂が聞こえるような美しさ”で包み込みました。耽美的、官能的とは違う、厳しさに貫かれた美しさ。そのイメージは、初めてのヴィスコンティ体験になった『ルートヴィヒ/神々の黄昏』から何本も、何回もヴィスコンティ作品を観て来た今も変わることなく、今回もすっかり魅了されました。
充実の4時間は、正に暫く他の映画を観る気が失せるような満腹状態。これは、製作時に桁外れの精神的、金銭的苦労を架された上に完成後は短縮を余儀なくされ、最終的に自ら復元作業を行えなかった、ヴィスコンティにとっての“呪われた映画”です。それでもこれだけの作品が今も観られることに感謝するべきなんでしょうね。
ちなみに今回は、『ルートヴィヒ/神々の黄昏』と『ルートヴィヒ 完全復元版』の初公開時劇場用プログラムの表紙を載せておきます。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
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Oct 07, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと26日。
いよいよ本日、まずは東京から「ヴィスコンティ生誕100年祭」が始まります。
昨朝のJ-WAVE「BOOM TOWN/TEPCO KEY OF LIFE」がヴィスコンティをテーマに取り上げてくださり、僕も短いですけどコメントを出させて頂きました。聴いていた方、いらっしゃいますか? そんなこともあり、だんだん気分が盛り上がってきました。前売券もちゃんと3作品分買ってあるし。生誕100年、没後30年。ヴィスコンティは間違いなく、これからも語り伝えられていく作家です。この機会にぜひ、大きなスクリーンでヴィスコンティ作品を堪能しましょう。明日は仕事抜きで、まず『ルートヴィヒ 完全復元版』を観にいきます。僕のヴィスコンティ初体験は『ルードウィヒ/神々の黄昏』でした。その意味で、“LUDWIG"にはやはり思い入れがあります。『ルートヴィヒ完全復元版』は久しぶりのスクリーン。何だかワクワクしてきました。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、〈名古屋〉名演小劇場〈大阪〉テアトル梅田、他全国順次開催
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Oct 06, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと27日。
作品紹介その3。
『イノセント』 “L'INNOCENTE"
19世紀末のローマ社交界。裕福な貴族、トゥリオ・エルミル(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、美しく貞淑な妻、ジュリアーナ(ラウラ・アントネッリ)がいながら、幻惑的なテレーザ・ラッフォ伯爵夫人(ジェニファー・オニール)を愛人にしていた。思うがままの、自由気ままな毎日。だが、ふとしたことでジュリアーナの不倫に気づいたトゥリオは嫉妬の炎を燃え上がらせ、再び妻への情熱を甦らせるのだが……。
耽美的でデカダンなイタリアの作家、ガブリエーレ・ダヌンツィオ(1863~1938)の「罪なき者」を原作に、ヴィスコンティは熟知した貴族社会の頽廃でスクリーンを埋め尽くした。トゥリオの放蕩と情欲の涯ての“嬰児殺し"という動かし難い悲劇と、彼が支払うことになるこれ以上はないであろう代償。その幕切れは原作に加えられた唯一の修正だが、そこにこそ、常に敗北者を見つめ、人間の良識と未来を信じ続けたヴィスコンティらしさがある。馥郁たるイタリアの香りと眩い陽光。そして遺作らしからぬ艶やかな官能美に溢れたこの作品は、同時に激しく燃焼する“生"をもフィルムに焼き付けた傑作だ。イタリア的なるもの、デビュー作のテーマへの回帰を果たしたこの作品のダビング中、ヴィスコンティは死去。その輝かしい映画人生に、不意に幕を降ろした。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
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10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
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東京学参から10月7日発売
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Oct 04, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと29日。
作品紹介その2
『ルートヴィヒ』 “LUDWIG"
1864年、バイエルン。ルートヴィヒ 世(ヘルムート・バーガー)は僅か18歳で国王に即位。だが、心酔するワーグナー(トレヴァー・ハワード)にも、恋慕うオーストリア皇后のエリザベート(ロミー・シュナイダー)にも想いが通じなかった彼は失意の底に沈み、やがて政治や戦争、国民にも背を向け、芸術と孤独に逃避していく……。
『地獄に堕ちた勇者ども』『ベニスに死す』に続くヴィスコンティのドイツ三部作最終章。“欧州一美しい"と謳われたバイエルン国王、ルートヴィヒ 世(1845~1886)。理想と現実に引き裂かれ、失意と孤独を生きながら40歳で謎の死を遂げたその半生を、ヴィスコンティが重厚な映像で描いた入魂の傑作。『ルートヴィヒ』に相応しい縁の土地、城を求め、酷寒のドイツ、オーストリアでロケを慣行。編集中、ヴィスコンティはその過労が祟って血栓症で倒れるが、作品への執念によって回復し、この超大作を完成させた。それは約240分あったが、ヴィスコンティは契約上やむを得ず184分に編集し、完成版(邦題『ルードウィヒ/神々の黄昏』)とする。しかし不運は重なり、一部の国ではヴィスコンティに無断で更に約40分もカットされた。1980年、撮影時のスタッフが苦労の末、散逸寸前のフィルムを確保、遺された脚本に基づきヴィスコンティの意図に限りなく近い237分の作品に復元。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、〈名古屋〉名演小劇場〈大阪〉テアトル梅田、他全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト crest-inter.co.jp/visconti/index.html
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東京学参から10月7日発売
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Oct 03, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと30日。
作品紹介その1。今日から3回連続で、「ヴィスコンティ生誕100年祭」の上映作品をご紹介します。
1860年、統一戦争に揺れるイタリア。シチリア名門貴族の当主、サリーナ公爵(バート・ランカスター)は、時代が動き、自分たちの世界の終焉が近いことを感じていた。一方、公爵が実子より目に掛けている甥のタンクレディ(アラン・ドロン)は、来るべき時代を見据えガリバルディ率いる革命軍に参加。その後、新興ブルジョワの娘、アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレ)と恋におちた。公爵は全てを承知の上で、身分違いだが、若く美しい二人の後押しをする。そして、アンジェリカの社交界デビューとなる、大舞踏会の幕が開けた……。 シチリア貴族、ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ(1896~1957)の同名小説(河出書房文庫・刊)の映画化で、第16回カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた一大叙事詩。貴族階級の没落を毅然と眺めるサリーナ、そして未来に踏み出していく若い恋人たちを通し、世代交代と滅びゆく貴族社会の光芒を絢爛たる映像で綴った、生涯の代表作ともいえるヴィスコンティ中期の傑作だ。映画史上の伝説となった、貴族社会の終焉と新時代の幕開けを同時に告げる、全篇の約三分の一を占める大舞踏会は圧巻。かつてミラノを統治した名門貴族の末裔、ヴィスコンティならではの、重厚、壮麗な映像絵巻は、本物だけが持ち得る極上の陶酔感に包まれている。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、〈名古屋〉名演小劇場〈大阪〉テアトル梅田、他全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から10月7日発売
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Sep 30, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと33日。
今回はインフォメーションです。
開催が待ち遠しい「ヴィスコンティ生誕100年祭」ですが、10月7日から11月2日までの東京地区(新宿・テアトルタイムズスクエア)に続き、ローカルでの開催が決定しましたのでお知らせ致します。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」上映スケジュール
2006年10月7日~11月2日 新宿・テアトルタイムズスクエア
11月11日~11月24日 名古屋・名演小劇場
12月2日~12月5日 大阪・テアトル梅田
12月23日~2007年1月26日 仙台・仙台フォーラム
盛岡・盛岡フォーラム
福島・福島フォーラム
山形・山形フォーラム
八戸・八戸フォーラム
(1週間づつ巡回。詳細未定)
「ヴィスコンティを求めて」
東京学参 2,625円(税込)
更に以前から告知していました書籍「ヴィスコンティを求めて」が完成しました。ヴィスコンティ研究の第一人者、映画評論家の柳澤一博さんによる渾身の評論集です。詳細は後日、本サイト内のBOOKコーナーにアップ致しますのでそちらをご覧下さい。発売は10月7日予定です。素敵な本が出来上がりましたので、皆様よろしくお願い致します。
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml
以降、全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から10月7日発売(公式サイト近日オープン)
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Sep 23, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと41日。
今回は、とても素晴らしいタイミングで開催されることになった「ヴィスコンティ生誕100年祭」について思うことを少しだけ。
『山猫』撮影中のヴィスコンティ
1906年11月2日、イタリア、ミラノ生まれ。今年、生誕100年を迎えた巨匠ルキーノ・ヴィスコンティは、1943年のデビュー作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』から1976年の遺作『イノセント』まで、常に人間の本質を見つめ続けた。
ヴィスコンティが遺した作品は、33年間で長篇14本とオムニバスの挿話を含む中・短篇、共同監督作品5本。それらは現在、20世紀の芸術遺産として、ローマの国立映画学校兼映画保存機関、チネテーカ・ナツリオナーレにより17年前から順次修復されている。東京でも2004年にその貴重なプリントを空輸して、初めての、奇跡のようなレトロスペクティブが開催されたのは記憶に新しい。死後28年、ようやく全て、まとめて見渡すことの出来たヴィスコンティ作品だったが、それらは時代を経て古くなるどころか、作品によっては輝きと強度を増していた。
そうしたヴィスコンティ作品の魅力は何だろうか。それはつきつめれば、名門貴族の末裔ならではの美学的洗練と普遍的教養に基づく、人間を深く見つめる鋭い洞察力なのだと思う。人間の弱さ、本質が抉り出され、ヴィスコンティ作品は大方が悲劇で終わる。家族は崩壊し、闘う者は破れ去る。だが、ヴィスコンティがそうした悲劇の先に見ようとしたのは、人間への信頼と未来であり、それこそが時代を経ても普遍性を持ち得ているヴィスコンティ作品の本質と魅力だと思う。
「ヴィスコンティ生誕100年祭」で上映される後期2作品と中期唯一の長篇は、そんな魅力をストレートに感じさせてくれる傑作揃いだ。例えば、孤独に逃避し破滅を迎える『ルートヴィヒ 復元完全版』のルートヴィヒⅡ世や、放蕩三昧の涯てに自滅する『イノセント』のトゥリオに、現代の病める人間が透けて見えはしないか。その結末は極めて残酷なものだが、人間の良識に照らし合わせれば他に選択の余地はない。それに比べると、『山猫 イタリア語/完全復元版』の何と心地良いことか。ここにももちろん、残酷さ、そして滅びゆく者の哀切はある。だが、絢爛豪華な映像の中の、歴史の表舞台を退く貴族と代わりに昇る人民の姿、サリーナ公爵からタンクレディへの世代交代の儀式には、ヴィスコンティがその作品で見ようとした人間への信頼と未来が最も健全な形で現れていると思う。
1976年3月17日、ローマで死去。今年、没後30年。19世紀文化の影響を受けて20世紀に映画を創ったヴィスコンティとその作品は、21世紀を迎えた今、どのように受け取られ、語られてゆくのだろうか。
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
以降、全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://crest-inter.co.jp/visconti/index.html
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東京学参から10月7日発売(公式サイト近日オープン)
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Sep 16, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと48日。
前回はフィルモグラフィをご紹介しましたので、今回はその中から、実際に「ヴィスコンティ生誕100年祭」で観られる3作品についてのスケジュール情報です。
上映スケジュール
〈東京地区〉 10月7日~11月2日 テアトルタイムズスクエア
特別鑑賞券1,300円発売中(当日1,500円均一)
10/7~10/13 『ルートヴィヒ』10:40 『山猫』15:25 『イノセント』19:00
10/14~10/20 『山猫』10:50 『イノセント』14:30 『ルートヴィヒ』18:30
10/21~10/27 『イノセント』10:40 『ルートヴィヒ』13:35 『山猫』18:50(10/26休映)
10/28~11/2 『ルートヴィヒ』10:40 『山猫』15:25 『イノセント』19:00
※『ルートヴィヒ』の上映には15分のインターミッションが入ります。
前売券のデザインがなかなか素敵なのでここでもご紹介します。
そういえば突然ですが、僕は卒論で「ヴィスコンティ論」を書きました。
で、その時の卒業制作・研究梗概集に書いた
「好きなヴィスコンティ作品BEST3」というのが、
今回の「ヴィスコンティ生誕100年祭」の上映作品とピッタリ同じ。
しかもこの並び順通り。何か感慨深いものがあります。

ヴィスコンティ作品、特に後期の作品は映像がゴージャスで、
こうやってワンシーンを切り取っても、何とも言えない美しさ。
前売券買ってまた観に行っちゃおうかな、なんて思ってます。
ちなみに、劇場窓口で3枚買うと『山猫』のポストカードが貰えるらしいです。
枚数限定らしいので、“欲しい!"という方は場にお急ぎ下さい。
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10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
以降、全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://crest-inter.co.jp/visconti/index.html
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東京学参から10月7日発売(公式サイト近日オープン)
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Sep 14, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと50日。
前回、プロフィールについてご紹介しましたので、今回はフィルモグラフィです。
34年間に長篇14本、記録映画を含めた中・短篇5本。描かれる内容同様、自分に厳しい映画創りを課した人だったので、やはり“寡作な作家"と言うべきでしょうね。でも、どの作品も中身は濃厚。尺も決して短くはないので、観れば観る程に味わいが増していきます。
『山猫』
『ルートヴィヒ』
『イノセント』
僕はこの全作品を2004年秋にようやく観ることがてきました。『ルードウィヒ/神々の黄昏』で初めてヴィスコンティと出会い、魅せられてから23年。既に亡くなった、しかも巨匠として映画史に名を残す監督の作品を追いかけるのに、随分と時間が掛かったものです。でもその分、2004年の秋は本当に幸せな秋でした。
この中には、恐らく今後観ることが難しい作品もあります。それでも1本でも多く、1人でも多くの人に、ヴィスコンティとその芸術の魅力を感じて貰えたら嬉しい――ヴィスコンティが生誕100年を迎えた秋、そんなことを思いました。
フィルモグラフィ
《長篇》
●『郵便配達は二度ベルを鳴らす』 “OSSESSIONE"
1943年/イタリア/141分/モノクロ/スタンダード/モノラル
出演:クララ・カラマイ、マッシモ・ジロッティ、他
●『揺れる大地』 “LA TERRA TREMA"
1948年/イタリア/161分/モノクロ/スタンダード/モノラル
出演:アーチ・トレッツァの漁師と住民
●『ベリッシマ』 “BELLISSIMA"
1951年/イタリア/115分/モノクロ/スタンダード/モノラル
出演:アンナ・マニャーニ、ヴァルテル・キアーリ、他
●『夏の嵐』 “SENSO"
1954年/イタリア/121分/テクニカラー/スタンダード/モノラル
出演:アリダ・ヴァッリ、ファーリー・グレンジャー、他
●『白夜』 “LE NOTTI BIANCHE"
1957年/イタリア=フランス/102分/モノクロ/スタンダード/モノラル
出演:マリア・シェル、マルチェロ・マストロヤンニ、他
●『若者のすべて』 “ROCCO E I SUOI FRATELLI"
1960年/イタリア=フランス/177分/モノクロ/ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル
出演:アラン・ドロン、トナーレ・サルヴァトーリ、他
●『山猫』 “IL GATTOPARDO"
1963年/イタリア=フランス/187分/テクニカラー/スコープ/モノラル
出演:バート・ランカスター、アラン・ドロン、他
●『熊座の淡き星影』 “VAGHE STELLE DELL 'ORSA..."
1965年/イタリア/100分/モノクロ/ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル
出演:クラウディア・カルディナーレ、ジャン・ソレル、他
●『異邦人』 “LO STRANIERO"
1967年/イタリア=フランス=アルジェリア/108分/テクニカラー/
ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・カリーナ、他
●『地獄に堕ちた勇者ども』 “LA CADUTA DEGLI DEI"
1969年/イタリア=スイス=西ドイツ/156分/イーストマンカラー/
ヴィスタ/モノラル
出演:ダーク・ボガード、イングリット・チューリン、他
●『ベニスに死す』 “MORTE A VENEZIA"
1971年/イタリア=フランス/133分/テクニカラー/スコープ/モノラル
出演:ダーク・ボガード、シルヴァーナ・マンガノ、他
●『ルートヴィヒ』 “LUDWIG"
1973年/イタリア=西ドイツ=フランス/237分/テクニカラー/スコープ/モノラル
出演:ヘルムート・バーガー、ロミー・シュナイダー、他
●『家族の肖像』 “GRUPPO DI FAMIGLIA IN UN INTERNO"
1974年/イタリア=フランス/121分/テクニカラー/スコープ/モノラル
出演:バート・ランカスター、シルヴァーナ・マンガノ、他
●『イノセント』 “L'INNOCENTE"
1976年/イタリア=フランス/129分/テクニカラー/スコープ/モノラル
出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、ラウラ・アントネッリ、他
《共同監督》
●『栄光の日々』 “GIORNI DI GLORIA"
1945年/イタリア/70分/モノクロ/スタンダード/モノラル
共同監督マルチェッロ・パリエーロ ※キュメンタリー
《短篇》
●『ある三面記事についてのメモ』“APPUNTI SU UN FATTO DI CRONACA"
1951年/イタリア/5分/モノクロ/スタンダード/モノラル
※ニュース・ドキュメンタリー
《オムニバス》
●『アンナ・マニャーニ』〈『われら女性』から〉
“ANNA MAGNANI"〈episodio di “SIAMO DONNE"〉
1953年/イタリア/22分/モノクロ/スタンダード/モノラル
出演:アンナ・マニャーニ、他
●『前金』〈『ボッカチオ'70』から〉“IL LAVORO"
〈episodio di “BOCCACCIO '70"〉
1962年/イタリア=フランス/54分/テクニカラー/
ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル
出演:ロミー・シュナイダー、トーマス・ミリアン、他
●『疲れ切った魔女』〈『華やかな魔女たち』から〉
“LA STREGA BRUCIATA VIVA"〈episodio di “LE STREGHE"〉
1967年/イタリア=フランス/40分/テクニカラー/
ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル
主演:シルヴァーナ・マンガノ、アニー・ジラルド、他
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
以降、全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から10月7日発売(公式サイト近日オープン)
2006 09 14 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 13, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと51日。
毎日更新するつもりで始めたこのブログ。意気込んだのはいいけれど、いざフタを開けてみたらこの始末。全くお恥ずかしい限りです。 原因はプロデュースした書籍、ヴィスコンティ研究の第一人者、柳澤一博さんの渾身の評論集「ヴィスコンティを求めて」の作業に自分がもたついたせい。でも、「ヴィスコンティ生誕100年祭」に間に合わせようと追い込みを頑張り、今日、全ての作業を終えました。関係者の皆様、お疲れさまでした。後は納品を待つばかり。何だかワクワクしてきました。
後日、このサイトでもご紹介します。ファンの皆様、お楽しみに!
さて、今日のヴィスコンティについてのお話は、彼のプロフィール。勿論、知ってる人にとっては“何を今更"でしょうけど、知らない人のために丁寧にいきます。若い人たちにとっては、もう30年も前に亡くなっている監督。名前は知ってても作品を観たことのない人、名前すら知らない人がやっぱりいるんですよね。
ルキーノ・ヴィスコンティ LUCHINO VISCONTI
1906,11.2(イタリア、ミラノ)~1976.3.17(イタリア、ローマ)
イタリア、ミラノを統治した名門貴族の末裔。幼少から名門貴族としての伝統的教育を厳しく受ける一方、19世紀末に華開いた新時代の革新的思想に触れて育つ。一族がミラノ・スカラ座創立以来のパトロンで自然と舞台芸術を愛好。それは生涯、創造力に影響を及ぼす。
舞台演出・美術をしていた1930年代初頭、パリ社交界で知り合ったココ・シャネルにジャン・ルノワールを紹介され、その『ピクニック』(1936)の助監督として映画界入り。1942年、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で監督デビュー。イタリアの混乱を生々しく抉り高く評価されるも、第二次世界大戦下の政府に睨まれ、公開僅か数日で上映禁止となる。1944年、レジスタンス活動で逮捕され、銃殺刑を宣告されるが、執行寸前に脱走。終戦後、マルチェッロ・パリエーリと共同で終戦処理のドキュメンタリー『栄光の日々』(1945)を発表。その後、舞台演出を経て、シチリア漁民の苛酷な日常を描いた『揺れる大地』(1948)で映画創作も再開。地元民のみをキャスティングしたオール・ロケのこの作品は、後に“ネオレアリズモの最高峰"と位置づけられた。
以降、映画と舞台を並行させ、貴族教育の洗練による独自の美意識と感性、そして豊かな知性、教養による卓越した世界観と歴史感に貫かれた作品を発表し続ける。1969年の『地獄に堕ちた勇者ども』以降は映画創作に集中。執念の大作『ルートヴィヒ』(1973)を完成させた後、苛酷を極めた撮影が祟り脳血栓で倒れ、奇跡的に回復するも左半身不随の後遺症が残る。だがリハビリを経てまず舞台演出、その後に『家族の肖像』(1974)で映画創作にも復帰した。1976年、続く『イノセント』の最終作業の最中、ローマの自宅で死去。人間の本質を厳しく追求することでその未来を見つめようとした偉大な芸術家の死をイタリアは国家として痛み、その葬儀を国葬としてミラノで行った。
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~11月2日 〈東京〉テアトルタイムズスクエア
以降、全国順次開催
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から10月7日発売(公式サイト近日オープン)
2006 09 13 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック
Sep 07, 2006
ヴィスコンティ生誕100年まで、あと57日。
1906年11月2日誕生、1976年3月17日没。
映画史に唯一無二の足跡を残す、イタリア映画界が生んだ巨匠ルキーノ・ヴィスコンテイ。彼は今年、生誕100年没後30年を迎えます。
それを記念して、今秋から来春に掛けて全国で順次、ヴィスコンティ作品の特集上映、関連書籍の発売等が続きます。DVD等の普及で昔の作品をスクリーンで観る機会が減っていますが、やはり優れた作品ほどスクリーンで観たいもの。生誕100年没後30年をきっかけにしたヴィスコンティとその作品のクローズアップは、ファンにはもちろんのこと、これからヴィスコンティを発見していくことになる人たちにも、その素晴らしい作品の数々をスクリーンで堪能する絶好の機会となるはずです。
ヴィスコンティの作品には、映画がCGに溺れていなかった時代の豊かな時の流れと輝きがあります。そしてヴィスコンティは、常に人間を愛し、それ故にその本質を厳しく見つめていきました。このコーナーでは、そんなヴィスコンティ作品の魅力を少しでも多くの人に伝えるべく、様々な作品情報、関連情報をお届けしていこうと思っています。よろしくお願いします。
●映画「ヴィスコンティ生誕100年祭」
10月7日~
テアトルタイムズスクエアにてロードショー(地方は順次)
配給:クレストインターナショナル
公式サイト http://crest-inter.co.jp/visconti/index.html
●書籍「ヴィスコンティを求めて」
東京学参から10月7日発売(公式サイト近日オープン)
2006 09 07 [ヴィスコンティ映画祭] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック





